かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーさぎぬま保育園(3回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーさぎぬま保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 216 - 0004
宮前区鷺沼1-23-7 ル ファール1階
tel:044-862-8721
設立年月日 2011(平成23)年07月01日
公表年月 2017(平成29)年05月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要】
運営主体である、株式会社小学館集英社プロダクションは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県に「小学館アカデミー保育園」を41ヶ所展開し、内、神奈川県(横浜市・川崎市)は、18ヶ所の保育園を運営しています。小学館アカデミー保育園は、保育理念である『「あったかい心」をもつ子どもに育てる』を全園で共有し、7つの基本方針をベースに、「楽習保育」を中心した、保育環境(ラーニングセンター、みどりのあそび場、小学館ライブラリー)と、保育活動(遊び、生活)の両立を目指し、「あそび・せいかつ」から「まなび」へ導き、理念の実現に向けて保育を展開しています。

【とりまく環境】
園が位置する最寄り駅は田園都市線鷺沼駅です。鷺沼は土地区画整理事業により造られた街で、多くの通りに並木があり、緑豊かな四季折々の風景が楽しめる街並みが特徴的です。駅を離れると丘陵地により坂が多く、南北に良質な住宅やマンションの街並みが広がり、塾等が多いのも特色であり、住民の教育に対する向上心がうかがえる地域です。園の近くには鷺沼小学校、鷺沼公園があり、鷺沼公園は自然を計画的に残された緑豊かな公園で、法人系列園の小学館アカデミーたまプラーザ保育園の園児も遊びに来て交流を図っています。小学館アカデミーさぎぬま保育園の園舎は、駅から平坦地を歩いて7分、並木沿いのマンションの1階部分に位置し、玄関前にはプランターに植栽された季節の花々が園児たちを迎え、半透明のガラス張りの井出たちが開放感を醸しています。園庭はありませんが、夏は園舎裏の駐車場でプールを設けて楽しみ、1歳児クラスを公開して希望者を受け入れています。

【特に良いと思う点】
1.まだまだ進化を続ける楽習保育?
前年度の優れた点では、楽習保育のレシピと発表会が挙げられました。今年度は楽習保育の系列化に取り組んでいます。それは大きく楽習保育を3つの大きなプログラム(@コミュニケーションプログラム、Aリズミック・運動プログラム、Bネイチャープログラム)に分け、小学館アカデミー保育園の保育の大綱を固めていく意向です。その中身は、コミュニケーションプログラムの中に、「ことば」の豊かさを身につけること、「本育」なども含まれており、3つの大分類に次ぐ中分類個々のカリキョラム固めに入っていることが見えます。

2.。職員の資質向上に向けた「30秒の誓い」と3H活動の推進
全小学館アカデミー保育園では、今年度の方針として、「子どもと自分を守る30秒の誓い」と、「3H
活動の推進」を進めています。この2つの活動は、子どもに止まらず、一人一人の職員にも向けた活動であることが特徴です。「子どもと自分を守る30秒の誓い」では、@人数のチェック(活動の区切り、区切りで員数の確認)、A環境と変化のチェック(子ども、保育士、スケジュールの変化確認)、B危機発生時には、「冷静」、「落ち着き」、「自分の5感」の3つにより子どもを守り、また、子どもを守ると共に、職員自身の保育活動を守ります。「3H活動の推進」では、3Hとは、「褒める」、「広げる」、「励ます」であり、子どもに対して「3H」を進めると同時に、職員間でも3Hを上司、
先輩・後輩、同僚の間で展開していきます。

1. 3者連携の保育の推進
小学館アカデミーさぎぬま保育園では、園長の方針として「3者連携の保育」の推進に力を入れて取り組み、幼児を中心に、食育・保健活動を強化し、通常保育と連携して相乗効果を目指しています。食育では、ランチルームを採用して子どもの自主性を育み、看護師、栄養士も子どもたちと給食を一緒に行い、専門性を生かしながら食への関心を共にすすめ、保育士、子ども共に楽しく和やかな雰囲気の食事を演出しています。保健では、園での1日の経過を保護者へ伝え、季節に応じた衣類や成長と共に変わる靴のサイズの点検等、保護者に協力を仰ぎ連携の基、生活習慣に係る子どもの安全面、体調管理に配慮しています。3者連携により、小学館アカデミーさぎぬま保育園のさらなる保育の質の向上に向けて職員一同で取り組んでいます。

【さらなる期待がされる点】
1. 本育への期待年齢別活動についての考え方
小学館アカデミー保育園が推進する楽習保育の中に「本育」があります。「本育」の内容は、1日1回の読み聞かせタイムと、小学館ライブラリーの活用が現状であり、法人の事業体として教育を一つの柱とされていることを踏まえ、「本育」が取り組まれることに「教育」との関連性や、本育での意味合いの裏付けなる何か・展開、があると、大きな期待が膨らむことは否めません。アイデア・工夫、若しくは多くのラインアップが示されるのではと昨年も期待しましたが、現在のところ目覚ましいものは見えていません。楽習保育のレシピのような画期的なアイデアと同様、是非、「わくわくをつくろう」に則り、「本育」の展開を期待しています

2. 更なる職員の質の向上
職員の質の向上について、小学館アカデミー保育園として各園職員の経験年数・年齢のバランス、新入職員の受け入れ、職員教育の流れに沿って、一人ひとりの職員を長期的に育成していく課題があります。園長の方針では、各職員の向上しようとする意識、やる気に対して、研修の援助を惜しまない意向であり、外部研修にも積極的に参加を促し、シフト等も配慮していく心づもりがあります。今後さらなる職員の意欲の後押しと、職員全体の質の向上に向けた取り組みに期待がされます。


 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●施設運営業務マニュアルに、「子どもを尊重し、子どもの人権を最優先に考えた保育」を明示し、日々の保育に反映させています。保育士は、子ども一人ひとりの思いを受け入れ、理解に努め、子どもと共感し合える保育を心がけています。幼児では意欲的な行動や、意思表示ができるよう自主性を高め、活動ではやりたいことを受け入れ、子どもの発言を生かすようにしています。また、集団で過ごす時間帯、個々で過ごす時間帯の違いを伝え、活動にメリハリを付けるようにしています。
●虐待の早期発見については、施設運営業務マニュアルの虐待防止マニュアルに従い、子どもの心身の状態を常に意識・注視して把握し、早期発見に努めています。職員には事例共有を行い、全職員で児童虐待の防止、発見に努め、言動には十分配慮するようにしています。
●プライバシー保護に関しては、個人情報取扱指針表を子ども、保護者について定め、特に肖像権については、入園時に保護者と書面にて取り交わした上で掲示、掲載をするようにしています。保育士は、子どもの家庭状況、健康状態を把握し、子どもの気持ちを受け止め、場面に応じて援助や言葉がけ、抱きしめる等、子どもとの関わりを大切にし、子どもの気持ちを最優先にした保育を行っています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●保護者とは日々の会話とコミュニケーションを大事にし、保護者と信頼関係を築いています。保護者からの意見や要望は、保育参加後のアンケートや行事ごとのアンケートから抽出し、定期的に本社職員や運営委員会で検討し、改善及び次年度に活かすようにしています。今年度、第三者評価を受審し、保護者のアンケート結果や評価の結果を得て、利用者満足の向上に役立てて行きます。また、運営委員会を開催し、協議内容は全職員、保護者へ開示しています。
●保護者が相談や意見が言いやすい雰囲気作りや信頼関係を大切にし、担任をはじめ、園長とも話しやすい環境を整えています。苦情解決の仕組みについては、園のしおりに記載し、玄関に投書箱を設置し、苦情解決責任者、第三者委員の掲示を行い、直接苦情を申し出る事ができることを保護者会で保護者に周知しています。
●職員は、保育課程、年間指導計画を実施する上で子どもの家庭環境、生活を把握し、一人ひとりに合った対応を心がけ、子どもの心を受け止め、肯定的な保育に努めています。また、職員は、保育参考本・資料により援助の仕方について理解を深め、日々の保育にあたっています。特別の配慮が必要な子どもの保育については、職員間で丁寧に打ち合わせを行い、個々の発達を理解し、全職員で情報を共有し、援助の仕方について共通認識を図り、職員全体で関わるようにしています。
●登園時の受け入れ時は、子ども、保護者への挨拶や会話を大切にし、家庭での様子や子どもの体調等を口頭で確認し、メモ帳等に記入し、連絡帳でも再確認しています。午睡、休息については、保護者からの連絡を考慮し、年齢、発達に応じて休息の長さや時間帯を調整し、眠れない子どもや、その日の体調に応じて無理なく過ごせるように配慮しています。日中の状況や連絡事項は、全園児が連絡帳を活用し、その日の子どもの状態、様子を伝え、口頭でも子どもの様子を伝えています。
●長時間保育では、各年齢の子どもが思い思いに遊べるよう保育環境を整え、乳・幼児保育室を自由に使えるようにし、落ち着いて過ごせるように配慮しています。また、乳児、幼児それぞれに合ったコーナー遊びを設け、水分補給にも留意し、おやつでは楽しく摂れるように器にも工夫し、楽しい時間作りに努めています。
●園長は、幼児を中心に食育活動に力を入れ、食育では、ランチルームを採用して子どもの自主性を育み、看護師、栄養士も子どもたちと給食を一緒に行い、専門性を生かしながら食への関心を共にすすめ、保育士、子ども共に楽しく和やかな雰囲気の食事を演出しています。栄養士は、子どもの喫食状況を確認し、毎月、給食会議を実施し、形状、量、盛り付け、必要事項等を確認し、改善に努めています。
アレルギー除去食については、保護者と献立の面談を行い、医師の指示書に従い、食事は別盆で配膳対応し、誤配膳、誤食が無いよう給食室と保育室で連携を図って徹底して提供しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

●園のホームページや、宮前区役所のホームページ、各クラス受け入れカウンターにパンフレットを設置し、情報提供しています。園のホームページのブログは定期的に更新し、最新の園の様子を紹介しています。また、園内の「公園内案内図」、「散歩マップ」、「食育新聞」の掲載では色使いに配慮し、目につくように掲示しています。慣れ保育は、子どもの状態や家庭の状況を考慮して日数を決め、子どもが安心して過ごせるように実施しています。受け入れ時は笑顔で丁寧に行い、園での様子は、降園時や連絡帳で丁寧に伝え、安心して預けられる支援を心がけています。
●保育課程に基づき、一人ひとりの子どもの発達状況を考慮し、各クラスで指導計画を立案しています。年間指導計画は各クラスの素案を基に、職員会議にて全職員で確認・決定を行い、行事は年間行事企画書につなげています。さらに、年間保育計画に沿って、期案、月案、週案、日案を作成し、週日案にて記録をしています。乳児クラスでは、一人ひとりの発達状況を踏まえた個別の指導計画を作成しています。
●サービス提供について、職員は、入社前に入社前研修資料に沿って研修を受け、配属後は施設運営業務マニュアルにて研修で学び、標準的な実施方法で保育を展開する体制が定着しています。施設運営業務マニュアルは職員がいつでも閲覧できる場所に設置し、常に確認できるようにしています。小学館アカデミーの特徴の1つである楽習保育については、法人本部で活動をリードする保育士の研修を積極的に実施し、保育の質の向上に向けて研鑚を図っています。


 

4 地域との交流・連携

●地域に、園のホームページ、ブログで近況を開示して情報提供を行い、園のイベント時は地域の商店にポスターを掲示しています。また、宮前区のホームページや子育て情報誌にて、保育園の情報や地域交流の情報の紹介をしています。地域交流事業では、リトミック、ベビーマッサージ、絵本の読み聞かせ等を実施しています。
●園見学は、地域交流事業開催時に案内して受け入れ、育児相談は随時、応じています。ボランティアの受け入れについては、今年度は地域中学校の職場体験を受け入れ、窓口担当者を決め、受け入れの体制を整え、事前にマニュアルに沿って、保育理念やボランティアの心得、守秘義務等を説明し、実施しています。
●地域との連携については、宮前区公立・私立園長会議、幼保小園長校長会議に参画し、課題の共通理解を図り、連携して取り組んでいます。また、地域の保育園の年長児担当会や、交流会に参加し、近隣の保育園と協働し、具体的な子育て支援のニーズや地域の取り組みの情報収集および活動に取り組んでいます。交流会を通して年長児は、地域で成長する子ども同士が関わる機会が図られています。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

●保育理念や基本方針について、職員は、法人本社主催の様々な研修や勉強会で説明を受け、討議し、理解を深めています。園では、小学館アカデミー保育園独自の「楽習保育」について、活動のねらいを掲示およびブログで伝え、積極的に保護者に理解を促しています。職員に対しては、全体会議や昼打ち合わせ時に確認して研鑚を図っています。今年度より、小学館アカデミーさぎぬま保育園では、楽習保育の教育アドバイザーより助言(全2回)を受け、さらなる職員の質の向上を目指して取り組んでいます。
●園長の役割・責任、職務については、については、施設運営業務マニュアルに明文化し、職員会議等で職員に責任を表明しています。園長は、業務の効率化と保育サービスの質について思慮し、課題の抽出と共に改善に努めています。また、保護者の要望と、職員の希望のベクトルが一致できるよう助言・指導を行い、情熱を持って運営に尽力し、職員が楽しく仕事ができるよう、試行錯誤しながら指導力を発揮しています。
●小学館アカデミーさぎぬま保育園では、保育士は個人能力シートを活用して年2回、自己評価を実施し、定期的に第三者評価を受審し、評価結果を分析・検討すると共に、次年度の保育サービスの向上につなげています。保護者の要望や意見は、意見箱、行事後のアンケート、個人面談や連絡帳、運営委員会等から抽出し、意見等は職員間で共有を図り、評価を分析・検討し、計画に反映させています。

 

 

6 職員の資質向上の促進 ●小学館アカデミー保育園に勤める職員として、役職別に求める行動目標を定めています。法人本部では、専門性・社会人性・人間性を総合的に判断し、一般職員から主任、園長への人事管理へとつながる考え方とし、要素・資格が明示された求める保育士像を全職員に配布しています。また、保育士の人材確保とバランスのため、新卒・国家試験・復職・現職・遠隔地に分けて戦略を持ち、園見学会を開催し、小学館アカデミー保育園の理解を図り、人材採用に取り組んでいます。
●法人本部において研修計画があり、年度の始めに研修スケジュールが示され、職員は入社年次に応じて研修に参加しています。園長は、職員一人ひとりの課題を設定し、施設運営業務マニュアルに沿って園内研修を計画・実施し、資質の向上を図っています。職員は個々の資質向上に向けた自己目標を立て、実績及び達成度について自己査定を行い、園長と個別面談を行い、目標の達成状況を把握し評価を実施しています。
●園長は、職員の有給休暇の消化率や時間外労働のデータを定期的に確認し、分析した結果を法人本部職員と共に検討し、人員体制に関する具体的なプランへ反映させています。職員の希望に応じて相談できる窓口を法人本部に設け、文書を配布し、いつでも相談できる体制作りを構築し、職場の精神面・健康管理に活用しています。

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