かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

グランツ遠藤

対象事業所名 グランツ遠藤
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 障害分野 生活介護
事業所住所等 〒 252 - 0816
藤沢市遠藤2020-17
tel:0466-89-6770
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 日本コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【事業者が特に力を入れている取り組み】

@ 自閉症に特化した部屋を設け、特性に配慮した対応を行っています

 自閉症に特化した部屋があり、一人ずつ作業する場所がパーテーションで区切ってあり、落ち着いた環境で作業が出来るようになっています。採光もカーテンで調整し、刺激が強くないようにしています。コミュニケーションが困難な利用者には写真カードを使用して、スケジュール管理や意思確認などを行っています。個室も2部屋あり、症状により使用しています。管理者他全職員が自閉症に関する研修を受講したり、職場でのトレーニングで、自閉症の専門知識をもった職員が対応しています。一人ひとりの症状や特性を理解し、適切な対応に努めています。


A 利用者の意向を反映した、栄養バランスの良い食事の提供をしています

 食事は業者に委託し、厨房で作っています。毎月給食会議を委託業者の栄養士、サービス管理責任者などで行い、利用者の要望や職員の感想などを伝え、献立に活かしています。献立は栄養士が作り、栄養、カロリーが計算され、バランスの良い食事になっています。クリスマス会、忘年会、成人を祝う会などの行事食も提供しています。昼食時間は12時からですが、利用者の状況に合わせて早め、遅め、など調整しています。てんかん発作や誤飲の心配がある利用者には職員が個別に寄り添い、一緒に食事をとっています。


B 3事業所合同の家族会や日々の情報伝達により、家族と連携して利用者を支えています

 毎月1回、法人の生活介護事業所3施設合同で家族会(湘南青葉会)を開催しています。各施設からは所長が参加し、施設の状況や変化のあったことなどを伝えて、家族からの意見を聞き、家族と施設の連絡調整を行っています。家族会で話し合われた内容は、議事録にして、出席できなかった家族にも全員に配布しています。家族との日々のやり取りは、連絡帳や送迎時に口頭で情報伝達しています。また、連絡帳等で伝えられきれない場合は電話で細かく様子や変化があったことなどを伝えており、家族と連携して利用者を支えています。


【特に良いと思う点】

@ 利用者の特性に合ったサービス内容を提供し、利用者満足に繋がっています

 生産活動には、バウムクーヘン製造、ボールペン箱詰め、割りばし袋詰め、アクセサリー部品仕分けなどの軽作業があります。利用者の障がいの程度や特性に応じて作業内容、作業量などを決めています。利用開始1ヵ月間は職員がマンツーマンでついて利用者の状態を把握し、適正を見極めています。その適正を踏まえ、可能な限り利用者が好きなことを選び、作業しています。利用者調査では「事業所での活動は楽しいですか」という問に対して約8割の利用者が「はい」と回答し、自由意見でもやりがいを感じている意見が多く出ています。


A 障がい者に対する人権擁護・人権重視の姿勢を示し、職員の意識向上に努めています

 法人としての人権擁護に対する考え方を職員に周知徹底するために、入職時研修のカリキュラムには、人権擁護の時間があり、虐待に関するDVD鑑賞の研修等、行っています。当事業所でも法人が作成した「倫理行動マニュアル」の読み合わせを年2回実施したり、障害者虐待防止法や障害者差別解消法などのパンフレットを取り寄せ、読み合わせをする等、取り組んでいます。また、法人が大学教授と共同開発した人権ツール「高山塾」を使用した職員研修の機会も設け、障がい者の人権に対する意識向上に努めています。


B 職員の質的向上のため各種の研修を用意し、自閉症の研修で効果が出ています

 法人では各階層別に様々な研修メニューを用意しています。外部の研修も掲示板で案内し、施設長からも参加を働きかけています。平成27年度は法人内研修、外部研修合わせて、34の研修に参加しています。特に、自閉症の利用者が増えている事から、研修参加には力を入れ、今年5日間の自閉症トレーニングセミナーにひとりの職員が参加しました。参加後、所内で他の職員に説明会を実施したところ、自閉症の方への対応に効果が出ています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@契約時に個人情報の基本事項について説明し同意を得ています。契約書の中にも守秘義務についての説明が載せてあります。計画相談支援担当者に利用者の資料を出す時やグループホームなどの施設との情報のやり取りをする時などは前もって許可を取っています。ホームページに写真を掲載する時も個別に許可を得ています。実習生に対しては、書面でプライバシー守秘義務の同意をとっています。職員が使用しているパソコンもパスワードを決めて、個人情報の流出防止に努めています。


A1階更衣室には個人別ロッカーがあり、ロッカーの鍵は、自分で管理できる利用者には預けています。赤と青のカードをロッカーに貼り、鍵が管理できる利用者が分かるようになっています。更衣室で着替えが一斉にならないように、帰りの時間をずらすなど調整しています。トイレ介助は同性介助にしています。職員は衣類の身だしなみの確認もしています。衣類を汚してしまった時は、さりげなく、更衣室やトイレに誘導して、預かってある下着や衣服の着替えを手伝っています。利用者に注意をする時も皆の前ではなく、個別にするなど羞恥心に配慮しています。


B法人の共通の倫理行動マニュアルを掲示してあり、定期的に読み合わせを行っています。利用者との関係については具体的に書かれていますので、職員は実践して、利用者の権利を守り、意思を尊重しています。作業の提供時も箸の袋詰めにするか、ボールペンの箱詰めにするかを利用者自身に選んでもらっています。50分作業をすると10分休憩になっていますが、その時も「休みますか?続けますか?」と聞き、自己決定を重んじています。3階の休憩室には自動販売機が設置され、冷蔵庫には麦茶が入っており、好きな飲み物を選べるようになっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@利用開始前に在学していた養護学校の担任、進路担当教諭の2人に来所してもらい、引き継ぎを行っています。今までの生活状況、障がい状況、健康面、ADL、学習コミュニケーション、配慮事項などを記録した情報をもらい、これからのサービス利用についての意見などを聞いて、サービス利用に活かしています。サービス利用計画書を作成している計画相談支援事業所とも連携して、情報交換を行いながら、施設でのサービス利用が順調に開始できるように支援を行っています。


A自閉症などでコミュニケーションがとりにくい利用者には写真や絵カードを作り、コミュニケーションを取る時に使用しています。写真に食事(食堂)、作業、歯みがき、薬などがわかるように写し、日課表に貼って使用している利用者もいます。日課表の時間欄に写真を貼り、一日の予定を理解出来るようにしています。実施した場合は、剥がして、実施したことを伝達しています。絵カードを使用し休憩時間に音楽を聞きたいと伝える利用者もいます。聴覚障がい者には壁に貼ってある文字盤を使用してコミュニケーションをとっています。


B自閉症に特化した部屋があり、パーテーションで一人ずつ区切ってありますので、落ち着いて作業が出来ます。ソファーが置いてあり、疲れたら休憩できるようになっています。採光もカーテンで調整してあり、静かな環境で、6人の自閉症の利用者が作業しています。写真カードを貼って、一日のスケジュールを理解している利用者もいます。個室が2部屋あり、他人とのコミュニケーションが難しい利用者は個室で、自分のペースで作業が出来ています。自閉症の研修を積んだ職員が部屋の担当になり、支援をしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@作業所会議では、全支援員が参加し利用者から把握した意向や要望への対応が一つのテーマです。利用者の日中活動の希望例えば作業種類や人間関係のトラブル処理や希望などが話し合われます。また、利用者の課題的行動の背景にあるものは何か等の分析や対応についても話し合っています。


A地震や火災を想定した避難訓練が年4回行っています。食品を扱う事業所として、ノロウィルスなどの感染症対策には力を入れ関係者には毎月1回の検便の義務付けや嘔吐対応のセット(専用の雑巾、ごみ袋等)を用意しています。また、侵入についても警備会社と連携し、1階の門の施錠を取り付けるなど行いました。ヒヤリハットや事故報告のフォームがあり、職員には「今後の改善策」を記載した上でのメール配信を義務付けています。


B毎日の作業状況や日中活動の様子を利用者毎に、援助記録にパソコンで入力しています。毎月、月初めに1カ月分をプリントアウして、所長、サービス管理責任者が確認を行い、ファイルしており、職員はいつでも見れるようになっています。毎日の全体の様子は活動日誌に記録しています。毎朝の申し送り時には前日の活動日誌から特記事項を読みあげて、伝達しています。申し送りに参加出来ない非常勤職員のために、伝達事項表を作成し、各作業室に配布し、職員間で情報の共有をしています。


C法人共通のマニュアルには、支援者マニュアル、倫理行動マニュアルがあります。支援者マニュアルには緊急時対応マニュアル、利用者支援マニュアル、施設運営マニュアルなど細かく分かれ、基本的なことが決められています。倫理行動マニュアルは、職員倫理行動綱領を基本に、職員としてあるべき姿を具体的に規定しています。事業所では定期的に読み合わせを行い職員の意識を高めています。その他に事業所では業務手順書、レクリエーションマニュアル、新人職員マニュアルなど整備しています。

4 地域との交流・連携

@養護学校の先生、保育士志望の学生、行政の職員の方など障がい者福祉の現場を知るという実習を受け入れ、事業所機能を活用した社会貢献を行っています。また、日中活動の軽作業の手伝いや休日活動の楽器演奏、一泊旅行の付き添い等のボランティアも受け入れています。実習生やボランティアの人には利用者のプライバシー尊重や個人情報保護と利用者への対応について勝手な判断をしない等の留意点を最初に伝えるとともに書面でも渡して、トラブルにならないように努めています。


A神奈川県の福祉職員の実践報告会、湘南東地区障害者施設長会等に参加し関係機関との連携や情報交換をしています。また、施設長が相談支援専門員を兼ねている関係から、他の障がい者施設との交流や連携も行っています。入手した情報は職員会議等で職員に話し、情報を共有するように努めています。


B湘南東地区障害者施設長会や養護学校主催の地域連絡会に参加し、当事業所近辺の新設の日中活動支援施設や養護学校卒業生の人数などの把握に努めています。当事業所は訪問調査現在、ほぼ空きがない状態ですが、新しい養護学校卒業生の受け入れについて関係機関と協議し、今後の受け入れについて話をしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@運営法人の掲げる理念や基本方針は事務所や玄関・廊下などに掲示しています。また、全職員に配布した職員ハンドブックに理念や基本方針の他、職員行動指針やコンプライアンス(法令順守)等も明記しています。施設長は理念や基本方針の更なる浸透のため、全職員が参加する作業室会議で、法人が作成したマスタープランの内容を独自に解説用資料に編集し直しパワーポイントを使って説明する機会を設け、法人の考え方を常に身に付けるよう職員への教育に努めています。


A施設長が中心となって取りまとめた次年度の事業計画書を、年度末の3月31日に作業室会議で全職員に説明しています。この事業計画書は事業所としての方針、重点目標、重点課題の他、事業所の運営、職員の業務、研修、会議、年間行事と全領域をカバーしており、この内容を施設長は説明します。また、月次の会議として日常の支援に関しては作業室会議、SELP会計や法人からの連絡事項など経営面は職員会議で月1回開催しています。この二つの会議で施設長は職員をリードし業務の推進を行っています。


B当事業所では、職員に対し実施する入職時研修の他、基本に立ち返るという観点で福祉サービスに従事する者の心構えや基本的知識について周知しています。毎年作成する事業計画書に法人の理念やミッションを必ず記載し意識づけるようにしています。また、「倫理行動要綱」や「倫理行動マニュアル」の読み合わせを年2回、全職員が参加する会議で行っています。障害者虐待防止法や障害者差別禁止法などの法令が施行された時には、わかりやすいパンフレットを取り寄せ職員に説明しています。


C毎月1回事業所の経営に関しての会議があり、常勤職員がこの会議に参加しています。この会議では収入、支出、経費、材料購入や出勤率などの計数管理が必要な事項の報告とその検討が行われています。


D藤沢市の障がい福祉事業所案内のホームページ「みんなdeつながろう」に事業所概要が紹介されています。活動内容のバウムクーヘン作業や軽作業の内容など写真入りで分かりやすく載せています。法人のホームページからも法人の基本理念や事業所一覧が見られ、「グランツ遠藤」の簡単な事業内容が分かります。事業所のパンフレットには事業所の案内図、一日のスケジュール、提供サービス、活動内容などがカラー写真入りで載せてあり、利用希望者などに配布しています。

6 職員の資質向上の促進

@法人では各階層別に様々な研修メニューが用意されています。外部の研修も掲示板に案内され施設長からも参加の働きかけをしています。利用者は様々な障がいを持ち、自閉症の方等、増えています。自閉症の方とそれ以外の方では対処の仕方も異なるため、自閉症対応の知識が求められています。今年5日間の自閉症トレーニングセミナーにひとりの職員を派遣し、その後、他の職員に説明会を実施したところ自閉症の方への対応に効果が出ています。


A法人から新しい人事管理手法としてホメール制度と「目標管理シート」の提出のふたつが見られます。ホメール制度は職員の良いところをほめ、ほめる事が本人のやる気につながるという考え方で導入されています。また、目標管理シートも業務内容についての目標を自己申告し、上司との間で期初と期末に計画と結果について面談するというものです。人事考課制度の再整備による公正中立な評価と報酬との連動性、それによるやる気とモラル向上の制度の確立が望まれます。

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