かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

YMCAいずみ保育園(2回目受審)

対象事業所名 YMCAいずみ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 横浜YMCA福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 245 - 0018
泉区上飯田町1872-1
tel:045-800-3010
設立年月日 2005(平成17)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年05月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 当園は、社会福祉法人横浜YMCA福祉会により2005年4月に泉区上飯田町に設立されました。0歳児(産休明け)から5歳児まで定員120名で、開園時間は月曜日〜金曜日7:00〜20:00、土曜日7:00〜18:00(日曜・祝日は休園)です。キリスト教保育を基盤とし、「信じることのできる人」 「ゆたかなこころをもつ人」 「すこやかに生きる人」 を保育目標とし、自分を愛するように隣人を愛せる人になるよう、子どもたちの笑顔があふれる保育を目ざしています。多文化共生を学ぶ機会を保育に取り入れ理解を深めています。園便りも日本語以外に2か国語も発行しています。地域の子育て支援活動も行っています。周囲は豊かな田畑があり、遠くには丹沢山の嶺々と大きな富士山を眺めることができ、また、かぶとむしが園に飛んでくるような自然豊かな保育園です。この恵まれた自然環境を生かし、季節や子どもたちの状況に合わせて園庭遊び、近隣の公園へのお散歩、ときには園バスを利用して園外保育等を行っています。キリスト教保育を実践し子どもたちは礼拝、食前の祈り、キリスト教行事を行っています。子どもたちは家族のようにかかわり合いながら生活しています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○多文化共生を体験し、学ぶ機会を保育に取り入れています
 園では多様な文化や生活習慣を持つ家庭など子どもを取り巻く環境はさまざまです。園では、外国へつながる子どもや保護者の気持ちに寄り添い、子どもの成長を通して子育ての喜びを共有しています。保育士は日本の文化習慣を押しつけるのではなく、それぞれの国の文化を尊重し認めつつ、日本の文化を理解してもらうように働きかけています。園内には4か国語のあいさつや簡単な言葉が書かれた掲示があり、園からのお知らせにはかなを振り、日本語のほかに2か国語以上に翻訳しています。また園内にはさまざまな国の人形や絵本が置かれています。7月のサマーフェスティバルでは、中国、ベトナム、カンボジア、ペルーなどの国々の代表的な料理を提供し、1月には中国の旧正月をお祝いするなど多文化への理解を深め、このような取り組みを通し、園は「多文化共生保育」を実践しています。


○地域の子育て支援活動も園の重要な使命ととらえ、職員の自主的チームなどさまざまな施策を展開しています
 横浜YMCAの保育園ガイドにYMCAの3つの保育方針として「子ども」「家庭」の次に「地域」を挙げ、「私たちは地域の人々とふれ合い、地域と連携して保育をしていきます」と述べ、地域の子育て支援活動も重要な使命ととらえています。泉区上飯田地域の民生委員や主任児童委員、保育園・幼稚園園長、町内会代表などで構成する地域子育て支援ネットワーク「上飯田ネット」に加入し、泉区地域子育て支援拠点「すきっぷ」の活動に協力して地域の親子に向けての「上飯田子育てサロン」に園が場所を提供しています。園では「地域支援」として「おたまじゃくしクラブ」の名前で地域の子育て支援活動を主催し、園庭開放、親子のベビーヨガ、離乳食講座、園行事参加などを行っています。また、小学生の「キッズボランティア」などの募集をしています。


○子どもの主体性を大切にはぐくんでいます
 園では、保育方針に「一人一人の子どもが愛されていると感じられるよう保育をしていきます」としています。保育室には、子どもたちが自ら取り出して遊べるように低い棚に多種類のおもちゃを並べ、子どもたちが主体的に遊べる環境を整えています。3歳児になると自分の意見を言えるようになり、4歳児ではお泊まり保育での遊びについて考えたり、駅伝のチームの走る順番を自分たちで考えたりしています。また、子どもどうしのかかわりも大切にし、駅伝の練習では5歳児が3歳児や4歳児の頑張りをほめたり、同じチームの仲間を励ましたりしている姿が見られます。勝利を分かち合いたいとの気持ちがチームを一つにまとめています。散歩に出る際には、なかなか靴を履こうとしない2歳児に、職員はていねいに話をしながら対応しています。子どもたちは一人一人大切にされて園で過ごしています。


《事業者が課題としている点》
 現在、園では「在園児とその保護者の支援」「地域の子ども支援・子育て支援」「職員の資質向上」の3つの課題を掲げて園を挙げて取り組んでいます。この地域の特徴として外国につながる家庭が多く、さまざまな国の歌や踊りを保育に取り入れるなど多文化共生をキーワードに取り組んでいます。地域の子どもや子育て家庭への支援として、地域の小中学校、幼稚園と連携して活動しています。職員の資質向上については、職員一人一人にやりがいや自己実現を感じてもらえるようサポートするとともに、多様な体験を通して広い視野を持った職員に育成していきたいと考えています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  全職員が年度初めの職員会議において「YMCA個人情報保護規定について」「YMCA職員として大切にしたいこと」などの研修を実施して理解を深めています。横浜市の研修にも出席しています。職員会議では、どのような事例が個人情報にあたるのかを話し合っています。実習生、ボランティアにはそれぞれ「受け入れ規定」で、個人情報にあたるものを特定し、規範を示しています。中高生用にも「保育体験をされる皆様へ」と題して作成しています。 個人情報に関する記録は、施錠できる事務室に保管しており、園外には持ち出さないよう規定しています。年度初めの全体懇談会で、保護者には重要事項説明として子どもの広報への写真掲載について説明し意向を確認しています。
 「自分と他者を大切にし、平和な社会の実現に努める人を育てること」をYMCA保育事業の使命(ミッション)としています。保育方針は「子ども:私たちは一人一人の子どもが愛されていると感じられるように保育をしていきます」「家庭:私たちは家庭と手を携え、子どもの成長を共に喜び合える保育をしていきます」「地域:私たちは地域の人々とふれ合い、地域と連携して保育をしていきます」、保育目標は「1.Spirit(精神・こころ) 2.Mind(知性・ちえ) 3.Body(身体・からだ)」とし、利用者本人を尊重した内容になっています。園の理念や保育の方針は、職員には理念や方針を記載した「保育スタンダード」を配付し年度初めの職員会議で読み合わせをして、共通理解に努めています。
 職員は、子どもたちに対して否定的な言葉を使用しないように注意し、急がせたり強制したりせず、穏やかに接するよう心がけています。子どもの年齢や発達に合わせて、わかりやすいことばを使って話し、年齢が低い子どもの気持ちはしぐさや様子などから読み取るようにしています。職員が子どもと接するときに子どもの人権について意識して考え方を共有しています。子どもどうしのトラブルやけんかは、可能な限り当事者で解決できるように保育士は見守っています。子どもの状況によっては保育士が間に立ち、相手の子の気持ちを代弁してよく話し合っています。職員は年度初めのYMCA保育スタンダード「新年度共通理解」の読み合わせなどの内部研修や横浜市など主催の外部研修などに出席して、子どもの人権についての理解を深め、職員会議の中でも話し合っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育課程は、子どもの最善の利益を第一に考え、地域の実態なども考慮して作成しています。また、保育方針や保育目標に沿って保育課程を作成しています。地域の特徴として外国につながる家庭が多く、「多文化共生保育」について職員間で話し合いながら作成しています。保育課程は、懇談会や入園説明会で園長から保護者に説明しています。また、園便りに保育の方針を記載して、保護者に意識してもらうよう働きかけています。園の特徴として年間指導計画の中に年間聖句を記載し、キリスト教行事の欄を設けています。
 入園にあたって、園長、主任、担任が保護者と面接をしています。4月入園の場合は入園説明会の日に個別に面接日を決めます。面接の際、子どもの様子も観察しています。入園説明会に参加できない保護者や中途入園の場合には、個別に対応しています。保護者にはあらかじめ入園前の子どもの様子、これまでの養育者、成育歴、保育歴を児童票に、そのほか食事調査票、健康調査票に記入してもらい、面接前に提出してもらいます。面接はこれらの調査票をもとに内容を確認していき、さらに子どもを育てるうえで大切にしてきたことなどについて聞き取りをしています。なお、面接内容は「入所時面接記入用紙」に記録し、子どもの様子とあわせて職員会議で報告し情報を共有しています。把握した内容は日々の保育に生かしています。
 0〜2歳児は個別指導計画を作成しています。3〜5歳児クラスでは、配慮の必要な子どもについては、かかわる保育士が情報を共有したうえで、個別に月間指導計画を立てています。YMCAの専門職員の巡回保育相談でアドバイスを受け、また必要に応じて保護者と個別面談を実施して指導計画を作成し、重要部分はきちんと保護者に説明しています。毎月のミーティングでは、子ども一人一人の発達や保育目標について話し合っています。子どもの状況変化にも柔軟に計画の見直しを行い、保育目標も子どもの発達に合わせて随時見直しを行っています。個人差のある離乳食の進め方、トイレットトレーニングについては、一人一人の発達状況を見て、送迎時や連絡帳などを通して保護者と相談しながら進めています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  入園時の慣れ保育(短縮保育)については入園のしおりに記載し、入園説明会の中で「導入保育予定表」に沿って保護者に話しています。就労などの都合で慣れ保育の実施が難しい保護者には相談に応じ、納得してもらったうえで保育を進めています。慣れ保育中の子どもの状況変化には個別に対応しています。子どもの心の拠り所となるタオルなど持ち込みも受け入れています。保護者とは連絡帳を通して子どもの様子を毎日詳しく報告し合い、子どもの生活が家庭と園で無理なく連携できるようにしています。進級時にはクラス担任のうち一人はできる限り持ち上がるようにして、進級時に引き継ぎファイルをもとに引き継ぎを進めています。クラス担任が変わっても、子どもたちが落ち着いて生活し、安定して遊べるように補助の保育士を増やすなどの配慮をしています。
 職員は、指導計画の自己評価欄を活用して評価、見直しを行っています。クラス会議や乳児・幼児の各会議を実施した後、それぞれの記録を持ち寄って、園全体でのミーティングを行っています。職員どうしが話し合い、再評価や見直しをして、子どもの発達や状況を正確にとらえるようにしています。保護者との情報共有を大切にして、送迎時に園での子どもの様子を話すなど、日ごろから保護者と積極的にコミュニケーションをとるよう心がけています。職員は常に保護者の思いの把握に努め、懇談会や入園説明会でも意見を募っています。また、連絡帳や日常の会話などから、保護者の要望や意見を把握した際は、指導計画にどのように反映していくか職員会議で検討しています。
 特別な配慮を必要とする子どもの受け入れに際し、個別のケースについては、月案ミーティングや職員会議で話し合うほか、YMCAの専門職員の巡回保育相談を受けて話し合っています。必要に応じて保護者とも個別に面談を行って指導計画を作成し、保護者に説明しています。職員は、障がいやアレルギー、そのほか配慮を必要とする子どもへの取り組みについてスキルアップを図るために、積極的に各種研修に参加しています。研修に参加した職員は報告書を作成して職員間で回覧するとともに、会議やミーティングで内容を共有しています。各種会議の記録や指導計画、日誌などは必要に応じていつでも閲覧できるようにファイリングしています。
4 地域との交流・連携  横浜YMCAの保育園ガイドにはYMCAの保育方針として「子ども」「家庭」の次に「地域」を挙げ、「私たちは地域の人々とふれ合い、地域と連携して保育をしていきます」と述べて、地域の子育て支援活動も重要な使命ととらえています。横浜市や泉区の園長会議や上飯田地域の民生委員や主任児童委員、保育園・幼稚園園長、町内会代表などで構成する地域子育て支援ネットワーク「上飯田ネット」などで子育て支援の情報交換をしています。また、泉区地域子育て支援拠点「すきっぷ」に協力する園の「上飯田子育てサロン」の運営などからも情報を得ています。横浜YMCAの13園の園長会議やYMCA戸塚・泉区地域園長会でも子育て支援の検討会を行っています。
 園のリーフレットや子育て支援活動「おたまじゃくしクラブ」の案内ちらしは、泉区地域子育て支援拠点「すきっぷ」や地域の主任児童委員に預けて多くの子育て家庭の目に触れるように努め、また、園見学に訪れた保護者などにも配付しています。園入り口横の地域向け看板に「おたまじゃくしクラブ」の案内ちらしと開催日程を掲示しています。また、ホームページにも園の情報を掲載しています。自治会の掲示板に運動会などの園行事のポスターを掲示しています。育児相談は相談者の都合に合わせ、随時受け付け、対応できるようにしています。また、園見学や「おたまじゃくしクラブ」「子育てサロン」などの折に子育ての相談を受けることもあり、主任や保育士が応じています。
 毎年夏、冬、春休みの時期に「キッズボランティア」を募集し、受け入れのためのマニュアルに沿って、事前に保護者の同意署名入りの参加申込書でカード登録をして今年度は卒園児を中心に小学生を12月までに延べ260人受け入れました。また、近隣の中学生の職業体験や高校生の福祉体験の申し出も受け入れています。ボランティアと実習生については「園のしおり」に受け入れ方針を記載し、事前にどんなボランティアが入るのか全職員に周知し、利用者には玄関の掲示で知らせしています。受け入れ担当は主任で、「保育体験をされるみなさまに」などの資料でオリエンテーションを行い、YMCAや園の保育の考え、子どもへの配慮と守秘義務、保育の基本などを学んでいます。クラス担任に実務指導を受け、終了時の反省会には園長、主任も参加して感想を聞き、意見交換をして、参考になる意見は園の運営に役立てています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  「子ども・子育て支援新制度」や待機児童解消などにともなう法改正や諸施策施行など利用者に影響を与えると思われる重要事項については、職員や保護者に内容や目的、理由などを十分説明しています。職員には職員会議などで、保護者には新年度説明会や保護者懇談会で園長が説明し、意見交換をしています。開園後12年目を迎え、施設の改修の予定があることも職員や保護者に話しています。サマーフェスティバル(ゲーム、模擬店などがある園の祭り)や運動会、クリスマス会など園の大きな行事では、早くから保護者の協力を得て園全体で取り組むしくみがあります。 
 利用希望者からの問い合わせには、事務室にYMCA保育園ガイド、園のしおり、リーフレットなどを用意して、これに基づいてていねいに応対しています。問い合わせには主任や園長、ときには事務職員が常時対応できるようにしています。利用希望者には見学ができることを案内し、保育に支障がなければ、なるべく見学希望者の希望する日程や時間などに合わせて見学に応じています。見学者には主任または園長が対応し、リーフレットを渡してYMCAの保育理念や方針、目標、園の保育サービスの内容などを説明し、園を案内しています。
 YMCA保育事業の使命や目標、方針を玄関に掲示して利用者や職員の目にいつでも触れるようにしています。この保育の使命と目標、方針は全職員に配付される「YMCA保育園ガイド」「園のしおり」などに明示しています。年度初めの全体職員会議で園長から新年度の法人と園の事業計画、中期ビジョンなどの説明とともに、YMCA保育事業の使命、目標、方針の説明、確認をして周知しています。毎月の月案会議などで、保育内容が保育の使命や目標、方針に合致しているかを見直ししています。また、園長は年末近くに行う個人面談などで職員が保育の使命、方針などに基づいた保育を行ってきたか確認しています。
6 職員の資質向上の促進  保育実習はYMCAの保育士養成校や専門学校、短大・大学の保育科の学生などを受け入れています。ボランティアのときと同様に、受け入れマニュアルに沿って、事前に全職員と利用者に知らせています。受け入れ担当は主任、園長で、「保育実習について」などの資料で、オリエンテーションを行い、YMCAの保育方針や守るべき事を十分に説明し、誓約書を受け入れています。実習目的に応じた効果的な実習となるよう育成担当者は事前にプログラムを確認しています。クラスの育成担任者は毎日の指導や質疑応答を行い、日誌にはコメントをていねいに記載しています。終了時の反省会には主任や時には園長も出席して質問に答えるとともに意見や感想を聞いています。
 園長は園の運営に必要な人材が確保されているかを常に把握しています。職員の欠員が予想される場合、横浜YMCA系列13園の間で転勤などで対応できる場合もありますが、年度途中での欠員はホームページなどの直接募集や諸機関などを通じて補充しています。年度初めに常勤職員の合同研修があり、YMCA保育の理念、方針、目標を確認しています。園は今年度の事業方針・計画の中に「研修の充実」を挙げ、また職員による園独自のタスクチームの活動の一つに「国内研修」を示し、「主体的な活動を推進し、総合力の強化につなげる」としています。YMCAや園の方針をふまえて研修計画を策定しています。職員は年末近くになると、今年度受講した研修や勤務希望、目標に対する自己の評価を自己申告書に記入し、園長と個別面談をしています。 
 職員の自己評価は自己申告書に1年間の職務の成果や自己評価、課題、受講した研修、職務の希望、意見などを記入し、提出しています。また、保育所の自己評価は職員の意見を園長、主任、0、1歳児担当の副主任、2、3歳児と4、5歳児担当の2名のリーダーの幹部職員がまとめ、さらに園長が見直しをして作成しています。系列保育園との交流保育を実施して、他の園で取り組まれている事例として0、1歳児は月齢ごとにいっしょに職員が保育にあたっているといったことを参考にするなど、サービス向上を目ざし学び合っています。配慮が必要な子どもには横浜YMCAの社会福祉士による毎月の来園指導や横浜市戸塚地域療育センターの巡回時に相談、指導を受けています。

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