かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜六ツ川保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜六ツ川保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 風の遊育舎
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 232 - 0066
南区六ツ川2-68-18
tel:045-715-5226
設立年月日 2009(平成21)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
京浜急行本線弘明寺駅よりバスで5分、上六ツ川停留所から徒歩10分の高台の閑静な住宅地に位置しています。平成21年4月に横浜市より民間移管し、横浜六ツ川保育園として7年目の保育園、定員75名 現在0〜5歳児が87名在籍しています。
設置法人は秋田市に昭和55年開園の秋田チャイルド園を持つ社会福祉法人「風の遊育舎」で、職員の交換研修も継続的に行われています。

・園の特徴
保育方法として1人1人の子どもの発達の過程をしっかりと「守る」そして発達に応じた適切な「援助をする」見守る保育(子ども主体の保育)を行い、生活は異年齢(0・1歳、2歳、3〜5歳)グループが基本で、職員もグループごとに複数名でチームを組み、子どもたちはしたいことを自分で選んで行っています。
 コミュケーション能力を培い、社会への適応能力を学ぶ「セカンドステップ」、外部講師による表現の時間「か・か・か(からだでかんじてかっこよく)」の時間を設定しています。

【特に優れていると思われる点】
1、子どもがしたいことを自分で選べる環境設定
 保育室、園庭には仕掛けがいっぱいです。各保育室には年齢に応じたロフトやドーム、吊戸棚の下の空間があり、0、1歳児は階段上りに挑戦しロフトに上がり、本を眺め、2歳児室の大きなドームでは中に入って一人遊びをしたり、ままごと遊びをしたりしています。廊下やテラスにもベンチやテーブルを配置し、数人で遊べる環境を設定しています。
 園庭ではワークショップで保護者と職員で作りあげた築山、木道、トンネル、デッキ、ブランコがあり、子どもたちは砂遊び泥遊び、木登りで体をたくさん動かしています。

2、絵本に親しむ工夫
 毎月絵本を0歳児から保護者に買ってもらい、一か月は園に置いています。職員が絵本を読むとき「今日は○○ちゃんの絵本を読みます」とみんなの前で読み、子どもたちは、自分の絵本として親しみ、絵本への思いを育てています。絵本を家庭に持ち帰っても、子どもたちは保護者に絵本の読み書かせを頼むなど、絵本に親しめるように工夫しています。また、保育園の廊下の一角に絵本コーナーを設け、子どもたちは好きなときに絵本を手に取って楽しんでいます。また、保育園の廊下の一角に絵本コーナーを設け、子どもたちは好きなときに絵本を手に取って楽しんでいます。

3、食事を通して豊かな経験
 幼児クラスでは配膳台に、大皿、大鉢、鍋などに入れて並べられた「今日の食事」を子どもたちは食べたい量を台所の職員、年長児のお当番さんに伝え、よそってもらい、自分でトレイに入れて自分の席まで運びます。1テーブルに6、7人の席が埋まったら「いただきます」ができます。早く食べたい子どもは自分の座った席に3〜5歳児の友達を誘い食事を始めます。食事を開始する時間を自分で決め、自分で量を決めています。3〜5歳児が入りまじってテーブルを囲み、年長児は下の子どもの世話をし、見本となって、年下の子どもは年長児をあこがれるなどの機会となっています。
 
【特に改善や工夫などを期待したい点】
1、 園の専門性を活かした地域子育て支援を
園の専門性を活かした育児相談や地域の子育て世代に向けての講習会などを行うことを期待します。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・理念を「『共生』と『貢献』のできる子ども、自分が社会の一員であるという意識を持った子どもを育むこと」とし、保育方針を「・自己肯定感、自尊感情を持った子ども・自律と自立を身に着けます。・他人と関わる力を持った子どもを育てる。」として利用者本人を尊重としたものとなっています。

・保育の理念を実現するために、「無償、かつ謙虚な愛を持ってすべての子どもたちに接します」と保育に対する姿勢を掲げ、子どもの人格尊重や子どもの主体性を尊重することを、職員会議で話し合い再確認しています。

・個人情報の取り扱いや守秘義務については「六ツ川保育園の手引」をもとに、職員会議で守秘義務の重要性、個人情報の取り扱いについて周知しています。保育時間中の職員会議、リーダー会議などでは、子どもたちの名前でなくイニシャルなどで表現し、個人情報が保護者や子どもたちに漏れないよう工夫しています。

・虐待対応マニュアルがあり、全職員が虐待の定義を周知し、虐待が明白になった時は横浜市中央児童相談所や南区役所子ども家庭支援課に通報し、相談する体制があります。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程に保育方法として「見守る保育(子ども主体の保育)」を掲げ、子どもの最善の利益を第一義にしています。

・子どもの年齢に合った人形、ブロック、車、絵本が、子どもたちが取りやすい高さの収納棚に、発達に合わせて収納しています。職員は、年齢に応じたコーナー遊びが出来るよう、吊戸棚の下、ロフト、マット、物入れの裏、ロッカーでL字型にした環境を作っています。廊下やテラスにもベンチやテーブルを配置し、子どもたちが集中して遊べる環境を作っています。

・天候の良い日は、園庭、テラス、近隣の公園などに出かけています。雨の日にも、傘をさしたりカッパを着て散歩に出かけ、雨も楽しんでいます。発達に合わせて2段の段差やロフトの上り下り、広いテラスにサーキットを作って走りこみ、園庭のロープや築山遊び、公園への散歩、上り下りのある坂道を使っての買い物など、運動能力の向上が図れる活動を取り入れています。

・幼児クラスでは配膳台に、大皿、大鉢、鍋などに入れて並べられた給食を子どもたちは食べたい量を台所の職員、年長児のお当番さんに伝え、よそってもらい、トレイに入れて自分の席まで運びます。1テーブルに6、7人の席が埋まったら「いただきます」ができます。早く食べたい子どもは自分の座った席に3〜5歳児の友達を誘い、食事を始めます。食事を開始する時間を自分で決め、自分で量を決めています。給食は、保育室内のテーブル、テラス、廊下のテーブルで友だちと食べるほか、園長・副園長に招かれて事務室で一緒に食べる「六ツ川食堂」など、子どもたちの発達に合わせた食事の場を提供しています。

乳幼児突然死症候群(SIDS)を防ぐため、職員はタイマーを使って定期的に直接体に触れて呼吸・体温の確認を行い、チェック表に記入しています。うつぶせ寝を発見した場合は、すぐに体位変換をしています。

・トイレットトレーニングは、保護者と家庭での様子を話し合い、一人一人の状態に会わせて無理のないよう進めています。トイレットトレーニングに向けて、日中おむつをはずし、子どもたちにすっきりとした気持ちを感じられる時間を作っています。 
 
・登園時に家庭での様子を聞き取り、降園時には園での子どもの生活の中で見られた成長の場面を伝えるようにしています。0〜2歳児には連絡ノートで、幼児クラスではスケッチブックに園での様子を記載して保護者と連携を密にしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園希望者には必ず見学をしてもらい、入園前説明会で、保護者と面接を行い、生育歴や家庭での様子、子どもの遊んでいる様子を観察し、家庭調査票、入園時面接記録票を職員全員が共有し、日々の保育に活かしています。

ならし保育については入園面接会で説明し、保護者と相談しながら、子どもに無理がないように子どもの様子を見ながら行っています。

・0〜2歳児には月間指導計画の中に子ども一人一人のその月のねらい、配慮事項を書いています。幼児についても課題のある子どもには個別指導計画を作成しています。

・乳児は月1度、幼児クラスは月1度月案会議を持ち、個別の目標などの確認をし、環境設定を見直しています。

・配慮を必要とする子どもについて毎月職員会議の中でケース会議を行い、個別のケースやクラスの様子を話し合い、最新の情報を共有し、保育に活かしています。

・横浜市中部地域療育センターから年2回の訪問、学校心理士が2か月に1回、子どもの様子を見て、職員とのミーティング、保護者との面談をし、課題のある子の対応の仕方などのアドバイスをもらっています。

・食物アレルギーの子どもには専用の表示付きトレイと食器を使い、配膳台も別にし、ラップに氏名を記入し、誤食がないように提供しています。アレルギー児には職員が必ず付き添って対応しています。

・「苦情解決のしくみ」について園の廊下に掲示し、ホームページに掲載し、苦情解決責任者は園長、担当受け付けは主任、第三者委員の氏名と連絡先を掲載し、保護者会でも説明しています。

・子どものケガや事故が発生した場合、職員は状況を園長・副園長に報告し、園長または副園長が保護者に連絡します。通院が必要な場合は、保護者に連絡すると共に、医療機関に連絡して速やかに受診出来る体制が整っています。子どものケガや事故は、必ず申し送りノートや連絡帳に記載し、保護者に口頭でも伝えています。ケガや事故の内容とその経過は「事故報告書」やクラス日誌に記録しています。

4 地域との交流・連携

・職員は自治会主催の夏祭りに子どもたちと参加し、父母会主催の夕涼み会には自治会員を招待し、運動会に近隣の住民を招待して、相互交流する中で、園に対する要望を把握しています。

・自治会の行事へ参加し、六ツ川中央公園の花壇に毎年花を植えて地域の親子との交流を持ち、南区役所こども家庭支援課からの一時保育要請受諾などを通じて、地域の子育て支援ニーズを把握し、職員会議で情報共有しています。

・園のパンフレット「六ツ川の保育と生活」やホームページで保育園の情報を提供し、六ツ川地域ケアプラザ発行の地域交流便に保育園情報を提供しています。

・ボランティア受け入れマニュアルがあり、受け入れ時に園長がマニュアルに基づいて、園の保育方針、利用者への配慮などを説明し、玄関に掲示し、保護者に知らせています。有償ボランティアを受け入れています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・職員は年度末に自己評価を行い、それを主任、副主任、園長でまとめて職員会議で話し合い、次期の課題として園の自己評価としています。

・園長が設置法人の理事会や「見守る保育」を行っている他園から得た情報を職員会議で話し合い、常により良き方向に向上して行くように学び合っています。

・職員が守るべき法・規範・倫理などは「就業規則」などに明記され、入社時に職員に説明し手渡され、周知されています。

・OJT(職場内での職業教育)を活用して、新人研修、新人フォローアップ研修、中堅研修と重ねて行き、次第に主任クラスに育つようにプログラムがあります。

・週1回の「リーダー会議」で、主任が職員の業務状況を把握できるようになっています。また主任は保育に入る機会があり職員の業務状況を把握し、各クラス、グループの月1回の「月案会議」に参加し、助言指導を行っています。

・園庭の改修や園内の環境設定などの次期運営について常に検討しています。

・次代までの後継者の育成に配慮して、日々の保育の中で育成を進めています。

・同じ「見守る保育」を推し進めているモデル園や、定期的に園に来てもらっている学校心理士などに相談しながら、適切な運営が行われるように努力しています。

6 職員の資質向上の促進

・保育所運営に必要な人材構成であることを常にチェックし、横浜市の基準より多くの職員配置を行っています。

・設置法人で理念、方針を実現するための人材育成計画を策定し、初任者研修を、1年後にはフォローアップ研修を行っています。六ツ川保育園でOJTのプログラムで人材を育てる流れがあります。年度初めに年間研修計画を策定し、随時見直し、追加しています。

・毎年、職員は保育の目標を設定し、年2回振り返りを行い、園長、副園長と面談して達成度の評価を行い次期の計画を策定しています。

・外部からの講師や園長による内部研修を年数回行い、全職員が参加し、「見守る保育」の研修や南区主催の感染症対策の研修などの外部研修に職員・非常勤職員の区別なく参加しています。研修受講後はレポートを提出し、職員会議で発表し、全職員で共有しています。希望の研修にはシフトを調整して参加できるようにしています。

・全職員は業務マニュアルを持っています。仕事の責任においては常勤、非常勤もないとし、研修の機会、会議への参加は職員全員すべて機会均等です。

・年間・月間指導計画、週案、クラス日誌は改善を重ねた一定の書式を用いて園の目標と関連付けて作成されています。年間、月間指導計画は「ねらい」と関連付けて自己評価を行い、結果ではなく過程を大切に、子どもの育ちや意欲をとらえて次の過程を重視して評価を行っています。

・職員の自己評価を基に新人、中堅職員とグループに分けて話し合い、園の理念や方針に沿って行われ、それを基に園における課題を明らかにして次期の取り組みを行っています。

・園の自己評価の結果から明らかになった園の課題と取り組みを園だよりで保護者に知らせています。

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