かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

しんよしだ保育園(2回目受審)

対象事業所名 しんよしだ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 平成会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0058
港北区新吉田東6-17-3
tel:
設立年月日 1999(平成11)年07月01日
公表年月 2017(平成29)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 しんよしだ保育園は、東急東横線綱島駅から徒歩で15分の位置にある、平成11年7月開所の私立保育園です。近くには自然豊かな公園が多く、散歩コースに恵まれています。子どもの豊かな心を育てることを大切にした保育を目ざし、保育方針は「豊かな心と身体の自立を促す遊びを中心とした楽しい保育−様々な遊びの経験から自ら考え、行動し、生きる力の基礎を育てる」です。定員は148名(0〜5歳児)、開園時間は、平日は7時から19時、土曜日は7時から16時です。地域に根ざし、遊びを中心とした楽しい保育を行っています。異年齢保育食育、音楽活動、外部講師による体操も取り入れ、子どもたちは明るく元気に活動しています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○子どもの自主性を尊重した保育を行っています
 園の保育の目標は、「心身ともに健康な子」「よく考えて行動する子」「仲良くする子」です。この目標に沿って、園では、季節に合わせてさまざまな行事を行ったり、身体活動として散歩やリズム活動を行ったり、野菜の栽培を含めた食育に努めています。また、子どもを見守る職員の育成を行うべく、年度初めには保育理念や保育方針についての勉強会のほか、保育倫理や保育士としての心得について学んでいます。職員は子どもにやさしく接し、子どもの自主性を尊重した保育を行っています。利用者調査では100パーセントの保護者が園の保育に満足と回答しています。

○保護者とともに子どもを育てることを大切にしています
 0〜2歳児は毎日連絡帳で子どもの様子をやり取りし、全クラスのその日の活動の様子をホワイトボードに記載して保護者に伝えています。また、行事だけでなく日ごろの活動についても写真を撮り「写真館」と称して掲示し、園での子どもの様子を詳しく伝えることができるよう配慮しています。子どもの活動の様子はホームページでも見ることができます。年2回の保護者会と個人面談、年1回の保育参観のほかに、「お父さん先生お母さん先生」として保育参加できる制度を設け、年間100名ほどの保護者が参加しています。また、回覧ノートを作り、保護者どうしのコミュニケーションの糸口としています。これらの取り組みは、保護者と協力して子どもを育てる一助となっています。

○子どもが自分で危険を回避できるよう計画的に取り組んでいます
 職員で構成されるリスクマネジメント委員会では「安全教育計画」を作成し、子どもが危険を回避できるように教えたり、職員が意識する機会になっています。1つのテーマとねらいを、0〜2歳児、3歳児、4歳児、5歳児の年齢別に設定しています。例えば、4月のテーマは「遊具の使い方、お部屋の過ごし方」で、3歳児は「園探検をしながら安全な遊具の使い方を伝える(本やビデオも活用する)」、5歳児は「危険な遊び方をしている友だちや年少児に注意する」などとなっています。5月は「交通安全」、6月は「食事の時のお約束事、かさの使い方」など、毎月の取り組みテーマを設定しています。また、保護者にも取り組み内容を伝えて、園の外でも関心を持って取り組んでもらえるように働きかけています。

《事業者が課題としている点》
 職員がやりがいを持ち、長く働きやすい職場環境を目ざして、職員参加型の検討会を考えています。また、書類作成等ICT化を導入して保育士業務の効率化を図ったり、系列園と連携して合同研修会や職員の出張研修などを実施して、職員がともに育ち合う関係を構築したいと考えています。
 また、近隣に複数の新設園が立ち並ぶ地域にあって、園が地域に必要とされ支持されるような発展的な施設運営の構築も課題と捉えています。


 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

園では保育理念を「地域に根差した子どものための施設です」と定め、子どもの人権、主体性の尊重、子どもの最善の幸福、地域社会との共同などについて明示しています。理念は、第一昇降口や事務室を入った正面、職員の休憩室に掲示されています。また、各職員が携行するファイルにも納められています。毎年7月の第1土曜日に行われる法人の全体研修では、理念や基本方針を全員で読み合わせて理解の浸透を図っています。新年度となる4月の園だよりにおいても理念を明記し、保護者に向けて改めて園の全体を貫く基本的な概念を発信しています。町内会や自治会、幼稚園や小学校など多くの地域とのかかわりが本園の保育サービスの質を支えています。
 年1回必ず人権に関する研修に参加して、職員間で情報を共有しています。園内研修では、子どもの人権を題材にロールプレイや意見交換を行い、日々の保育の見直しにつなげています。入職の際、保育士には言葉遣いについては十分に心がけ、子どもたちが自ら考えるようにしていくことを伝えています。3〜5歳児では、保育理念や保育目標に基づき、子どもの気持ちや発言をしっかり聴き、まず本人が考え、そしていっしょに考えるようにしています。子どもたちを呼ぶときは、ニックネームや「ちゃん」づけも含め保護者に確認のうえ、家庭と同じ呼びかたで呼び、呼び捨てはしません。出席をとるときは「さん」づけで呼んでいます。
 パーテーションで部屋をしきったり、ついたてや棚を用意してほかからの視線を遮ることのできる空間を作っています。また、必要に応じて保育で使っていない部屋に移動したり、3歳児の「チューリップルーム」やその隣の小さな遊具類があるスペース、事務室、相談室などでもゆっくりと話を聴くことができるようにしています。子どもが1人になりたくて保育室を出てしまうときは、フリーの先生に声をかけて保育室を見てもらい、1対1でじっくり話を聴くこともあります。ほかのクラスの先生が出てきた子どもを見かけた場合、電話などで連絡する体制をとっています。必要な対応については、日々職員どうしの会話の中で、また、月1回子どもの様子をクラスで話し合い検討しています。

 

 

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

  保育課程の作成においては、クラス単位で話し合いが持たれ、そこで出た課題やねらいがリーダー会議、主任会議へと上げられていきます。この工程により全職員が作成にかかわることとなります。作成にあたっては、保育理念を上位概念に保育方針、保育目標を定めます。一つの考えかたや方法に偏ることなく、一人一人の子どもや家庭の状況、地域の実状も考慮に入れて作成しています。入園時や年度当初に、園長から保護者に向けて保育課程の説明を行います。保育課程をベースに、月案、週案、日案が作られ、改定の必要が生じた場合は、翌月あるいは翌週の案に反映し、保護者へも改定内容を説明しています。
 保育課程を基に年齢に応じた発達を理解し、そのときの子どもの姿に合わせた指導計画作成に努めています。看護師や栄養士とも連携を取り、毎月、年齢ごとに保育士の話し合いを設け、子どもの様子や成長について意見を交換します。例えば、「縄跳び週間」で跳んだ内容や回数を踏まえ、半年後にどれくらい跳べるようになったかを子どもたちとも確認し合い、保育士どうしで認識を深めます。遊びの中でも、子どもどうしのトラブルが生じた場合、態度や表情を見ながら、互いの言い分を聴き、互いを理解し合い、まず自分たちで解決するように促します。子どもたち一人一人の思いも踏まえ、自主性、主体性が育つような方向性を指導計画に反映しています。
 入園前には必ず子ども同伴による保護者面談を行い、児童票を見ながら保護者に成育歴、発達状況、子どもの特徴などについて確認しています。面談時には必要に応じて子どもにも声をかけ、発達や様子を観察しています。新入園児説明会の際にも子どもの一時保育を行い観察しています。気になったことや配慮が必要と感じたときには、担任、リーダー、主任と情報を共有し、意見交換や対応を図ります。成長が著しい0歳児、1歳児は入園後早い時期に担当保育士などと保護者面談を行います。子ども一人一人のファイルを記録し、いつでも閲覧できるようにしています。児童票や健康台帳は保護者に記入してもらい、入園後は保育士が聞き取り、確認して記入しています。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

入園前の面談の際に入園児の短縮保育についての説明を行い、保護者から了承を得ています。短縮保育は1週間で、子ども一人一人の状況や状態に応じて早目のお迎えをお願いしたり、保護者の就労状況に合わせた柔軟な対応も行っています。0〜2歳児は担当保育士が決まっていて、慣れるまで少人数で過ごしたり、職員の配置人数を変えて対応しています。また、人形など子どもが安心できる物を持って登園することができます。保護者との連絡は、0歳児は連絡票、1〜5歳児は連絡帳(1、2歳児は毎日)で家庭と園との情報をやり取りしています。在園児に対しては、3月に現担任と新しい保育室に慣れるための『お引っ越し』の期間を設けています。
 各クラスによる話し合いにより、前年の指導計画と比較して年間の指導計画を作成します。これを、リーダー会、主任会へと上げて最後にまとめます。これを踏まえ、毎月年齢ごとに評価、見直しを行い、反省点や改善点を毎月の計画に反映していきます。担当、担任の自己評価も毎月行い、計画に取り入れています。子どもたちの発達や状況を捉えて計画に反映する中で、片付けや製作など子どもたちが園でできることを保護者に伝えると、保護者は「そんなこともできるんだ」と感心し、子どもたちに声をかけて家庭でも取り組むようになるそうです。意見箱への意見、年度末のアンケート、個人面談での意向などを必要に応じ指導計画に反映しています。
 保育所児童保育要録を5歳児の担任が記入し、主任と園長が確認し小学校に送付しています。5歳児の担任は保育要録の研修に参加し、研修報告書を園長に提出しています。子ども一人一人のファイルを作り、児童票や経過記録をファイリングしています。経過記録には0〜2歳児は3か月、3〜5歳児は4か月ごとに成長を記録しています。また、健康台帳と子どもの誕生月に合わせた成長曲線はクラスごとにファイリングしています。毎月の身体測定の結果は、身体測定表と健康台帳に記入するとともに、個人の健康手帳やおたより帳にも記録し、保護者に伝えています。必要事項を書き込んだ全園児の名簿を職員に配付しています。進級時には、既往症やアレルギーなど子どもの情報について職員全体で申し送りを行っています。


 

4 地域との交流・連携  地域の方との交流の一つに町内会の老人会があり、行事に参加してもらったり意見交換をしています。地域の出身者である園長を中心に、開所以来良好な関係性を築いています。地域の方に対する相談事業は子育てに関することが主になっており、子育て支援事業の一環で実施する子育てひろば事業では参加者にアンケートで要望などを聞いています。地域の子育ての関係機関である横浜市、社会福祉協議会、園長会、児童相談所、横浜市総合リハビリテーションセンターなどと協力して、例えば虐待など課題に応じて検討会や合同研修に参加しています。
地域子育て支援事業で把握した参加者の声や要望は、主任と担当者が内容を検討し事業や次回のプログラムへ反映させています。地域の未就園児と保護者の子育てを支援するために、年間を通じて「子育て支援事業」を実施しています。交流保育では朝10時ころから給食まで同じ年ごろの園児といっしょに過ごしたり、園庭開放では園児にまざって思いきり体を動かしたり大きな遊具を使って遊ぶなど、保育園ならではの体験ができるようにしています。未就園児の保護者を対象に、食育など子育てに関する講座を開催しています。参加者の子どもの保育も行って参加しやすくしています。離乳食の相談を受けたり給食レシピの紹介もしています。
 園の情報はホームページで広く紹介しています。感染症などの情報は横浜市からタイムリーに提供されているため、駐車場の歩道から見える場所に設置している掲示板に注意喚起ポスターなどを掲示して、地域の方にも知らせています。育児相談は毎週火曜日の午前中に電話で受け付けていることを、ホームページのお知らせの中で紹介しています。保育園数の増加や子育て相談の窓口が増えているため、最近は園に対する相談件数は少なくなっていますが、初めての子育てに関する相談などが寄せられています。地域の方を招待する行事の案内など地域向けのお知らせは、駐車場の掲示板を使っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

  園の職員としての考えかたやありかたは、入職時に「職員としての研修」を行って伝えています。また、業務マニュアルにも盛り込んで全職員に配付し、保育課程には「基本的社会的責任」を明示しています。入職後は、マニュアルを使った内部研修を毎年行い、倫理綱領の読み合わせもしています。保育教育関連の記事は、職員が目にしやすいようボードにはり出して周知を図っています。運営情報として収支報告書をホームページで公表しているほか、第三者評価結果も公表しています。他施設での誤飲・誤食、アナフィラキシーショックなどの事故やニュースがあったときは、園のできごとに置き換えて職員と意見交換するなど、注意喚起をしています。
主な園情報はホームページで発信し、変更時は最新の内容に更新しています。港北区の公私立保育園で行う合同育児講座「わくわく子育て広場」では、パネルで園紹介したりパンフレットなどを配っています。園情報は横浜市や港北区へ提供しているほか、子育て支援を目的とするNPO法人が発行している情報誌にも提供し掲載してもらっています。外部に提供する情報は、職員体制や延長保育など、園を利用する保護者が必要とする内容です。なお、利用料金については、問い合わせがあったときには理解してもらえるよう個々に説明することにしています。
 園見学の方にはパンフレットなどを渡して、目ざしている保育、利用できる時間帯、延長保育の利用方法などについて、園長や主任などのリーダー職員が説明を行い、質問にもていねいに答えるよう心がけています。子どもの成長など園生活に不安がある方には、園長が面談を行って不安を解消できるようにしています。入園を希望する保護者には、できるだけ見学をして、保育内容やルールなどを理解してもらえるよう努めています。園見学は子どもの活動を見て理解してもらえるように平日の10時ごろを勧めています。就労などの都合で午後や土曜日に見学をする方には、平日の保育の流れやクラス体制をわかりやすく説明しています。


 

6 職員の資質向上の促進

 保育士を目ざし養成校で学ぶ学生を実習生として受け入れています。実習生の活動前には、守ってもらいたいことや注意点を示した文書を配付し、オリエンテーションで具体的な説明をしています。実習生の受け入れのためのマニュアルが整備されおり、「受け入れる意義」「プログラムの組み立て」「担当者の役割」などが示されています。保護者には園だよりなどで知らせ、受け入れに対する理解を得ています。実習生受け入れ担当者には、オリエンテーションや実習プログラム作成などの役割が決められており、受け入れ実績の記録もしています。実習終了後は、担当者、主任、園長が感想を聞いたりアドバイスをしています。
 職員構成は、保育園を運営するにあたって必要な保育士、栄養士、看護師を、基準を満たす人数を踏まえて採用しています。また、人手を多く必要とする時間帯には非常勤職員を活用するなど、十分な保育を提供できる職員体制にしています。園が掲げる保育理念と保育目標は、職員が意識して保育を行うよう保育課程にも示しています。園長は年2回職員と個別面談を行い、職員があらかじめ作成する「自己評価表」「自己目標管理シート」に基づいて目標に対する達成度の確認や、次期へ向けた目標設定などをしています。
 職員研修については、ホップ・ステップ・ジャンプという研修委員会に主任も参画して計画しており、職員が希望する研修も盛り込んでいます。内部研修も委員会が計画的に実施して、非常勤職員であっても担当業務に必要な場合には研修に参加してもらいます。横浜市や社会福祉協議会などが主催する研修を活用しています。案内は職員に紹介して希望する研修に参加できるよう配慮するほか、主任などの指示で参加してもらうこともあります。研修参加後は報告書を作成し、職員で共有することが望ましいと判断したときは内部研修につなげています。研修の成果は主任などのリーダー職員が、日々の保育の中で確認しています。

 

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