かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク向ヶ丘遊園北保育園(6回目受審)

対象事業所名 アスク向ヶ丘遊園北保育園(6回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 214 - 0014
多摩区登戸514-1
tel:044-922-2280
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・概要・立地
 アスク向ヶ丘遊園北保育園は、小田急線向ヶ丘遊園駅から徒歩15分の住宅地に立地し、独立した園舎で広い園庭を有しています。平成23年に開園し、1〜5歳児定員76名で、現在75名が在園しています。

・保育の特徴
「五感を育てる保育」「生きる力を育む保育」「異年齢保育」「主体的な生活による保育」を柱とし、園目標「元気な体と思いやりの心を育てる」を掲げて、子ども一人一人の年齢や発達に合わせた丁寧は保育を実施しています。
 さらに、それぞれの年齢・発達に合わせた多様なプログラム(クッキング保育、英語プログラム、体操プログラム、リトミック教室)を実施しています。

【特に優れていると思われる点】
1.職員間の情報の共有と保護者との連携を深めるための工夫
クラスごとに子どもの名前と登降園時間、体温、体調、昼食、おやつ、補食などを記載する毎日の予約一覧表(設置法人の統一フォーム)に、園独自の工夫をしています。それぞれの子どもの在園時間帯を赤帯で、アレルギー児は青帯で示し、下段に「園から家庭への申し送り」「家庭からの申し送りや前日の様子」を記入する欄を設けて、担任がエピソードやコメントを書いています。保護者のお迎え時には、子どもの園での様子を伝え、職員間の情報の共有と保護者との連携に活用しています。

2. 子どものできる力を大切に子どもの主体性を培う保育
乳児期、食事・着脱・片付けなど基本的な生活の場面で、大人がすぐにやってあげるのではなく、子どものやろうとする力を引き出す言葉かけを行い、ちょっとだけ手助けをして子どもの「できた〜!」達成感を味わえるようしています。幼児期には、「どうすればいいかな?」と問いかけ、考えて行動する力が育つよう丁寧に関わっています。4、5歳児の子どもたちは、昼食の後、自分たちで掃除をして午睡の準備をしたり、小さい子のお世話係をするなど、自分たちで考え、行動する喜びを感受し、自信をつけています。

3. 会議の持ち方の工夫と職員の休憩時間の確保
今年度から、毎週水曜日の昼礼(リーダー会議)で園運営について話し合い、毎週金曜日に個人別に課題のある子どものケース会議で細かく情報を共有し、月1回の職員会議で園内研修に力を入れ、職員はそれぞれの会議をもとに子どもに応える保育に励んでいます。併せて、子どもから離れて休息が確保できるよう、職員間で時間の使い方を確認し合い、互いに思いやる職場環境を築いています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】 
1. 地域子育て支援のさらなる情報発信
 中長期計画に「地域交流」を掲げ、事業計画の1つの柱として、「育児相談」「園庭開放」と「室内遊び」の具体的取り組みを園外掲示板に掲示して、地域に知らせています。継続して実施していますが、参加者は少数にとどまっています。地域や子育て支援拠点などの関係機関に対して積極的な情報発信が望まれます。

2. 安全チェック表の作成と日常点検の実施
日々の保育の中で安全確保には注意を払い、各クラスで生じるヒヤリハットから安全対策を検討して改善を図り、事故防止に努めています。さらに、子どもの成長に応じて想定される事故防止のため、園としてのクラスごとの安全チェック表の作成と点検が望まれます。

3.子どもが遊び込める園庭の環境構成の工夫
戸外遊びが大好きな子どもたちは、砂場にバケツで水を運び、泥んこ遊びに興じています。広い園庭に草花や樹木を植えて成長を楽しみ、蝶や虫たちと出会い季節感を味わえる、そして築山やタイヤのトンネルで子どもたちが体を動かして遊ぶことのできる環境構成の工夫が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・基本方針に「子どもの自主性や伸びようとする力を育てる」を掲げており、子どもに「何がやりたいか」を問いかけ、子どものやりたい気持ちを大切に園生活を過ごせるように言葉をかけ、子どもが自分で考えて行動できるように支援しており、子どもを尊重し、子どもの最善の利益を考慮したものとなっています。

・自由遊びでは子どもが絵本、玩具など自分で好きなものを選んで遊べるようにし、製作活動では自分の好きな色画用紙を選ぶなど、子どもが自由に選択できるよう配慮しています。「散歩に行きたくない」「リトミックをしたくない」など子どもが拒否をした場合は、子どもの言い分を聞き、他の遊びを提供するなどの支援をしています。

・性差に関しては、色や順番、発表会の衣装などで「男の子だから」「女の子だから」の固定観念を植え付けないよう、自由に選択できるように配慮しています。

・「虐待防止マニュアル」があり、職員は朝の受け入れ時に保護者から家での子どもの様子を聞くとともに観察を行い、着替え時にも子どもをよく観察して虐待の早期発見に努めています。

・「保育園業務マニュアル」に個人情報保護方針を明示し、マニュアルに従って情報の取り扱いをしています。ホームページなどに子どもの写真を掲載することについては、入園時に保護者に説明し書面で同意を得ています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・重要事項説明書に「保育内容に関する相談・苦情」についての記載を行い、設置法人、多摩区役所保健福祉センター、第三者委員を紹介しています。苦情解決責任者、苦情受付担当者を明記しています。

・行事ごとにアンケートを取り保護者の意向を聞いています。年2回行われる保護者会でも各クラスの振り返りを行い、保護者の意向を確認しています。年2回、クラス毎に1週間の保護者面談期間を設け、個人面談を行っています。個人面談で出た相談・意見は職員が共有し、改善に努めています。

・子どもの年齢に合った絵本を年度初めに揃え、月毎に新しい絵本を追加しています。子どもの成長に合わせた大きさのブロックやパズルが備えられています。おもちゃを自由に取り出せるようにし、子どもが主体的に活動できるようにしています。

・職員は子どもと視線を合わせて、年齢に合ったゆっくりやさしい言葉で話しています。子どもの要求に対して、その都度気持ちを受け止めるようにしています。

・子どもの「いや」という気持ちを「○○だから嫌なのね」と受容した後、子どもが納得できるような分かりやすい説明しています。また、双方の子どもの気持ちを聞きながら自分たちで解決できるようにアドバイスをしています。

・毎朝の受け入れ時には、子どもの身体の見える部分を観察すると共に、保護者からの話を聞き、子どもの様子をライン表、職員連絡ノートに書き入れています。登園時対応のマニュアルもあります。

・アレルギー疾患のある子どもに対して、調理師と保育士、保育士と保育士のダブル確認を行っています。トレイは他の子どもとは色を変えています。トレイの上にはラップをかけ名前を書くなど、何重にもチェックができるようになっています。歯の抜けがわりの時期、現在歯がない子どもに対しては刻み食を提供しています。

・午睡時には1歳児は10分間隔、2歳児は15分間隔で呼吸の確認を行っています。今後2歳児も10分間隔で確認することになっています。

・保育時間の長い子どもたちが安心して過ごせるよう、18時以降は一室に集まり、子どもの提案でパズルをしたり、絵本を読むなど、子どもたちが落ち着いて過ごせるよう配慮しています。また、子どもが自慢できるようなお手伝い活動を年長の子どもたちにお願いし、年少の子どもたちが憧れを持って年長の子どもたちを見ることができるようにしたり、どの年齢の子どもも遊べるおもちゃを用意しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・園が行うサービスの基本や手順を明示した手引書として、保育園業務マニュアル、衛生マニュアル、事故防止マニュアル、川崎市の健康管理マニュアルを活用しています。

・保育園業務マニュアルの中にクレーム対応に関するマニュアルがあり、受付・対応・報告の手順が明記されています。保護者からの意見は、職員会議で検討し、全職員で共有し、サービスの改善に努めています。

・毎月の職員会議でケース会議・給食会議を持ち、子どもの様子、保護者の意向を踏まえて話し合い、必要に応じて栄養士、看護師、設置法人本部の発達支援担当のアドバイスを受けて計画に反映させています。週案は毎週、月間指導計画は毎月、年間指導計画は3か月ごとに振り返りを行い、評価・反省欄に記入し、次の目標を定めています。指導計画の見直しは、定められた時期に限らず、子どもの状況に応じて職員間で話し合い、随時行うこととしています。

・園長は子どもの安全確保のため、職員会議で安全対策ガイドラインを周知するとともに、事故や災害時のフローチャートや役割分担表を整備しています。また、園長は感染症の流行について区役所や設置法人本部と連携して予防対策を講じるなど、リーダーシップを発揮しています。玄関には避難経路を明示しています。園内研修で、全職員が心肺蘇生やAEDの訓練を行っています。

・自衛消防隊を編成し、火災や地震を想定した消防訓練(避難・消火・通報)を毎月実施しています。クラス担任ごとに任務を明記し、全職員が周知・把握して非常時に備えています。また、不審者対応訓練を年1〜2回行っています。

・ヒヤリハットを職員休憩室に掲示し、改善策を明記して、職員一人一人の安全確保の意識化を図っています。

 

4 地域との交流・連携

・ホームページで園の情報や子どもたちの活動を開示しています。園外の掲示板に行事案内を掲示しています。また、多摩区の発行する施設開放案内に園庭開放について掲載し、地域子育て支援に力を入れています。

・園長、職員は、多摩看護師連絡会議、幼保小連絡会議、公私立保育所長会議、園長補佐会議、発達相談支援コーディネーター会議などに出席し、地域の福祉ニーズを把握すると共に活動に参加しています。地域の子育て支援の一環として、多摩地区主催「たまたま子育てまつり」に参加し、年長児クラスでは父親の参加も得ています。

・ボランティア受け入れガイダンスラインに明文化し、登録申込書や諸注意などが記載されています。しかしながら、ここ数年、ボランティアの希望者はありません。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・入園説明会では「重要事項説明書」を配付し、理念・基本方針を保護者に説明するとともに、入園後開催される年度初めの運営委員会で、理念と基本方針に掲げる「子どもの『自ら伸びようとする力』『後伸びする力』を育てる保育を、子どもの感受性や好奇心を自然な形で伸ばす『五感で感じる保育』の充実を」について園の取り組みを示し、分かりやすく説明しています。

・園長は保育日誌、週案、月案、年間指導計画などを毎月チェックし、職員の保護者対応や、子どもへの関わり方などを確認して、その都度アドバイスをして質の向上に努めています。また、日々の保育園運営の中で生じる課題について分析を行い、改善方法を考案して職員会議などで周知しています。個別の課題については個々の職員と話し合い、指導するようにしています。

・設置法人が分析した人事・労務・財務面の結果について、園長は職員に説明するとともに、園での取り組みを職員会議で検討しています。また、職員から業務の効率化や改善のための意見をもらい、職場環境の改善や残業などの業務にかかわる事項について、業務の見直しを積極的に推進して、働きやすい職場環境づくりを行っています。

・園長は設置法人の園長会議や川崎市役所、多摩区の認可保育園長会や幼保小連携事業会議などに出席し、地域の特徴、保育サービスのニーズや潜在的利用者に関するデータなどを収集するとともに、多摩区こども支援室からも情報を収集し、社会福祉事業全体の動向、事業所が位置する地域での特徴・変化等を把握しています。得られた情報を、子育てニーズに合わせて「地域交流」に反映し、保育園の現状を踏まえた中・長期計画、平成28年度の事業計画に反映されています。

 

6 職員の資質向上の促進

・園で必要な人材は川崎市保育所職員配置基準に基づき人員配置しており、常に園長は職員不足とならないよう、設置法人と連携を密にしています。

・保育業務マニュアルの就業規則には服務規律・倫理規律・秘密保持が記載され、個人情報保護マニュアルには法令順守、個人情報の安全管理などが規定されており、必要に応じ職員が確認できるようにリスト化して事務室に保管しています。設置法人に「コンプライアンス委員会」が設置され、園長は定期的に法令順守等などについて職員に周知・確認を行っています。

・「保育園業務マニュアル」に基づき、職員は年3回自己評価を行い、園長の査定を受け、考課結果は園長から職員にフィードバックされるなど、人事考課の透明性が図られています。

・学校からの推薦依頼状の提出を受け、学校作成の実習プログラムを基に学校と連携して実習生を受け入れ、実習を行っています。

・組織が職員に求める基本的姿勢や意識、専門技術や専門資格については「人材育成ビジョン」に明示しています。職員は、組織が求める「人材育成ビジョン」を念頭に置き、自由選択研修・社外研修などから上期・下期に分かれた個別年間研修計画を作成しています。

・職員は個別研修計画に基づき研修を受講し、上期・下期ごとに振り返りを実施し、園長のアドバイスを受けて次期研修計画に反映しています。研修終了後は必ず報告レポートを園長に提出するようになっています。提出されたレポートは回覧して、学びを共有しています。また、研修後に職員会議で研修内容を発表しています。

・設置法人で福利厚生制度を備えており、希望者は利用できます。また、職員の悩み相談窓口は園長のほかに、産業医やカウンセラーへの相談も可能となっています。新卒職員には、チューター制度を取り入れるなど、体制を整えています。

 

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