かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ぶどうの実 梶ヶ谷園

対象事業所名 ぶどうの実 梶ヶ谷園
経営主体(法人等) 株式会社 ぶどうの木
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 213 - 0014
高津区新作1-18-4
tel:044-870-3553
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
<立地・概要>
 ぶどうの実梶ヶ谷園は平成27年4月1日開園しました。東急田園都市線梶が谷駅徒歩15分の住宅地内の6階建てマンションの1階部分にあります。0〜5歳児定員50名、在籍者50名となっています。運営は株式会社ふどうの木で、保育園5園、学童保育、学習塾などを経営しています。
<保育の特徴>
・保育理念は「シアワセな未来を創る”ひと”を育てる」
 保育目標は「子どもひとり一人を大切にする子ども主体の保育」
 保育方針は「勇気づけの保育」「裁かない保育」「見守る保育」としています
・保育室は、0歳児は専用スペース、1、2歳児は保育室内を年齢別に区切って使用し、3〜5歳児は常時、異年齢合同保育をしています。
・設置法人内5園で保育課程検討委員会、カリキュラム会議、委員会活動、合同研修、地域支援など連携した取り組みを行っており、法人としての統一された理念や保育方針のもと、園運営を行っています。
・職員の資質向上面で、就業規則第3章に職員も参加して職員のあるべき姿を網羅した「ぶどうの木の職員としての心がけ」を定め、これが職員の行動基準になっています。


【特に優れていると思われる点】
1 主体的に活動できるような環境設定
 子どもの成長や興味にあったコーナー作りを検討し、子どもがより主体的に活動できるように環境設定をしています。乳児クラスは少人数や自分の好きな場所、興味のあるおもちゃで遊べるように、低い棚の配置や敷物、机などで空間を区切っています。幼児クラスは、遊びの種類、内容によってコーナーを分けているほか、一人遊びや、落ち着ける場所として衝立、棚を配置したコーナーも設けています。


2 子ども一人一人を大切にした保育
 一人一人の家庭環境や生活リズム、心身の発達や個性を尊重するよう努めています。育ちを見守り、意欲的に物事に取り組んでいけるように努力しています。乳児クラスでは、安心できる環境で、ゆったりとした時間を持ち、少人数グループで過ごし保育士との信頼関係を築いています。個々のペースを大切にして育まれた自己肯定感から自信をもち、幼児クラスでは、その日遊びたい事を自分で決めて遊びこんだり、生活の流れに沿って自主的に行動し、友だちと協力しあったり、いたわりあうようにもなっています。


3 保育力向上への職員の努力
 保育目標の「子どもひとり一人を大切にする子ども主体の保育」の実践のために、職員が学びあう姿勢を大事にしています。設置法人合同研修の全員参加、園での各種会議、週末ミーティング、内部研修などで常勤、非常勤にこだわらず情報を共有し、活発に意見交換ができる環境を作っています。また年度初めに「自己評価チェック表」による自己評価を行った後、数人ずつでグループ討議を行っています。討議により自分自身の気づき、園としての課題の抽出を行い、個別年間目標を設定し、年度末に再チェックをし振り返りをしています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】

1 事業計画の策定
 中期計画をさらに具体化した内容で実施状況の評価が行えるように、担当者や実施時期・数値目標も設定した事業計画の組織的な策定が望まれます。


2 日常的な要望、意見の記録化
 保護者からの要望、意見、苦情については、対策を講じていますが、日常寄せられる、口頭での要望や連絡帳に書かれた相談など、記録に残していないものや全職員に周知できていないものもあります。記録に残し、今後の解決に活かすことが期待されます。


3 ボランティア、実習生の受け入れ
 ボランティア、実習生の受け入れマニュアル、プログラムを用意していますが、実績はありません。地域に根差す保育園として、地域住民から園に対するボランティアを積極的に受け入れ、保育士養成機関から実習生も積極的に受け入れて、地域の一員としての開かれた保育園運営を期待します。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・理念は「シアワセな未来を創る “ひと”を育てる」とし、基本方針は「勇気づけの保育・裁かない保育・見守る保育」としています。保育目標は「子どもひとり一人を大切にする子ども主体の保育」としており、いずれも子どもを尊重した保育を目指している事を明示しています。


・人権擁護、虐待防止について園の運営規定に明記し、職員に周知しています。子どもの気持ちを傷つけるような職員の言動、放任、虐待について職員が率直に指摘しあい気づきあえるよう、日ごろから職員間で話し合っています。また虐待防止マニュアルがあり、早期発見に努めています。


・プライバシー保護、基本的人権については設置法人合同研修、園長の指導により、職員は理解を深めています。個人情報取り扱いについては、十分配慮をしています。


・職員は子どもの気持ちを受け止め、子どもの言動の裏にある意図や心の動きを理解し寄り添うよう、努めています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・行事後アンケート・年度末アンケート、個人面談、保育参加時や日常の会話から保護者の意見や要望を把握しています。


・苦情解決の体制(苦情解決責任者の設置、苦情受付担当者の設置、第三者委員の設置)を整備し園玄関に掲示、重要事項説明書への記載などで保護者に周知しています。意見・要望・苦情には迅速に対応し、意見内容や園の対策などを園内に掲示したり、園だよりで伝えています。


・園の目標として「ひとり一人を大切にする子ども主体の保育」を掲げ、一人一人の家庭環境や生活リズム、心身の発達やスピードや個性などを把握して尊重するよう努めています。子どもの興味関心に応じて自分のしたい遊びを選ぶよう環境を整え、子どもが自己選択、自己決定し、自ら行動することができるように工夫しています。


・特別な配慮が必要な子どもの保育にあたり、発達支援、障がい児支援、保護者支援などの研修を受講し、学びを深めています。療育センターや医療機関と連携をとっています。子どもへの対応、配慮点は職員間で情報共有しています。


・子どもの年齢、発達に合わせて、個別に声かけや援助をし、食事・排泄・手洗い・着替え、ルールなど子どもが健康や安全に関心を持ち、進んで行動できるようにしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・利用希望者からの問い合わせには随時受け付けています。見学希望については月に2回の設定日を設けて、毎回15組までとしていますが、保護者の希望により他の日に設定する場合もあります。パンフレット(説明会用入園のしおり)をもとに、園長あるいは、主任が対応し、保育の理念や保育方針、保育の内容を丁寧に説明し、理解してもらえるよう努め、施設案内と保育の様子を見てもらっています。


・入園前説明会で、保護者に説明するほか、入園内定者に「慣れ保育」について説明した文書を配付し、各家庭の都合により数日〜10日程度個別に期間を設けています。また入園前に、各家庭の都合に合わせて「園内開放日」を1月末に3日程度設定し、希望日に親子で、午前中一緒に保育園で過ごす体験ができます。


・入園前に把握した子どもの情報は個別ファイルにし、一人一人の具体的なニーズを児童票、指導計画に明示しています。時期ごと、あるいは必要時に見直し、変更後職員間で情報共有しています。


・保育、事故防止、苦情対応、衛生管理に関するマニュアルに基づき、園運営されています。また「川崎市の健康管理マニュアル」を参考にしています。


・園長は設置法人の保育園長会、事業運営会議に出席し、安全に関する話の内容、討議事項を園に持ち帰り、職員会議で伝えています。毎月火災や地震、不審者侵入を想定した様々な設定で避難訓練を実施しています。避難場所への経路、危険度などを把握しています。園長・主任不在時でも職員一人一人が的確・迅速な対応が取れるようにしています。


・ケガ、事故については「ヒヤリハット」「アクシデントレポート」を作成しています。職員会議、週ミーティングで話し合いをして改善や再発防止に努めています。他園の事故やヒヤリハット事例を職員会議で取り上げています。日常点検以外に遅番が「安全チェック表」をもとに、再点検しています。

4 地域との交流・連携

・設置法人のホームページに園の情報、日常保育や行事の写真などを掲載しています。園の外掲示板に園だよりや行事案内を掲示しています。市の図書館や子育て支援センター、区役所で行う保育作品展や保育まつりなどの行事において、園の情報を掲載したパンフレットを配布しています。


・高津区園長会、年長児連絡会議や幼保小連携会議などの区内の連携会議に参加して具体的なニーズの把握に努めています。


・地域で乳幼児の子育てをしている家庭を対象に子育ての相談や保護者の交流の場として「子育てサロン」を企画、保育のスキルや遊びの提供を行っています。設置法人は、毎年「ぶどうフェス」を開催しています。今年は設置法人設立15周年を記念して梶ヶ谷園の施設を利用し、設置法人内の5保育園共同で親子や地域で参加できるベビーマッサージや食堂、積み木などの催しものを行いました。


・近隣の小児科や小学校からの個別の相談に園長が応じています。また、共通課題の解決に向けて設置法人としても「ぶどうの木の子育て支援委員会」を設置し、区を超えて、組織的な取り組みに努めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・理念・基本方針がパンフレット、設置法人ホームページ、「入園のしおり」、保育課程に記載されています。基本の方針が園内玄関に掲示されています。


・基本方針は年度末の保育課程見直し時に職員間で確認しあい、年度初めに職員会議で園長が説明しています。保護者には、入園希望見学時に園の理念や保育の方針について、園長が丁寧に説明しています。また入園説明会で、「入園のしおり」「重要事項説明書」「クラスの年間目標」をもとに、説明をしています。


・理念・基本方針の実現に向けて、3年(平成28〜31年)中期計画目標を立てています。中期計画を踏まえた単年度ごとの事業計画は策定されていません。具体的な事業計画を策定し、職員・保護者への周知が期待されます。


・今年度、川崎市の基準により、第三者評価を受審しました。園においては、職員は年度初めの4月に、300項目におよぶ「自己点検 自己評価のためのチェックリスト」をもとに、自己評価を行っています。


・設置法人本部が社会福祉事業全体の動向について把握しています。設置法人として「ぶどうの木子育て支援委員会」を設置し、区を超えて多摩区、宮前区、狛江市など近隣の地域との連携を深めています。園では高津区幼保小連絡会議、設置法人などから情報を得ています。把握された情報は、「地域の子育て支援」など中期計画に反映されています。

6 職員の資質向上の促進

・就業規則に服務規程、倫理規程が明記されています。保育園業務マニュアル、個人情報に関するマニュアルに法令順守、個人情報保護が規定されています。園長は、設置法人の5園園長会議や、高津区園長会などで入手した他園での事故や不適切事例、報道などによる不適切事例などを職員に報告し、話し合いを持って職員に法令順守の徹底を再確認しています。


・設置法人の定めた保育方針、職員の基本姿勢を定めた「ぶどう基準」に、組織が職員に求める基本姿勢や意識が示されています。保育実践に必要な専門知識や技術、経験・能力に応じた期待水準は、「就業規則」「職員のためのステップアップ表」に明示されています。


・年度初め4月に各職員が「自己評価チェック表」による自己評価を行った後、年間の自己目標を設定し、園長と面談後に研修計画につなげています。年度末に、「自己評価チェック」の再チェックを行い、振り返りも行っています。


・園長は職員と年2回以上個人面談を行っています。園長・主任は職員が日ごろから、希望や要望を言いやすい雰囲気を作っています。


・設置法人では人事採用計画を見直したり、ライフサイクルに合わせた働き方や長く就労できる環境についても考えています。育休、産休明け職員には「ししゃもの会」があり、相談やサポートをする体制があります。育休中や休職中の職員のグループ登録をし、園長は定期的に連絡や情報交換の場を作っています。


・実習生、ボランティアの受け入れ体制がありますが、実績はありません。今後、受け入れが期待されます。

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