かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

たまプラーザのぞみ保育園(2回目受審)

対象事業所名 たまプラーザのぞみ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) テンプスタッフ・ウィッシュ株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 225 - 0002
青葉区美しが丘5-2-34
tel:045-905-2788
設立年月日 2008(平成20)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
たまプラーザのぞみ保育園は、東急田園都市線「たまプラーザ駅」から徒歩8分、横浜市営地下鉄「あざみ野駅」から徒歩8分の緑の多い住宅地の中にあります。平成20年4月テンプスタッフウィッシュ株式会社によって開設されました。園舎は1階に事務室、調理室、親子で利用できるベンチのある絵本コーナーがあり、2階に幼児クラスの保育室、幼児用トイレ、3階に0歳児、1歳児、2歳児保育室と沐浴室、乳児用トイレがあります。園庭のほかに2階、3階にそれぞれルーフテラスがあり、子どもたちはいつでも身体を動かして遊ぶことができます。定員は90名です。延長保育を実施していて、開園時間は、平日7時〜20時、土曜日は7時〜16時です。平成29年4月より、土曜日は7時〜18時となります。
保育理念は、「自立・自律を促進し、子どもと大人の関わり合いのなかで育ちあっていく『響育』を心がけます」と定め、理念を基に保育方針を「生きる力の基礎を育てる」「違いを認め合える気持ちを育てる」とし、保育目標を「健康的な生活習慣を身につけ、けじめのある生活を送れる子ども・命を大切にする子ども・自分の思いや考えを表現できる子ども・不正なこと、不合理なことがおかしいと思える子ども・友達と一緒に協力したり作り上げることに喜びを感じる子ども・困難なことに出会ったときに友達と助け合い、乗り越える力を持つ子ども・相手の気持ちを思いやることができる子ども」としています。


1.高く評価できる点  
●子どもたちは自分のやりたいことをする時間が十分確保され、自由に遊んでいます 
保育士は朝の受け入れ時の子どもの様子を見て、保育室で遊んだり、少数のグループで園庭に出たりとその日の活動を柔軟に変更しています。子どもたちが自由に遊べるよう、遊びが豊かになる手作りおもちゃや子どもの想像力を育む素材が豊富にあります。クラスでも異年齢でもたっぷり遊ぶ時間が確保されています。粘土遊びをしていた3歳児は保育士がさり気なく差し出した本「ぼくのパン、わたしのパン」を参考に種類の違う沢山のパンを制作しました。その次にテーブルにトレーとトング、レジ、紙袋を子どもが自分で用意して「パンは、いりませんか」とパン屋さんを始めました。隣のテーブルにはパンを食べるコーナーも作り、友達が買い物に来ています。別のコーナーでは線路を次々とつなげていた子どもたちが長い列車を走らせ、友達と協力してブロックなども使って大きな町を作っていました。幼児クラスは、体操など一斉におこなうこともありますが強制ではなく、やりたいことを自主的に続けることができます。消防署を見学した子どもが消防車を作りたいと椅子を使って作っていると、「ライトがあった方がいい」「車は赤いよ」といろいろな意見が出て赤いセロハンを貼り、ナンバープレートを付けるなど6人乗りの大きな消防自動車が完成しました。3歳児もヘルメットをかぶって参加するなど子どもたちが生き生きと自分を表現する姿が見られます。保育士は、子どもたちを見守りながら、次に何をするのか、待つ姿勢を大切にしています。このように、子どもたちは自分のやりたいことを見つけ、十分な時間をかけて実現しています。


●園の基本理念のもと、保育士は、子どもたち一人一人を大切に見守るように保育しています 
乳児クラスは、食事、排泄、身支度、午睡などの生活全般を担当保育士が一人一人に合わせておこなっています。子どもの性格や好み、遊び方などを把握して対応しています。乳児の食事は常に一対一で子どもの様子を見ながら援助し、遊びも一人一人の体調に合わせて園庭に出たり保育室で保育士と数人子どもたちで遊んだりしています。排泄は一斉に誘うのでなく、排泄間隔をみて一人一人に対応しています。また、衣類の脱ぎ着も声をかけて、手を添えて援助しています。保育士は、日々の生活の中で子どもたちが生活の自立ができるように見守っています。幼児クラスは、子どもが好きな遊びを見つけると、保育士はそれが上手く発展できるようコーナーを作ったり、遊びやすいように配置を変えたりと援助しています。また、子ども同士のもめ事も自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを聞く良い機会と捉え、保育士はまず見守り、子どもの発達段階に応じて、子どもの訴えを聞いたり、相手の気持ちを代弁したりしています。園では遊びも食事も一人一人のリズムでおこない、子どもの主張を大切にしています。このように、保育士は基本理念のもと、子どもが自分の意思を伝えることを大切に見守っています。


2.独自に取り組んでいる点
●幼児は縦割り保育を実施しています 
園では、年齢の異なる子どもたちが一緒に過ごすことで、思いやりの気持ちを育むとして、縦割り保育を実施しています。子どもたちは、日々一緒に過ごす中で遊びやさまざまな活動を通して年下の子どもは年上の子どもの様子を見て学び、年長児に憧れを抱き、年上の子どもは、年下の子どもの世話をしたり、教えたりすることで自信を持ち、いたわりの心を持って接するなど月齢や発達の差を意識することなく、一人一人が大切な存在として過ごしています。


3.工夫・改善が望まれる点 
●保護者との相互理解を深めるための取組が望まれます 
園での子どもの様子を降園時等、日常的に伝えるほか、懇談会や個人面談の際にも伝えるようにしており、保護者に毎月配布する「園だより」には、各クラスの活動や保育の内容などを掲載し、活動の様子を写真に撮って保育室に掲示するなど保護者への情報提供に努めています。また、保育参観や保育士体験を通して保護者が子どもたちの様子を見る機会を作っています。意見箱に寄せられた保護者からの意見や要望等には、園からの回答を掲示するなどの対応をしています。園では、このような取組をおこなっていますが、利用者家族アンケートでは「園だよりや掲示などによる、園の様子や行事に関する情報提供について」や「保護者からの相談事への対応」、「意見や要望への対応について」、「園の目標や方針についての説明」の項目で“不満”“どちらかといえば不満”の回答が多くなっています。今後は、園の理念や目標、方針についての保護者の理解を深めるために、園の特徴とそれに基づいた保育の様子の伝え方や要望、意見の対応方法についての工夫、検討をおこなうなど、保護者とよりよい関係性を構築するためのさらなる取組が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育理念は「自立・自律を促進し、子どもと大人の関わり合いのなかで育ちあっていく『響育』を心がけます」としています。保育方針を「生きる力の基礎を育てる」「違いを認め合える気持ちを育てる」として、一人一人の利用者本人を尊重したものとなっています。
・保育士は一人一人の子どもの気持ちに寄り添い、子どもの言葉や様子から気持ちや考えを汲み取るよう配慮して日々の保育をおこなうよう努めています。子どもの人格を辱めたり、自尊心を傷つけてはならないことを日頃から会議等で話し合い、全職員が共通理解として認識しています。
・必要に応じて、廊下や保育室の隅、空いている保育室等、子どもと一対一で静かに話し合える場所があります。話すときは対面ではなく、威圧感を与えないよう横並びで話すように配慮しています。
・個人情報の取り扱いについて「個人情報保護方針」に基づいて、保護者に説明し、同意書を得ており、園だより等への写真掲載に関しても同意書を得ています。個人情報に関する記録は施錠できる場所に保管・管理しています。
・遊びや行事の役割、持ち物、服装などで性別による区別はしていません。また、順番や、グループ分け、整列などについても男女の区別なく活動がおこなわれています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育課程は保育理念、保育方針に基づき一人一人の子どもを尊重した保育目標を策定し、子どもの最善の利益を第一義にしています。
・新入園児の短縮保育(ならし保育)については「入園のしおり」に記載し、保護者と話し合って状況に応じた短縮保育をおこなっています。
・施設の屋内、屋外の清掃については、毎日おこなわれ清潔な状態が保たれています。温、湿度計を各保育室に設置し、エアコンの設定温・湿度を適温適湿に管理しています。また、保育室は陽光が十分取り入れられる構造となっています。
・0歳児保育室に沐浴設備があり、子ども用トイレと園庭に温水シャワーが設置されています。沐浴設備と温水シャワーは、「衛生管理マニュアル」に従って清掃が十分におこなわれています。
・おもちゃや教材などは子どもの手の届く場所に置かれ、自分で選び、取り出しやすいように整理されています。年齢や発達に応じたひも通し等、指先機能を活かすおもちゃ、パズルやおままごと道具などがカゴに入れられ、子どもたちが片付けしやすいように棚に写真や絵を貼って収納しています。
・幼児クラスは、一斉に活動をおこなうこともありますが、無理強いをしないので子どもたちが自分で遊びを考え、好きなことをして遊び込める時間が十分にあります。例えば、粘土で制作していた子どもが、さまざまなパンをつくり、次にレジやトレイ、トング、紙袋を子どもが自分で用意してパン屋さんごっこを始めるまで遊びが広がり、「おいしいよ」とお客さんを呼ぶ姿が見られました。
・子どもたちはキュウリ、トマト、ピーマン、シシトウ、枝豆、オクラなどの野菜や稲を栽培し、世話をした植物の成長や収穫を喜び、クッキングをするなどの機会を作っています。また、アゲハの幼虫やカタツムリなどを飼育して、自分たちで必要な餌や環境を図鑑で調べるなど保育活動にフィードバックしています。
・発達過程に応じて、運動能力を高められるよう、課業として体操を取り入れたり、園庭では固定遊具を設置せず、ビールケースや幅広の板、タイヤなどを使って運動遊びをするなど、身体を動かして遊ぶ環境を意識して作っています。乳児クラスでは保育室にマットなどで斜面を作り、棚を横にして昇り降りをするなど遊びの中で身体を動かしたりするなど、日常の中で運動能力を高め、体幹を作ることを意識しておこなっています。
・子どもたちが食事やその過程に関心をもつように、食育では人参の型抜き、ごぼう洗い、トウモロコシや玉ねぎの皮むきなどを体験し、栽培した野菜を給食に使用しています。また、幼児クラスは年齢に応じて配膳や片付けをしています。
・旬の野菜を使って季節感のある献立づくりを心がけ、行事食などでは食欲がわくような盛り付け方法を工夫するなど食事作りに配慮しています。
・乳児クラスは育児担当制を取っていて一人一人の排泄のリズムを捉え、個人差を尊重しています。トイレットトレーニングは一人一人の排泄の間隔を把握し、機能がしっかりできていることを確認するなど個別に対応しています。
・保護者には、保育の基本方針が理解できるよう入園説明会や年度初めと年度末の懇談会などで説明する機会を設けています。また、各クラスの活動の様子や保育の内容などを記載した園だよりを毎月発行し、保育の方針が理解されるように配慮しています。個人面談は年1回期間を設け、時間帯も選べるよう設定して実施しています。そのほか、保護者の希望により随時個人面談を実施しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・月間指導計画、個別指導計画は子どもの成長・発達に合わせて作成し、評価・振り返りをおこない、次期の計画に活かしています。また、連絡帳でのやり取りや日頃の話し合い、面談などで、保護者の意向を聞き、指導計画の評価、改定時に反映するように努めています。
・特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れる姿勢があります。職員は最新の情報を園内外の研修や保育観察を通して外部の専門家から助言を受け、研修報告会や報告書の回覧で職員全員に周知し保育に活かすようにしています。
・施設は3階建てで、2階、3階が保育室となっています。廊下・階段の手すり、エレベーター、車椅子で利用できるトイレ、園庭に出るスロープなどバリアフリー対応ができています。
・障害児保育について、横浜市地域療育センターあおばや年数回の巡回訪問を受けている助産師などから、助言や情報を得られる体制をとっています。
・児童虐待防止マニュアルがあり、全職員が周知しています。日頃から視診をおこなったり、不登園などに気をつけて、家庭支援が必要な場合には、保護者と十分話し合う時間を設けるなどしています。
・アレルギー疾患のある子どもへの対応として、保護者から提出してもらった「アレルギー対応の食事調査票」「生活管理指導表」をもとに保護者、園長、栄養士、保育士と話し合い、適切な対応をおこなっています。
・保育方針の「違いを認め合える気持ちをそだてる」を大切にし、文化や生活習慣、考え方の違いを認め尊重するようにしています。
・「苦情解決の仕組み規程」で、責任者を園長、受付担当者を主任と定めており、事前に保護者に説明されています。
第三者委員として2名の主任児童委員が決まっています。第三者委員に直接苦情を申し立てることができるよう「入園のしおり」などに記載し周知しています。
・玄関に意見箱を設置し、寄せられた意見に対しての回答を掲示板に開示しています。行事後には全園児対象にアンケートをとるなど保育のサービス向上につながるよう努めています。懇談会でも意見・要望を聞いています。
・園単独で解決困難な場合には、かながわ福祉サービス運営適正化委員会、青葉区こども家庭支援課と連携して解決にあたる体制がつくられています。
・安全性を考慮して、3歳児以降、身の回りのことができるようになると、担任が歯ブラシを用意してもらうよう保護者に声を掛けて食後の歯磨き指導を実施しています。年長児は歯科医から歯磨き指導を受け、歯の大切さを学んでいます。
・感染症対応マニュアルの中に、衛生管理に関するマニュアル「職員の衛生管理」「保育園内の衛生管理」があります。マニュアルは定期的に園長と主任で確認し、見直しをおこなっています。変更したマニュアルは日付を記入し、変更箇所や内容を職員に周知しています。
・「事故防止マニュアル」「事故と安全管理マニュアル」「危機管理マニュアル」「散歩マニュアル」などの安全管理に関するマニュアルがあります。マニュアルは園内外におけるケガ、事故、火災、地震等に対応しており、全職員に周知しています。毎月、火災や地震を想定した通報や連絡体制の予行演習、訓練を実施しています。また、毎年9月に防災引き取り訓練を実施しています。
4 地域との交流・連携 ・毎週木曜日と土曜日に園庭開放を実施しています。
・地域住民に向けた子育てや保育に関する講習・研修として、のぞみ講座「口腔内ケアの予防習慣を身につける」「運動遊び、わらべうた」などを開催しています。
・地域住民に向けて、育児相談を毎週木曜日に実施しています。
・保育園のお知らせのポスターを自治会で掲示してもらったり、園の外の掲示板に掲示して情報提供に努めています。
・相談内容に応じて必要な関係機関・地域の団体として「連携機関リスト」に病院や青葉区こども家庭支援課、地域療育センターあおば、学校、助産師などの連絡先が記載されており、事務室に整備され、職員間で共有しています。
・近隣中学校から毎年ボランティア、職業体験を受け入れ、園の運動会では小学校の校庭を借りるなど交流を図っています。幼保小の取組として「1年生のお祭り」に参加するなど定期的に交流を図っています。
・近隣との友好的な関係を築くための取組として自治会に加入し、行事等に参加しています。また、園の行事開催の際には、招待状を送付し、行事終了後はお礼状を送る等、交流を図るよう努めています。
・散歩時に子どもたちは、地域の人と挨拶や会話を交わしています。消防署見学では、消防士の話を聞き、地域の農園に行ったときに、園での栽培に使用する苗を選んだり、苺の提供を受けてジャム作りに役立てたりと地域の人々と交流を図っています。
・園のパンフレットや園のしおり、ホームページなどに、保育理念、保育方針、保育園の特徴、概要、保育の一日の流れなどの基本情報を掲載しています。
・利用希望者には見学できることを案内しており、見学日や時間は見学希望者の都合を優先し、希望に沿うように配慮しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・職員の自己評価は「評価シート」を用いて、目標設定し園長が年2回面談して評価する仕組みができていますが、保育園の自己評価を計画的におこなう仕組みは構築されていませんので、保育園の理念に沿って園としての自己評価をおこない、公表する仕組みを作ることが望まれます。
・事業計画に「全国保育士会倫理綱領」を掲載し、「保育、教育職員人権研修」を本社で毎年実施するなど、組織および職員が不正・不適切な行為をおこなわないよう、法・規範・倫理などが職員に周知されています。
・ゴミの減量化、資源の有効利用のため、牛乳パック、トイレットペーパーの芯や段ボールなどの廃材を利用し手作りのおもちゃを作成するなどしています。
・園の概要、サービス内容等の情報は開示されていますが、経営、運営状況などの情報が公開されていません。今後は、事業報告や財務諸表等について保護者等、関係者へ情報開示されることが期待されます。
・運営面での外部環境変化による重要な改善課題については、職員に会議や書面で回覧し職員に周知し、保育園として取り組んでいます。
・中長期的な事業の方向性を定めた計画については、達成時期や年度の進捗状況を記載する等、本社と連携し、見直しされることが期待されます。
・本社は運営に関し、外部の保育専門家や弁護士、税理士等から意見を取入れる努力をしています。
6 職員の資質向上の促進 ・研修担当者は園長となっており、研修計画を作成しています。外部研修は横浜市こども青少年局、青葉区こども家庭支援課等主催の研修に参加しています。毎月外部の専門家が保育観察に来園し、職員は保育サービス状況などについて助言をもらい学んでいます。
・非常勤職員は職員と同様に職員会議や研修に参加ができるようになっており、参加できない場合も情報を提供するなど、職員と同様に資質向上への取組をおこなっています。
・四半期毎や月間、週間指導計画、評価シートの書類に保育士一人一人が振り返りをおこない、自己評価を通して自己の実践の改善や次期の目標に反映させています。
・職員の経験や能力、習熟度に応じた役割の期待水準が「職務記述書」に明文化されています。日常保育の現場や行事などで職員に役割分担し、可能な限り権限を移譲して自主性を養っています。最終責任は園長にあることを伝え、職員は園長、主任に相談や報告し責任を持って遂行しています。

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