かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

すてっぷ

対象事業所名 すてっぷ
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 障害分野 共同生活援助(グループホーム)
事業所住所等 〒 252 - 0243
中央区上溝
tel:042-786-0192
設立年月日 2009(平成21)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 ※今回に限り東京都版使用
評価機関名 日本コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【事業者が特に力を入れている取り組み】

@ 提供するサービスの質を一定水準に保つために所長がマンツーマンで指導しています

 排泄、入浴などの直接介助のほか、料理や掃除など、何でもできる多様性のある人材、直ぐに動ける人材育成に力をいれています。所長が一緒に介助に入り、一人ひとりの職員にマンツーマンで介助方法や支援の方法なぜそうするかという理由を伝えながら教えることで、提供するサービスを一定水準に保っています。

A 利用者の本当の想いを聴く姿勢を大切にしています

 利用者の自立生活を支援するための大切な話は、利用者が安心して自分を出せる環境の中で聴けるように利用者の居室に訪問することを徹底しています。また、利用者が本当にどうしたいのかという想いをくみ取るように努めています。具体的には、発せられる言葉、リアクションや表情など言外のコミュニケーションにもアンテナを張りながら聴くように努めています。さらに本人の本当の想いをどのように聴くことができるのかを職員会議で話し合っています。

B 自由に生活できる寛容な雰囲気づくりをしています

 自由に生活できる環境整備をしています。具体的には、ホームの玄関は自動ドアで、利用者は一人で施設の外に出ることができます。玄関ドアから道路までは緩やかなスロープで、電動車いすやシニアカーで近所のスーパーに自由に買い物に行くことができます。喫煙、飲酒も制限していません。利用者がしたいことを基本的に制限しない方針です。出かけたい時に出かけ、出かけたくない時には部屋にこもり、話したい時に話し、話したくない時には黙ることが保障されています。職員は、利用者が、自然体の生活ができる寛容な雰囲気を意識して作っています。

 


【特に良いと思う点】

@ 自由で、寛容な雰囲気のホームです

 当事業所は利用者の生活をホームの「決まりごと」で縛り付けないようにすることを大事にしています。利用者のこれまでの生活の継続ができるように様々な工夫をしようとする姿勢が随所にあり、どのようにして利用者の希望を叶えるかを最優先にしています。利用者の自由性を最大限に尊重し、出かけることも、出かけないことも自己決定を尊重して押し付けないようにしています。お酒を飲むことも、たばこを吸うことも制限せず、自宅に住むのと同じように、自分らしく自由に生活することを保障しようとする寛容なホームです。

A 人の出入りが多く、風通しのよい雰囲気があります

 同じ建物内に、他の事業所がいくつも入っており、多くの利用者、職員の出入りが多くあります。サービスそのものでの関わりが無くても、多くの人と利用者が接する機会があり、ホームが密室化しない環境にあるといえます。多くの人の出入りを自然に受け止めて、地域で生活していることを実感できる雰囲気にあります。 

B 職員育成上、望まれる職員像がはっきりしています

 新人研修を集中して行い、即戦力になることを求めています。新人職員も直ぐに、利用者支援ができるように、個別支援マニュアルに基づいた所長による個別支援マニュアルの説明と直接介助に一緒に入り教育するという機会を入職後すぐに設けています。また、身体介護、家事など何にでも対応できる多能性のある柔軟な人材になるという望まれる職員像がはっきりしています。どんな利用者の支援でも、柔軟に対応できる職員になることを目ざして職員育成を行っています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@当ホームでは、利用者のプライバシーの保護をするために、無防備な利用者を守るように配慮しています。利用者は所長や職員への信頼が厚く、役所から送られてくる書類の処理を職員に依頼することがしばしばあります。このような場合、必ず、本人の部屋で、本人と一緒に開封し、処理方法を説明した上で、必要に応じて職員が代理で対応するように徹底しています。利用者から職員に、よきに計らって欲しいという希望があっても、利用者のプライバシーに関するものを職員が勝手に開封や処理することはできないことを利用者に伝えています。

A当ホームでの排泄介助時は、移乗介助をした後、一旦トイレから出て、終了するまで外で待つということを徹底しています。知的障害を重複している方は、利用者本人が羞恥心を意識しない場面もありますが職員が意識して利用者に羞恥心を持って貰えるような対応をしています。また、どんなに信頼関係が構築されても、馴れ合いで、利用者の羞恥心を軽く扱うようなことがないように徹底しています。たとえば職員が敢えて、利用者のパーソナルスペースに無暗に入り込まないように配慮するなどの支援を行っています。

B法人のガイドブックや倫理綱領を基に職員会議で日々の支援の振り返りを行っています。自分たちのしていることが倫理綱領に反していないか、心理的な虐待になっていないかなどを振り返っています。また、障害特性への理解が無いために、利用者の気持ちを傷つけるような言動を行なう可能性があることへも細心の注意を払っています。対応するために、障害特性を理解するための知識を職員会議で所長から職員に伝えたり、利用者を尊重した対応のしかたを所長自らが行なってみせるという教え方もしています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@利用開始直後は「淋しい」という利用者いますが、家族の協力を得て、しばらくは定期的に家族面会をしてもらうなどの工夫をしています。また、家族と離れた生活に少しずつ慣れるように、急な変化が不安を大きくしないように配慮もしています。ホームでも自宅と同じような気持ちで過ごすことができるよう、例えば自宅でラジオを聴いて気持ちが落ち着いていた人は、リビングで過ごすより、一人でラジオを聴く時間を作るように工夫するなど、自宅に近い環境設定をするように配慮しています。

A支援方法を緊急に変更する必要がある時には、日々の業務日誌に記載しています。7名の入所者中3名は介護保険を利用しており、変化の度に当事業所内で担当者会議が開かれ、ホーム職員も参加してその支援の方法の変更が検討され、それに応じてホームでの支援方法も細かく変更しています。担当者会議議事録や変更された居宅サービス計画書を職員は必ず見て支援方法の変化は共有しています。今後は、居宅サービス計画書と整合性をもって、随時個別支援計画を変更することが望まれます。

B利用者の自立生活を支援するための大切な話は、利用者の居室に訪問することで、利用者が安心して自分を出せる環境の中で行うように徹底しています。また、利用者が本当にどうしたいのかという想いをくみ取るように努めています。具体的には、発せられる言葉だけに左右されることなく、本人がどのようなリアクションをする人であるのかをおもんばかった、表情など言外のコミュニケーションにもアンテナを張りながら聴くように努めています。さらに本人の本当の想いを聴くことを職員全員ができるように職員会議で確認し合っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@利用者本人および家族には契約時に「重要事項説明書」で苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を利用できる旨を説明し周知を図っています。また、苦情解決制度に関してポスターを作成し、ホーム内に掲示し利用者に周知しています。利用者一人ひとりの意見や要望を収集できるように「ご意見箱」を設置しています。また、面談やアンケート等を行い、その時に意向等を確認しています。

A利用者および職員の安全を図るために、関係機関との連携やホーム内で取組みを行っています。法人内に危機対策管理室があり、予防対策を策定しています。日頃の安全対策も、「ヒヤリハット」に取り組んだり、想定されるリスクは、あらかじめ職員に情報提供すしたりするなど、事故の未然防止に努めています。

B利用者一人ひとりの生活の支援について書かれた個別支援マニュアルが全利用者に対して作成されています。これを見ることで、新人職員も、利用者個々の配慮するべき点がすぐにわかり、誰でも同じ支援ができる仕組みになっています。入浴や排泄などの、利用者個々の細かい介助方法もすべて個別支援マニュアルに書かれています。加えて個別の発作や胸痛時に標準化した手順で対応ができるように緊急時の個別対応マニュアルも作成しています。一人ひとりの障害特性や個性に応じた質の高い個別支援を提供できる体制が築かれています。

C当ホームの職員間では、利用者の状況の変化についての情報の交換は常に行われており、誰かが感じたことをそのままにせず、言い出せる雰囲気になっています。日頃交換している利用者情報を職員会議という場で統一し、会議録の回覧で共有するというシステムが出来あがっています。利用者の安全性に不安があるようなことが起きた時にも、すぐに話合い、すぐに変更するようにしています。サービス提供しながら、都度対応する仕組みが確立しています。

 

4 地域との交流・連携

@当ホームは利用者の意思を尊重し、できる限り活動の幅が狭まらないようにしています。そのため地域は、利用者の夜間、休日の生活地域となる重要な場所と認識しています。地域自治会への参加等地域の方々とつながりのある取組みを行っています。

A当ホームは、利用者の意思を尊重し、なるべく独力で生活をすごせるような支援に努めています。日常の生活シーンだけなく、休日余暇の過し方においても、外出を希望するのであればそれが出来るよう関係者と協力した体制を整えています。そのためボランティアの方の存在は重要な位置づけとなっています。

B当ホームは、法人内のグループホームと連携し利用者ニーズの把握とその解決に努めています。法人内の所長層が集まる会議から、事業環境に関する情報が提供され、把握は行っている状況です。また、地域の情報をいち早くつかみ利用者に情報提供しています。提供する情報は必要に応じて整理し、利用者が選択しやすいような形で知らせています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@経営層の役割や責任は、法人の職務権限規程と組織図で明示されています。経営層は事業計画・報告の作成、人材配置・育成、予算の策定と管理、法人や外部関係機関との連絡・調整などを担い、適切な事業所運営ができるように率先して行動をしています。また、経営層は法人エリア内のグループホームと連携し様々な事に取り組んでいます。取り組んだ成果を当事業にも活かすようにして、相乗効果が出るよう取り組んでいます。

A法人では中期計画「マスタープラン」を作成し、年度計画も策定しています。事業所はこれを受けて年度の事業計画および年間予定表を策定しています。事業計画は現場の状況を踏まえて、現場が主体性を持って実行できるよう所長が原案を作成し、課題を職員間で共有し計画に反映しています。さらにグループホームという事業特性を考慮しつつ、利用者の意向を聞き取り次月源可能な計画を策定しています。

Bパンフレットには、法人の理念や歴史の他、どんな人が対象で、入所できるのか、施設の設備や職員体制、具体的な支援内容、入居時に必用な費用、入居後の費用負担額ホームでの生活の決まりごとなど具体的に書いています。また、外観や、見取り図、設備内容なども詳しく載せられており、利用者は自分の障害や希望と合うかどうかを判断する材料になります。項目ごとに分かりやすいレイアウトで、利用者が読むことを意識して作成しています。

 


 

6 職員の資質向上の促進

@所長自らが、利用者個別マニュアルに沿った支援となるよう、職員に指導し、スキル向上を図っています。また職員会議の場では、職員各自に気が付いたことを発表してもらったり、他の職員の意見を意識して聞くようにするなど行い、共有を図っています。また、研修に参加した職員にはA4で1枚程度のレポートを書くように指導し、レポートにはコメントを追記しています。また、所長が法人内の他ホームとの交流の場などを通じ、感じ取ったものを自ホームでの取組みに活かせるなど、主体性を持って取り組める環境を用意しています。

A法人としては研修委員会があり、年間50件以上の法人内研修を企画しています。当ホームからも参加しており、良い研修の機会となっています。さらに、法人外の研修にも職員の希望に応じて参加することができています。また法人として今年度より、目標管理シートに基づいた職員個別の育成計画を立てることをはじめ、年3回程度面談を行い、目標の進捗状況確認を行っています。研修に参加している一方で、研修後の共有の徹底や現場での実践が取り組めていないという認識があります。

B職員の疲労やストレスなどの状態は所長による面談等を通じて把握できるようにしています。就業状況の把握と勤務時の表情や体調などを随時確認し、状況に応じてシフト調整するなどの対応をしています。福利厚生制度として法人の福利厚生会があるほか、県の福利協会に加入しており、余暇支援などを受けることができます。

 

7 日常生活支援

@当ホームの玄関は自動ドアで、利用者が一人で自由に外出できます。近所のスーパーに電動車いすやシニアカーで買い物に行く人もいます。玄関ドアから道路までは緩やかなスロープで、安全に配慮した環境を整えています。室内での喫煙も、飲酒も制限していません。一人ひとりのホーム内外でしたい生活を制限しない方針です。出かけたい時には出かけ、出かけたくない時には部屋にこもり、話したい時には話し、話したくない時には黙ることが保障されています。職員は、利用者が自然体の生活ができる雰囲気づくりを意識して作っています。

A利用者の中には好き嫌いの多い方もおられます。職員は、バランスの良い食事摂取が健康の維持に大切であることを伝える努力をしています。利用者一人ひとりに分かりやすく、受け入れやすい言葉で説明しています。調理担当者は、利用者が偏りなく食事から栄養を摂取できるような工夫もしています。例えば、嫌いな食材を食べやすくして提供するために、嫌いな野菜をハンバーグに入れたり、細かくして酢の物に入れたり、嫌いな魚を竜田揚げにしたりという工夫をしています。職員全員が利用者の健康を願い、食事の重要さを理解した対応を行っています。

B利用者全員が服薬をしており、薬を自己管理できる方はごくわずかな人数です。職員は、「薬は利用者の命の綱」と認識して、自己管理出来ない方の薬を間違いなく飲めるようしています。具体的には、誤薬がないようにする為に、朝と夕の食後の薬は、職員が2人で氏名と薬を確認して器に入れ、利用者が口に入れることを確認しています。利用者の「命を守る」職員の大きな仕事と職員一人ひとりが意識し、誤薬、服薬漏れの防止に注意しています。

 

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