かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

あさのみ保育園(2回目受審)

対象事業所名 あさのみ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 長寿福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 215 - 0021
麻生区上麻生3-22-14
tel:044-969-5403
設立年月日 2003(平成15)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要・立地面の特色】

あさのみ保育園は、社会福祉法人長寿福祉会の経営です。法人の創始者は、昭和40年に『子どもが長く健康であるように』との想いを持ち、地域の農作業等を営む家庭の為に川崎市中原区に「長寿保育園」を設立しました。長寿保育園開設を機に現在は、井田保育園、ふくじゅ保育園、そして、あさのみ保育園を経営しています。あさのみ保育園が位置する麻生区は、川崎市と整合を図った川崎市都市計画マスタープラン麻生区構想に伴い目覚ましい発展を続け、人口の増加と共に保育のニーズも高く望まれています。園では、地域のニーズに応え、小田急線新百合ヶ丘駅から徒歩圏内に開園し、地域の新・旧の家庭の子どもたちが将来、「地元」とする地域に住まう「縁」(えにし)を大切に捉え、『子ども・地域・未来・出会い』を法人理念に据えて保育にあたっています。運営内容は、生後6週から受け入れ、定員120名の園であり、他事業として、一時保育、地域子育て支援センター、地域活動事業を実施し、園舎は木の香りに包まれ、余裕のある作りと芝生の園庭を持ち、子どもの健康な心身と、遊びへの意欲、豊かな感性を育み、地域と共に歩むことを大切にした保育園です。


《全体の評価講評》


【特に良いと思う点】

●「縁」(えにし)を意識した子どもの育成
園の大きな方針として、「縁」(えにし)が根幹にあります。法人の「長寿福祉会」と命名された由縁には、子どもの「長」い生涯を「寿」ぐという意味合いがあり、保育園生活に止まらず、今後受ける「縁」を大切に末永く続くことを願い、子どもの未来を見つめながら子どもとの生活を大切にしています。卒園児は卒園に際し、親子のメッセージを個人別のカプセルに入れてホールの欄間に飾り、未来・希望を託します。カプセルは6年間保存し、小学校卒業の年に開け、6年前の思い出と共に新たな「縁」が生まれる瞬間を伝えています。


●地域との連携の取り組み
園では、一時保育室(くるみ)及び子育て支援センター(かるがも)を設け、地域に向けて施設の
供用を行っています。保育園としては地域との連携を願い、可能な限り施設を活用してもらえるよ
う門戸を開ける考えですが、在園児への危機管理を考慮し、門扉等の錠をせざるを得ない現状に対
し、地域との連携の取り組みとして一時保育室、子育て支援センターを実施することにより地域と
の連携が実現できています。「くるみ」は登録制で約50名が登録し、「かるがも」は完全予約制と
して触れ合いスペースを設け、地域に貢献しています。


●保護者との連携の取り組み
園の保育方針は、子どもを中心に置き、子どもと保育士の信頼関係の基、情緒の安定を図り、園生活を通して一人ひとりが自己を十分に発揮できることをねらいとしています。その為に、養護と教育を細やかな配慮の中で一体的に行い、保護者と密に連携を図り、信頼関係を構築し、保護者と共に子どものありのままを受容し、成長を喜び、共感しながら子どもを育んでいます。家庭との連携では0歳〜2歳児は連絡帳で、3歳児以上は、例えば「壁新聞」を掲載し、園の様子を親子の話題にするなど連続的に育まれる工夫を行っています。


【さらなる期待がされる点】

●施設のさらなる有効活用と職員の負担の軽減
園は、子育て支援センター事業と同時に、地域活動事業として園庭開放(火、木曜日の午後)、ホール開放(水曜日の午前)等も併せて実施し、さらに、地域の保育まつり、園児作品展等の準備や案内、ポスター貼り、職員派遣の協働活動等、日々の業務が拡大傾向にあります。「地域貢献」と「保育業務」との兼ね合い、外部の施設利用と在園児の日常保育活動との兼ね合い等、地域への施設開放に伴い保育業務の比重を重要に捉え、職員の業務負担の軽減を考慮していく必要があると思いますので、一考を期待しています。


●良質な一人ひとりの保育の工夫
園では子どもを対等な存在として尊重し、特に、遊びの場面においては個々の意見や意向を十分に取り入れられるよう心がけ、保育にあたっています。職員は相互の専門性を活かし、子ども一人ひとりの最善の利益を保障し、個々の人格形成の基礎を培う保育を進めており、大きな成果を挙げています。さらに、保育園生活での集団で過ごす「保育」に趣きを置き、子ども一人ひとりの生活時間をより良質にする工夫を探求し、このテーマについて検討結果を示していかれることを期待しています。


●個別を意識した人材育成について
人材育成については、職員個々のワークライフバランスが就業者同士の共通理解の基に成り立つよう心がけています。法人は、各施設で定期的に職員意向調査(新入年度の年2回のアンケート等)を実施し、各職員の希望を聞き、アンケート及び面接で異動・意向についても汲み上げ、法人の園長会で意見交換の下、人事配置等を検討しています。看護師等(保育士も)は採用に比較的苦慮し、職員の希望に沿えない場合もありますが、個別の状況に応じて柔軟な対応ができる対策を試み、人材育成の体系的な確立を期待しています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●「子どもの人権の尊重」を中心に考え、子どもの姿や意向の変化等を機敏に汲み取り、個人差、発達段階に応じた対応を心がけ、保育士間、園と保護者との連携を図りながら保育にあたっています。


●一人ひとりの思い、子どものやりたいことを受け止め、特に、遊びの中で十分に取り入れられるようにしています。日中の室内主活動以外は自由活動とし、自由な保育時間の設定や、活動時の柔軟な対応を心がけています。


●「子どもの人権の尊重」を中心に考え、子どもの姿や意向の変化等を機敏に汲み取り、個人差、発達段階に応じた対応を心がけ、さらに、保育者間、園と保護者との連携を図りながら保育にあたっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●保護者からの意見は、職員会議等で検討し、対応策を立てて保護者に周知し、職員間で共有を図り、意見等は反映に努め、実行し、サービス向上に努めています。


●日頃から子どもや保護者とのコミュニケーションを心がけ、意見が言いやすい関係性を築くよう努めています。幼児はクラス別で「朝の会」を実施し、子どもたちのやりたいことを聞く機会を設けています。


●園では、各保育士の担当(主たる子どもの把握、業務担当)を決め、クラス担任間の意見交換を交えて、子ども一人ひとりの理解を深め、全職員で見守る体制を整備し、保育を進めています。


●保育環境について、保育活動範囲を各保育室に限定せず、施設内外の様々な場所で多彩な遊びを提供し、幼児クラスでは、子どもが行事に参画できる活動の取り組みを行い、興味・関心が持てるよう工夫しています。


●基本的な生活習慣は、発達や個人差を考慮しながら援助し、家庭と連携を図り、トイレットトレーニング、箸の持ち方、衣類の着脱、歯磨きについても共に進め、身に付けられるようにしています。


●延長保育では、子どもが落ち着き、安定した気持ちで過ごせるよう、遊び込める環境と休息できる環境を整え、補食に関しては、お腹が空かないよう炭水化物中心の献立を提供するよう配慮しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●園の必要な情報は、川崎市や川崎市保育会のホームページや、パンフレット、玄関に重要事項説明書を掲示して情報提供を行い、園見学者には、地域的情報提供、園の概要、想定される質問項目をまとめ、写真等を活用して園の案内を作成し、個別に対応しています。 


●年間指導計画は、保育課程を基にクラスごとに立案し、必要に応じた個別計画(乳児・障害児)を作成しています。策定に際しては、栄養士等の意見を取り入れて作成しています。  


●苦情解決の仕組みについては、苦情解決体制を掲示し、保護者に知らせています。苦情に関しては、園のしおりや重要事項説明書に記載し、玄関に掲示して周知を行い、懇談会等でも説明しています。意見の受付ファイル、苦情対応結果は公表を行っています。

4 地域との交流・連携

●地域に向け、掲示板を園の入口に設置し、園の行事案内を地域に発信しています。また、川崎市や麻生区の子育てに関する情報から地域の子育て親子が参加できる行事等を案内しています。


●併設する子育て支援センター「かるがも」を地域に提供し、「かるがも」の保育室の利用や、園庭を開放して自由に遊びに来てもらえるよう伝えています。


●関係団体等の主催事業の内容に応じて職員の派遣を行い、地域の子育て情報やニーズの把握に努めています。隣接する「しんゆり知的障害者更生施設」と防災に関する協定を結び、協力体制を構築しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●法人理念に、「縁」(えにし)を中心として掲げ、法人系列各園で保育目標、保育方針に展開して推進しています。理念・基本方針は、パンフレット類に掲載し、保育説明会で説明をして周知を行い、玄関にも掲示して保護者に理解を促しています。


●園長は、対外的な関連機関等との連携強化に尽力し、地域の情報収集を図り、保育に活かすように努力しています。また、定例的に運営会議や職員個人面談を実施し、幅広い意見を集約して運営に反映させています。


●地域の実情、保育の情勢について、各種関連機関から収集した情報を基に経営分析を行い、3年後を想定した中・長期計画を策定し、運営に役立てています。

6 職員の資質向上の促進

●人材の採用、人員体制については、法人主体で行い、定期的に職員意向調査(ES)を実施し、意向調査を基に法人の園長会で人事配置等を検討し、法人事業での施設拡充を視野に入れた人事配置及び採用を行っています。


●職員研修について、勤続年数等に応じた研修内容に参加する旨を就業規則に明示し、職員の資質向上、専門性を高めるよう取り組んでいます。研修は、個々の選択制、必要性を加味して研修を推進し、職種、配属等に応じた研修計画を立て、職員のレベルアップに努めています。


●定期的に職員意向調査及び面談を行い、職員の要望や意向、意見は主任が把握して改善に努め、職員が相談しやすい職場環境の整備に努めています。また、年次有給休暇の取得状況を把握し、均等な取得を促進し、働きやすい職場作りに努めています。

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