かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミー西いくた保育園(2回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミー西いくた保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 214 - 0037
多摩区西生田3-13-7
tel:044-969-7431
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年05月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
【概要】
運営主体である、株式会社小学館集英社プロダクションは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県に「小学館アカデミー保育園」を41ヶ所展開し、内、神奈川県(横浜市・川崎市)は、18ヶ所の保育園を運営しています。小学館アカデミー保育園は、保育理念である『「あったかい心」をもつ子どもに育てる』を全園で共有し、7つの基本方針をベースに、「楽習保育」を中心した、保育環境(ラーニングセンター、みどりのあそび場、小学館ライブラリー)と、保育活動(遊び、生活)の両立を目指し、「あそび・せいかつ」から「まなび」へ導き、理念の実現に向けて保育を展開しています。
【とりまく環境】
園が位置する最寄り駅は小田急線「読売ランド前」駅であり、地域の南側には「生田緑地」があり多摩丘陵の里山の原風景を残し、「岡本太郎美術館」や「日本民家園」、「かわさき宙と緑の科学館」等、文化施設も充実しています。駅周辺は、遊戯施設やプール等が充実する「よみうりランド」の南側からの入口の駅でもあり、高齢者施設もあり、自然も多く残った恵まれた環境の地域です。小学館アカデミー西いくた保育園の園舎は2階建てで、園庭、ビオトープ(生物群集の生息空間)を有し、園内には子どもたちが喜ぶ壁画が描かれ、最新の設備が整った清潔な環境の中で、子どもたちは伸び伸びと園生活を楽しんでいます。
【特に良いと思う点】
1. まだまだ進化を続ける楽習保育?
前年度の優れた点では、学習保育のレシピと発表会が挙げられました。今年度は楽習保育?の系列化に取り組んでいます。それは大きく楽習保育?を3つの大きなプログラム(@コミュニケーションプログラム、Aリズミック・運動プログラム、Bネイチャープログラム)に分け、小学館アカデミー保育園の保育の大綱を固めていく意向です。その中身は、コミュニケーションプログラムの中に、「ことば」の豊かさを身につけること、「本育」なども含まれており、3つの大分類に次ぐ中分類個々のカリキュラム固めに入っていることが見えます。
2. 職員の資質向上に向けた「30秒の誓い」と3H活動の推進
小学館アカデミー保育園では、今年度の方針として、「子どもと自分を守る30秒の誓い」と、「3H
活動の推進」を進めています。この2つの活動は、子どもに止まらず、一人一人の職員にも向けた
活動であることが特徴です。「子どもと自分を守る30秒の誓い」では、@人数のチェック(活動の
区切り、区切りで員数の確認)、A環境と変化のチェック(子ども、保育士、スケジュールの変化
確認)、B危機発生時には、「冷静」、「落ち着き」、「自分の5感」の3つにより子どもを守り、また、子どもを守ると共に、職員自身の保育活動を守ります。「3H活動の推進」では、3Hとは、「褒める」、「広げる」、「励ます」であり、子どもに対して「3H」を進めると同時に、職員間でも3Hを上司、先輩・後輩、同僚の間で展開していきます。
3. 地域交流に向けての取り組み〜ビオトープの活用
園が建設された土地の所有者が地元の方であることから、開設当初から近隣の施設と良好な連携に恵まれ、地域との交流が円滑に進められています。園舎の前にある高齢者施設や、地域の公立認可保育園、近くの法人系列園との交流が進み、高齢者施設には子どもたちが交流の訪問をし、公立認可保育園からは園のビオトープの見学や運動会に園児が参加する等、積極的な交流が図られています。園庭のビオトープは、子どもたちに地域の文化・歴史、地域本来の自然に触れ、元来生息している西生田の鳥・昆虫を蘇らせことを目的とし、また、湧水升の雨水を汲み上げる井戸も設置し、子どもと生物多様性との触れ合いの創出において評価され、「関東水と緑のネットワーク拠点百選」に選ばれています。
【さらなる期待がされる点】
1. 本育に期待
小学館アカデミー保育園が推進する楽習保育の中に「本育」があります。「本育」の内容は、1日1回の読み聞かせタイムと、小学館ライブラリーの活用が現状であり、法人の事業体として教育を一つの柱とされていることを踏まえ、「本育」が取り組まれることに「教育」との関連性や、本育での意味合いの裏付けなる何か・展開、があると、大きな期待が膨らむことは否めません。アイデア・工夫、若しくは多くのラインアップが示されるのではと昨年も期待しましたが、現在のところ目覚ましいものは見えていません。楽習保育?のレシピのような画期的なアイデアと同様、是非、「わくわくをつくろう」に則り、「本育」の展開を期待しています。
2. 更なる職員の質の向上
職員の質の向上について、小学館アカデミー保育園として各園職員の経験年数・年齢のバランス、新入職員の受け入れ、職員教育の流れに沿って、一人ひとりの職員を長期的に育成していく課題があります。園長の方針では、個々の保育士の得意分野を見出し、活かしていくよう力を注ぎ、全職員の質の向上に取り組む意向をうかがい、完璧よりも、個々の得手不得手をフォローし合える体制づくり、一人ひとりの得意分野を伸ばすよう、今後さらなる職員の質の向上に向けての取り組みに期待がされます。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●施設運営業務マニュアルに、「子どもを尊重し、子どもの人権を最優先に考えた保育」を明示し、日々の保育に反映させています。保育士は、子ども一人ひとりの個人差を把握し、理解に努め、子どもの立場に立ち、常に子どもと共感し合える保育を心がけています。また、子どもの意欲的な行動や、意思表示ができるよう自主性を高め、相手を思いやる気持ちや、他の子どもの発言を受け入れられるよう言葉掛けに配慮し、丁寧な保育を心がけています。
●虐待の早期発見については、施設運営業務マニュアルに従い、子どもの心身の状態を常に意識して把握し、早期発見に努めています。事務室内に川崎市の児童虐待防止のポスターを貼り、全職員で児童虐待の防止、発見に努め、虐待に関する園内研修を実施して研鑚しています。
●プライバシー保護に関しては、個人情報取扱指針表を子ども、保護者について定め、特に肖像権については、入園時に保護者と書面にて取り交わした上で掲示、掲載をするようにしています。保育士は、子どもの要求や訴えに対して、子どもの気持ちを受け止め、場面に応じて援助や見守り、励ましを行い、子どもとの関わりを大切にし、子どもの気持ちを最優先にした保育を行っています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●保護者とは日々の会話とコミュニケーションを大事にし、保護者と信頼関係を築いています。保護者からの意見や要望は、保育参加後のアンケートや行事ごとのアンケートから抽出し、定期的に本社職員や運営委員会で検討し、改善及び次年度に活かすようにしています。今年度、第三者評価を受審し、保護者のアンケート結果や評価の結果を得て、利用者満足の向上に役立てて行きます。季節の制作活動について、活動の様子の写真や、制作物に説明文を付けて掲示し、子どもと保護者が感動を一緒に味わうことができるように工夫しています。
●保護者が相談や意見が言いやすい雰囲気作りや信頼関係を大切にし、担任をはじめ、園長とも話しやすい環境を整えています。苦情解決の仕組みについては、園のしおりに記載し、玄関に投書箱を設置し、苦情解決責任者、第三者委員の掲示を行い、直接苦情を申し出る事ができることを保護者に周知しています。さらに、運営委員会(クラス代表の運営委員で構成)で保護者の意見を反映させる仕組みを構築しています。
●職員は、子どもの家庭環境、生活を把握し、一人ひとりに合った対応を心がけ、子どもの心を受け止め、肯定的な保育に努めています。特別の配慮が必要な子どもの保育については、職員は研修会等に参加して研鑚を図り、情報を共有し、援助の仕方について職員間で共通認識を図っています。職員は保護者の不安等を受け止め、通常保育の中で、他の子ども達と互いの良いところを尊重し、共に育まれる保育を心がけています。
●登園時の受け入れ時は、子ども、保護者への挨拶や会話を大切にし、家庭での様子や子どもの体調等を口頭で確認しています。午睡、休息については、年齢、発達に応じて休息の長さや時間帯を調整し、眠れない子どもや、その日の体調に応じて無理なく過ごせるように配慮しています。日中の状況や連絡事項は、全園児が連絡帳を活用し、その日の子どもの状態、様子を伝えています。連絡帳は、保護者へ手渡しを基本とし、その際に口頭でも子どもの様子を伝えています。
●長時間保育では、長時間保育の計画を基に、各年齢の子どもが思い思いに遊べるよう保育環境を整え、子どもの要求に応えるよう配慮し、落ち着いて過ごせるようにしています。引き継ぎでは、全体の伝達帳や、各クラスの視診表を基に、クラス担任と長時間担当保育士とで引き継ぎを行い、保護者への伝達漏れがないように十分気をつけています。
食育活動を取り入れ、食事に関心を持てるよう取り組み、子どもが「楽しく食べよう」という意欲を育む食育に取り組んでいます。食事では、食事の過程を大切に考え、幼児では、「4つのお皿のランチョンマット制作」(主食・汁・主菜・副菜)や、当番活動、栽培活動、配膳を行っています。栄養士は保育室を巡回し、子どもの喫食状況を確認して「食」への意識を高めるよう食育に力を入れています。食材は、産地の表示を行い、安心・安全な提供に努めています。今年度は、本育の取り組みから、食育のテーマ「12の月の物語り」でレシピ大賞を受けています。アレルギー除去食については、医師の指示書に従い、別盆で配膳対応し、誤配膳、誤食が無いよう給食室と保育士が連携を図って徹底し、テーブルの配置にも配慮しています。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

●園のホームページや、多摩区役所のホームページ、窓口にパンフレットを設置し、情報提供しています。また、園のホームページのブログは週1回ごとに更新し、最新の園の様子を紹介しています。園見学者や来園者には保育園の概要パンフレットを配布して情報提供しています。慣れ保育は、基本5日を目安に実施し、家庭の状況を考慮して柔軟に日数を決め、子どもの不安やストレスの軽減を考え、子どもが安心して過ごせるように実施しています。園での様子は、降園時や連絡帳で丁寧に伝え、安心して預けられる支援を心がけています。
保育課程に基づき、一人ひとりの子どもの発達状況を考慮して指導計画を作成しています。年間指導計画は職員会議にて全職員で確認し、看護師による保健計画、栄養士による食育計画も加味し、月や週など短期的な指導計画へとつなげています。さらに、年間保育計画に沿ってクラスごとに話し合い、月・週・日案を立案しています。乳児クラスでは、一人ひとりの発達状況を踏まえた個別の指導計画を作成しています。
●サービス提供について、職員は、入社前に入社前研修資料に沿って研修を受け、配属後は施設運営業務マニュアルにて研修で学び、標準的な実施方法で保育を展開する体制が定着しています。施設運営業務マニュアルは職員がいつでも閲覧できる場所に設置し、常に確認できるようにしています。施設運営業務マニュアルの見直しは、園長会議、看護師会議、栄養士会議で検討し、定期的に見直しを図っています。

 

4 地域との交流・連携

●地域に、園のホームページで週1回ブログを更新し、近況を開示して情報提供を行い、パンフレットも配布しています。また、多摩区の子育て情報誌や地区の掲示板にて、保育園の情報や子育て支援企画の紹介をしています。多摩区保育園展(1月開催)や、年長児作品展に出品し、作品の中に園の地図や園の様子を掲示し、パンフレットを沿えて入園前の保護者や地域に向けて情報を発信しています。
●園見学は随時、個別に受け入れ、園見学の際は育児相談に応じています。地域の老人施設と交流を開始し、園の運動会では園児の兄弟、近隣の子どもが参加できるプログラムを用意して交流を図っています。また、地域の保育園等に小学館アカデミー保育園独特のビオトープを開放し、地域の親子へ本の貸し出しも始めています。
●地域との連携については、公立・私立園長会議、幼保小の連絡会議に参画し、連携して取り組んでいます。幼保小連絡会議では、年長児担当保育士や栄養士、看護師も参加し、地域との情報交換を行っています。また、定期的に子育て支援機関や子育て関連機関、児童委員等との会議に参加し、具体的な子育て支援のニーズや地域の取り組みの情報収集に努めています。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

●保育理念や基本方針について、職員は、法人本社主催の様々な研修や勉強会で説明を受け、討議し、理解を深めています。園では、保育理念と基本方針を、園内研修の一環として全職員が「書」にし、園内、各クラスに掲示する取り組みを行い、書くことにより、集中力・記録力、浸透に役立てています。 小学館アカデミー西いくた保育園は、開園2年目を迎え、安全な施設環境、安定した運営、地域交流に取り組み、さらなる職員の質の向上を目指して取り組んでいます。
●園長の役割・責任、職務については、施設運営業務マニュアルに明文化し、職員会議等で職員に責任を表明しています。園長は、常に、保育サービスの質について思慮し、課題の抽出と共に改善に努めています。また、職員の職務分担表を作成し、権限を委譲し、責任を明確にして円滑な運営に尽力しています。
●小学館アカデミー西いくた保育園では、保育士は個人能力シートを活用して定期的に自己評価を実施し、開園1年目より第三者評価を受審し、評価結果を分析・検討すると共に、次年度の保育サービスの向上につなげています。保護者の要望や意見は、投書箱、行事後のアンケート、個人面談や連絡ノート、運営委員会等から抽出し、意見等は職員間で共有を図り、改善に向けて話し合い、保護者にフィードバックする体制を構築しています。

 

6 職員の資質向上の促進

●小学館アカデミー保育園に勤める職員として、役職別に求める行動目標を定めています。法人本部では、専門性・社会人性・人間性を総合的に判断し、一般職員から主任、園長への人事管理へとつながる考え方とし、要素・資格が明示された求める保育士像を全職員に配布しています。また、保育士の人材確保とバランスのため、新卒・国家試験・復職・現職・遠隔地に分けて戦略を持ち、園見学会を開催し、小学館アカデミー保育園の理解を図り、人材採用に取り組んでいます。
●法人本部において研修計画があり、年度の始めに研修スケジュールが示され、職員は入社年次に応じて研修に参加しています。園長は、職員一人ひとりの課題を設定し、施設運営業務マニュアルに沿って園内研修を計画・実施し、資質の向上を図っています。職員は個々の資質向上に向けた自己目標を立て、実績及び達成度について自己査定を行い、園長と個別面談を行い、目標の達成状況を把握し評価を実施しています。
●園長は、職員の有給休暇の消化率や時間外労働のデータを定期的に確認し、分析した結果を法人本部職員と共に検討し、人員体制に関する具体的なプランへ反映させています。職員の希望に応じて相談できる窓口を法人本部に設け、文書を配布し、いつでも相談できる体制作りを構築し、職場の精神面・健康管理に活用しています。

 

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