かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

グリーンフォレスト神木保育園

対象事業所名 グリーンフォレスト神木保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 ちとせ交友会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 216 - 0031
宮前区神木本町2-5-5
tel:044-871-7010
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年06月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要・立地面の特色】
グリーンフォレスト神木保育園は社会福祉法人ちとせ交友会の経営です。法人は本部を東日本と西日本地区に本部を置き、児童福祉施設、一時預かり、子育て支援拠点、放課後児童健全育成、障害児通所支援等を全国に展開しています。東日本地区は東京都港区に本部を構え、首都圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)の保育園を運営しています。保育については、ピアジェの発達の理論を基に展開し、発達の理論とは、4つの段階(感覚−運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期)に更に4つの質的段階(シェマ、同化と調節、均等化、操作)が複雑に変化して行く理論です。法人はこの理論を保育に展開し、ちとせ保育園ステートメントブックにまとめ、保育に対する想いと保育士のスキルアップを図り、園を「Home」として据え、子ども・保護者・保育士の「心の拠り所」となる保育園を目指しています。グリーンフォレスト神木保育園は南武線・田園都市線溝の口駅から生田・新百合ヶ丘につながる街道沿いに位置し、近隣には自然豊かな東高根森林公園があり、グリーンフォレスト神木保育園の大きな園庭として、子ども達は元気にのびのびと園生活を楽しんでいます。

【特に良いと思う点】
1.ピアジェの発達の理論をベースにした保育の展開
保育の基本にピアジェの発達の理論を基に展開しています。この理論は、心理学の人間の思考に関するもので認知発達過程を表し、幼少期から知識等の積み重ねにより人間の認識が発生すると考え、思考の4つの各段階において、質的に異なる発達段階に関係や性質を変化させることにより、認識の発達のみではなく行動も内在化されて発達が進んでいく概念を、子どもの発達や教育に生かしています。また、コンセプトを「Home」と据え、コンセプトを掲げることの重要性を認識し、理念の裏付けとなる理論で保育を展開し、本質にも期待されます。

2.一時保育を活用した地域子育て支援
グリーンフォレスト神木保育園では、平成28年6月より一時保育を開始しました。園では地域社会への貢献を掲げ、一時保育はその一環です。地域の雰囲気は穏やかで、広い土地・家屋を持つ地元住民もいる中、他地域から移転の若い層も多く、初めての子育ての悩みを持つ方や、また、パート勤務者のレスパイトケアの為にも一時保育は地域から望まれたものであり、園では子育て支援に尽力しています。一時保育用の部屋は設けていませんが、既存の園児と実際の保育に参加することにより、子どものためにも良い効果が出ています。


3.職員の質の向上に向けた取り組み
職員の質の向上に対して、教育はどちらの園でも最重要課題ですが、法人全園で取り組む質の向上の取
り組みは、教育に供する資材の充実、分かり易さにあります。園では特に、教育資材の充実に力を入れています。職員の教育・研修に関しては、ビジュアルで平準な言葉遣いで構成された「ちとせ交友会ステートメントブック」「職員の行動の規範」「基本行動マニュアル」「就業規則」「ちとせ交友会WAY」にまとめ、保育に対する想いを育み、保育士のスキルアップを図り、次代の育成が期待されます。

【さらなる期待がされる点】
1.ピアジェの発達の理論の理解と実践
「ちとせ保育園ステートメントブック」には、発達の理論をベースにした保育のあり方が示されています。これが実現すれば素晴らしい保育園になります。しかし、設立して3年目という背景に、職員配置において法人系列園での保育士以外はピアジェの発達の理論に沿う保育の実践は初めとなります。実際の保育の中で、個々にピアジェの理論を理念と共に深く理解し、連携を図りながらどう展開に導いていくかは課題と思われます。今後、さらなる研鑽を期待しています。

2.さらなる職員の資質向上に向けて
前項同様、教育による職員のさらなる質の向上が急務です。教育に供する資材は充実し、内容も分かり易く構成されていますが、特に、ちとせ保育園ステートメントブック、ちとせ交友会WAYについては十分に咀嚼ができていないところも見られ、奥の深い理論に対し、実際の保育がどう結び付くのかの認識が運営においても「鍵」になると思われます。保育士一人ひとりの答えが異なったとしても、自分のピアジェ、自分の「Home」を構築し、思考しながらも推進していかれることを期待しています。

3.地域との連携の取組み
グリーンフォレスト神木保育園の道を隔てた反対側に東高根森林公園があります。森林公園は広い園域を持ち、整備された庭園的なエリア、遊具のある広場エリア、アスレチックができるエリアなどを保有し、公園の施設長の厚意で子ども達を遊ばせてもらっています。森林公園は他園も利用し、催し物やクラブハウスが開放されている等、良い条件が揃っており、地域との交流の拠点としても好条件が揃っています。これらを活用し、他園、他機関との協働の機会を得、さらなる地域との取り組みに期待いたします。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●園では、子どもが主体的に考えて行動できるように、個人差、発達段階に応じて、子ども自身の取り組む姿を大切にして保育にあたっています。「今日は何々をしたい」と言う子ども達の気持ちを汲み上げて日々の保育に取り入れ、また、子ども自身が考える場面や機会を設け、出来ることは自分で行う、自分でやってみようとする姿を大切にし、子どもの主体性を育んでいます。
●子どもの人権の尊重の考え方と共に、保育目標及び保育所保育指針を基本に、領域別に子どもを中心にした保育活動を推進しています。虐待の早期発見については、マニュアルを完備し、視診を大切にして特に、登園時での親子の変化に気付くよう留意し、午睡等で着替える際に注視する等、虐待の早期発見に努めています。職員は虐待に関する対応、知識を学び、共通認識を図り、意識を高めています。
●個人情報に関して、重要事項説明書に明示し、入園説明会で説明を行い、保護者から同意を得ています。特に、肖像権については、事前に保護者に写真等を確認してもらい、同意を得ています。プライバシー保護については、情報管理マニュアルを作成し、マニュアルに沿って運用しています。利用者のプライバシーの配慮では、子どもの様子や場面に応じて子どもの気持ちを汲み取り、尊重し、子どもの羞恥心にも配慮しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●利用者満足の把握に向けて、昨年度より保護者会を設け、クラス代表(各2名)を定め、年2回以上開催して意見等を聞く機会を設けています。また、園主催の懇談会や、個人面談、送迎時等で保育園への要望や意見の声を受け止めて保育に反映させ、改善できる点は速やかに対応しています。園全体に関する利用者満足については、第三者評価を受審し、保護者のアンケート結果や評価の結果を得て、利用者満足(子どもの利益)の向上に役立てていきます。
●意見箱を設置して意見を述べられる環境作りを行い、苦情解決の仕組みについては、苦情受付担当、苦情解決責任者、第三者委員の連絡先等、苦情解決体制を掲示し、直接苦情を申し出る事ができることを掲示し、保護者に知らせしています。苦情を受けた際は、迅速な対応に努め、様式に内容・対応記録を詳細に記載し、内容確認を行い、子どもの利益を最優先にしながら丁寧な対応に努めています。
●保護者と連携を密にし、家庭での子どもの姿や様子を踏まえて個々に合った保育を心がけています。子ども同士のトラブル時は、保育士は、お互いの気持ちを十分に受け止め、子どもの立場に立って話をし、双方の思いを伝えるように援助しています。朝夕にグループタイムの時間を設け、遊びを決める場面において、子どもが自分の思いを発表したり、友だちの意見を聞き入れたりする機会を育んでいます。さらに、自分で考え行動できるよう自律性を養い、生活発表会では保育活動での英語教室で習った歌を異年齢で発表する機会を設けています。
●登園時には保護者に挨拶や声掛けを行い、子どもの様子を視診及び口頭で確認し、子どもの体温、体調についてはPIPIO(登降園管理システム)を導入し、子どもの様子を把握しています。担任は、保護者にクラスの活動等をホワイトボードに記入して伝えるようにしています。午睡の長さ等は、子どもの体力、保護者からの要望に応じて休息を取り入れ、戸外活動時にも水分補給及び休息の時間を適宜取るように配慮しています。年長児は就学に向けて、秋頃から午睡をしない日を設け、子どもの負担を考慮しながら、小学校生活に備えるようにしています。
●子どもの状況は、出席簿及び、PIPIOで全職員が把握できる体制を構築し、保育を実施しています。延長保育は、子どもが落ち着き、家庭的な雰囲気を大切にし、合同保育は異年齢で行い、コーナーを複数設定し、気分を変えて遊べるようにしています。長時間保育の子どもについては、体力を考慮し、のんびり過ごせるように配慮しています。異年齢の交流では、日常的に異年齢で関わり、一緒の活動や遊びを通して学びや成長を育むようにしています。
●食事について、子どもの発達に応じた食具や食器を用意し、子どもが自ら食べようとする意欲を大切にし、苦手な食材は無理強いせず、盛り付けや量を調整して完食することにより喜びや満足感を味わえるようにしています。献立は、事前に保護者へ配布しています。アレルギー除去食については、保護者と献立確認を行った上で、別トレーにて、誤配膳、誤食が無いよう何重にも確認を行い、細心の注意を払って提供しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

●園の必要な情報は、ホームページを随時更新して情報を提供しています。また、入園前に園見学を受け入れ、園生活の様子や環境、持ち物等、サービス選択に必要な情報を提供し、保護者の質問にも対応しています。個人面談の際は、保護者の話しを丁寧に聞き、子どもの様子を観察し、一人ひとりの子どもに合った保育が提供できるように職員間で情報共有を図っています。サービス利用開始後は、慣らし保育を実施し、1週間位を目安に行い、子どもがスムーズに園生活が送れるよう配慮しています。
●年間指導計画は保育課程を基に、主任及び園長が現状、作成していますが、来年度からはクラス担任が作成し、主任及び園長が承認する体制を構築する予定でいます。年間指導計画は月案、週案に展開し、養護と教育の各領域を意識してクラス担任が立案し、週案では日誌を記載する欄を設け、計画に沿った保育を実施し、ねらいの達成状況を確認し、記録しています。日常の記録(検診簿、業務日誌、保健日誌、クラス日誌等)を行い、個人観察記録は共通の発達の目安が記載された様式を活用し、定期的に個別に記録を行い、成長を確認しています。
●提供するサービスの実施方法については、法人全園で「ピアジェの発達の理論」を保育の基本とし、「ちとせ保育園ステートメントブック」「職員の行動の規範」「基本行動マニュアル」「就業規則」「ちとせ交友会WAY」にまとめて保育を展開し、保育に対する想いを育み、保育士のスキルアップを図っています。これら諸資料は分かり易く伝えられ、職員は理解を深め、園を「Home」とするべく、子ども・保護者・保育士が「心の拠り所」となる保育園を目指して努力しています。

 

4 地域との交流・連携

●地域に向けた情報は、ホームページで発信し、園の行事等に関する情報は宮前区の保育広報誌「トコトコ」に掲載しています。また、地域の児童委員や、園見学者等に園の情報を提供し、町内会や商店街にも加盟して園を知ってもらえるように伝えています。
●地域に対して、一時保育や育児相談を行い、随時、一時保育利用の見学も受け付けています。近隣の森林公園のお祭りでは、遊びのコーナーを設置して地域から好評を得、宮前区子育てフェスタでは未就園児に園の情報を提供してパンフレットを配布する等、積極的に情報を発信しています。ボランティアは随時、受け入れ、マニュアルを用意し、事前にオリエンテーションを行い積極的に受け入れています。
●関係機関との交流、団体との連携では、川崎市や宮前区の園長会、川崎市社会福祉協議会、幼保小連絡会、幼保小連絡会年長児連携会、宮前区の栄養士連携会議、宮前区の主任連携会議等に参画しています。地域の福祉ニーズを把握するための事業及び活動を行い、地域の子育て情報、ニーズの把握に努めています。また、宮前区の子育て支援事業に参加し、協力すると共に情報の収集を行っています。地域の児童委員や民生委員、地域の児童部会、保健師等と連携を図り、援助が必要な家庭や児童について情報を共有し、ニーズの把握に努めています。

 


 

5 運営上の透明性の確保と継続性 ●理念・基本方針は、ホームページ、パンフレットや重要事項説明書に掲載し、保育目標は保護者が見やすい場所に掲示して、保護者に伝えています。保育に関しては、ピアジェの発達の理論を基に展開し、「ちとせ保育園ステートメントブック」にまとめ、毎年、法人内研修で説明を受け、新入職員は法人の全体研修で、途中入社職員は園で研修を受け、全職員が理解を深める機会を設けています。
●グリーンフォレスト神木保育園には職務分掌規程があり、園長の分掌業務が明確になっています。園長は、自らの役割と責任を自覚し、職員に対して職務遂行の決意を表明しています。業務の効率化をめざし、職員配置の工夫、職場環境の整備を心がけ、必要な残業以外は計画的に職務を遂行するよう職員に促しています。また、園長はゴミの分別を推進し、オムツ類は産業廃棄物業者に依頼し、裏紙、廃材は保育材料の再利用に生かす等、経営の合理化、省エネ化、保育環境整備に尽力しています。
●サービス内容について、年度当初にクラス目標と個人目標に沿って目標管理シートに職員個々に目標を設定し、園長と面接を実施し、評価を行っています。年度末には各職員が目標達成率や結果について自己評価を行い、クラス目標と併せて園長が総合評価を行い、取り組むべき課題を明確にし、職員は次年度の目標管理シートにつなげる等、質の向上に向けて取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進

●人材の採用、人員体制については、法令に沿った要員の配置を確認し、毎年、年度替わりに見直しています。人材確保については、秋頃から次年度に向けて採用活動を行い、在籍している職員の面談を10月後半から実施し、継続勤務の確認、法人系列園への異動の希望等、確認して調整を行っています。遵守すべき法令・規範・倫理等を職員に周知し、衛生推進者の設置や、就業規則、接遇マニュアルの周知等も実施しています。
●園長は、職員の面接等で技術や意欲を把握して年間研修計画を作成し、個々の職員に合った研修を推進し、職員の資質向上、専門性を高めるよう取り組んでいます。職員の自主的な研修参加については応援する体制を整えています。研修受講後は、出張復命書(研修出張報告書に相当)を提出し、職員会議で研修報告を行い、共有化を図り、一人ひとりの資質向上に役立てています。
●園長は、定期的な面接や日々の話し合いから、職員の就業状況や意向等を把握し、職員の状況や気持に寄り添い、改善点は歩み寄れるよう努力しています。また、事前報告制を定め、有給休暇の消化バランスを確認し、不要な時間外労働を避け、必要な残業には超過勤務を認める等、平準化に努めています。

 

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