かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アイネットやまと

対象事業所名 アイネットやまと
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 高齢分野 訪問介護
事業所住所等 〒 242 - 0022
大和市柳橋2-1-14
tel:046-279-3561
設立年月日 2000(平成12)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 日本コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【事業者が特に力を入れている取り組み】

@ 利用開始時は単独でヘルパーに任せるまで手厚くフォローしています

利用開始時は、その利用者にとっても、ヘルパーにとっても非常に緊張する事から、手厚く指導しています。初回の支援はサービス提供責任者が行い、その時に様々得た情報に基づき、利用者個別の手順書を作成します。ヘルパーはその手順書に沿い支援しますが、しっかりできるまで、サービス提供責任者が何度でも同行します。同行時には介助技術の他、利用者のストレスや話しかけ等、厳しくチェックし、複数回改善を重ねます。ヘルパーに単独で任せるまでに時間を費やす場合もありますが、事業所のスタンスとしてこの手順を大切にしています。

A 様々なテーマで充実したヘルパー研修会を実施しています

 ヘルパーに対する事業所内研修は事業計画策定時に年間の予定を決め、毎年月1回開催するように計画が立てられています。年度初めの第1回は「サービス提供の基本姿勢について(倫理、法令遵守)」をテーマとして、マニュアルの読み合わせや法人作成のDVDを鑑賞する等行い、基本に立ち返る事を意識的に行っています。その他、プライバシー保護や支援者のメンタルヘルス、身体介護演習、認知症の理解、リスクマネジメント等、様々なテーマで研修を行っています。研修講師は職員が行い、職員一人ひとりの振返りにも繋がっています。

B 緊急時のハンディマニュアルを作成し、利用者の安全確保に努めています

 当事業所では利用者の安全確保のため、「緊急時・災害時の対策について」という簡易マニュアルを作成しています。このマニュアルは全15ページで、A5サイズの冊子になっており、ヘルパー及び職員がいつでも携帯できるように配慮しています。内容は、骨折・やけど対応、てんかん発作、災害や行方不明など、様々な場面を想定しています。構成は緊急時を想定し、表紙は無く、表面には目次が分りやすく記載され、直ぐに対応できるように考えられています。このマニュアルは法人内の在宅系別事業所にも配布し、緊急時における対策の一つとなっています。

 

【特に良いと思う点】

@ 事務所の移転により、利用者との距離が縮まった他、「顔の見える事業所」としても効果が出ています

 地域の福祉ニーズに対する事業所の大きな動きとしては、今年度7月に事務所を移転をしました。これは、居宅介護事業所として、「顔の見える事業所」を目指す事と、災害時等に備え、徒歩圏で利用者のもとへ行けるようにという目的で実行しました。移転の結果、利用者との距離が縮まった他、建物内には、同法人の障がい者多機能事業所が併設し、近隣には地域包括支援センターがあるなど、福祉に関する情報交換ができ、また、建物の2階が自治会館であることから自治会とも距離が近づくなど、多くの効果が出ています。

A 「連絡ノート」を利用者宅に置き、他事業所と情報を共有し、連携を図っています

 ヘルパーが毎回実施した支援内容や利用者の様子、家族に伝えたいことなどを「連絡ノート」に記載しています。「連絡ノート」は利用者宅に置いてあり、家族とのやり取りだけでなく、他のサービス提供事業所も見られるようになっています。これにより、複数のサービス提供事業者と利用者の情報を共有し、連携を取りながら、サービス提供を行っています。毎月月末には事業所に持ち帰り、1か月分のコピーを取り、厳重に保管し、サービスのモニタリングにも生かしています。

B 「業務日誌」を利便性の高い表計算ソフトツールで管理し、職員が活用しています

 職員はヘルパーの活動状況や利用者の様子、新規相談、緊急対応ヒヤリハットなどを業務日誌として、表計算ソフトツールで管理しています。パソコン入力により多くの情報管理が可能で、日々の利用者やヘルパーの様子が克明に記されています。項目は日時、利用者名、ヘルパー名を設けており、年月日順、利用者毎、担当ヘルパー毎など目的に合わせて,瞬時に情報を取得する事ができるようになっています。このツールを職員は使いこなしており、資料を抜粋してヘルパーに渡したり、担当者会議に使用する等、目的に合わせて活用しています。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@事業所で扱っている個人情報の利用目的は、契約時に「利用契約書」「個人情報の提供について」を用いて詳しく説明して了解を得ています。「個人情報保護規程」を定め、契約時に利用者本人や家族に説明しています。利用者や家族から情報の開示請求があった場合については「利用契約書」に明記してありそれに従い対応することになっています。職員からは個人情報保護に関する「誓約書」を提出してもらい情報の漏洩を防止しています。

A毎月1回開催されるヘルパー研修で、法人のDVDで虐待防止や身体拘束について取りあげ、人権擁護についての理解を深めています。また具体的な事例を取り上げて、話し合いを行うこともあります。実際に家族からの虐待が疑われたケースを行政と連携を取りながら、状況を観察したこともあります。「倫理行動マニュアル」にも体罰、虐待行為の禁止の記載があり、職員、ヘルパーは虐待の弊害や尊厳の遵守の大切さを理解し、利用者の支援を行っています。

B排泄介助や入浴介助には、プライバシーに配慮して、女性の利用者には男性のヘルパーは担当しないようにしています。男性の利用者にはなるべく男性ヘルパーが担当するようにコーディネートしています。部屋を掃除する時なども利用者の価値観を尊重し、掃除機掛けなどの掃除が終わったら、出来るだけ元の状態に戻し、ヘルパーの価値観で物を動かさないように配慮しています。特に障がい者の場合は環境が変化すると混乱することがありますので、利用者の意思を尊重した支援を行っています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 @サービス開始時に、利用者、家族の意向を確認し、聞き取りでアセスメントを行い、「利用者調査票」を作成しています。「利用者調査票」の内容を踏まえて、担当ヘルパ―には「依頼書」で連絡しています。初回サービスはサービス担当責任者が必ず行い、利用者の状態を確認した上で「手順書」を作成します。場合によっては、数回サービス提供責任者がサービスを行い、関係性がとれる状況になった時点でヘルパーに引き継ぐこともあります。ヘルパーへの引継ぎ時には、サービス提供責任者が同行し、スムーズにサービスが提供できるように支援しています。 A利用者、家族の意向を取り入れた、居宅介護等計画書をサービス提供責任者が作成しています。総合的援助方針、支援内容、などが記載され、週間計画書と共に、利用者、家族に説明し、確認の署名をもらっています。状態の変化があったり、サービス内容に変更があった場合には、見直しをしています。特に変化がなければ、支給決定の更新時に見直しています。 Bサービス提供責任者が居宅介護等計画書に基づき、自立的生活になるように配慮した手順書を作成しています。担当ヘルパーに、サービスに入る前に手順書と利用者調査票の内容についてを説明し、渡しています。ヘルパーは手順書の流れに沿って、サービスを実施します。同じ利用者に何人かのヘルパーがサービスを行っている場合は、手順書に沿ってサービスを実施することで、バラツキのない、統一したサービスの提供が出来ます。手順書は利用者の状態が変化した時や、ヘルパーの意見などで、作り直しを行っています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

@利用者の意向については、ヘルパーを通じて、日々のサービス業務から把握し、その内容は業務日誌に記載しています。利用者からの意向はサービスに入っているヘルパーからサービス提供責任者に話が上がったものを、所長と協議し、解決に向けて取り組んでいます。また、今回第三者評価の受審にあたり、利用者調査を行い、意向把握に努めています。第三者評価利用者調査では約8割の利用者が事業所に対して満足していると回答しています。

A当事業所では利用者の安全確保のため、「緊急時・災害時の対策について」という簡易マニュアルを作成しています。内容は、骨折・やけど対応、てんかん発作など利用者に対する緊急処置の他、災害や地震、行方不明など、利用者の安否における指針が記載されています。冊子の構成は緊急時を想定し、表紙は無く、表面には目次が分りやすく記載され、直ぐに対応できるように考えられています。このマニュアルは法人内の在宅系別事業所にも配布し、緊急時における対策の一つとなっています。

Bヘルパーがサービスを実施した場合は「サービス提供報告書」「居宅介護実施記録」に記録をしています。「サービス提供報告書」には、サービス内容、サービス日時、時間を記録し、利用者確認印をもらい、市に毎月提出しています。「居宅介護実施記録」には実施したサービス内容、利用者の様子なども記録し、毎回利用者確認印をもらっています。両方の記録は利用者宅に置いて、月末にヘルパーが事業所に持ってきます。サービス提供責任者は必要な情報は業務日誌に記録しています。

Cサービス提供責任者が作成した手順書をヘルパーにはサービスに入る前に渡しています。必要に応じて業務日誌の一部も渡します。ヘルパーの初回訪問時に、サービス提供責任者が同行し、手順書や業務日誌の情報に沿って引継ぎ、指導を行います。ヘルパーが急に休んだ時などは、サービス提供責任者が替わりにサービスに入り、手順書や業務日誌の確認をしています。ヘルパーからの意見や報告などで、手順書を見直すこともあります。また利用者の状態変化時には相談支援事業所と連絡を取り、居宅介護等計画書と共に手順書の見直しをしています。

D毎月1回午後6時〜7時に、同建物の隣りにある通所施設の食堂を借りてヘルパー研修を実施しています。講師は職員、地域包括支援センター職員、訪問看護師などがなり、毎月テーマを決めて実施しています。毎年年度初めには新人職員を含め、ヘルパーで法人の「倫理行動綱領」「倫理行動マニュアル」と事業所がヘルパー向けに作成した「介護サービス従業者の心得」の読み合わせをするなどで、倫理や心得の考えを伝えています。

4 地域との交流・連携

@所長は地域福祉に対する事業所の専門性をいかした取り組みとして、自治会のボランティア講座で講師をしています。地域ボランティアの方に対し、視覚障がいの方や車いすの方への介護に関する講義をしています。この依頼は3年程前の第1回目講義で、障がいのある人がどのような気持ちでいるかというテーマで実体験を交えて話をした事が好評で、それ以降毎年、講師依頼が継続しています。また、今年度より地域住民も参加する地域の高齢者に関する会議「地域ケア会議」にも高齢分野と障がい分野両方の意見を提供する立場でゲストとして参加しています。

A地域の福祉ネットワークには、訪問介護連絡会や大和市障害者自立支援協議会等があり、情報収集や共通課題の協議に、参画しています。当事業所では、障がい分野の居宅介護事業に加え、高齢分野の訪問介護事業も運営している為、各ネットワークでは、両方の立場から意見を提供しています。地域の事業所からは、障がい者と高齢者がいる家庭ケースの相談に応じる等、両事業運営のメリットをいかしています。また、地域の病院や地域包括支援センターと協力し、高齢障がい子どもの誰でも受け入れるカフェの運営にも携わり、事業所ができる地域の役割を果たしています。

B地域の福祉ニーズは、居宅介護の連絡会や、自立支援協議会への参加等により、収集しています。また、近隣の相談支援事業所と話合いの中からも情報収集が出来ています。地域ニーズに対する事業所の大きな動きでは、今年度7月に事業所を移転しました。これは、居宅介護事業所として、「顔が見える事業所」を目指す事と、災害時等に備え、徒歩圏で利用者のもとへ行けるようにという目的で実行しました。また、同法人の障がい者多機能事業所が併設し、近隣には地域包括支援センターがあるなど、福祉に関する情報交換という面でも移転が役立っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@事業所として重要な案件は職員会議で決定します。職員会議は月に1〜2回開催しています。決定した内容は会議緑に記録し、職員が後に振り返りができるようになっています。決定した事項はヘルパーに対しては研修会で伝達しています。また、利用者に対しては決定内容が重要な場合には内容を文書化し、利用者各々に配布しています。平成28年度は重要な決定事項として、事業所の移転がありました。この事項は所長が発案し、職員会議で決定し、ヘルパー研修で伝達、各利用者に文書で連絡という一連の手順を踏んで関係者に周知しています。
A法人の「倫理行動綱領」、「倫理行動マニュアル」と居宅系事業所の職員やヘルパーとして重要な事項を記載した「介護サービス従業員(訪問介護)の心得」(内容は訪問介護、居宅介護共通)を当事業所で一冊の冊子にしています。冊子は職員とヘルパーに配布しています。毎年、年度初めのヘルパー研修会は、この冊子の内容に最近の事例を加えて、倫理や行動をテーマとした研修会をしています。この研修会は職員やヘルパーにとって、普段の行動や心得を振り返る機会になっています。

B法人では「マスタープラン」と称した中期計画を打ち出しています。その中期計画および法人の年度事業計画に沿い、各事業所は所内の事業計画を策定する事になっています。事業計画は法人の計画に沿いながら、主に職員会議での協議内容や利用者意向、地域ニーズを所長がまとめ今後の展望を踏まえて作成しています。事業計画の策定手順は毎年2月に職員会議で内容の確認を行い3月に完成します。事業計画に対する結果報告は10月に中間報告、翌年5月に年度報告をして計画の実行度合いを確認しています。

 


 

6 職員の資質向上の促進

@ヘルパーに対する事業所内研修は事業計画策定時に年間の予定を決めています。毎年月1回開催するように計画が立てられています。年度初めの第1回は「サービス提供の基本姿勢について(倫理、法令遵守)」をテーマとして、マニュアルの読み合わせや法人作成のDVDを鑑賞する等行う他、プライバシー保護や支援者のメンタルヘルス、身体介護演習、認知症の理解、リスクマネジメント、医学の知識・疾病の理解等、様々なテーマで研修を行っています。研修講師は職員が行い、職員一人ひとりの振り返りにも繋がっています。

A職員のやる気向上への取り組みとして法人では外部業者によるストレスチェックを行っています。また、法人で非常勤のカウンセラーを雇用し、事業所の職員が相談出来る環境を作っています。福利厚生制度としては福利厚生会や県の福利協会に入っています。このように職員へのやる気を向上への取り組みは様々あります。

 

詳細評価(PDF774KB)へリンク