かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

パステルファーム ワーキングセンター

対象事業所名 パステルファーム ワーキングセンター
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 障害分野 生活介護
事業所住所等 〒 252 - 0244
中央区田名5012-5
tel:042-760-3170
設立年月日 1994(平成6)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年04月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 日本コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【事業者が特に力を入れている取り組み】

@ 多くの実習生を受け入れるとともに、大学など教育機関への講師派遣も行っています

 近隣の中学・高校生に職業体験として介護の実態を学ぶ機会を提供しています。また、大学や専門学校、一般社会人の実習生も多数受け入れています。教員免許を取る方や、職業として福祉分野を目指す方の為の介護体験実習が積極的に行われています。夏休みには多数の実習生が来訪し事業所内が人でいっぱいになります。昨年度、職業体験や実習生を85名受け入れています。また、大学や教育機関に講師を派遣し、介護体験実習に来られる人のための事前講義や障がい者福祉に関する講義なども行っています。


A ヒヤリハットを積極的に出しその分析・検討により事故にまで至らない努力をしています

 ヒヤリハットは昨年度報告があった件数が年間274件と多くなっています。日誌で支援内容とともに、ヒヤリハットも記載されます。また月に1回支援員会議の場でヒヤリハットの報告が各グループから行われ、何故起きたか、どうしたら防げたか等の検討が行われています。利用者同士のトラブル(殴りかかった、肩がぶつかり喧嘩になった等)が多くなっていますが、それ以外では外出や余暇のプログラムの時の防ぎきれないヒヤリハットは少ない傾向です。事故報告になるような案件は昨年度で3件とヒヤリハットの件数に比べると少なくなっています。


B 意向や行動パターンを理解し、個々に合ったグループで活躍できるようにしています

 日中活動では数多くのメニューを用意し、利用者に応じた作業が出来るようにしています。朝、作業室に到着した利用者は、ホワイトボードに書かれた仕事の一覧を見て、働きたい所に自分の写真を貼ります。作業工程を分割し利用者が負担感なく部分的にでも参加できるようにしています。職員が作業を説明しながら進めることもあります。活動内容を変更すると混乱が起きてしまう利用者には、可能な限り毎日決まった活動を行い戸惑いが起きないようにしています。サークル活動も、多くの選択肢から利用者が好みの活動を選べるようにしています。


【特に良いと思う点】

@ 事業所独自の事業計画を職員が役割を分担して作成・検討し、次年度の課題と目標、実行計画を策定しています

法人本部向けの事業計画書とは別に、当事業所独自のやり方で策定した事業計画書を作成しています。この事業計画は、12月に利用者、家族、職員の3者からのアンケートを取ることからスタートし、職員の役割を分担して原案を作り、何度かの検討の場を経て、5月に小冊子として完成させます。完成した計画は利用者とその家族に説明の上、配布しています。内容は施設長記載のパステルの現状と方向性の総評に始まり、SELP事業、楽しむ・暮らす・健康、地域の結びつき・業務改善と事業所の全活動領域をカバーし、事業所運営の礎になっています。


A 障がいの重い人も高齢の人も働くことで自信が持てるように、プログラムの提供をしています
通所されている人の平均年齢が40歳を過ぎ、20歳代と50歳代が共に満足感を得るには工夫が必要となっています。AからEまでのグループに加え、高齢枠のFグループを作り、日中活動に健康をテーマにしたプログラムを増やしています。活動内容も、生産を続けながら余暇活動を楽しむ傾向に移りつつあり、作業では畑作業も加えました。多様な活動プログラムを用意し、利用者が自分で選択し「はたらく」ことと「いきがい」を提供しています。


B 事業所独自のマニュアルを整備し、日々の活動に集中して働く職員が迷わず業務に就くことができるようにしています

 日中活動の種類は多岐に渡り、扱う書類が増えています。その中で一番大切な事はグループごとに違う作業をしながらも統一感のある支援と考え、独自の支援業務マニュアルで手順を明確にしています。衛生・安全管理・苦情処理等はもちろん、支援計画の立て方、送迎、服薬、掃除、散歩、発作時対応や緊急時対応、業務分担表などを日常的に活用しています。その日の仕事の流れを表示し、活動室に掲示しています。毎年、3月31日には、次年度への討議に加え、マニュアルの読み合わせと確認もしています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@通所の開始時には、個人情報の取り扱いについて説明し、同意書に署名をもらっています。施設内で撮影した写真をホームページや広報誌に掲載する際は、その都度了解を得ています。個人のプライベートな情報が医師への情報提供などに限って提供されることも説明しています。職員はプライバシーに関する情報を、他に聞こえるような場所で話さないように気を付けており、場所の設定にも気をつけています。また、事例検討等で利用者情報を扱う時も了解を得ています。


A利用者とのコミュニケーションでは、わかりやすい言葉を使ったり、絵や図を活用して工夫しています。利用者個人を呼ぶ時には苗字に「さん」をつけて呼び、愛称で呼ぶことは禁止しています。また、友達と話すような言葉かけにならないように注意もしています。職員は接遇やマナーについて常に話し合っており、他施設の不適切事例の検討や、自身の振り返りも行っています。言葉による静止や無視についても利用者の権利を侵害していないか検討しています。


B法人として権利擁護規定や虐待防止対応マニュアルを作成し、職員に内容を徹底しています。ミーティング等では、入職時に配布される「職員ハンドブック」の読み合わせを行い、人権に関する知識も深めています。その他、法人には人権擁護委員会があり、委員会が大学教授と共同開発した「人権ツール」(グレーゾーン、不当な差別的な扱い、合理的配慮)を法人の全事業所が取り組むようになっています。平成28年度の事業計画の柱の一つに施設内研修委員の活性化を掲げており、人権に関する教育に関しても更なる取り組みが期待されます。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@通所開始時には家族が成育歴等を記入した基礎調査票、申込書、服薬調査票など所定の書類を提出してもらいます。また、卒業した特別支援学校から情報や、実習記録などを参考に利用者の基本情報を把握しています。家庭訪問も実施し、家族や社会との繋がり、幼児期、小学校時のエピソードなども聞いています。収集した情報をまとめ、個人ファイルを作り、本人の提出書類や市の担当課からの書類、緊急時の連絡先、個別の支援計画などを一冊にして、支援に活用しています。


A毎月第2と第4週に個別支援会議を開催し、個別の支援計画を立てています。中間評価も実施しています。「今後一年の支援計画」に「一番支援したい事は何か」を書き出し、支援計画としてまとめています。その際のモニタリングでは、各部門が「エコマップ」「将来の希望」「体重」「健康診断結果」等に本人の写真を入れ、好きな事と嫌いな事も明記し、最後に全職員が「本人のストレングス(強み)」を記入しています。中間評価では、「やったか」「やらなかったか」をグループ内で評価し、特記事項を記載しています。


B施設で過ごす時間は、ストレスや不安を感じない生活になるように個別の配慮をしています。利用者同士の相性や特性を把握し、室内や車中での配席を考えています。作業室にカーテンで仕切った個人ブースを設けるなど細かい配慮もあります。新規入所の利用者には、困る事がないように集団のルールや決まりをわかりやすく伝えています。各グループでは職員が作業をしっかり見守る体制を作り、利用者の行動を予測してトラブルを未然に防ぐように取り組んでいます。


Cゆったりと過ごすのが好きな利用者や活発で活動的な利用者など様々な人が通ってきます。事業所は多くのメニューを用意し、利用者に応じた作業が出来るようにしています。活動内容を変更すると混乱が起きてしまう人もおり、可能な限り毎日決まった活動を行い戸惑いが起きないようにしています。休息時間をたっぷり取りたい人にはソファで横になって過ごせる場所を提供したり、その日の気分でどうしても作業が難しい人には「午前中は仕事なし、休憩」と職員が宣言したり「一緒にルームランナーしましょう」と気分転換を入れるなど様々な工夫をしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@事業所内には、苦情受付担当や行政の受付窓口、第三者委員の存在などが記載された苦情解決制度の書面が掲示されています。また、法人全体で取り組んでいる利用者の声を聞くための「みんなの声ボックス」も設置されています。


A利用者の安全を守るため、火災や地震を想定した避難訓練が定期的に行われています。また、インフルエンザや感染症の予防、発生した場合の対応策などの災害時マニュアルが整備されています。この中には感染症の際の嘔吐処理、てんかん発作、怪我の対応などのマニュアルもあります。当事業所では各支援員に毎日の報告の中で「ヒヤリハット」の出来事を積極的に報告するような指導がなされています。「ヒヤリハット」の報告は昨年度で274件と積極的に多く挙げる組織風土があり、さらに再発防止策が会議で検討され、事故の発生防止に繋がっています。


B朝の会議は事務所に各グループの代表が集まり、前日に作成したグループ日誌をプリントして利用者の配慮事項等を読み上げ共有しています。その他、スケジュールや利用者の出欠等の状況なども確認しています。サービス終了後の16時頃からは、グループごとに当日の日誌を作成し、17時に行う全体会議でその内容反映された日誌をプリントして職員が確認しています。日々の様子やヒヤリハット、事故報告などグループごとに利用者の状況を職員全体で共有しています。


C事業所独自の業務マニュアルで手順を明確にしています。危機管理、個人情報、衛生・安全管理・苦情処理等のマニュアルは特に活用されています。その他に発作時対応や緊急時対応、業務分担表、その日の業務の流れを時系列で表した「本日の流れ」はグループごとに掲示しています。年度末の3月31日は利用者の活動を休みにして、年度の反省や次年度以降の取り組みに関する話し合いをしていますが、マニュアルに関しても読み合わせや確認・更新も行っています。

4 地域との交流・連携

@事業所の機能や専門性を社会に還元する方法の一つとして、当事業所では中学・高校生の職業体験や福祉業界への就職を目指す大学や専門学校の実習生を多数受け入れています。職員と同じ様に利用者と接し、実践的に学ぶと同時に、新鮮な眼で事業所や職員に対するため、実習生の評価や意見を聞くようなモニタリングの仕組み作っています。また、施設長は大学や企業などから要請を受けて障がい者福祉分野における講師を担当する等、地域福祉に貢献する取り組みをしています。


A毎年9月に開催される「パステル祭り」には地域の方々と交流する良い機会となっており、自治体や地域サークル等協力の下、たくさんの方々が来訪しています。ボランティアや実習生なども参加し、利用者の家族や近隣住民等、300名人が集まるイベントとして定着しています。普段の運営でも作業ボランティアが常時活動し、地域ネットワークのオンブズマンの訪問も月に1回あります。オンブズマンは利用者の方々と直接会話しその結果がオンブ活動報告として事業所に送られてきています。このように利用者が地域と交流できる機会を増やしています。


B相模原市の40カ所ほどの神奈川県知的障害施設団体連合会や20カ所ほどある相談支援事業所の連絡会に参加しています。これら会合で行政からの福祉関連の情報を収集し、また、他の事業者との情報交換など、地域の福祉ニーズや福祉事業の動向を把握する事に努めています。さらに、事業計画では相模原市の状況を分析しており、市内施設の数やサービス種別、定員数、特別支援学校に関しては卒業生の進路の状況確認等、地域の福祉環境を把握し、それに基づく計画の立案に努めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@法人が作成した理念や基本方針を職員に浸透させてゆくために、当事業所では毎日の朝礼の場で、職務連絡の他、法人作成のマスタープランや職員ハンドブックの内容を細かく分け、その内容や意義の確認をしています。分かりにくいところや重要な所は、施設長がコメントをする等、取り組んでいます。関連する法人内の事例やニュース等を交えてコメントする事もあります。当事業所ではこの朝の時間を連絡報告に留めず、教育の場としても活用しています。毎日の積み重ねが浸透、周知徹底のために重要と認識しています。


A法人の中期計画や年度の事業計画とは別に、当事業所独自の方法で事業計画を作成し、それを事業運営の根幹としています。施設長のみならず職員が自分の担当分野の年度の方針や計画を作成し、それを職員会議の場で読み合わせを行い事業計画書として一つのものにまとめ上げています。利用者・家族・職員の3者からのアンケートの分析に始まり、グループ毎に働くこと(SELP事業)の計画、余暇、健康、地域交流、業務改善など全活動分野にわたり5か月間の検討の上作成しています。その内容は利用者・家族にも説明会を開き周知しています。


B事業所独自のホームページがあり、施設の特徴、作業内容、お勧め商品や委託店なども写真で紹介し、ニュースとトピックス、年間予定表も入手できるようにして、利用希望者に情報を提供しています。インターネット上で情報を得て問い合わせが寄せられるケースもあります。法人のホームページには、法人の概要、経営理念、沿革、前年度の事業実績報告、決算報告、今年度の事業計画、プライバシーポリシーなどを掲載し、通所事業、生活支援、相談支援などの各分野の事業所の紹介や地図などもエリア別に掲載しています。

6 職員の資質向上の促進

@運営法人には入職1年目の新人職員がマンツーマン方式で先輩職員に仕事上の悩みなどが相談できるメンター・メンティ制度があります。それに加え、当事業所では上司と部下が年1回仕事上の悩み、将来の希望について面談するチューター制度に取り組んでいます。法人では仕事の継続意志や異動希望などを職員から聞く「意向調査」の制度もあり、職員の希望把握に基づく育成に取り組んでいます。


A当事業所では法人が各階層別に用意した研修の他、近隣に相模原市の事業団の外部研修に参加しています。事務所の掲示板にこれらの研修案内が掲示され、施設長から積極的な参加呼びかけがされています。


B利用者の中での問題事例を検討するカンファレンスを月に一度開催しています。このカンファレンスには法人内のホーム職員など他事業所の職員も参加すると同時に、自閉症や発達障がいの人への対応の専門家も呼んで実施しています。また、法人内の相模原市の4施設が自閉症対応専門の先生等を呼び、各事業所での事例研究を発表する会にも職員は参加しています。このような機会が発表者、参加者双方の学びに繋がり人材育成に役立っています。

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