かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

やまと発達支援センターWANTS

対象事業所名 やまと発達支援センターWANTS
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 障害分野 障害児多機能型事業所
事業所住所等 〒 242 - 0021
大和市中央5-2-31 青山ビル1F
tel:046-244-6961
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 日本コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【事業者が特に力を入れている取り組み】

@ 目標管理シートによる人材育成の仕組みの構築を進めています

 事業所では職員一人ひとりの人材育成のため、今年度から目標管理シートを用いて育成計画を作成しています。職員個人の目標はその年度に法人が目指すべき姿を参考に、達成の時期や目標値、達成のための方法を具体的に設定しています。さらに、所長は目標立案・中間・最終の時点でそれぞれ育成面接を実施して状況を確認し、本人の成長に必要な助言をしています。目標達成に向けてすべきことや参加すべき研修などが明確になり、本人の成長への意欲につながっています。今後もさらに活用できるよう、改善・工夫を重ねて運用していくことが期待されます。

A コミュニケーションの取り方を工夫し、個々の発達段階に合った支援をしています

個別支援計画を立てた職員が子どもの活動を担当しているため、計画に沿った支援ができています。また、専門職員は発達検査を実施し、現在の子どもの姿を正確に把握することにも力を入れています。子どもの特性を把握し保護者の意向にも配慮しながら、様々なコミュニケーションツールを活用し、手作りの絵カード、イラストや綺麗な色で識別できる掲示物を作り、視覚から理解を促したり、ブロックサインや手振り、アイコンタクト、ゆっくりとした言葉で話しかけるなど、子どもの発達段階に合った支援をしています。

B 保護者との会話を大切にし、保護者と共に子どもの成長を見守っています

この度のアンケートでは保護者の満足度が高く、丁寧な情報提供や利便性を高める様々な取り組みに保護者が理解を示していることが伺えます。親子分離の幼児グループと放課後等デイサービスでは、終了時間に保護者の迎えがあるため、職員は保護者と直接会話しています。子どもの活動の様子を伝えると共に、丁寧な話かけを心がけています。親子参加の幼児グループでは、子どもが療育プログラムに取り組み、保護者も一緒に楽しみ、終了後にはフィードバックをしています。保護者と共に子どもの成長を見守り、共に喜ぶ姿勢で支援しています。

 

【特に良いと思う点】
@ 新しく着任した所長がリーダーシップを発揮し、事業所の課題解決に向けて率先して行動しています

今年度は、所長が新しく変わりました。着任後、職員との面談を実施して事業所の課題を把握し、サービス提供や業務の改善、人材育成を率先して進めています。特に業務を効率的なものに改善していくということについては率先して進めており、事務専門職員の配置、パソコン台数の増加や記録様式の改定などを行っています。また、職員との育成面接や相談を積極的に行い、報告・連絡・相談を重視することを伝えています。その結果、第三者評価における職員の自己評価からは今年度「事業所の風通しが良くなっている」との声が多く見られました。

A 行き届いた療育プログラムと環境設定で、子ども一人ひとりの特性に配慮した支援を行っています

 職員は子どもの小さな変化も見逃さず、生活習慣の獲得や意思の疎通、集団活動への参加など様々な角度からこどもの成長を支援しています。1階のプレイルームには玩具をたくさん集め、好きな玩具で遊んでから活動に入れるようにしており、2階の訓練室は手足を伸ばして全身を使って遊べる環境です。友達と仲良く過ごせるよう、職員が言葉を添えて橋渡しをすることで対人力を身に着けており、経験を重ね、苦手を克服する場合でも、子どもに合わせた手法でゆっくり取り組んでいます。外出プログラムでは様々は刺激を受け社会性を身につけています。

B 自主性を尊重した個別支援計画は、子どもの特性をよく理解した活動グループ担当職員が中心となって作成しています

 子どもの実態を把握して作成した個別支援計画は、A3用紙に課題、グループ活動に関して「芽生え・目標」「はたらきかけ」「できたかな」を記入するもので、事業所独自の工夫された書式です。この用紙を基に支援内容の詳細を保護者に伝え、保護者の要望を計画に入れています。基本的に活動グループの担当職員が参加する子どもの計画を作っているため、子ども一人ひとりの特性を理解した上で計画が立案されています。子どもの自主性を尊重し、負荷感の少ない計画を立てています。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@事業所で取り扱う個人情報に関しては契約時にその範囲や利用目的を利用者等に説明し、個人情報の提供に関する同意書に署名をもらっています。法人の個人情報保護規程があり、その中で個人情報の取り扱いが明確に示されています。さらに、規程では個人情報の開示請求に対する対応方法も明確になっています。また、職員に対して就業規則などで守秘義務を明示して意識を高めています。実習生等には事前にオリエンテーションを行い、実習生用にまとめた簡易な説明資料を使用して個人情報の保護について説明しています。

A利用開始の契約時に「個人情報使用同意書」で個人情報の使用目的、使用範囲、使用期間を明確にし、保護者の同意を得ています。ホームページや情報誌などに作品や写真等を載せる時は予め保護者に同意を得ています。子どもの名前を付けた作品を掲示することは避け、下駄箱も個人別のマークを付けています。掲示物も公表する部分は内容を精査しています。事業所内には個別ケース記録をはじめ、様々な記録、予定表等の掲示物、写真等もあり、取り扱いについても、例えば「机上に個別ファイルを放置しないように」と職員間で声をかけ合っています。

B所長をはじめ、職員は登録している子どもたちの特性を尊重し、児童の権利を守り、その心情を理解したいと考えています。障害の程度によってはお互いの行動が理解できず、トラブルが発生することも予想され、職員はその日に利用する子どもたちの特性を理解し、緊張感を持って業務に就いています。訪問調査時の午後は親子分離のグループ活動で、子どもたち4人がチョコレートのおやつを作っていました。2人の職員が連携良く動き、声を掛けあって、子ども一人ひとりを見守りながら、全体に気を配っている様子を見ることができました。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@日々の支援は職員が1対1で行うことも多く、毎月1回職員全員参加で実施するケース会議で、十分意見交換をしたのちに個別支援計画を作成しています。個別支援計画を立てた職員がプログラムを担当しているため、計画に沿った支援ができています。専門職員が発達検査を実施し、現在の子どもの姿を正確に把握することにも力を入れています。子どもの特性と保護者の意向に配慮しながら、子どもの発達段階にあった支援をめざしています。子どもの来所が通常2週間に1回である事から、活動前には前回利用時の子どもの様子を確認して支援しています。

A子どもが無理なく身のまわりのことが出来るように支援しています。自分の靴や持ち物を置く場所を定め、着替えなども自分で出来ることは見守る姿勢を保ち、自然にルールを身に着けることができるようにしています。自宅で出来ないと思っていたことも、集団の中では自分で最後まで出来たり、集団でのルールを守るなど、できることが増えるようになっています。療育プログラムは「フリープレイ、勉強、運動遊び、お集まり、メインプログラム、おやつ、さようなら」の順で行い、決まった流れに沿った行動をすることで効果を上げています。

B経験を積んで苦手を克服する場合も、早急な取り組みは避け、子どもに合わせた手法で時間かけて取り組んでいます。対人関係では、人との距離感の理解について、職員が「腕一本分の距離を取ろう」「ボディタッチしすぎないように」と説明しています。室内のプログラムでは、理解できる子どもにはロールプレイをして興味を誘い理解を深める取り組みをしています。外出のプログラムでは、様々な刺激を受けて社会性をつけることを目的に取り組んでいます。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

@事業所では苦情受付担当者、苦情解決責任者、第三者委員を決め、写真と連絡先付きのポスターを作成して利用者等に周知しています。契約の際は、重要事項説明書をもとに説明しています。同時に市や県、福祉サービス適正化委員会など事業所外の相談先も伝えています。また、意見箱を設置し、積極的に意向を収集しています。現在苦情はほとんど寄せられませんが、対応方法は苦情解決に関する規則と職員ハンドブックで明確にしています。意見や要望については、お迎えの際に保護者が抱えている課題や不安を聴いて支援記録に残し、個別に対応しています。

A利用者意向は保護者との日々の会話等の中で把握し、会議等で集約・検討して改善につなげています。改善事例としては、もっと体を動かす機会が欲しいというニーズに対し、「ムーブメント」というプログラムを開始したことがあげられます。また、子ども達の将来の就職に関しての不安の声に対し、「はたらく」ということをテーマとした新たな取り組みを進めています。積極的に意向を把握する働きかけとしては、今年度の第三者評価で利用者アンケートを行いました。今後も利用者意向を把握する取り組みを継続し、改善につなげていくことが期待されます。

B利用者の安全の確保・向上のため、火事・地震・事故・衛生管理などの緊急時対応マニュアルが法人で整備されています。事業所としては役割分担表を作成し、体制を明確にしています。年2回防災訓練を実施しており、その際には各職員の役割分担や他事業所との連携、マニュアル、備蓄品などの確認を行っています。事故に関しては、法人の委員会を中心に事例を集めて内容を共有し、再発防止に取り組んでいます。収集した情報は随時各事業所にメールで伝えています。また、年度単位で分析した結果は法人の機関誌に掲載して全職員に配付しています。

C様々な連絡事項は、職員連絡ノートへの記入やホワイトボードへの書き込みにより周知しています。出勤時、職員はそれらの内容を確認した上で業務に就いています。また毎朝全職員で朝礼を行い、業務日誌の読み上げやインシデント報告もし、必要な場合は個別ケース記録の支援内容も確認しています。日々の業務では子どもの様子を個人記録として支援内容と特記事項を記録しています。毎月の定例会議では非常勤職員も参加してケース検討を行い、子どもの状態を共有しています。職員間の協力し合う関係が子どもたちの支援の充実につながっています。

D法人が作成し入職時に職員に配付している「職員ハンドブック」には、法人理念、使命、基本方針と共に、利用者支援のマニュアルと支援者側のマニュアル一覧を記載しています。事業所内では、危機管理、感染症対策、苦情解決制度等は明確になっています。現在担当を決めてマニュアル類の整備をしており、今後の職員会議で確認作業を予定しています。年1回の点検、見直しを実施することも決めています。慣れた職員の多い現状で日常の支援は問題ありませんが、新規職員でも業務に溶け込めるような事業所独自のマニュアル集の完成が待たれます。

 

4 地域との交流・連携

@所長はエリアマネジャーを兼務しており、特別支援学校の生徒や保護者に対して、エリア内の生活介護・就労継続支援事業所への見学ツアーを実施しています。このツアーは定員を超えるほど好評でした。今後、所長はこの取り組みを拡大し、当事業所を中心に未就学児とその保護者へのツアーを実施して、就労に関する情報提供を行っていくことを考えています。現在、大学からの実習生に関しては、可能な限り受け入れを行っています。

A事業所では大和市障害者自立支援協議会の児童部会及び隣接市の児童発達支援連絡会に参加し、地域の関係機関との協働体制を整えています。障害者自立支援協議会では、地域で啓発を進めるため「かけはしネット」というイベントを実施しており、事業所として参加しています。イベントではそれぞれの事業所が個別のブースを出して、特別支援学校の教員に対して事業所紹介や放課後等デイサービスの仕組みなど福祉施設に関する情報を提供しています。

B地域の福祉ニーズは、市のすくすく子育て課との直接の情報交換や近隣の特別支援学校教員との会話で収集しています。福祉事業全体の動向については、法人内の同様のサービスを提供している事業所が集まる発達支援部会等で情報交換しています。法人の企画総務部では、県のホームページの更新情報など法や制度に関する情報を集めており、そこからのメール等で定期的に情報を得ています。事業所では集めた情報をもとに外部環境の分析を行って事業計画を作成しており、情報を整理して今後のあり方の参考としていることがうかがえます。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@経営層となる所長の役割や責任は、法人の職務権限規程に明記されています。経営層は、事業計画・報告の策定、人材育成、予算の策定と管理、法人から事業所への情報伝達などを担当しています。所長は、今年度より新しく変わりました。着任後、職員との面談を実施して事業所の課題を把握し、サービス提供や業務の改善、人材育成を率先して進めています。職員との育成面接や相談を積極的に行い、報告・連絡・相談を重視することで、第三者評価における職員の自己評価からは今年度「事業所の風通しが良くなっている」との声が多く見られました。

A法人で情報システム室という部署があり、この部署を中心に情報の保護と共有に取り組んでいます。事業所の電子データ化された情報は、法人でクラウド化された共有フォルダに一括して管理をしています。職員それぞれのパソコンは、IDとパスワードを設定しています。これにより、共有フォルダは職員の権限によって見られる範囲が異なり、重要性・機密性に応じた制限と必要な情報の共有・更新が可能となっています。紙の情報に関しては利用者個人ごとに情報を一元化してファイルにまとめ、鍵付きのキャビネットで保管しています。

B事業所作成のリーフレットに開所日、時間、定員、アクセスなどの事業所情報を載せています。毎月発行している「かたつむり通信」は未就学児童を対象に作ったもので、月の予定表、基本のスケジュールを曜日別グループ別に掲載し、一目で活動の流れと内容が判るようにしています。定期的に発行している「Wants 通信」にも事業所の職員体制などを掲載しており、いずれも写真やイラストを使って理解しやすいように工夫しています。

 

6 職員の資質向上の促進

@職員育成の方針は法人の中期計画や事業計画などにより各事業所に伝えられ、明確になっています。職員一人ひとりの育成計画は、目標管理シートを用いて作成されています。職員個人の目標はその年度に法人が目指すべき姿を参考に、達成の時期や目標値、達成のための方法を具体的に設定しています。当事業所では、目標立案・中間・最終の時点でそれぞれ育成面接を実施して状況を確認し、本人の成長に必要な助言をしています。また、研修情報はメールや回覧で随時職員に伝えています。法人の研修委員会では年50回以上の法人内研修を開催しています。

A職員の疲労やストレスなどの状態は外部業者と契約してインターネットの心理テストを通じて、本人が把握できるようにしています。職員の意識は所長が面談を年数回行うことで把握しています。また、法人として人事意向調査も行っています。福利厚生制度として法人の福利厚生会があるほか、県の福利協会に加入しており、余暇支援などを受けることができます。

 

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