かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

聖星保育園

対象事業所名 聖星保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 しののめ会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0023
金沢区平潟17-1
tel:045-783-8869
設立年月日 1976(昭和51)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 聖星保育園は、昭和51年の開設で今年度40年目を迎える社会福祉法人しののめ会が運営する保育園です。乳児部5クラス(0歳児1クラス、1、2歳児各2クラス)、幼児部3クラスからなり、定員150名に対し、現在176名が在籍しています。横浜シーサイドラインの野島公園駅から徒歩5分の立地にあり、鉄筋コンクリート2階建ての建物には室内遊戯室、屋上テラスを有し、園舎の南側には約195坪の園庭があり、子どもたちの毎日の遊び場となっています。近隣には海の公園や野島公園、八景島などがあり、散歩や園外活動の場として恵まれた自然環境にあります。
・園の特徴
 運営主体のしののめ会は横浜市金沢区に当園を含め4園、青葉区に1園を経営するほか、障害福祉サービス事業所1か所、グループホーム3か所を運営しています。園の保育方針はキリスト教の保育を柱として、「誰からも愛される子 誰をも愛せる子 心身共にたくましい子」を保育目標としています。産休明け保育、障がい児保育、一時保育を実施しています。

【特に優れていると思われる点】
1.活発な園外活動と発達を促す保育環境
 天候の良い午前中は、主に近隣にある海の公園や野島公園などに散歩に出かけ、公園で凧揚げをしたり、鬼ごっこをして遊んだり、時には海岸でクラゲを捕まえて遊んだりしています。年に数回は園外保育の日を設け、公園や海岸で弁当を食べたりしています。
朝の活動前や夕方の自由遊びの時間には、0、1歳児クラスは2階のテラスで滑り台やジムなどで遊び、2歳児以上の子どもたちは園庭でボール遊びや縄跳び、三輪車遊び、砂場遊びなどで遊んでいます。園庭には鉄棒やジャングルジム、滑り台付きのスペースシャトル(ロケット)、アスレチック、サッカーのゴールなどが備えられ、子どもたちは好きな遊具で思い思いに遊んだり、走り回ったりして伸び伸びした時間を過ごしています。

2.地域への育児支援と地域との交流
 園の広報紙「よりみち」を園の掲示版に掲示し、地域の未就園児を持つ子育て家庭に対し、園庭開放(平日の午前中)や給食体験、リトミック、製作活動など、交流保育への参加を呼びかけています。また、一時保育を毎日実施し、育児講座として年2回、歯科衛生士によるブラッシング指導や栄養士による離乳食の試食体験を実施しています。
 園の「ふれあいバザー」には地域住民や系列保育園の子どもや保護者が大勢来園し、夏祭りにも地域の親子や近隣の保育園が参加しています。法人合同の「しののめ祭」を近隣公園で開催し、地域の人も楽器演奏を一緒に楽しんでいます。自治会に加入し、公園清掃に幼児が月2回参加しています。また、地元の中高生や養護学校の生徒の職業体験を積極的に受け入れ、子どもたちと交流を計っています。

3.発達過程に応じたきめ細かい個別指導計画の作成
 乳児クラスは、毎月、個人別の保育計画を作成し、前月の子どもの姿、今月の配慮を基にねらいを定め、日別に毎日の連絡帳と連動した、家庭との連絡・伝達、健康・食事・睡眠などの生活や情緒・言語・遊びなどを詳細に記入し、月末に評価反省をして翌月につなげています。幼児クラスは、月案の中に「家庭との連携・個人記録」欄を設け、週間保育日誌の特記事項欄、個人記録欄を利用して個別の特記事項を記入しています。また、年3期ごとに「児童票・個人別記録」を作成し、生活・遊び・体力測定などを記入しています。
 障がいのある子どもに対しては、毎月重点目標を定め、生活、遊び・課題活動などの各項目別に「今月の姿」「翌月の援助・配慮」を記入した「月間保育経過記録」を作成しています。また、特別に配慮を要する子どもの保護者との面談記録などを記入した「個人別記録(家庭と連携)」を作成し、きめ細かい援助を行っています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.人材育成ビジョンの作成と研修体制の確立
 現在作成の「年間研修計画」(年4期別)は職員を4階層に分け、法人研修、園外研修などの実施時期を記載したものになっています。今後、各階層別に求められる経験・能力や習熟度に応じた期待水準などを定めた「人材育成ビジョン」として明文化することが望まれます。人材育成ビジョンに沿い、職員の研修希望などを加味した個人別の年間研修計画を作成し、園として個々の研修成果を評価し、研修内容の見直しをするなど、職員の研修体制を確立していくことが期待されます。

2.外部からの不審者対策
 園の敷地内に駐車場や学童保育の施設があるため、門扉・玄関などの施錠がされていません。第三者評価の保護者アンケートの「外部からの不審者侵入を防ぐ対策」の項目で、否定的回答(不満・どちらかといえば不満)が33%寄せられています。今後、セキュリティ対策を強化するなど、何らかの対策を施していくことが期待されます。

3.記録類(苦情・要望、育児相談、ボランテイア受付簿)の整備と活用
 現在、保護者からの苦情・要望については、苦情受付ファイルがなく、その都度、職員会議録にまとめられています。保護者からの苦情・要望は些細なことでも、専用のノートに記録するなどし、データを蓄積・整理し、苦情解決の参考資料として活かしていくことが望まれます。また、交流保育や園庭開放時に寄せられる育児相談やボランティア受付時の記録についても整備して、今後に活かしていくことが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・園の基本方針は「人との関わり・支え合いを大切にし、お互いを認め合い、助け合う関係を育て、人間関係の基礎を養う」「四季を十分に感じ、自然を愛しみ、心身を鍛え、物事に感動し、美しい心を育てる」で、いずれも子どもの最善の利益を考慮したものになっています。

・設置法人作成の「職員心得」の子どもの人格尊重の項目を職員は常に頭に入れ、職員会議でも繰り返し園長が話をして、子どもの人格を辱めるような保育をしてはいけないことを職員は認識しています。

・言葉遣いについて職員同士で気を付けるだけでなく、幼児クラスの保育室に「ちくちくことば(だいきらい、ばか…)、ふわふわことば(ありがとう、だいすき…)」を掲示して、友達を尊重した言葉を遣うように伝えています。

・日頃より子どもや保護者の様子、保護者との関連性などを園長に報告・相談し、その上で虐待が疑わしい場合や見守りが必要な場合は園長を通し、ケースワーカーや横浜市南部児童相談所、金沢区福祉保健センターの保健師に通報・連絡し、連携できる体制を整えています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・0〜2歳児については、毎月、個人別記録を作成し、前月の子どもの姿、今月のめやす、評価、来月に向けての目標を記載しています。あわせて、毎日の子どもの生活(健康、排泄、食事など)や心や体の様子を詳細に記録しています。

・幼児についても、特別に課題がある子どもについては、個別指導計画「月間保育経過記録」に今月の重点目標、生活状況、活動課題などを記載しています。

・海の公園や野島公園、八景島などへの散歩や屋外活動で、海や山などの自然に触れる機会を積極的に取り入れています。

・保護者の協力で廃材を用意し、自由に使ってカメラやギターなどの製作をしています。

・年に7回、幼児の異年齢交流の日(フリーデー)には、散歩や製作を子どもが選べるようになっています。

・朝の活動前や夕方の自由遊びの時間には、0、1歳児クラスは2階のテラスで遊び、2歳児以上の子どもたちは園庭でボール遊びや縄跳び、三輪車遊び、砂場遊びなどで遊んでいます。園庭には鉄棒やジャングルジム、アスレチック、滑り台付きのスペースシャトル(ロケット)などが備えられ、子どもたちは好きな遊具で思い思いに遊んでいます。

・幼児クラスは毎週、外部講師による縄跳びやマット、跳び箱などを使った体操教室を行い、乳児クラスは月2回、ダンスなどを取り入れたリトミックを行い、体力をつけ、運動能力を高めることに努めています。

・職員は子どもが残さず食べることを強要したり、偏食を直そうと叱ったりせず、職員や友達とおしゃべりをしながら楽しく食事ができるようにしています。

乳幼児突然死症候群対策では、0歳児は5分おき、満2歳までは10分おきに、身体を触って呼吸していることを確認しています。うつぶせ寝をしている子どもは、あおむけに寝かせています。

・保護者に対し行事連絡や園からのおたよりのほか、職員や園への要望について年1回アンケートを実施しています。

・個人面談は保護者の希望に応じて適宜行い、毎年1月に4日間、保育参観を兼ねて行われています。年2回クラス別懇談会を開催し、クラスの様子や行事予定などを説明し、保護者から意見を聞く時間を設けています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・各クラス別に担任が話し合い、発達や状況に応じて年間指導計画、月案、週案、個人別記録を作成し、計画期間終了時に評価・見直しを実施しています。
行事などの際は幼児部、乳児部などの部署も一緒に話し合いに参加しています。

・入園時に保護者が提出する「児童票」から家族関係、日常生活の状況(食事、睡眠、排泄など)を、「児童健康台帳」から生育歴や予防接種、既往歴・ケガ、アレルギーなど、子どもの入園までの状況を把握しています。

・入園後の子どもの成長発達記録として、乳児は「保育計画・個人別記録」に日々の成長状況を記録しています。幼児は「週間保育日誌」の特記事項欄、個人記録欄に記録するほか、年間を3期に分け、生活や遊びなどの記録を「児童票・個人別記録」として記録しています。

・障がいのある子どもも障がいのない子どもも自然に接する機会を増やしていく「統合保育」の考えに基づき、障がいのある子どもを受け入れています。

・食物アレルギー疾患のある子どもについては、保護者と連携して、かかりつけ医から「生活管理指導表」を毎年提出してもらい、除去食や代替食を提供しています。

重要事項説明書に苦情解決責任者(園長)と第三者委員2名の氏名と電話番号をのせ、保護者から直接、第三者委員に連絡できることを明記しています。

・「感染症及び食中毒対応マニュアル」があり、登園禁止基準や保育中に発症した場合の対応が明記され、入園説明会で保護者に説明しています。4月の保健だよりにも記載し、感染症発症時や流行時にも再度周知しています。

・安全管理の各種マニュアルを整備し、各クラスに置いています。地震を想定して家具の転倒防止策をとっています。安全管理委員を設け、「安全点検表」をもとに、毎月保育室・遊具・テラス・ホール・園庭の安全確認を行っています。

・月1回、火災・地震を想定した避難訓練を行っています。訓練は毎回想定を変えて実施し、地域防災拠点の金沢小学校にも全員で避難しています。津波の際は、屋上に避難することになっています。

・事故・ヒヤリハットの「現状報告書」をもとに毎月事故統計を取り、「事故要因分析報告書」にも発生状況・原因などを記入し、再発防止に努めています。

4 地域との交流・連携

・一時保育を毎日受け入れ、交流保育としてリトミック、夏祭り、感謝祭祝会、親子で作ろう、お楽しみ会を提供し、平日午前に園庭開放をして育児相談を受け、地域の子育て支援ニーズを把握しています。

・育児講座として、歯科衛生士による「食事と虫歯・歯の正しい磨き方」と栄養士・保育士による「離乳食・乳幼児食の試食体験」を開催しています。

・園庭開放、リトミックなどの交流保育、育児相談などを記載した園の広報誌「よりみち」を門扉2か所に掲示するほか、ホームページに掲載しています。

・園のバザーには当保育園の利用者以外に、系列保育園の子どもや保護者、地域住民が大勢来園しています。古着や手作り品、食べ物などに人気があります。

・幼保小連携事業で5歳児が小学校体験をしています。中学生や高校生、養護学校の生徒の職業体験を受け入れています。

・自治会に加入し、公園清掃に幼児が参加しています。設置法人合同の「しののめ祭り」を近隣の公園で開催し、地域の人も楽器演奏などを楽しんでいます。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・職員の自己評価は、自己評価票を基に年3回行い、クラスごとに集計して職員会議で報告しています。職員の自己評価にあたっては、職員を8グループに分け、テーマを決めて話し合い、結果をチームごとに発表しています。

・保育所としての自己評価は年1回、職員会議で話し合い、「保育方針と園目標、今年度の課題、取り組み状況、保護者アンケート、次年度の課題・改善点」としてまとめ、玄関ホールなどに掲示して公表しています。

・設置法人の「職員心得」「就業規則」に職員が守るべき法や規則、倫理などを明文化して、設置法人研修や職員会議で園長から全職員に徹底しています。

・重要事項説明書に「環境保護活動」として、節電、節水、ゴミの削減・リサイクル、紙資源の節減をうたい、ゴミ減量化とリサイクルに取り組んでいます。

・基本理念を玄関ホールに掲示し、「職員心得」にも掲載し、職員会議で園長から理念・方針・目標について、職員に求める思いなどの説明をしています。

・重要な情報は設置法人の幹部会議などで議論し、重要改善課題として設定し、職員会議で随時職員に周知し、園全体の問題として取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

・実習生受け入れマニュアル、実習生の心得に基づき、園の方針や利用者への配慮、個人情報保護、守秘義務について説明し、実習生を受け入れています。

・毎年行う職員の「継続意向調書」は、目標、研修希望、反省、課題、達成度を職員が記入するような内容になっており、職員の資質向上に向けた目標、研修希望、達成度の自己評価などに対し、園長・主任がアドバイスを行う仕組みになっています。

・系列園の職員が参加する「法人研修」を年数回実施し、非常勤職員も参加しています。外部研修については、園長から受講が望ましい対象者・受講を希望する対象者(非常勤職員も含め)に声かけし、参加する仕組みになっています。

・研修受講後、研修受講者は「派遣研修報告書」に研修結果を記載し、職員会議で報告し、報告書は回覧して職員間で共有しています。

・職員の経験年数などに応じた4つのミニグループを編成し、テーマを決めて話し合い、実践や振り返りを行う「ピラミッド研修」を行っています。

・今後、各階層別に求められる安全管理、保育力、保護者対応など役割・能力、期待水準などを定めた「人材育成ビジョン」を明文化することが望まれます。

・定期的な園長面談は実施されていませんが、職員から要望があれば実施し、園長から随時声かけして、職員の不安を解消し要望などを把握しています。

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