かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

パステルパレット

対象事業所名 パステルパレット
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 障害分野 生活介護
事業所住所等 〒 252 - 0226
中央区陽光台7-10-14
tel:042-777-7327
設立年月日 1994(平成6)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 日本コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【事業者が特に力を入れている取り組み】
@  地域のオンブズマンの訪問を月1回得て、利用者や経営層と意見交換の場を持っています
 法人としてオンブズマン制度を取り入れており、当事業所においても相模原福祉オンブズマンネットワークに参加しています。1か月に一度オンブズマンの訪問があり、地域のオンブズマンが、直接利用者と面談をしています。事業所や職員に対する要望や苦情もこの場でオンブズマンに伝えられています。時にはオンブズマンは経営層と話し合う事もあり事業所の運営についても意見交換しています。この様に外部の目を活用することにより地域社会に対し極めて透明性の高い組織を目指しています。


A 申し送りシートの活用で、支援方法や留意点の共通認識を持った支援をしています
 非常勤職員の提案で生まれた「申し送りシート」で、一日の活動の流れと利用者への配慮事項がいつでも確認できます。一日の終わりに利用者の様子と支援方法を検討し、共通認識を持った上で、次の日のシートを完成させています。シートは掲示され、大きく目立ち、誰でも分かりやすくなっています。次の日の朝には、引き継いだシートにさらにその日の職員が認識している追加情報を入れ、職員間で共有した後、支援に入っています。また、ヒヤリハットインシデント、服薬の欄もあり、利用者の安全についても確認が出来るようになっています。


B 利用者の安全確保や心のケアの為、基準を上回る看護師を配置しています
 日常生活に恒常的に医療ケアを必要とする利用者が多いこともあり、看護師の重点配置に取り組んでいます。配置基準はサービス提供時間から見れば1名であるところ、常勤雇用の看護師1名に加え常勤換算で+1.9名分の非常勤看護師の配置を行っています。看護師の増員は、利用者の安全はもとより、特に中途障がいの利用者は以前の自分と比較し、心身に傷を負っており、寄り添う看護師が居るだけで安心感が得られるとの考えから増やしています。また、看護師が増えたことで事故や感染症のマニュアルの充実にも寄与しています。


【特に良いと思う点】
@ プログラムや日課の充実、人員の増強も図った上で利用者を増やし、更に職員の経営意識も高め、最終的に収支が黒字になっています
 財政の改善に向けて、単に利用者を増やして、職員に負担感を与えるという事でなく、障がいの程度が重い利用者の受け入れのための看護師の増員、リハビリに関するプログラム充実のための柔道整復師の新規採用など人員の増強を図りながら利用者を増やしました。その間、現場の職員にも事業の収支状況や利用実績等の数値もオープンにし、業績改善への参画意識を高めることに成功しました。また、新しい利用者の確保については、併設の相談支援事業所との日頃からの連携が有効に働き、最終的に収支は黒字になっています。


A 常勤職員の定例会議に加え、非常勤職員会議と看護師会議を月1回開催し、多くの現場の声を取り入れ、業務改善に繋げています
 常勤職員の参加する定例会議は今までも月2回のセンター会議があり、そこで事業所の業務の方向性を決めています。しかし非常勤職員も看護師も日々利用者に直接対面しているメンバーであり、現場を預かる彼らが日頃感じている事や意見を汲み取ることは極めて重要という観点から、非常勤職員会議と看護師会議も月1回実施しています。この2つの会議の開催により、従来に比して有効な情報や意見が集まるようになり、事業所の業務や支援方法の改善に繋がっています。また、会議への参加を通じて仕事に対して主体的に取り組むような変化も確認できます。


B 通所を希望する利用希望者は全て受け入れ、事業所で充実した日々を過ごせるような環境を作っています
 障がいの状況を問わず、通所を希望する人を全て受け入れる姿勢を堅持しています。身体に障がいを持つという事で、社会との隔たりを感じながら生活してきた利用者が、きっかけを掴み、様々な思いを抱えて通所を始めたということを事業所側は受け止めています。事業所では、個々の想いに沿った目標や目的に応じて、選択プログラムや機能訓練、入浴、食事など、日中活動により充実した日々が過ごせるような環境を作っています。また、医療ケアの必要な利用者が増えていますが、看護師を基準以上に配置し、体制を整備しています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@利用開始時には、個人情報提供同意書を用いて、利用者情報の取り扱いについて説明しています。職員は利用者のプライバシーに関する情報を、他の人に聞こえるような場所で話さないように気を付けており、面談の際や個人的な相談を受ける時も、場所の設定に気を配っています。利用者情報を事例検討等に使用する場合も利用者の了解を得ています。その他、ロッカーの提供や個人宛に配布物を名前が見えないように渡したり、車いすの背面のバックの中身の出し入れの際にも逐一利用者に確認を取っています。


A個人を呼ぶときには苗字に「さん」を付け、愛称や下の名前で呼ぶことはありません。親しみを込めて友達と話すような言葉かけを禁止し、程よい距離を保って丁寧語を使用しており、職員が明るくハキハキと利用者に話かける姿は、訪問調査でも確認できました。トイレ介助や入浴介助時、利用者の下着の着脱時には「失礼します。」の言葉をかけ、トイレ介助の職員間の会話では隠語を使用しています。入浴時も着替えは人目に触れないようにカーテンで仕切ったスペースでゆっくりできるように配慮しています。


B利用者の人権への配慮に関しては、法人共通の権利擁護規定や虐待防止対応マニュアルがあり、職員全員に配付する「職員ハンドブック」にも掲載して内容の確認を徹底しています。無意識に相手を傷つける言動がないかを、職員間でチェックすることもあります。会議では「利用者への言葉遣い」「利用者との適切な距離」を取り上げ、同性介助の視点を含めて検討しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@通所介護では、入浴の道具など持ち物の用意や、決まった時間の送迎など、在宅や入院生活では体験しないことも多く、慣れるまでの時間をかけています。利用開始後、日々のプログラムでは、事業所側の慣例を優先することなく、自宅での介助方法を提供できるように努め、利用者に不安が生じないようにしています。また、初めは見守りを強化し、職員間の綿密な情報交換で支援方法の統一について話し合っています。話し合いの内容は申し送りシートの配慮事項にも記述して共有しています。


Aアセスメント表や利用者台帳に情報を収集し、個人別にファイルしています。個別支援計画の作成では、支援員は利用者自身の力を信じ、目標(ニーズ)に対して、アプローチと支援方針を明確にしています。通所の目標は「生活の場に潤いを」であり、無理にレベルアップを求めることは無く、利用者自身が課題と考えている点を聞きながら計画を立案しています。相談支援事業所等のサービス等利用計画もファイルに綴じて支援に活かしています。計画が新しくなると、担当職員は家庭に出向き、直接家族等に対して説明しています。


B玄関から入り、目に触れやすい場所に掲示板を設置し、利用者にとって有意義な情報を提供しています。自立した生活を送るために必要な情報として、例えばグループホームなどの入所施設や居宅介護サービスなどの活用を案内し、必要に応じて利用案内を渡しています。新規利用者には、集団のルールや決まりを分かりやすく伝え、利用者が困らないように情報を提供しています。また、周囲との関係を保つため、社会的なルールや他の人への配慮なども伝えるようにしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@利用者に対して年1回実施されるプログラムに対する満足度調査や秋の旅行アンケートなどで、外出やショッピングの場所等、希望のプログラムが選べる選択プログラムの内容や旅行の行先などを決めています。苦情についても館内での「みんなの声BOX」を設置する他、事業所内の苦情受付担当者名や、事業所外の相談機関の紹介や苦情解決のための第三者委員制度の存在を掲示しています。現時点では、職員やオンブズマンに直接訴えることが多くなっています。


A日常生活に恒常的に医療ケアを必要とする利用者が多いこともあって看護師の重点配置に取り組んでいます。配置基準はサービス提供時間から見れば1名であるところ、常勤雇用の看護師1名を加え常勤換算で+1.9名分の非常勤看護師の配置を行っています。看護師の増員は、利用者の安全の為、心のケアの為、医療との連携の為、配置しています。また、看護師が増えたことで事故や感染症のマニュアルの充実にも寄与しています。


B法人が作成したマニュアル類が整備されており、危機管理、個人情報、衛生・安全管理・苦情処理等を使用しています。加えて様々な事業所独自の手順を明確にして標準化を図っています。業務分担も明確で、その日の業務の流れを時系列で表した「本日の流れ」も白板に書き出しています。利用者個人別のファイルにも配慮事項を明記しています。各種マニュアル、手順書整備や書類の書式変更は、主任と副主任が中心となって整備しています。


C身体介護に関する支援方法など、個人別の配慮事項と支援の標準化について、常勤職員と非常勤職員が話し合って統一しています。壁には「申し送りシート」が貼ってあり、一日の活動の流れと利用者への配慮事項がいつでも確認でき、ヒヤリハットとインシデントについても確認する事ができるようになっています。また、帰りの打ち合わせ時には職員間でヒヤリハットの確認をしており、利用者が安全に過ごせる様に取り組んでいます。

4 地域との交流・連携

@相模原市の身体障がい者への支援活動は、法人全体で古くから取り組んでおり各種関係先との連携も図っています。市や県の障害者事業所協会、重症心身障害者地域ネットワーク、相模原福祉オンブズマンネットワーク、市自立支援協議会等との連携が図られるとともに、その中には所長が役員を務め中心的に活動しているところもあります。また、同一建物内で法人が運営する相談支援事務所があり、新規利用者・家族の相談の拠点となっており、この事務所との連携で障がい者支援の地域のニーズに応える体制が取られています。


 A相模原市の障害政策課や障害福祉サービス課などの行政の窓口、各種外部団体や神奈川県社会福祉協議会経営者部会などに参加し、障がい者支援サービスの情報を収集しています。身体系の事業所が市内に数少ない事もあり、職員も含めて、将来的なニーズ動向を見越しての今後の事業展開のあり方などを意識しています。同一地域での新しい施設の立ち上げの必要性などが検討されています。また、直近の課題として市内の特別支援学校の在籍者の把握や自閉症、発達障がいなどの医療的ケアの必要な子供たちの把握にも努めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@当事業所の運営法人は神奈川県全域で高齢・障がい・保育の3分野で100施設以上を運営しています。この法人の理念は(1)ソーシャルインクルージョン(共生社会)を目指します(2)先駆的で開拓的な事業を展開しますであり、これに加え法人の福祉に対する3つの使命や11の基本方針が、パンフレットやホームページの他、職員全員が持っている職員ハンドブックや施設内の事務室や掲示板等で明示しています。


A運営法人は、中期計画と年度計画があり、その考え方や内容をホームページや中期計画資料として明示しています。中期計画は第三期中期計画(平成26年4月〜平成31年3月)の5か年計画として取りまとめられています。計画の概要は現状分析と5年後のビジョン、ビジョン実現のための戦略目標と年次計画になっています。また、当事業所の年度計画も常勤職員が全員参加で討議し、事業計画書としてまとめています。年度の重点課題と利用実績目標もこの中で明記しています。


B事業所独自のホームページを作って利用希望者に広く情報提供しています。ホームページには、事業所が生活介護事業・日中活動グループとして、入浴やリハビリ、余暇活動としての日帰り旅行、社会参加としての買い物や散歩を実施し、相談支援事業所が併設されていることも案内しています。今後は、実際の活動が判るような写真なども掲載したいと考えています。法人のホームページは概要、経営理念、決算報告、事業計画などを掲載しており、法人が目指す方向性が分りやすく掲載されています。


C3つ折りのハンディータイプのリーフレットは、多色刷りでイラストを多く使っています。表紙に建物の全景写真を掲載し、入浴、送迎、室内活動、創作、送迎など、実施しているサービスを紹介しています。実施している日帰り旅行については「利用者の声」「職員の声」を掲載し、読み手にイメージしやすいようにしています。他に事業案内として「パステルパレット・利用のご案内」を配付しています。作業グループの「プリントパステル」では得意のパソコン印刷で、案内や各種ポスターを作って配布しています。

6 職員の資質向上の促進

@現場の職員一人ひとりの気づきや工夫を組織全体の業務改善に活かそうという主旨から、通常の定例会議に加え、看護師や非常勤職員それぞれのミーティングを定期的に行っています。利用者への対応や支援の在るべき方向性についての週1回の個別ケアの検討会議での意見交換の場で看護師や非常勤職員ミーティングの意見も取り上げられるようになっています。このような仕組みができたことにより奏功し、常勤・非常勤問わず、また、専門職まで含めて、メンバーのモチベーションが高く保たれています。


A個人の業務レベルの向上、仕事のスピード化等の改善工夫による効率化等、人員を増やさずに利用者を増やし、収入増に繋げるという目標に取り組んでいます。一方、業務過多が恒常化しない様に必要な人材は採用し適正な人員配置になるよう努力もしています。採用は常勤職員が法人本部採用、非常勤職員が各事業所採用となっており、採用前には実習を行い適正の判断をした上で雇用しています。福祉サービス業界の人材不足の中、子育て世代のパート職員の採用増と戦力化にも取り組んでいます。


B法人の研修制度は、社会人・組織人としての人格形成から専門職としてスキルアップに寄与する内容のものまで、各階層別に年間研修予定を立てています。資格取得に必要な講座の紹介や基礎的な福祉資格については法人独自に合格のための講座を開設し、無料で参加できるようにしています。また、法人外で実施される研修にも参加できる体制になっています。このように研修制度はあり、参加も後押しする環境にあります。

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