かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

中山みどり園(2回目受審)

対象事業所名 中山みどり園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 障害分野 多機能型事業所
事業所住所等 〒 226 - 0011
緑区中山町395-2
tel:045-931-8611
設立年月日 2006(平成18)年09月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 日本コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【特に良いと思う点】

@理念「地域の中で充実したくらしの実現に向けた支援の実施」に取り組んでいます

理念に掲げた内容を実現するために、利用者が地域の中で様々な接点を持ち、事業所での活動を充実させています。身近なところでは今年度から散歩には地域のボランティアを受け入れました。地域移行した後は、ケースワーカーを通じて施設の利用終了後も情報交換を行うことで利用者が安心して地域で暮らせるよう支援するなどの取り組みがあります。また、地域の関係機関とのネットワーク作りにも中核的役割を担い積極的に参加するなどの取り組みも確認できました。ぜひ今後も継続して取り組んで欲しいと思います。


A事業所独自の研修を強化して職員の共通認識によるサービスの質の向上を図っています

職員が一定レベルの知識や技術を学ぶ機会として、法人は年間を通して研修や事例報告会を実施しています。全体研修や非常勤研修の実施、自閉症に関するTEACCHプログラムおよび人権研修、理事長との懇談会も開催しています。コーチングやオンブズマン等各種外部研修の参加も実施し、研修報告により職員間で共有しています。事業所内では、昨年度から継続している自閉症に関する研修を、精神科の嘱託医師を講師に「自閉症の利用者支援」など独自の研修を強化して、職員の共通認識によるサービスの質の向上を図っています。


B利用者の意思を尊重した支援により主体的に活動できる機会を多様に実施しています

全体活動では、音楽、リトミックやダンス、ヨガおよび創作や調理等、専門講師を招いて開催しています。職員は、本人の意思を尊重しながら写真で説明や見学を勧めて、参加を支援しています。事業所内に掲示の各活動中の写真からは、体をのびのび動かす姿や笑顔で取り組む様子、色彩豊かな作品等、個性の発揮が見られます。活動室毎の新年の抱負や外出活動の訪問先を利用者が提案、月刊誌の題字を担当、祭りの模擬店やゲーム企画および製品販売等、利用者の意思を尊重した支援により主体的に活動できる機会を多様に実施しています。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@個人情報の取り扱いに関しては、個人情報保護規程を定めています。毎年、法人内で研修を行い、その取扱いについて職員の意識を高めています。利用目的及び開示請求については利用契約時に書類で説明し、個人情報の取り扱いについて家族等から同意書を得ています。職員は研修のほか、日常的には職員ハンドブック等のマニュアルに沿って取り扱うよう周知しています。

A着替えやトイレ、入浴はできる限り同性介助を原則として職員配置に努め、羞恥心や自尊心を守るべく配慮した支援方法をとっています。介助や見守りを行う場合は、必ず声をかけて同意を確認してから支援しています。利用時間中は、個別支援計画を基本に、本人の意思に沿った過ごし方ができるように関わっています。一人ひとりの生育歴や生活習慣に照らした支援を行っています。障害の特性から特徴ある動作を繰り返して、落ち着きを保っている利用者もあり、個別活動や小集団活動、行事や全体活動など無理のない参加を支援しています。

B職員の言動が利用者を傷つける事がないよう、毎日および毎月の会議で振返り、職員間で人権に配慮した対応を検討しています。人権保障と権利擁護に努め、人権侵害を起こさない事を今年度の重点目標で誓っています。法人独自の人権擁護ツールを活用し、自らの支援方法を自己チェックしています。法人や外部の人権擁護に関する研修への参加、事業所内では支援におけるグレーゾーン事例への適切な対応を模索する勉強会を持っています。虐待もしくは疑わしい場合は、通報し関係機関や家族、ケースワーカー等で協議を重ね解決する体制を整えています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@利用前実習時および行政や学校からの調査書等の利用者の基本情報は、フェースシートに集約しています。利用契約時には活動室の生活支援員が面談して、本人の意向を把握し、アセスメントシートの各項目にチェックを記します。また、具体的な希望や不安等を聞き取り、「ニーズ整理表」に記入し、個別支援計画書に反映しています。利用開始当初は可能な限り支援体制を厚く配置し、頻繁な関わりや家族と連絡、嘱託医の協力等により、本人の負担軽減を図っています。新規利用者情報はリーダー会議で状況を共有して事業所全体での支援に努めています。

A個別支援計画は定期的な見直し以外に、日常的な作業や活動状況の観察および本人や家族の意見や要望により、計画変更を行っています。利用者が在宅からグループホーム入居等、生活が変化した場合、支援計画の目標を達成し新たな目標に向けて支援の変更を要する場合等には、活動室ケース会議で協議し計画変更しています。定期変更途中の支援計画変更については、主任や施設長から本人や家族に説明し、同意の上で個別支援計画を変更しています。また、一時的に通所が困難になった場合等は訪問して緊急の見直しを行っています。

B利用者の特性に合わせてコミュニケーションの方法を工夫しています。利用者が理解できる言葉や指文字を使う、文字や絵で表記したカードを使用、写真を使用等で情報を伝えています。場合によっては家族に相談してコミュニケーションツールを作成します。また、特性に合わせた環境確保により集団活動を適切に行える配慮に努めています。音の刺激が強い場合はヘッドホンを使用、間仕切りで個別の作業ブースを整備しています。文字や絵、写真等で作った1日のスケジュールを掲示して、終了時間の時計の絵には飲み物の絵でおつかれさまと表示しています。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

@苦情解決制度については利用開始時に重要事項説明書の中で説明しているほか、日常的には事業所内に制度についての案内を掲示することで、家族等に周知しています。第三者委員には弁護士と大学講師の2名を配置し、苦情解決担当者は主任、苦情解決責任者は施設長がそれぞれ定められています。利用者等からの苦情等に対しては、クレーム報告書を作成して提出し、どのような対応が行われたかを援助記録表に書き残しています。意見、要望に対しては、真摯に受け止めて対応するように心がけています。

A事業所で行われる企画や行事の際には、必ず利用者からアンケートを取り、集計結果をとりまとめて感想や意見を確認して、次回以降に反映するようにしています。日々の活動記録や利用者の様子については、電子記録で支援内容を記録し、職員間で共有しています。また、利用者の声を聞く機会として意見箱(みんなの声)や家族教室などがあるほか、定期的に実施するモニタリングにおいても意向を収集するようにするなど、常日頃から取り組んでいます。利用者調査では、80%以上の人たちが自分の気持ちを大切にしてくれていると回答しています。
@ 避難訓練には積極的に取り組んでおり、年間11回も実施しています。計画的に実施し、即時に振り返りを行い次回へのフィードバックを適切に行うなどの成果で、利用者が避難行動を体で覚え、比較的落ち着いて行動できるようにまで至っています。事業所は第二避難所に指定されており、緊急時の備蓄は3日分を備えています。法人ハンドブックにはBCP(事業継続計画)も作られており、今後は施設別により具体的な内容にしていく予定をしています。そのほか、ヒヤリハットの作成を推進しており職員間で共有しています。

C法人の職員ハンドブックを事業所マニュアルとして整備し、理念はじめ倫理行動、利用者支援、苦情解決制度、BCP対策、研修制度等、法人職員業務の基盤としています。各活動室には状況を踏まえた業務マニュアルA4・2頁を作成し新人職員は携帯して確認して業務の標準化に努めています。別途、利用者個別の支援の手引書も備えています

D支援内容は活動室ごとに毎日振返り、活動室会議では月の「活動のまとめ」により支援事例について職員間で討議しています。月1回の職員会議は理念の確認の場でもあり、各活動室からヒヤリハットや成功事例を持ち寄り、振り返りの共有による業務改善が図られています。法人の人権ツールを活用した自己評価および人権擁護の勉強会が継続的に実施されています。活動室の実態に合わせた各種マニュアルの整備や継続研修および事例発表への取り組みにくわえ、リーダーはじめ管理職員による日常的な指導や助言等により業務水準の確保に努めています。

 

4 地域との交流・連携

@地域へ向けた事業所機能の還元には積極的に取り組んでいます。まず、地域の防災拠点として協定を結び、主に地域で暮らす障がい者の受け入れができるよう、第二避難所として指定されています。また、かながわライフサポート事業という神奈川県社会福祉協議会が取り組んでいる地域の生活困窮者への支援活動に取り組んでいます。さらに、地域の方々を対象とした自閉症に関する研修会を企画しており、約20名の参加を得ています。これらの取り組みの根底には、地域の理解や支えがあってこその事業所運営だという考えがあります。

Aボランティアは積極的に受け入れていく姿勢を示しており、全体活動の中で講師やボランティアを招いたり、今年度からは新たに散歩に協力してくれるボランティアを採用しました。受け入れに関しては、担当を配置してマニュアルも揃え、体制を整えています。受け入れ時には面接を行い、注意事項等を伝えています。地域の連絡会議には積極的に参画しており、中核を担うよう努めています。緑区の自立支援協議会では主に支援者で構成する部会に参加し、神奈川県社会福祉協議会では地域課題などの情報共有をしています。

B地域や事業環境に関する情報の収集には、積極的に取り組んでいます。地域での活動としては、自立支援協議会や社会福祉協議会、Yネットの施設間交流などに参画しています。また、地域の情報誌などを取り寄せているほか、法人からの情報提供もあり、理事長からは業界の重要な情報が伝えられています。今年度の重点目標には「地域との共生を目指します」と挙げられており、他関係機関との連携やグループホームのバックアップ施設として地域移行の推進などに取り組んでいます。


 

5 運営上の透明性の確保と継続性

@横浜市の指定管理者制度に基づいて運営されている当事業所では、人権の尊重や一人ひとりの状況や要望に応じて活動の機会の提供等、3つの方針を掲げて、パンフレットに明示しています。また、毎年の事業計画書には、事業所の目的、方針のほかに、当年度の重点目標を明示して、職員へ周知しています。法人の方針等については、法人ハンドブックや倫理行動綱領に記載しており、職員間で読み合わせなども行い、理解を深めています。家族等に向けては、事業計画書のほかに広報誌に事業所の方針を記載し、配布することで周知しています。

A法人全体として、理念に基づいた事業計画を作成し、それを基にして事業所の事業計画が作成されています。年度単位では、スケジュール表を作成し、各企画に関しては担当職員を決めて計画的に実施するようにしています。担当職員は各企画2名ずつを配置し、うち1名は前年度も担当している職員が担当するようにしており、連続性を意識しています。事業計画の重点目標はSWOT分析を取り入れ、職員の働きやすい環境づくりや、館内衛生など明るく楽しい空間づくり、地域の社会資源の活用など6つの取り組みが挙げられています。

B事業所の情報は、行政の情報紙や冊子等には障害者福祉施設ガイドのページに掲載され、市の福祉ナビゲーションや区のホームページ等に紹介されています。事業所のホームページおよびパンフレットや広報誌では、利用検討者やその家族等に向けて、理念や事業内容、1日の流れ、作業や活動の様子、利用者の作品等を写真入りでイラストを交えて紹介しています。ホームページの「日記」では、定期的に写真や情報を更新しています。

6 職員の資質向上の促進


@法人が求める人材像等については職員ハンドブックに示されており、行動指針を理解し、遵守できる人材を求めています。利用者の男女比率では男性が多いことから、男性職員の採用を今後は増やしていきたいと考えています。人員配置については、職員には意向調査を行い、適性を見極めて行っています。

A職員の育成に関しては目標管理制度を取り入れ、職員が個々に目標を作成しています。目標管理シートを基にして施設長や活動室リーダーと面談し、毎年夏に意向調査を実施し、職員の意向を確認しています。研修に関しては、法人内の研修が充実しており、積極的に参加するようにしています研修受講後は所定の書式を用いて、報告書を提出してもらっています。

@ 今年度から新しく取り入れた独自の活動として「ホメール制度」があります。利用者への支援等において、職員が良いと感じた取り組みについて法人内で共有を図るもので、互いに学ぶことができる機会となっています。今回の職員自己評価の自由意見では、「職員の雰囲気がよくなった」「職員間のコミュニケーションが活発になった」「職員のアイデアが尊重されるようになった」などが挙げられており、より働きやすい環境となっているようです。

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