かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

やすらぎ保育園

対象事業所名 やすらぎ保育園
経営主体(法人等) 株式会社 コージーファーマシー
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 232 - 0032
南区万世町2-38-16
tel:045-251-1027
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 日本コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】

 横浜市営地下鉄ブルーライン阪東橋駅より徒歩7、8分程度のところに位置し、近所には有名なアーケード型の横浜橋商店街があり、活気づいた環境にあります。保育園はビル型で1階が0,1歳児、2階が2,3歳児、3階が4,5歳児と分かれています。
 運営は明治23年創業の老舗、保険調剤を事業としている株式会社で、“患者様に安心してご利用いただける保険薬局”を方針に運営しており、保育園の名称“やすらぎ”も、子どもたちはもちろんのこと、保護者の皆様にとっても、安心でき、“やすらぎの場”となる温かい保育園を目指すという方針の下、名づけられました。
 園では3つの特色として、(1)近隣の医療クリニック等との連携、(2)子どもたちが楽しめる行事や活動の充実、(3)子どもの身体、心づくりを意識した保育、を掲げています。(1)近隣の医療クリニック等との連携では、医師や看護師、また母体の保険薬局とも連携して子どもの安全に努めています。(2)子どもたちが楽しめる行事や活動の充実では、毎月のお誕生日会や、季節ごとの行事、伝承遊び、縦割り活動、近隣への散歩を通して自然と触れ合い季節を感じ、地域の方々との触れ合いの中からも、様々な事を学んでいます。(3)子どもの身体、心づくりを意識した保育では、リズム遊び、運動あそび、散歩、絵本の読み聞かせ、製作活動、鑑賞会等で芸術に触れる機会を作っています。
 子どもへの教育目標は、相手への思いやりを持つ事や、挨拶や感謝ができる人間になる、相手の気持ちが分かるようになるように育てる事等を掲げています。また、日常生活の中で子どもが自分自身でできることを尊重し認めることで、自立に向けた成長の過程を大切にしています。


【特に良いと思われる点】

1. 生活リズムを整え、感染症対策を徹底し戸外遊びで体を作るなど健康づくりに取り組んでいます
「生活リズムを整え、感染症対策、病気の早期発見と早期対応、戸外で体を使って十分に遊び丈夫な体をつくる」等、年間保健計画を作成し、実践しています。常勤の看護師がおり、毎日園内の各保育室を頻繁に回り、一人一人の子どもの様子を把握し、観察や声かけ、相談を受け処置をしています。看護師日誌には毎日の子どもの状況・対応などを漏れなく記載しています。日常的に保護者と保育士や看護師は連携し、健康診断の際にはぜんそくや熱性けいれん等の子どもの状況を看護師から医師に伝え、アドバイスを貰い保護者に伝えています。保育中に子どもが発症した場合は保育士が看護師と連携して保護者に連絡し迎えに来るまで事務所で看護師が対応しています。看護師や栄養士は会議や研修会に参加し、最新の感染症情報や対処法を学び、職員会議で周知を図っています。感染症対策研修として全職員参加の下に嘔吐処理マニュアル等を使い実践的なデモンストレーションを行い、処理の仕方やマニュアル確認を2回にわたり実施しています。子どもは、天気の良い日は散歩や戸外遊びを毎日行い健康な体づくりを行っています。


2.地域の各種イベントに参加したり、社会資源を活用し地域への理解を深めています
祭りの山車を引いたり、ハロウィンで商店街を訪問したり、老人ホームとのお楽しみ会や運動会、小学校との給食交流会や学校探検などが行われ、子どもの体験を豊かにしています。勤労感謝の日には、日頃お世話になる交番や消防署、商店街のお店屋さんに手作りカレンダーを配っています。毎日公園や地区センターで遊ぶなど社会資源を活用しています。近隣の4保育園とはリレーやドッジボールを行い子ども同士の交流をしています。こうした園外で行う各種の活動は、地域コミュニティーとのつながりを深め、子どもの社会性を高めています。


3. 散歩や戸外活動を積極的に保育に取り入れています
園庭がありますが、園周辺には子どもの年齢・発達や、活動の目的に合った広場や公園が多く点在し、散歩や戸外活動を積極的に日々の保育に取り入れています。園は、0、1歳児クラス、2、3歳児クラス、4、5歳児クラスごとにオープンフロアでの保育のため、日常的に職員間で協力、連携し合いながら異年齢での合同散歩にも出かけています。1歳児クラスの子どもたちは、往復30分程の道のりの公園散歩もしっかりと歩きます。時に5歳児クラスはみなとみらい方面の赤レンガ倉庫や象の鼻パークへ遠出散歩にも出かけています。さらに子どもたちは地区センターのプレイルーム、消防署、南区役所の屋上といった地域の公共施設に出かけ、地域を知る体験をしています。散歩の途中では、通りを往く人や地域の人々の生活を支える横浜橋商店街へ買い物途中の人など、気さくに声がかかります。子どもたちも元気なあいさつで答えています。


【今後の取り組みが期待される点】

1.方針や受入れ体制を整え、ボランティアの活動を受け入れることが期待されます
園開設4年目で、職員が一体となって子ども一人ひとりを尊重する保育に取り組んでいますが、ボランティアについては受け入れ経験がなく、体制整備も不十分といえます。園長始め職員は、今後ボランティアを受け入れていきたいと考えています。ボランティアへの基本的な考え方や方針を立て、受け入れの体制や仕組みを整え、ボランティアに活動してもらうことが期待されます。


2.保育所の専門性を生かし地域の子育て支援を応援することが期待されます
地域の子育て支援についての区の事業に対して協力し、園庭開放を行っています。また一昨年には一時保育も1名実施しています。このような活動を行っていますが、園としては受け身の対応状況です。保育所には、保育士・看護師・栄養士と子育てに係る専門家がいます。そうした園の専門性を生かし地域の子育てニーズに向けて積極的に取り組み、地域に貢献していくことが大切と思われます。


3.保護者の意見・要望に対する丁寧なアプローチの継続が期待されます
玄関のご意見箱、懇談会、年度末アンケート、各クラス1〜2名の代表保護者の参加を得た年に2回の運営委員会、保護者によって意見が分かれる内容についてのアンケート実施など、意見や要望を聞く機会を作り、把握に努めています。今回の第三者評価における保護者アンケートで満足度の高くない項目なども参考に、保護者の意見・要望に対し、対応できること、検討を要することなど示しながら、今後も丁寧なアプローチを続けられることが期待されます。


4.園の理念や方針を踏まえた人材育成の体制作りが期待されます
園の理念や方針を踏まえた保育を実施するための職員の経験・能力・習熟度に応じた期待水準の明文化及び、それに基づいた人材育成の計画は確認ができませんでした。個々の職員が自らの資質向上に向けた目標を定め、それに基づいた個別の評価や園長等との面談による達成度の客観的な評価や指導をしていく仕組み作りも併せ、今後の検討が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・子どもの気持ちや思いを受け止め、自己肯定感が持てるような対応や声掛けを心がけています。子どもにやってほしい事、守ってほしい事は職員が手本を見せるようにしています。日常の保育で職員の気になる言動が見られた場合は、職員間で注意し合ったり、園長・副園長が助言や指導をしています。
・友達や職員の視線を気にせず過ごせる空間として、保育室の角になっている場所や柱の陰などがあります。子どもがクールダウンをしたい時や一対一で話し合える場所として、階段の踊り場や事務所を利用しています。
・個人情報取り扱いに関するガイドラインが就業規則に記載されています。個人情報の取り扱い、守秘義務については、入職時に説明を受けるほか、職員会議や日常業務の中で園長・副園長が話をしています。個人情報に関する記録類は事務所の施錠できる棚に保管管理しています。保護者には、入園時の説明のほか、ホームページへの写真掲載、テレビ撮影時などその都度確認をしています。
・遊び、行事役割、持ち物などで性別による区別はしていません。便宜上、順番や並び方を男女で行っているケースを含め、今後も、男女の違いを認め合いながら、振り返る機会が増えることが期待されます。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育課程は、平成25年開園時に就労時間が長い保護者支援や地域の特性を考慮しながら作成後、平成26年度に園長と副園長で書式も変え作成し直し、今年度見直しをしています。子どもの最善の利益、保育理念、基本方針に基づいた保育をさらに実践につなげるために来年度は全職員で保育課程の見直しをすることを検討しています。取り組みが期待されます。
・園では保護者に向けた入園説明会を個別に行っており、保育課程に基づいた計画の主旨を分かりやすく説明をしています。
・保育課程に基づいた年間指導計画、月間指導計画、月のスケジュール(週日案)を作成しています。乳児クラスは個々の成長に合った保育が行えるように担任同士密に話し合っています。幼児クラスは子どもの成長や発想を翌月の計画に活かせるようにしています。
・入園前に、園長、副園長が親子の面接をしています。必要に応じて栄養士や看護師が加わっています。持参をお願いした児童票をコピーし、それを面接シートとし、聞き取ったこと、留意点など記入しています。新入園児の情報は職員会議で報告し、ファイルにまとめています。ファイルは事務室に保管管理し、全職員が必要時に確認できるようになっています。
ならし保育については、個別の入園説明会で丁寧に説明し、保護者の希望や事情を考慮しながら2週間程度を目安に実施しています。ミルクの時間は、ならし保育期間に、園のリズムにも少しずつ慣れていくようにしています。1歳児クラスは、子どもが信頼関係を築けるよう緩やかな担当制をしいています。0〜2歳児クラスは個別の連絡ノートがあり、園での生活、活動状況などが家庭に引き継がれるようにしています。幼児は必要に応じて連絡帳を使用しています。
・在園児の進級時対応については、フリーの保育士が随時フォローに入っています。また、1歳児クラスは1階から2階に、3歳児クラスは2階から3階に保育室がかわるため、前年度の3月頃から遊びに行く機会を多くしたり、午睡をしたりして、大きな環境変化に戸惑わないようにしています。
・年間指導計画を基に、複数担任で月間指導計画を作成しています。一人担任のクラスは園長、副園長と相談しながら進めています。保護者とは、送迎時の会話・懇談会・アンケートなどから意向を把握し、評価や改訂に反映させるよう努めています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園時に把握した生育歴や生活記録、入園後の成長発達記録などは児童票としてファイルしています。全園児3ヶ月ごとに経過記録をつけています。事務所のカギのかかる棚に保管管理し、必要時に職員は確認できるようになっています。園での進級時には、児童票のほか、申し送り表を作成し、新旧クラス担任間で引き継いでいます。
・配慮が必要な子どもの様子については職員会議(ケース会議含む)で報告、話し合い、記録を残しています。必要に応じて園長、副園長が観察をしてアドバイスをしたり、配慮の仕方を話し合っています。
・園内はバリアフリー構造となっているほか、多目的トイレ、エレベーターを設置しています。今年度、障がいのある子どもの受け入れはありませんが、必要に応じて横浜市中部地域療育センターと連携を図り、助言や情報が得られる体制を整えています。職員も外部研修で障がい児保育について学んでいます。今後、受け入れる際は、障がいの特性を考慮した個別の指導計画書に基づいた援助が期待されます。
・虐待に関するマニュアルがあり、職員に虐待の定義とともに、情報を周知しています。疑わしい場合や、見守りが必要な場合には区のこども家庭支援課や横浜市中央児童相談所と連携を取りながら、共通認識を持つ体制があります。送迎時には何気ない会話から保護者が話しやすい雰囲気を作るようにするなど、家庭支援の必要な保護者の気持ちや心身の状況に寄り添いながら、援助ができるように心がけています。
・保育所における食物アレルギー対応マニュアルに基づいた対応をしています。除去食のある子どもには、給食室と担任の確認後、保育室の他職員との再確認をして提供しています。専用トレイに名前、食事にはラップをかけ、除去食材を明記しています。おかわりの用意はありませんが、残しても良いように多めに盛り付けをしています。食事の際は職員が傍らにつき、見守っています。
4 地域との交流・連携 ・法人社長は近隣商店街の理事を長く勤めており、保育園の設立にあたり地域住民のニーズを捉えています。商店街で働く人達の願いとして「子どもを長く預けられるよう保育時間を長くしてほしい、土曜保育を実施してもらいたい」等の具体的なニーズを把握しています。園長は区園長会に出席し、福祉制度情報や地域情報を得たり、保育に係る検討会に参加しています。また、平成27年度には、地域で取り組んでいる「地域子育て土・日支援事業」に副園長が参加し、地域の人の子育て中の悩みや相談を受けました。この事業への参加は地域の保育ニーズの把握にも繋がっています。
・地域の子育て支援についての区の事業に対して、協力・提供方法など職員間で話し合いを行っています。毎年行われる区事業・子育て支援「まちのほっとスペーススタンプラリー2016」に協賛し、園庭開放を5回実施しています。昨年度は一時保育を行い1名の実績がありました。しかしながら、地域住民に向けての子育てや保育に係る講習や研修会を開催するまでには至っていない状況にあり、今後の取り組みが期待されます。
5 運営上の透明性の確保と継続性

・年2回近隣の老人ホームとお楽しみ会や運動会を行い、高齢者との交流を図っています。運動会には、卒園児を招待したり、次年度の入園希望で見学に来た家族にも開催のアナウンスをして来園を促しています。近隣町内会のお祭りでは子どもたちが山車を引っ張っています。小学校との給食交流会や小学校探検を行ったり、園の運動会に1年生が参加しています。商店街のお祭りに音響セットを貸し出しています。勤労感謝の日には、子どもの作品・手作りカレンダーを地域の交番や消防署、商店街の各お店に配り、日頃の感謝を伝えています。
・公園、地区センターの多目的ホールやプレイルーム、消防署見学など地域の社会資源を活用しています。散歩や買い物、ハロウィンの行事、祭りなど日常的に地域の人たちとの交流を図っています。老人ホームや小学校との交流、地域の4保育園の子ども達とはドッジボールやリレー大会を年2回実施し、交流を図っています。商店街の祭りや町内会の祭り、区の駅伝大会に参加するなど地域の文化に触れ、地域への理解を深めています。


6 職員の資質向上の促進 ・研修計画は副園長が担っています。外部研修情報を職員に知らせ、本人の希望も取り入れ、効果的な研修となるよう園長・副園長がアドバイスを行っています。外部研修資料はファイルし、全職員閲覧することができます。園内研修は必要に応じて議題を設定し、開催してます。今後は、外部研修後に職場へフィードバックする仕組みや研修成果を業務に活かすための仕組み作りが期待されます。
・非常勤職員職員等への日常の指導としてマニュアルは事務所にあるほか、保育に直接関わる職員マニュアルや保育従事者の心得を配付しています。クラス担任をしている非常勤職員もおり、職員会議は原則全員参加としています。さらに、園内研修のみならず、外部研修に参加できる体制を整えています。
・一昨年、自己評価表に基づいて職員は自己評価をしています。個人面談時の話し合いや職員会議で業務を振り返りながら園長・副園長が中心となり、園の自己評価につなげています。今年度の再開が期待されます。一層のサービス向上のため、横浜市中部地域療育センターの臨床心理士、5歳児クラスのダンス教室の外部講師から指導やアドバイスを受けています。
・年間指導計画、月間指導計画、保育日誌に自己評価の欄があり、評価・振り返りが出来る書式が定型化されています。「月のスケジュール」書式を週日案として活用しています。職員は日々の子どもの姿や保育実践について振り返り、対応方法の改善を考え次の計画に反映させるよう努めています。
・一昨年度は日々の保育業務での振り返りや、職員の自己評価表に基づいた自己評価などを通し、評価できる点や課題等の把握に努め、園としての自己評価を作成し、玄関に掲示公表しています。今年度の再開が期待されます。

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