かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

オハナ上永谷保育園(2回目受審)

対象事業所名 オハナ上永谷保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 葵友会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 233 - 0012
港南区上永谷1-38-18
tel:045-849-1261
設立年月日 2006(平成18)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
オハナ上永谷保育園は、横浜市営地下鉄ブルーライン上永谷駅から12分ほど歩いた閑静な住宅街の中にあります。園の隣には有料老人ホーム、近くには横浜市立の中学校、高校があります。
オハナ上永谷保育園は、平成18年(2006年)4月に社会福祉法人葵友会によって開設されました。運営法人は他に横浜市内に2園保育園を運営するほか、特別養護老人ホームとデイサービスを運営しています。
鉄筋コンクリート造り2階建ての園舎の1階部分はエントランスと駐車スペースとなっていて、事務室と保育室は2階にあります。園庭は、乳児園庭と幼児園庭に分かれています。乳児園庭には、砂場やままごとの家、幼児園庭にはアスレチックや登り棒などの遊具が設置されています。一角では、子どもたちが花や野菜を育てています。
定員は90人(産休明け〜5歳児)、開園時間は、平日(月曜日〜金曜日)は7時〜20時、土曜日は7時〜18時です。
保育理念は「オハナは家族。子どもも大人もしあわせに」、保育方針は「わらって、あそんで、おおきくなるよ、心あわせて」、保育目標は「いろいろなことに挑戦できる子」「自分も友達も大切に思える子」「食べることに興味関心のある子」です。

◆高く評価できる点
1、子どもたちは遊びを通して様々なことを学び、自分を素直に表現し、園生活を楽しんでいます
園は、子どもが落ち着いて園生活を楽しめるよう環境を整えています。乳児は、一人一人の生活リズムを大切に、小グループでの保育士とのゆったりとした関わりの中、安心して過ごしています。保育士は子どもに笑顔で接し、たくさん話しかけていて、子どもたちは保育士に甘え、言葉や表情で自分の思いを素直に表現しています。幼児は、子どもの関心や興味、やりたいと言う気持ちを大切に、保育を展開しています。保育室には、手指を使って遊ぶおもちゃや想像力を育むおもちゃ、考えて遊ぶおもちゃ、廃材や素材などが豊富に用意されていて、子どもが好きな遊びを選んで遊び込めるようになっています。自由遊びの時間には、子どもたちは、一人でゆったりと本を読んだり、廃材で工作をしたり、友だちと積木やブロックをしたり、楽器で合奏を試みたりしています。
異年齢の関わりも多く、4・5歳児クラスの子どもたちが、園行事の夏祭りを真似たごっこ遊びを企画して、射的や魚釣り、プレゼント屋さんなどのコーナーを作り、年下の子どもたちを楽しませたなどの事例がたくさんあります。日常の中でも、異年齢クラスで一緒に散歩やリズムをしたり、5歳児クラスの子どもたちが乳児クラスの子どもたちの遊びや手伝いに関わるなどしています。
食育にも力を入れていて、提供する食事を「オハナのごはん」と命名し、「お腹をすかせ、おいしく味わい、食べることに興味を持てるような食事」を目指して取り組んでいます。「食育年間計画」に沿い、職位のマナーや三食食品群について、栽培や収穫、クッキング、給食室の見学などの食育活動を実施しています。
 このように、子どもたちは遊びを通して様々なことを学び成長していて、保育方針の「わらって、あそんで、おおきくなるよ、心あわせて」が実践されています。

2、保育士は方向性を共有し、目指す保育の実現を目指しています
保育理念、方針、保育目標を園内に掲示するとともに、年度末や年度初めの職員会議で確認しています。年度末の職員会議では、保育課程の見直しを行い、職員間で方向性を共有しています。年間指導計画に沿った保育の実現に向け、週案と日誌の記載方法を工夫し、年間指導計画、月間指導計画、週案が常に連動するようにしています。年度末のクラスの年間振り返りでは、カリキュラムやクラスの課題についてだけでなく、クラスで大切にしたことや新しい取り組みとその成果等についても振り返りを行い、より良い保育の実現を目指しています。
行事や防災、絵本などの係や委員活動があり、職種や経験が異なる職員でチームを組み、活動しています。例えば、防災会議は看護師、主任、給食職員、保育士で一つのチームを組み、備蓄の見直しや防災訓練の計画などに取り組んでいます。防災リュックの中味を検討したり、ライフラインが止まった状況を想定しての半日避難消火訓練、大規模地震災害を想定した地域の1000人規模の合同防災訓練に参加するなど様々な取り組みをしています。
このように、保育士は改善への意識を高く持ち、方向性を共有し、より良い保育の実現に向けて連携して取り組んでいます。

3、子どものためにという思いを保護者と共有し、連携しています
園は、「オハナは家族。子どもも大人もしあわせに」という理念のもと、保護者とともに子どもを育てることを大切にしています。
 全クラス連絡帳を用いて情報交換するとともに、朝夕の送迎時には保護者とコミュニケーションを取り、子どもの様子を保護者と伝え合っています。個別面談を全クラス実施するとともに、保護者からの相談にはいつでも応じ、担任だけでなく、必要に応じて園長、主任も出席し、保護者が無理なく子育てできるよう支援しています。年2回懇談会を実施していて、保育参加と組み合わせたり、映像を用いてクラスの活動の様子を伝える等の工夫をしていて、ほとんどの保護者が参加しています。
保護者会の活動も活発で、マジック・演奏鑑賞会などの主催、園周辺の整備活動「オハナDEクリーン大作戦」の協力、「夏まつり」のゲームコーナーの出店など、職員と協力しながら、幅広い活動を行っています。
このような取り組みの結果、保護者との信頼関係が構築されていて、今回の保護者アンケートの高い総合満足度でも見ることが出来ます。

4、地域との良好な関係作りが出来ています
「地域社会で、子どもたちの豊な未来を見守り、育て合い、育ち合う」という保育目標に基づき、地域との関係作りに力を入れています。
地域子育て支援事業としては、一時保育「さくらんぼ保育」や、園庭開放や水遊び、育児講座を行う「なかよし広場」、育児相談、運動会や夏祭りなど園の行事への招待を実施しています。育児講座は、リトミックや手遊び、運動遊び、新聞遊びなど、親子で楽しむことができる内容で、毎回10組を上限に受け入れています。また、NPO団体主催の「地域親子オハナ遠足」というイベントに協力し、地域の親子が園に遊び(遠足)に来て、園の子どもと地域の子どもが一緒に活動したり給食を食べたりしています。
地域との交流も盛んで、毎月ボランティアが来園して、昔ながらの紙芝居を子どもたちに披露しています。町内会の有志から盆踊りを教えてもらう機会などもあり、計画的に交流を図っています。3つの高齢者施設と交流していて、高齢者から昔の遊びを教えてもらったり、子どもたちが歌やダンスを披露したり、折り紙でコマを作るなどしています。散歩の途中に花を見せてもらいに立ち寄ったり、一緒に高齢者と散歩したりして日常的に交流している施設もあります。

◆独自に取り組んでいる点
1、小学校、幼稚園と日常的に連携する体制が構築されています
横浜市の幼保小連携推進地区事業として地域の小学校、幼稚園と連携したことをきっかけに、事業が終わった後も継続して連携する体制が出来ています。
小学校1、2年生とは、手作りカルタ遊びや校庭での凧揚げなどを行っています。高校の敷地内にある「ワクワク山」に小学生と一緒に遊びに行く機会もあります。小学校5年生とは、主に5歳児クラスの子どもたちが交流をしていて、小学校を案内してもらったり、手品を見せてもらったり、運動会の練習の手伝いや、散歩、ボール遊び、工作などを一緒にしています。年長児が入学した時の最上級生になる5年生との交流は、入学後の子どもたちの安心につながっています。
学校の教師との連携も盛んで、小学校の校長が5歳児クラスの懇談会に参加しています。小学校の教師が園に1日実習に来たり、保育士が学校に1日実習に行くなどの交換実習の機会や、合同研修の機会も年1回あります。合同研修では、園に小学校の教師を招いてリズムの研修を行いました。

◆改善や工夫が望まれる点
1、人材育成の仕組みを整備することが期待されます
運営法人が作成した階層別の人材育成計画があり、それに基づき個人別研修計画を作成しています。また、年2回の園長面談で目標の設定と達成度の評価を行っています。園長面談では、人事考課の自己評価項目の総括と行動基準の理解度のチェックもしています。
ただし、個々の職員の目標設定は文書としては残されてないので、共有する意味でも文書化することが期待されます。また、人事考課表で自己評価を行っていますが、人材育成計画とは連動してなく、人材育成計画に書かれた期待水準も職員に提示されていません。
職員自身が振り返りをし、キャリアアップにつなげることが出来るよう、人材育成計画、目標設定、自己評価がリンクした保育所としての人材育成のための仕組み作りが期待されます。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念は「オハナは家族。子どもも大人もしあわせに」保育方針は「わらって、あそんで、おおきくなるよ、心あわせて」で、利用者本人を尊重したものとなっています。

・虐待の定義が記載された虐待防止マニュアルがあり、職員に周知しています。虐待が明白になった場合や疑わしい場合、見守りが必要な場合には、港南区こども家庭支援課やのばこども家庭支援センター、横浜市南部児童相談所と連携しています。

・年度末や年度当初に「職員行動指針」を職員全体で読み合わせて、人権の尊重について意識を高めています。また、職員会議の中で、子どもに対して威圧的な言葉遣いや無視が行われないよう相互に確認するなどしています。

・「入園のしおり」に個人情報の取り扱いについて明記し、保護者に伝えています。また、「個人情報の取扱いについて(同意書)」を用いて、ホームページや園内掲示物、誕生日写真、配布物などの写真使用について同意を得ています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・子どもの興味や関心を柔軟に週案に取り入れています。子どもが、廃材工作が得意なことを受けて廃材を保育室にたくさん用意し、ランドセルや靴、キリン等の製作をするなど、子どものやりたいという声を大切に、保育を展開しています。

・日常のなかで、子どもが自由に歌ったり、絵を描いたりしています。楽器が自由に使えるようになっており、クラスによって、ピアニカやタンバリン、ハンドベル、鈴、木琴などが、子どもの手の届くところに置いてあります。また、絵の具やクレヨンなどを使う時間を設定し、子どもたちが自由な発想で絵を描いています。

・異年齢の子ども同士が関わりを持てるように、さまざまな機会を用意しています。日常の中では、異年齢のクラスで散歩やリズムをしたり、5歳児クラスの子どもたちが乳児クラスの子どもたちの遊びや午睡後の手伝いに関わるなどしています。朝・夕・土曜日の合同保育で一緒に自由遊びをする時間もあります。

・提供する食事を「オハナのごはん」と命名し、「おなかをすかせ、美味しく味わい、食べることに興味が持てるような食事」を目指して取り組んでいます。週2回は魚料理を提供し、季節感のある和食中心の献立に配慮しています。

・「オハナは家族。子どもも大人もしあわせに」という理念のもと、保護者とともに子どもを育てることを大切にしています。

・保護者会「マハナ会」の活動は活発で、マジック・演奏鑑賞会の主催、おはなし会(紙芝居)の主催、園周辺の整備活動「オハナDEクリーン大作戦」の協力、保護者と職員が演奏する音楽会の実施など、職員と協力しながら、幅広い活動を行っています。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

・0・1・2歳児には個別指導計画を作成しています。幼児についても特別な課題がある場合には、個別指導計画を作成しています。毎月、個別の目標・計画の見直しをするとともに、子どもの状況に合わせて話し合いをし、柔軟に計画の変更、見直しをしています。

・1年生、5年生との交流を始めとして、小学校校長による年長保護者との懇談会、年長児保護者の小学校の給食試食会、児童支援専任教諭との情報交換会など、就学に向けた取り組みをアプローチプログラムに基づき実施しています。

・障がいのある子どもには個別担当保育士がつき、情緒が安定して過ごせるように支援しています。保育士は、障がいのある子どものことを他の子どもが理解できるように働きかけていて、子どもたちは当たり前のこととして受け入れています。

第三者委員3名を定め、氏名と役職、連絡先を玄関に掲示しています。「苦情解決の取り組みに関する実施要綱」に第三者委員を交えて対応する仕組みが明記されています。

・健康管理、衛生管理、安全管理などの各種マニュアルを整備し、職員に周知しています。

・月1回避難訓練を実施しています。地震や火災訓練を朝、夕、午睡時、土曜保育など様々な時間を想定して行っています。その他に、消火訓練、防犯訓練、広域避難場所まで行く訓練、半日避難消火訓練も実施しています。

 

4 地域との交流・連携

・横浜市や港南区の園長会、港南区の子育て支援会議、幼保小教育連携事業研究会、学校運営協議会、区の防災会議などを通して、地域のニーズを把握し、地域における園の役割について検討しています。

・地域子育て支援事業として、一時保育「さくらんぼ保育」や、園庭開放や水遊び、育児講座を行う「なかよし広場」、育児相談、運動会や夏祭りなどの招待を実施しています。

・小中高等学校など、学校教育との連携に力を入れています。近隣の小学校1、2年生とは、手作りカルタ遊びや校庭での凧揚げなどを行っています。小学校5年生とは、主に5歳児クラスの子どもたちが交流をしています。中学生とは、家庭科の授業を通して子どもたちと交流し、保育に関心のある高校生も来園しています。

・毎月ボランティアが来園して、昔ながらの紙芝居を子どもたちに披露しています。町内会の有志から盆踊りを教えてもらう機会などもあり、計画的に交流を図っています。

・3つの高齢者施設と交流しています。高齢者から昔の遊びを教えてもらったり、子どもたちが歌やダンスを披露したり、折り紙でコマを作るなどして、毎月訪問している施設もあります。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

・保育の専門雑誌に、小学校との連携の取り組みや保育環境の工夫など、保育の実践に関する情報を提供し、複数回掲載されています。また、園長が、小学校との交流事例について大学で発表したり、5歳児クラスの担任と栄養士がランチルームの活用方法の工夫事例を外部の研修会で発表するなど、園の取り組みを積極的に外部に提供しています。

・就業規則、職員行動指針に職員が不正・不適切な行為を行わないよう守るべき法・規範・倫理などを明文化しています。職員行動指針は全職員に配付しています。

・横浜市資源循環局港南事務所と連携し、ゴミの減量化などについて子どもへの啓発を行う「かるがも教室」を年に数回実施しています。また、保護者会と協力し「おはなDEクリーン大作戦」として、子どもや保護者、地域ボランティアと一緒に清掃、緑化に取り組んでいます。ただし、園としての環境への考え方を明文化することはしていません。

・踊り場に、理念と保育方針、保育目標を掲示しています。また、保育課程に理念、保育方針、保育目標を明記し、全職員に配付しています。

 

6 職員の資質向上の促進

・運営法人が作成した階層別の人材育成計画があります。年2回の園長面談で目標の設定と達成度の評価を行っています。園長面談では、人事考課の自己評価項目の総括と行動基準の理解度のチェックもしています。ただし、個々の保育士の目標設定は文書化されてなく、人事考課表も人材育成計画と連動したものとはなっていませんので、職員が自分で確認できるようより分かりやすいものにするための工夫が期待されます。

・理念、子どもの発達研修、不審者対応などの園内研修が実施されていて、職員、非常勤職員とも必要な職員が受講しています。職員は、横浜市や港南区、白峰保育センターなどの外部研修に積極的に参加しています。外部研修に参加した職員は研修報告書を提出するとともに、研修報告会で報告しています。

・非常勤職員を含む全職員に職員マニュアルを配付しています。職員マニュアルには、理念や方針、保育課程、指導計画、職員行動指針、各種マニュアルなどが綴じられています。

・保育士個々の自己評価をもとにクラス会議で年間振り返りを行い、クラスとしての自己評価を作成しています。年度末の職員会議では、クラスの自己評価と年度末の保護者アンケートの結果について話し合い、園としての自己評価をしています。

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