かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ワークステーション菜の花(2回目受審)

対象事業所名 ワークステーション菜の花(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 障害分野 多機能型事業所
事業所住所等 〒 242 - 0011
大和市深見941-1
tel:046-200-0710
設立年月日 2003(平成15)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 日本コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【事業者が特に力を入れている取り組み】

@ イベントの開催や施設外での活動が地域との交流に繋がっています

 地域への取り組みとして、秋のお祭り「菜の花マルシェ」では、障がい者施設と地域の人との交流を目的に開催し、平成28年度も大いに盛り上がりました。地域住民や利用者家族等、200名以上が来園しています。その他、大和市保健福祉センターでの食堂の共同運営や、一般高齢者等の住宅の草取りや樹木伐採等の作業の請け負い、手芸部門による、事業所のオリジナル製品の製造販売等、イベントや施設外での活動が地域との交流に繋がっています。


A 重症心身障がい者に専門的で手厚い支援を提供し、人材育成の場にもなっています

 現在、生活介護の40名のうち12人の重症心身障がい者が通所しています。事業所には看護師や医療的な処置(喀痰の吸引等)の資格を持った職員がおり、医療的支援をしています。事業所には入浴設備があり、ニーズも高く、1人30分程度、2人介助で心地よい入浴の時間を提供しています。食事は利用者のペースを大切にしてゆっくり時間をかけて提供しています。また、重症心身障がいを学習する実習生や見学者の受け入れも積極的に行い、将来を担う人材の学習の場にもなっています。


B 日中活動や生活支援は利用者の特性に合わせ、柔軟に対応しています

 利用者の意向を反映し、個々の状況を踏まえて、参加出来る作業を決めています。作業内容によって室内のレイアウトを工夫し、作業しやすい環境を作っています。可能な限り静かな環境の中で集中して作業ができるように配慮し、作業工程は利用者が理解しやすいように絵や写真等で可視化しています。菓子製造やハンドメイドの小物作りでは作業工程を適度に分割し、利用者が関われる工程を増やしています。また、作業以外の生活リズムの構築を目的とする利用者への支援も行っています。利用者の特性に合わせた作業環境や生活支援の充実に努めています。


【特に良いと思う点】

@ 「あおぞらプラン」の読み合わせや人権ツールへの取り組みにより、職員の人権への意識を高めています

 当事業所では、神奈川県知的障害施設団体連合会が発行する「あおぞらプラン」の読み合わせをしています。この「あおぞらプラン」は、「すべての人は人間としての誇りをもって実りある人生を生きる権利を有している」という事を知的障がい施設でも具現化するため、有識者が集まり、人権検討委員会を立ち上げ作成し、当法人の理事長も作成に関わっています。また、法人の人権委員会が提供する高山塾人権ツール「グレーゾーン」にも取り組み、職員の判断で実施可能な範囲とそれを超えた場合への対応を考える機会を作り、人権意識を高めています。


A 毎年秋に開催する「菜の花マルシェ」では職員の知恵を結集し、利用者や家族、地域の人たちが楽しめる企画となっています

 毎年秋に行う祭り「菜の花マルシェ」は、今年第5回を迎えました。制作した雑貨(ビーズ製品、刺し子等)や食品(ラスク、マフィン等)の販売では、利用者が対面販売して、楽しい体験すると共に売り上げ向上に成果を上げました。家族会もおにぎりなどを販売し、ステージでは近隣の高校合唱部の温かいハーモニーやダンス、劇や大道芸も出演しました。手作りのチラシ「菜の花マルシェ」には販売商品を写真で紹介し、マルシェマップ、なのはなステージなど祭りの詳細を掲載して配布し、200名以上の地域住民が来園しています。


B 家族との信頼や協力関係を構築し、情報交換を大切にしています

 利用者とのコミュニケーションは難しいケースが多く、特に重症心身障がいの利用者は意思表示自体が困難なため、家族との情報交換が重要になってきます。そのため、事業所では2か月に1回の頻度で家族会を開催し、より多くの意見を聴取しています。家族会の役員会とも連携し、利用者の将来の姿について関心の高い家族向けに短期入所施設の見学など、勉強会にも取り組んでいます。日々の情報交換は送迎時の受け渡し時に行い、事業所や家庭での様子を情報共有しています。家族との信頼や協力関係を構築し、情報交換を大切にしています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@個人情報保護規程を定めて、個人情報の取り扱いに関してルールを決めています。個人情報保護に関すること、開示請求に対する対応方法がそれぞれ示されています。また、ホームページには「プライバシーポリシー」として、基本方針や利用目的について明示しています。事業所で扱っている個人情報の利用に関しては、契約時に個人情報保護の同意書を交わして確認しています。職員に対しては、入職時にその取扱いについて説明し、誓約書を提出してもらっています。


A1階の利用者は食事、排泄、入浴の全てに介助が必要です。利用者ごとの個人ロッカーを用意し、衣類や持ち物も個別に管理しています。着替えは人目に触れないようにカーテンで仕切ったスペースで行い、入浴介助では肌の露出にも気を付けています。同性介助を守り、利用者の羞恥心に配慮した支援をしています。言動に関しても職員は利用者に接する時に無意識に相手を傷つけるような事がないか職員同士でチェックもしています。職員が利用者と向かい合って話す時は、傾聴の心と優しく見守る姿勢を大切にしています。


B事業所では障がい者の人権を学ぶ事に積極的で、人権に関する法人内研修の他、施設内でも職員会議で「あおぞらプラン」の読み合わせを行うなど、取り組んでいます。支援計画は分りやすい言葉を使って作成し、利用者にも丁寧に説明しています。利用者と接する時は、圧迫感を与えないよう、常に配慮しています。また、個人を呼ぶときには「くん・ちゃん」ではなく、苗字に「さん」を付けることを基本とし、程よい距離を保ちながら、ソフトに話しかける事を心がけています。法人内外研修で学び、普段の支援に活かしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@利用開始時には日課や作業に慣れるための時間を十分取っています。2階では、通所開始前の実習終了時に、養護学校の先生と家族、職員と相談支援事業所の職員が打ち合わせの時間を持ち、利用希望者の特性や配慮事項の情報共有をしています。通所開始後は、連絡帳に記載された家族の感想や、グループホームの世話人との連携も密に行っています。既に就労している人が、生活リズムの維持のために、決まった曜日のみ当施設に通所継続している例もあり、家族支援も含め様々な事情を抱える利用者の希望に沿った対応を行っています。


A2階の生活介護と就労継続支援B型の利用者は、大きな区別なく作業に取り組んでおり、中には就職の意思を明確にしている人もおり、社会に出て行く能力を身につけるための具体的な目標を設定しています。職員は常に利用者の頑張りを認め、前向きな気持ちになれるように声掛けしています。生活介護の利用者40名のうち1階で過ごす利用者には「行動支援計画」を作成し、6か月ごとに保護者に説明しています。職員一名が利用者2から4名を担当する担当制を採用し、緊急連絡先、福祉用具の使用や入浴(機械浴)対応、医療的な支援も明確にしています。


B2階の生活介護と就労継続支援B型には、生活リズムが整った利用者も多く、職員は過剰な支援を控えゆっくりと待つ姿勢を保っています。手先の巧緻性や集中力の低下への配慮、作業の一部を変更しなければならない状況もあり、単純な工程の多い作業を幅広く用意するなど、利用者の状況に沿って作業を提供しています。利用者一人ひとりに合った対応を目指し、例えば、フレンドリーな会話を望む人には親しみを込めて話し、仕事場としての雰囲気を好む人には指示をする口調も変えて対応しています。


C旅行の行き先を決めるメンバーミーティングで、皆で検討した結果、今年はミカン狩りと決めました。過去にはシュウマイ工場見学、水族館、鎌倉、人気のテーマパークにも行きました。一泊旅行では伊豆温泉、山梨、箱根などに行き、今でも利用者の会話に楽しい思い出として残っています。今年度の第三者評価に伴う利用者調査でも旅行の話になると多くの利用者の顔は明るくなり、その時の事を思い出しながら、話をしようとしています。メンバー皆で決めて、職員が後押しし、楽しい思い出として、利用者の中に残っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@利用者の安全への取り組みとして、防災訓練は年に6回行っています。災害マニュアルの作成にも取り組んでいます。また、当施設は大和市と災害時要援護者の避難施設としての協定を結んでおり、災害時には地域住民の避難所として開放されます。日々の利用者の事故への対策としてはヒヤリハットインシデントの記録を取り、安全委員会や職員会議を通じて、再発防止に努め、速やかな情報開示にも努めています。


A法人が入職時に職員全員に配布している「職員ハンドブック」は支援マニュアルの基本として使用しています。日常の業務では事故対応、個人情報、衛生管理・感染症対応、苦情処理等のマニュアルを活用しており、緊急通報マニュアルは送迎車に常備しています。障がいの特性が様々であるため手順書はフロアごとに詳細に定めています。発作時対応や緊急時対応も個人別に注意事項をまとめています。


B作業の現場で利用者が迷わないことが大切をであると職員は考え、スタッフ会議では利用者の特性を捉えた支援の方法を検討しています。職員は、「基本の技術は10名の利用者に10通りあるもの」と理解し、正確に伝えることを意識しています。本日の作業の流れや注意事項は時系列で作業室に掲示し確認しながら作業を進められるようにしています。また、各作業室にはホワイトボードや掲示板を設置し、写真で正確な手順や完成品を掲示物として示しています。課題が挙がった時は、職員が日々の作業をよく観察しながら手順を変更しています。

4 地域との交流・連携

@地域への取り組みとして、秋のお祭り「菜の花マルシェ」では、障がい者施設と地域の人との交流を目的に、開催しています。平成28年度も11月に開催し、音楽会やダンス、バンド演奏等の催しの他、やきそばやカレー、フランクフルト等、多数模擬店も出店し、大いに盛り上がりました。地域住民や利用者家族等、200名以上が来園しています。その他、他の障がい者事業所と食堂を共同運営したり、高齢者宅の草刈り、近隣の高齢者施設がイベントを行う時には、当事業所の駐車場を開放する等、地域への取り組みを行っています。


A平成27年度のボランティア受け入れ人数は延468人となっており、積極的に受け入れています。受け入れに関しては、現在ボランティア担当を1名設けており、受け入れに際しての利用者との接し方、プライバシーに関する説明や、常時ボランティアの保険手続きなどを行っています。常時ボランティアの他、最近では大和市の社会福祉協議会を通じて土曜日のレクリエーション活動に来ていただく事が多く、手品やバルーンアート等披露していただき、利用者にとって楽しい時間になっています。ボランティアへのお礼には作業所で焼いたお菓子を渡しています。


B地域の関係機関との繋がりという面では、大和市の自立支援協議会や社会福祉審議会に参加し、同業他社で集まり、情報交換をしています。また、県央東地区では、同業者の協会によるオンブズパーソン活動を行っており、当事業所でも利用しています。このようなネットワーク内で現在の共通課題として挙がっているテーマの一つに重度心身障がい者の受け入れ問題があります。現在どの事業所も受け入れたくても、現利用者で定員は埋まってしまい、受けられないという現状があり、ネットワーク内でこの現状に対する解決策について討議しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@法人の理念は「ソーシャルインクルージョン(共生社会)を目指します」と「先駆的で開拓的な事業を展開します」であり、それを支える11の基本方針があります。この理念と基本方針は職員が入職する時に必ず受ける研修で説明し、同時に配布される県央福祉会の職員としての心得でもある「職員ハンドブック」にも載せています。当事業所では入職後も職員会議でこのような基本的な考えについて触れる機会を作っています。また、利用者側に対しては、主に家族会で伝えています。


A法人では中期計画「マスタープラン」を作成しており、それに基づき事業を遂行するという事が、当事業所の年度事業計画に記載があります。事業計画ではその年度の目的や方針、今年度の重点課題、事業所としてユニークで独創的な取り組みなど、多数の項目を明示しています。


B個人情報保護規程を定めて、個人情報の取り扱いに関してルールを決めています。個人情報保護に関すること、開示請求に対する対応方法がそれぞれ示されています。また、ホームページには「プライバシーポリシー」として、基本方針や利用目的について明示しています。事業所で扱っている個人情報の利用に関しては、契約時に個人情報保護の同意書を交わして確認しています。職員に対しては、入職時にその取扱いについて説明し、誓約書を提出してもらっています。


C最新情報を正しく伝えたいとの考えから、ホームページでの情報掲載に力を入れています。提供するサービスが生活介護と就労継続支援B型である事を知らせ、それぞれの作業室を写真で紹介しています。建物案内図は機能別にカラーで示しています。作品紹介では、可愛いらしいハンドメイドの籠やポーチ、ブレスレットなども掲載しています。広報誌の「菜の花通信」もプリントアウトできます。ホームページから情報を得て問い合わせが来るケースもあり、利用希望者への情報提供に役立っています。

6 職員の資質向上の促進

@法人の研修制度は、社会人・組織人としての人格形成から専門職としてスキルアップに寄与する内容のものまで、各階層別に年間研修予定を立てています。また、法人外で実施する研修にも参加できる体制になっています。法人内外には、このように多様な研修があり、参加を後押しする環境にあります。


A財政安定に意識を向け、障がい程度区分や加算制度等、福祉業界特有の収入形態の理解を職員会議で共有しています。例えば人員配置体制加算のレベルを上げるにはどのような条件が必要で、財政にどのくらい影響があるか等を理解するように努めています。また、職員全体で毎月の利用者数の把握により、どの程度の収入があり、人件費に当てられるか等、討議しています。制度の内容を習得したり、利用者数を把握することで、職員全体の経営への知識向上に繋がっています。


B常勤・非常勤問わず、勤務継続の意思確認や仕事内容や勤務場所に対する意向調査が行われています。また、常勤職員とは面談をして、人事面での希望や意向を管理者が確認しています。

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