かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミー新ゆり山手保育園(3回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミー新ゆり山手保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 215 - 0004
麻生区万福寺4-19 プライムアリーナ新百合ヶ丘1階・2階
tel:044-959-2156
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年05月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要】
運営主体である、株式会社小学館集英社プロダクションは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県に保育施設を45ヶ所展開し、内、神奈川県(横浜市・川崎市)は、18ヶ所の保育園を運営しています。小学館アカデミー保育園は、保育理念である『「あったかい心」をもつ子どもに育てる』を全園で共有し、7つの基本方針をベースに、「楽習保育?」を中心とした、保育環境(ラーニングセンター、みどりのあそび場、小学館ライブラリー)と、保育活動(遊び、生活)の両立を目指し、「あそび・せいかつ」から「まなび」へ導き、理念の実現に向けて保育を展開しています。

【とりまく環境】
園が位置する最寄り駅は小田急線新百合ヶ丘駅です。「都市景観100選」にも選ばれた、美しい街並みが広がる新興住宅街であり、多摩丘陵の丘が重なるように広がっているこのエリアは、自然林も豊富に残され、緑の多さが良好な住環境を形成し、都市公園も充実しています。駅周辺は、洗練された大型商業施設を始めとし、麻生区役所や図書館等、都市機能が集中的に配置され、良質な住宅街が広がっています。万福寺地区では、土地区画整理事業により「新百合山手」という街並みが誕生し、今後さらなる発展が期待されます。小学館アカデミー新ゆり山手保育園は、良質なマンションの1階・2階を占有し、エントランス入口に事務室、入って正面は調理室になっており、左側に1歳児、2歳児の保育室があり、右側は3歳児保育室、4歳・5歳児の保育室が設けられ、その中心には子どもの受け渡し室、ライブラリーコーナーとなっています。外階段から入る2階は、雨の日の運動、発表会の会場になる位の大きな遊戯室があり、多目的に有効活用されています。

【特に良いと思う点】
1.1.まだまだ進化を続ける楽習保育?
小学館アカデミー保育園の前年度の優れた点では、楽習保育?のレシピと発表会が挙げられました。今年度は楽習保育?の系列化に取り組んでいます。それは大きく楽習保育?を3つの大きなプログラム(@コミュニケーションプログラム、Aリズミック・運動プログラム、Bネイチャープログラム)に分け、小学館アカデミー保育園の保育の大綱を固めていく意向です。その中身は、コミュニケーションプログラムの中に、「ことば」の豊かさを身につけること、「本育」なども含まれており、3つの大分類に次ぐ中分類個々のカリキュラム固めに入っていることが見えます。

2.職員の資質向上に向けた「30秒の誓い」と3H活動の推進
全小学館アカデミー保育園では、今年度の方針として、「子どもと自分を守る30秒の誓い」と、「3H活動の推進」を進めています。この2つの活動は、子どもに止まらず、一人一人の職員にも向けた活動であることが特徴です。「子どもと自分を守る30秒の誓い」では、@人数のチェック(活動の区切り、区切りで員数の確認)、A環境と変化のチェック(子ども、保育士、スケジュールの変化確認)、B危機発生時には、「冷静」、「落ち着き」、「自分の5感」の3つにより子どもを守り、また、子どもを守ると共に、職員自身の保育活動を守ります。「3H活動の推進」では、3Hとは、「褒める」、「広げる」、「励ます」であり、子どもに対して「3H」を進めると同時に、職員間でも3Hを上司、先輩・後輩、同僚の間で展開していきます。

3.地域との交流の推進
園は、戸数が比較的多いマンションの1階に位置しており、多様な価値観の居住者に対して、保育園の理解を促し続けてきた経緯がありますが、現園長の努力により、マンションの組合の会合にも参加して信頼を構築し、居住者とのコミュニケーションも図れ、理解のもと良好な関係が築かれています。現在は、子育て支援サービスでの育児講座(予約制)を実施し、毎月10名程度を受け入れるに至り、地道な活動を通して地域との良好な関係を築き、育ちつつあります。益々、今後の展開に期待されます。

【さらなる期待がされる点】
1. 本育への期待
小学館アカデミー保育園が推進する楽習保育?の中に「本育」があります。「本育」の内容は、1日1回の読み聞かせタイムと、小学館ライブラリーの活用が現状であり、法人の事業体として教育を一つの柱とされていることを踏まえ、「本育」が取り組まれることに「教育」との関連性や、本育での意味合いの裏付けなる何か・展開、があると、大きな期待が膨らむことは否めません。アイデア・工夫、若しくは多くのラインアップが示されるのではと昨年も期待しましたが、現在のところ目覚ましいものは見えていません。楽習保育?のレシピのような画期的なアイデアと同様、是非、「わくわくをつくろう」に則り、「本育」の展開を期待しています。
2. 更なる職員の質の向上

職員の質の向上について、小学館アカデミー保育園として各園の戦力バランス、新入職員の受け入れ、職員教育の流れに沿って、一人ひとりの職員を長期的に育成していく課題があります。園長の方針では、楽習保育?の定着と、個々の保育士の得意分野を見出し、活かしていくよう力を注ぎ、全職員の質の向上に取り組む意向をうかがいました。楽習保育?の定着では、各職員が自由な発想を持ち、個々の得意分野で活躍することが一人ひとりの質の向上に役立ち、より若手職員も育ち、更なる質の向上に向けた取り組みが図られることを期待しております。

 


 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●職員は、川崎市子どもの権利条例を理解し、保育所保育指針に沿い、保育理念を基に、子ども一人ひとりの個性を認め、子どもの立場に立って物事を考え、子どもと共感し合える保育を心がけています。また、意思表示ができるよう自主性を高め、他の子どもの気持ちや発言を受け入れられるよう、言葉がけに配慮し、丁寧な保育を心がけています。また、出席簿は月齢順にし、遊び方や役割等も固定的にならないように配慮しています。
●職員は、配属前研修で子どもの人権を学び、子どもの人権を最優先にする保育に努め、子どもを尊重したサービス提供のために継続的に研鑚を図っています。虐待の早期発見については、施設運営業務マニュアルに沿って園内研修を行い、子どもの心身の状態に気を付けて早期発見に努め、「人権を守るためのチェックリスト」を用意し、職員は活用して保育に取り組んでいます。
●子どもや保護者のプライバシー保護に関しては、施設運営業務マニュアルに明記され、特に肖像権については、入園時に保護者と書面にて取り交わし、説明・同意を得た上で掲示、掲載をするようにしています。職員は、機密保持、個人情報の保護について、配属前の研修、配属後も具体的な事例を挙げて、職員会議等を通じて学んでいます。保育士は、子どもの要求や訴えに対して、子どもの気持ちを受け止め、子ども一人ひとりの気持ちに寄り添うことを最優先にして保育にあたっています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●保護者とは、日々の会話とコミュニケーションを大事にし、子どもの成長を共に喜び、保護者との信頼関係を深めていくように努めています。利用者満足の把握については、日々の連絡ノートや、行事等のアンケートから抽出し、状況把握に努めています。保護者からの意見や要望は、懇談会、行事、保育参加、個人面談を通して聞く機会を設け、各行事後にはアンケートを実施し、園で改善及び運営に生かすようにしています。子どもとは、信頼関係を大切にし、子ども一人ひとりに温かく優しく接しています。今年度、第三者評価を受審し、保護者のアンケート結果や評価の結果を得て、利用者満足の向上に役立てて行きます。
●苦情解決の仕組みについては、園のしおりに記載し、玄関にふれあい箱を設置し、苦情解決担当・責任者、第三者委員、法人本部担当部署や川崎市への連絡方法等の掲示を行い、直接苦情を申し出る事ができることを保護者に周知しています。さらに、運営委員会を開催し、保護者の意見を聞く機会を設け、反映させる仕組みを構築しています。保護者が相談や意見が言いやすい雰囲気作り、信頼関係を大切にし、担任をはじめ、園長とも話しやすい環境を整えています。
●職員は、子どもの家庭環境や、生活習慣を把握し、子どもの心を受け止め、子ども一人ひとりの発達段階に応じた援助と支援を行っています。気になる子、配慮や援助が必要の子どもの保育について、個別指導計画を作成し、職員間で情報を共有し、他の子どもとの生活を通して、共に育まれる保育を心がけて支援しています。子ども同士のトラブルでは、保育士は双方の気持ちの代弁をしたり、表現の仕方を知らせ、子ども同士でお互いを認め合えるよう援助しています。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

●園のホームページ、ブログや、川崎市ホームページでの子育て応援ナビ、麻生区ホームページで、園の情報を提供しています。また、麻生区子育てガイドブックや、川崎市の子育てガイドブックにも連絡先や園見学の案内等を掲載しています。慣らし保育は、集団保育経験や年齢、家族状況を考慮し、保護者と相談しながら計画を立てて実施しています。園での様子は、連絡帳や降園時に口頭で伝え、安心して預けられる支援を心がけています。
●理念・基本方針、保育課程に基づき、一人ひとりの子どもの発達状況を見通し、子どもの実態に即した指導計画を作成しています。看護師による保健計画、栄養士による食育計画も加味し、月・週など短期的な指導計画へ展開しています。乳児クラスでは、一人ひとりの発達状況を踏まえた個別の指導計画を作成し、障害児にも個別の指導計画を作成しています。日々の園生活状況に加え、保護者との連絡事項等も記録に残し、必要に応じて職員間で共有しています。
●サービス提供について、職員は、入社前に入社前研修資料に沿って研修を受け、配属後は日々の保育、施設運営業務マニュアルにて学び、標準的な実施方法で保育を展開する体制が定着しています。施設運営業務マニュアルは定期的(3年)に見直し、補足事項・変更箇所は職員会議で全職員に周知しています。
●登園時の受け入れでは、保育士が視診を行い、子どもの体調や機嫌などを詳しく観察し、記録しています。また、家庭での様子や子どもの体調等を口頭で確認し、普段と違いがある場合は、視診表に記入し、担任・看護師・栄養士と連携を図って対応しています。午睡、休息については、年齢、発達に応じて休息の長さや時間帯を調整し、活動と休息のバランスに配慮しています。日中のクラス全体の活動は、各クラスの保育日誌を玄関に掲示して知らせ、降園時に口頭でも伝え、保護者と連携を大切にして子どもの成長の喜びを共有しています。
●長時間保育では、長時間保育の計画を基に、各年齢の子どもが思い思いに遊べるよう保育環境を整え、子どもの要求に応えるよう配慮し、落ち着いて過ごせるようにしています。引き継ぎでは、各クラスの視診表を基に、クラス担任と長時間担当保育士間で引き継ぎ、保護者に伝達漏れがないように気をつけています。
●食育活動を取り入れ、日ごとの献立を紹介し、給食や食材への関心を高める活動を全クラスで取り入れ、食事に関心を持てるよう取り組んでいます。食事では、食事の過程を大切に考え、幼児では三色食品群の取り組みや、当番活動、栽培活動、配膳を行っています。また、体調の優れない子どもについては、家庭と連携して配慮食を提供し、アレルギーを持つ児には必要に応じて除去食を提供し、栄養士は定期的に個別面談を実施してアレルギーの状態を把握しています。

 

4 地域との交流・連携

●地域に、ホームページのブログで、園の子どもの様子や近況を開示して情報提供を行い、川崎市、麻生区の子育て情報誌では、保育園の情報や子育て支援企画の紹介をしています。また、1年を通して子育て支援育児講座、身体測定、遊びの会、運動会、発表会、園見学等を開催し、地域の子どもや保護者と交流を図っています。
●園見学は随時、個別に受け入れ、子育て支援育児講座は、区役所等にパンフレットを設置し、予約制にて毎月10名程度を受け入れて実施しています。地域のボランティアの受け入れでは、施設運営業務マニュアル及び、登録手続き・事前説明に関して記載したマニュアルを整備し、いつでも受け入れる体制を整えています。
●地域との連携については、公立・私立園長会議、幼保小の連絡会議に参画し、連携して取り組んでいます。また、定期的に地域の関係機関の連絡会に参画し、福祉や子育て支援のニーズや地域の取り組みの情報収集に努めています。小学校の体育館を園の運動会で借用する等、連携を図っています。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

●保育理念や基本方針は、園のホームページ、パンフレット、園のしおり等に記載し、法人の目指す方向や、考え方をわかりやすく示しています。質の高い保育へ向けて、園での中・長期目標を設定し、現状分析や課題や問題に取り組み、より良いサービスの提供に努めています。また、保育サービスの質の向上を主体に、保育課程に組み込み展開しています。
●園長の役割・責任、職務については、施設運営業務マニュアルに明文化し、職員会議等で職員に責任を表明しています。園長は、保育サービスの質について常に気を配り、課題の抽出と共に改善に努めています。また、職員と連携を図り、信頼関係の構築に努め、円滑な運営に尽力しています。さらに、園児の健全育成を目指し、職員の研修への参加を積極的に推進し、個々の質の向上を目指しています。園では、平成27年10月に主任が就任し、園長と共に職員に伝達をする組織的な流れの構築に努めています。
●サービスの評価については、保育士は個人能力シートを活用して半年ごとに自己評価を行い、初年度は第三者評価の利用者アンケートを実施し、今年度は第三者評価を受審し、評価結果を分析・検討すると共に、次年度の保育サービスの更なる向上につなげています。保護者の要望や意見は、保護者との関わりを大切にし、保護者の意見を行事等に反映させています。

 

6 職員の資質向上の促進

●小学館アカデミー保育園に勤める職員として、役職別に求める行動目標を定めています。法人本部では、専門性・社会人性・人間性を総合的に判断し、一般職員から主任、園長への人事管理へとつながる考え方とし、要素・資格が明示された求める保育士像を全職員に配布しています。また、保育士の人材確保とバランスのため、新卒・国家試験・復職・現職・遠隔地に分けて戦略を持ち、園見学会を開催し、小学館アカデミー保育園の理解を図り、人材採用に取り組んでいます。
●法人本部において研修計画があり、年度の始めに研修スケジュールが示され、職員は入社年次に応じて研修に参加しています。研修を受講する際の心得を施設運営業務マニュアルに明示し、希望する研修を受講した際は、バックアップする体制を整えています。研修受講後は、研修レポートを作成し、園及び法人本部へ提出し、職員会議で報告を行い、全職員で研修の情報を共有し、個々の質の向上を目指しています。
●園長は、職員の有給休暇の消化率や時間外労働のデータを定期的に確認し、分析した結果を法人本部職員と共に検討し、人員体制に関する具体的なプランへ反映させています。職員の希望に応じて相談できる窓口を法人本部に設け、文書を配布し、相談できる体制作りを構築し、職場の精神面・健康管理に活用しています。

 

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