かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

白峰保育園

対象事業所名 白峰保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人白峰会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 234 - 0054
港南区港南台4丁目6-15
tel:045-835-0170
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 合同会社 評価市民・ネクスト
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
 白峰保育園はJR京浜東北根岸線の港南台駅から歩いて10分ほどの、横浜医療福祉センター港南、県立明朋高校などが並ぶ一角にあります。近くには、関連の学校法人の横浜女子短期大学があります。周辺には自然が豊かな公園が複数あり、子どもたちの散歩コースとなっています。
 白峰保育園は、平成26年(2014年)4月に開園しました。運営法人は社会福祉法人白峰会です。運営法人は、創立116年の歴史があり、横浜市内で2園保育園を運営するほか、市内で児童養護施設を1か所運営しています。
 鉄筋コンクリート造り2階建ての園舎は明るく広々としていて、随所に運営法人が蓄積してきたノウハウが活かされています。シンボルツリーが植えられた園庭のほか、2階にテラスがあり、夏には子どもたちがプール遊びを楽しんでいます。
 定員は90人(産休明け〜5歳児)、開園時間は、平日(月曜日〜金曜日)は7時〜20時、土曜日は7時〜17時です。
 保育理念は、「子どもは わたしたちの たからです。たえず おとなに よろこびと のぞみと ひかりをあたえてくれます。わたくしたちは まごころをもって ひび よく そだてましょう。」(創立者 平野 恒)、保育方針として「キリスト教の精神に基づき子ども一人ひとりを大切にし、保護者、地域から信頼される保育所を目指します」、保育目標として「健康な身体で明るく元気な子ども」「意欲を持ち自分で考え行動できる子ども」「感謝の気持ちと思いやりの心を持つ素直でやさしい子ども」を掲げています。


●特長・優れている点
【1】保育士に優しく気持ちを受け止めてもらい、子どもたちは落着いて毎日を過ごしています
 園は、子ども一人一人の思いに寄り添い、共感することを大切に保育にあたっています。保育士は、子どもに優しく話しかけ、子どもの言葉や表情、仕草、反応などから子どもの思いを読み取っています。
 乳児は、仕切りやマット等を用いて保育室を仕切り、子どもの状況に合わせて個別や小集団で活動しています。0歳児は主活動、生活ともに小グループで活動しています。1歳児は、遊びはクラスですが、食事やトイレなど生活面はグループ担任とともに動いています。保育士との個別の関わりの中、子どもたちは保育士にたくさんスキンシップをとってもらい、甘えを受け止めてもらっていて、安心して毎日を送っています。
 保育士は、子どもの声を聞いて、散歩先の公園を決めたり、遊びや活動に取り入れるなど、子どもが主体的に活動できるように柔軟に計画を変更しています。製作などは期間に余裕を持たせ、小グループの中で、個別にじっくりと関わるようにしています。自由に好きな遊びをする時間もたっぷりあり、子どもたちは好きなコーナーに分かれて、1人で集中して遊んだり、2〜3人、4〜5人でおしゃべりしながらパズルや絵本、電車で遊んだりと、思い思いに楽しんでいます。
 また、身体を動かす、植物や動物を観察する、図書館で本を読むなど、子どもの状況や目的に合わせて近隣の公園や横浜女子短期大学の図書館などに散歩に出かけています。散歩先での子どもたちは、友だちと元気に追いかけっこをしたり、山の斜面を上り下りして探検ごっこをしたり、友だちと凧揚げをしてどこまで高くあげられるかを競うなどして、元気いっぱいに遊んでいます。ドッジボールなどルール性のある遊びをすることもあります。保育士は子どもの様子を見守り、個々の子どものやりたい気持ちを大切に聞き取り、遊び方のアドバイスをし、集団遊びにつなげられるように働きかけています。
 このように、子どもたちは保育士に優しく気持ちを受け止めてもらい、落着いて園生活を楽しんでいます。


【2】保育士は理念を共有し、連携して保育にあたっています
 開園からの3年間、運営法人の保育園2園から異動してきた職員に新規採用の保育士が加わり、新しい保育園作りを行ってきました。保育士は皆、運営法人の創立者の言葉である保育理念を共有しているとはいえ、細かな保育の方法など、様々な摺合せが必要でした。園長を始め、職員は会議や園内研修を通してそれぞれの保育の方法が理念や方針に沿っているか話し合いを重ね、園としての方向性を統一してきました。
 保育士は、自己チェックや自己評価などを通して自身の保育が理念や方針に沿っているかについて常に振り返るとともに、年間指導計画や月案の作成時にも理念や方針、保育課程に基づいて振り返りをしています。
 研修にも力を入れていて、保育士は白峰学園横浜女子短期大学保育センターを始めとして横浜市などの研修に積極的に参加し、研鑽を重ね、保育技術のさらなる向上を目指しています。研修に参加した職員は研修報告書を提出し、職員間で共有しています。
 このような取り組みを通して、保育士は目指す方向性を共有し、連携して保育にあたっています。

【3】子育て支援担当の保育士を配置し、地域の子育て支援に取り組んでいます
 園は、地域に根ざした保育園をめざし、子育て支援担当の保育士を配置し、地域の子育て支援に取り組んでいます。地域の子育て支援としては、一時保育、交流保育、育児相談などを実施しています。一時保育は月曜日から金曜日まで、1日10名(各年齢2名)までを目安に、クラスで受け入れています。子育て支援事業として「保育園にあそびに来ませんか」を企画し、運動遊びやクリスマスリース作り、プール開放などを行っていて、毎回参加者があり、定着しています。運動遊びなどには園児も参加し、交流しています。参加した保護者の育児相談にも応じています。
 地域との交流も盛んで、港南台子育て連絡会主催の七夕まつりや焼き芋大会などに子どもたちが参加しています。また、横浜女子短期大学の図書館や体育館、グラウンドを利用したり、花の日や感謝祭に地域の交番や消防署、高校、病院、短大などに子どもたちがお礼に回ったりして交流しています。
 向かいの県立明朋高校とは避難訓練を合同で実施するほか、高校生が読み聞かせや楽器演奏をしたりし、交流しています。今後は、高校生との交流を定期的なボランティア活動に発展させ次世代育成の取り組みとするなど、園の取り組みをさらに進め、深めていくことが期待されます。  


●今後のさらなる取り組みが期待される点
3年間の実践を踏まえ、人材育成計画や中長期計画などの文書化を図られることが望まれます
 開園からの3年間、園長を始めとして職員は、園の地盤作りに向けて取り組んできました。保育士は、自己の課題だけでなく、クラスや園についても自己評価をして課題を明らかにし、自己評価で明らかになった課題は職員会議等で改善に向けて取り組んでいます。ただし、その結果を園の自己評価としてまとめて課題を抽出し、園の運営に反映することは今後の課題となっています。
 今後は、保育士の自己評価を基に園としての自己評価を行うとともに、3年間の総括を活かして、中長期的な計画を作成されることが期待されます。また、長期的な視点に立った人材育成計画の作成や、職員が自分で確認できるよう職員の経験や習熟度に応じた期待水準の明文化など、文書化の取り組みをなされることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ○保育理念に「まごころをもってそだてる」、保育方針に「一人ひとりを大切に」と掲げ、その実践に努めています。日々の保育で理念や方針に照らして気になる言動があった場合には、その保育士と園長や副園長が個別に話し合います。
○保育士は子どもの態度や表情、しぐさ、反応などから子どもの思いを読み取っています。言語化できる子どもからは、意見や要望を聞いています。子どもの意見や関心をもとに、散歩先や遊びを決めるなど計画には柔軟性を持たせています。また、職員同士で気になる言動を列挙してチェックリストを作成し、自己評価、自己課題に取り組んでいます。
○園舎は保育室ごとの仕切りがないので、子どもが友だち等の視線を意識せずに過ごしたい場合、図書コーナーや保育室から見えないエレベーター前や階段下のスペースに行くことができます。
○遊びや行事の役割、服装などで性別による区別はしていません。また、順番、グループ分け、整列などは性別にしていません。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ○一斉活動の時間と全員が自由に遊びこめるだけの時間を、年齢によりバランスよく確保しています。0歳児クラスから年齢に応じてリズム体操や絵本の読み聞かせ、ことばのやり取り、製作、運動遊びなどを取り入れて、子どもたちが自分の気持ちを自由に表現できるように配慮しています。幼児クラスでは子ども同士で解決できるように保育士が中に入ったり、危険がない限り様子を見守ったりしています。地域の公園で週3回ほど開催される港南台生き生きプレイパークを利用しています。プレイパークは市民による管理運営委員会が運営し、子どもたちの「やりたい」が発揮できる自由な遊び場をねらい、ボランティアの指導員が、普通の公園では体験できないような遊びを指導してくれています。
○保育士は子どもの態度や表情、しぐさ、反応などから子どもの思いを読み取っています。言語化できる子どもからは、意見や要望を聞いています。子どもの意見や関心をもとに、散歩先や遊びを決めるなど、計画には柔軟性を持たせています。
○子どもの発達や状況に合わせ、指導計画の作成、評価、見直しをしています。指導計画は、クラスごとに話し合い作成しています。0・1・2歳児は個別指導計画を作成しています。3歳児以上についても、特別な課題がある場合には、個別指導計画を作成しています。トイレットトレーニング、離乳食の進め方などは、保護者の意向を確認し指導計画に反映しています。
○食事はどのクラスでも「楽しく食べる」をねらいにしています。子どもの好き嫌いに関しては、日々クラスごとに給食アンケートを書いてもらっています。それをファイルし給食会議で共有し、切り方や彩り、盛り付け方の工夫等に活用しています。献立は園の栄養士が1ヶ月サイクルで独自に作成しています。旬の食材を大切にし、特に行事食では季節感が感じられるように力を入れています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

○健康管理マニュアルがあり、それに基づいて職員が子どもの健康状態を把握しています。健康診断・歯科健診の結果は、個々の健診結果表を保護者に配布して伝えています。健診結果の状況により、必要な場合は家庭がかかりつけ医と相談等をするようにし、その結果により園では嘱託医・保護者と連携します。
○感染症の予防や対策に関するマニュアルがあり、マニュアルには登園禁止基準や保育中に感染症等の疑いが生じた場合の対応が明記されています。保護者に対しては入園のしおりにそれらを明記しています。安全管理マニュアルとして、災害・非常時マニュアル、事故予防マニュアル、事故対策マニュアル等があります。マニュアルは具体的に事故や災害に対応していて、各クラスに備え周知しています。
○事故・怪我等の発生時保護者や救急機関への連絡体制は確立していてマニュアルにしてあります。子どものケガは軽いものであってもお迎えの時に保護者に説明し必ずその日のうちに記録します。気になる事故については朝のミーティングで職員に知らせ、また職員会議で原因、対応、改善策等を検討しています。

4 地域との交流・連携

○地域担当の保育士がいます。園の見学者や子育て支援事業「保育園にあそびにきませんか」実施の際に参加した地域の人々や、子どもたちが参加するプレイパークで出会う地域の人々から子育て支援に関するニーズや施設に対する要望を聞いています。
○地域の関係機関が掲載されているパンフレットを事務所に置き、職員が情報を共有しています。関係機関とは園長・副園長・事務長が担当していますが、幼保小連携事業に関しては年長クラスの担任が担当しています。関係機関との連携が必要な場合は連絡し連携できる体制があります。
○ボランティア受け入れのためのマニュアルがあり、ボランティアに説明する園の理念、方針、諸注意等が記述されていますが、まだボランティア受け入れの実績はありません。
○近隣の高等学校の学生が来園し、園のホールで幼児対象に絵本の読み聞かせや楽器演奏をしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性 ○運営規程、就業規則に組織及び職員が守るべき法、規範、倫理などを明文化し周知しています。横浜市や新聞報道等から得た不正・不適切事案についての情報はその都度職員に周知し注意喚起しています。
○現在、主任の配置はなく、副園長が主任の役割を兼ねています。副園長は、保育の様子を見て回るとともに、日誌や指導計画に目を通し、個々の職員の業務状況を把握しています。副園長は、個々の職員の能力や経験に合わせ、必要な助言や指導をしています。副園長は、職員が精神的・肉体的に良好な状態で仕事に取り組めるよう、職員に声をかけ、相談にのっています。
○運営法人は、次代の組織運営に備え運営やサービスプロセスの新たな仕組みを常に検討しています。副園長を配置するなど、次代の施設運営に備え計画的に後継者を育成しています。
6 職員の資質向上の促進 ○実習生の受け入れは副園長が担当し、実習目的に応じた実習が出来るようにプログラムを共に考えます。実習中は受け入れクラスの担当保育士が日々話し合って実際に指導し記録しています。
○業務にあたっては必ず常勤職員と非常勤職員が組むようにしています。非常勤職員も内部研修や外部研修に参加することができます。非常勤職員の指導担当は副園長、クラス担任で職員間のコミュニケーションが図られています。
○職務分担表を作成し個々の職員が果たすべき職務を明確にすることで、現場の職員に可能な限り権限を委譲しています。自己評価の様式に提案を記載する欄を作り、業務改善に向けた提案を募っています。また、職員会議や年3回の園長面談でも職員の提案を聞いています。

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