かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

六ッ川みどり保育園(2回目受審)

対象事業所名 六ッ川みどり保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 豊会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 232 - 0066
南区六ツ川3-77-7
tel:045-713-2161
設立年月日 2000(平成12)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年05月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 六ッ川みどり保育園は、地元居住の園長が、昭和59年4月に現在の地に無認可保育園を開設したことに始まり、平成12年4月認可保育園として再出発して、平成27年9月、鉄筋4階建ての新園舎に建て替えが完了しています。京浜急行弘明寺駅からほど近い弘明寺口からバス10分、引越坂下車徒歩3分のところにあります。園の周辺は40年ほど前の大規模開発のマンションや住宅が立ち並び、世代交代も進み、のどかさも残す地域です。0〜5歳児を対象に、園の定員は99名(平成29年1月31日現在114名在籍)です。産休明け保育、延長保育、障がい児保育、休日保育、一時保育なども実施しています。子どもたちは雨の日も室内の大ホールでサッカーなどで遊び、毎日を伸び伸びと過ごしています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○年齢に応じた対人関係がはぐくまれるように、クラス担任の配置を考慮しています
 子どもたちが進級する際に、0〜2歳児のクラス担任は基本的に持ち上がりになっています。安心して園で過ごせるように、進級時の環境の変化で子どもが情緒不安定になりやすいという負担を軽減するように配慮しています。また、職員も子どもの変化に配慮しやすいこともあります。ある程度の年数を園で過ごし、ほかのクラスの職員にも親しみが出てくる3歳児からは、就学やこれからに向けての一つの段階としていろいろな職員に触れ合い、対人関係や他人とのコミュニケーション能力がはぐくまれるように配慮しています。職員は、自分のクラス以外の子どもについても、金曜の代表者会議や職員会議で情報を共有し、日常的にどのクラスの子どもともコミュニケーションを取るようにしています。


○保育目標の実現のために職員が一丸となって取り組んでいます
 園の保育目標は、「健康な子ども」「豊かな心を持つ子ども」「自立心があり意欲的な子ども」です。健康な子どもを育てるために、たくさん散歩に行き、毎週運動の日を設け、近隣のグランドや広いホールを使って運動を楽しんでいます。4、5歳児は毎週サッカーを行っています。また、豊かな心を育てるために、季節や暦に合わせて製作や音楽を取り入れたり、さまざまな行事を行っています。自立心を育てるために、子どもたちに何をしたいか、どのようにしたいかを聞くようにしています。職員は年間や月間の保育計画を立てるだけでなく、保育に関して毎月「月間目標」「安全目標」を立て、振り返りを行っています。利用者調査では、総合的に園に満足しているという回答がとても多く得られました。


○子どもたちは畑で野菜や草花を育て、給食の材料としたり、地域の公園に育てた花を植えたりして地域貢献しています
 園は園舎の斜め前に60坪の畑を借りています。子どもたちは毎年、地域の公園愛護会の高齢者のボランティアグループの指導で、チューリップやダリア、三色すみれなどの種をまいて育てています。そして、公園愛護会のメンバーと一緒に地域の行事として、咲かせた花を公園の花壇に植えかえています。これは近隣地域の方々にもたいへん喜ばれています。また、同じボランティアグループの指導で、畑でじゃが芋やさつま芋、トマト、なす、にんじん、えだまめなどを育てて収穫し、給食の材料にしています。子どもたちは畑の土いじりなどを通して自然や大地の恵みを知り、保育理念にある「地域社会の福祉の向上と豊かな生活の向上に貢献」しています。


《事業者が課題としている点》
 子どもたちが一日楽しく安全に過ごせることを、引き続き課題ととらえ、年齢に合った保育や質の高い保育を目ざして、全職員が多様な面から日々向上心を持って話し合いながら、保育に取り組んでいきたいと考えています。また、今年度は職員の人数やシフトの関係上、研修会に参加することが少なかったように思います。子どもたちのよりよい発達に生かしていけるように、特徴のある保育やリズム遊びなどの研修会に前向きに参加して、各分野で詳しく取り組んでいきたいと考えています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 就業規則には、子どもを呼び捨てにしない、その子どもにとって否定的な言葉使いをしないなどの記載があり、職員は日ごろから子どもたちに穏やかに話しかけるよう心がけ、人格や自尊心を尊重した保育に取り組んでいます。子どもどうしのトラブルが起きたときには、保育士は子どもの年齢に合わせて言葉を選んで助言し、自分たちで解決できるよう援助し見守っています。子どもに何か注意をするときには、子ども自身がどうしたらよいのか考えられるように声をかけています。食事や着替え、散歩のときなど、保育士は子どもをせかさないようにして子どものペースを尊重し、子どもを見守るようにしています。
 個人情報保護、個人情報取り扱いに関するマニュアルがあります。職員は入職時に研修を受け、守秘義務や個人情報の取り扱いについて周知されています。入園時に保護者に、園での個人情報や写真などの取り扱いについて説明し、保護者の了解を得て「個人情報使用提供承諾書」に署名捺印をもらっています。個人台帳など個人情報に関する書類は、事務室の施錠できる棚に保管し、書類は事務室内で作業することなどを職員に周知しています。ボランティアや実習生についてもマニュアルがあり、個人情報や守秘義務などについてオリエンテーションで説明しています。
 子どもの並び順やグループ分け、行事の役割、ごっこ遊びの配役、身につけるものの色などを性差で区別することはありません。製作活動においても子どもたちが好みの色を自由に選び、発表会の配役や衣装などを決めるときにも子どもの自主性を尊重しています。自由遊びの時間には、子どもたちは性差に関係なくままごと遊びやごっこ遊びを楽しんでいます。園では、無意識に固定観念で話をしないように職員どうしが互いに注意し合っています。以前、卒園児のプレゼントを男の子にブルー、女の子にピンクのリボンをしようという意見があったときに、性差で分けることがないようにみんな同じ色にすることを、職員間で話し合って決めました。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育課程を基に、年齢ごとに年間保育目標を掲げ、1年間を4期に分け、ねらいに沿った「年間指導計画」「月間指導計画」「週間指導計画」を作成しています。日常の保育にあたっては、年齢に応じてわかりやすいように、その子どもに合わせてゆっくり話し、子どもの意見も聞いています。必要に応じて視覚的にも説明しています。また、子どもの創造性や主体性を大切にしています。例えば、オペレッタの劇中で暑いことを表現するにはどうしたらよいか、子どもたちが話し合い、うちわを使って暑いことを表現するなど、子どもたちの意見を劇中に取り入れました。子どもの「○○したい」という気持ちを大切にして、計画に柔軟性をもたせて対応しています。
 年間指導計画や月間指導計画、週間指導計画は、クラス担任が中心となり複数の職員で子どもたちの発達状況に応じて作成しています。例えば、子どもの身体の様子に疑問があるときは、看護師からアドバイスを受けて、ミルクの量を調節するなどしています。このような計画の変更などは、職員会議やパート会議でも説明され情報が共有されています。そして、引き継ぎノートを朝と帰宅時に確認することを徹底しています。職員は、行事後のアンケートや保護者懇談会、入園説明会、連絡帳、日常の会話などから常に保護者の思いの把握に努めています。トイレットトレーニングや箸の導入時期などについての保護者の要望や意見は、全体会議などで対応を検討しています。
 3歳未満は保育日誌に個別指導計画を作成しています。また、年齢に関係なく配慮を必要とする子どもがいるときは個別の指導計画を作成しています。保護者と担任で子どもの保育について話し合ったことなどは、職員間で周知を図り対応内容について共有しています。子どもの発達や状況によって、個別計画の目標や内容は見直して保育日誌等に記載し、職員間で共有しています。トイレットトレーニングは、園での排泄の状況や発達状態を連絡し、保護者からの希望を聞き相談しながら進め、常に保護者の同意を得るようにしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  入園時の慣れ保育(短縮保育)については、入園説明会で、子どもが無理なく保育園に慣れるための配慮の必要性について、保護者に話して理解を得ています。0、1歳児は受け入れ時に1対1で対応するようにしています。また、子どもの心のよりどころとなる物の持ち込みにも対応しています。連絡帳を使用して保護者は家庭での様子を園に伝え、園ではその様子を踏まえて保育し、その日の園での様子を連絡帳で保護者に知らせています。3〜5歳児はホワイトボードで日々の様子を保護者に伝えています。在園児の担任は0歳から1歳、1歳から2歳、2歳から3歳に進級する際には持ち上がり、3〜5歳はいろいろな職員と触れ合うことを前提に対応しています。
 玄関や保育室は段差のないバリアフリーとなっています。エレベーターや多目的トイレの設備もあり、車椅子への対応もできます。職員会議などで配慮を必要とする子どもの具体的なケースについて話し合い、情報を共有しています。障害のある子どもの保育の研修に出席して、職員会議での報告やフィードバックノートによって最新情報を共有しています。保護者からの同意を得て、医療機関や横浜市中部地域療育センターなど専門機関からの助言を得て、「個別指導計画」を保育日誌に記載して、その子どもに対する目標や配慮すべき点などを記載しています。子どもたちには、歌をうたうときに、1番は歌う、2番は手話で歌うなど、手話で会話ができる友達がいることを伝えています。
 職員は、栄養士による内部研修を受けてアレルギーに関する最新の知識と技術を身につけています。アレルギーのある子どもについては、入園時に提出された健康に関する書類を確認し、医師が記入した生活管理指導表が提出されてから給食を開始しています。また、月1回、献立表について保護者に確認してもらい、栄養士とアレルギーの状況や変化について話し合っています。調理の際は、先にアレルギー除去食を作り、ワゴンの一番上に置いてほかの食材が混入しないように配慮し、食器の色の違いなど、だれの目にもはっきり区別できるようにしています。クラスにはアレルギー除去食表を掲示して配膳時にも確認しています。
4 地域との交流・連携  保育理念に「地域社会の福祉の向上と豊かな生活の向上に貢献する」とあるように、園の子どもたちだけでなく、地域の子育て支援ニーズに応じた対応に努めています。近隣は40年ほど前に開発されたマンションが立ち並ぶ住宅地で、地元に住む園長が地域のニーズに応えて33年前に、現在の園の元となる無認可保育園を開設し、地域とともに歩んできた経緯があります。園長は、世代交代しつつあるマンションの理事や町内会を通して、地域の住民とも親しく交流しています。また職員は、子どもたちと散歩に行く公園で、親しくなった親子から育児相談を受けたり、園への要望を聞いています。南区園長会や幼保小連携の会議などでも、地域の子育て支援ニーズについて情報交換しています。
 将来の利用者のために、園のリーフレットや入園案内、ホームページなどを通じて園の情報提供をしています。リーフレットには保育目標や定員、保育時間、一時保育、休日保育、一日の流れ、サッカー教室、ジュニア英会話、園舎内外写真を、入園案内には前記のほか利用料金やクラス編成などを、またホームページには一日の流れや年間行事などを載せています。リーフレットや入園案内は見学者や入園希望者に配付しています。園の情報は南区こども家庭支援課や横浜市こども青少年局のホームページ「ヨコハマはぴねすぽっと」などに進んで提供しています。
 利用希望者からの問い合わせには、入園案内や園のリーフレット、関係資料を事務室に置き、こうした資料に基づいて、保育理念や保育方針、保育目標、施設概要、サービス内容などを説明しています。問い合わせには主任と園長が対応し、職員も対応できるようにしています。また、利用希望者には園の見学ができることも案内して、日常の保育に支障をきたさない範囲で、見学の日時などは見学希望者の要望に応じています。見学者には園のリーフレットを渡して、園長や主任より園の理念や方針、目標、園の特徴、年間行事、園生活の一日の流れなどをていねいに説明し、園内見学した後、質疑に応じています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  「就業規則」の中の「服務規律」には守秘義務や個人情報保護など職員として守るべき法、規範、倫理を明記してあり、全職員は入職時に園長や主任から説明を受け、誓約書を提出しています。また、保育課程の表題部にも保育理念などとともに、「基本的社会的責任」の一つに「人権尊重(児童福祉法)」を記述し、年度初めの職員会議などで学んでいます。全職員が毎月行う自己評価でも、法や規範を守っているかを確認しています。経営や運営状況は、社会福祉法人豊会として横浜市のホームページに情報公開されています。世間で発生した子どもの虐待事例などは、新聞記事などを基にすぐにミーティングなどで学び、早期発見や注意点の再確認をしています。
 園の保育理念や指針、保育方針、保育目標を玄関に掲示しています。これらを記載した携帯可能な文書を、非常勤を含む全職員に入職時に配付しています。保育理念や指針、方針、目標は、年度初めの職員会議や途中入職者のオリエンテーションのときに、園長が説明して周知を図っています。また、保育課程の表題部にも記載して、指導計画の振り返りのクラス会議や職員会議などでも、保育内容が保育理念や方針に合致しているかを確認しています。職員が毎月末に行う自己評価でも理念等の理解度を問われています。年1回の園長と全職員との目標や意向確認の個人面談では、園長は保育理念や方針に沿って職員の保育実践が行われてきたか確認しています。
 平成26年度に認可保育園15年目を迎えるにあたり、園長は園の全面的建て替えを計画し、前の年から園だよりや保護者懇談会などで趣旨と計画概要を伝えてきました。平成26年3月に保護者懇談会を開き、新園舎の図面を渡して、計画と建設期間中の仮設園舎などでの保育内容を説明し、質疑応答を行いました。そして承認を得た後、旧園舎の取り壊しに入りました。さらに、通算6回ほど懇談会などで映像を使って建設経過を報告してきました。保護者の協力を得て、1年半後の平成27年9月、鉄骨4階建ての新園舎が完成しました。明るく機能的で、子どもや保護者にも好評です。職員の団結力も強まり、運動会や生活発表会など園の大きな行事でも、全職員が役割を分担して取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進  非常勤職員にも常勤職員と同様に、入職にあたり、保育理念と運営指針、保育方針、保育目標の記載された文書を配付しています。入職前のオリエンテーションでは、園長や主任からこの内容の説明や保育の心がまえ、守秘義務などについて話しています。業務マニュアル集は事務室に常備され、いつでも参照できるようになっています。勤務体制は、保育の経験や熟練度などを考慮し、常勤職員と非常勤職員の組み合わせを工夫して、主任がシフト表を作成しています。非常勤職員は、研修の内容についてスタッフミーティングなどで周知され、外部研修の受講を希望することもできます。また、指導担当者の園長のもと、職員間のコミュニケーションが図られています
 保育に関する自己評価は、保育課程に基づいたクラスごとの年間指導計画、月間指導計画、週指導計画、クラス日誌の自己評価欄に記入しています。自己評価は、例えば5歳児では「共通の目的を持って活動に取り組む」というねらいに対して、「運動会では友達と共通の目的を持ち協力して取り組んだ結果、とてもすてきな姿を保護者に見てもらうことができ良かった、行事を通して団結力も深まった、引き続き意欲を伸ばせるよう促していく」とあるように、ねらいと関連づけて行い、子どもの取り組む意欲や過程を重視しそれを促がすことを評価しています。職員は自己評価を通して、次の計画作成や自己の実践の改善につなげています。
 人事考課表には、職務に必要な経験や能力、役割などの期待水準が項目別に明記されています。業務の最終責任者は園長ですが、日常の保育の実践は、現場の職員の自主的判断に任せています。しかし、対外的な業務や事故、苦情などの状況判断を必要とする突発的な出来事は、直ちに園長や主任に報告、連絡、相談することを徹底しています。園長は、毎月の職員の自己評価や、職員会議での業務改善へ向けた討議などから、職員の意見や提案を収集しています。また、毎年秋の園長、事務長による職員個人面談では、職員の満足度や意見、要望などを把握しています。

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