かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク宿河原保育園(4回目受審)

対象事業所名 アスク宿河原保育園(4回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 214 - 0021
多摩区宿河原2‐5‐1
tel:044-934-1415
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
1.立地
 アスク宿河原保育園は、JR南武線宿河原駅から徒歩7分、静かな住宅地の一角に位置しています。鉄骨造り3階建ての独立した園舎で、園庭と屋上園庭があります。すぐ前には宿河原小学校があり、裏手に桜並木が続く二ヵ領用水が流れ、鯉やカルガモ、コサギなどの自然に触れることができます。ほかにいくつかの公園にも恵まれています。


2.保育の特徴
 平成24年の開園で定員90名のところ、0〜5歳児まで85名が在籍しています。専門講師による体操・リトミック・英語プログラムがあり、野菜の栽培やクッキング保育、各種行事を通じて、さまざまな体験をしています。絵本の貸し出しコーナーがあり、子どもたちは好きな本を借りて帰っています。


【特に良いと思われる点】
1.自分の意見を伝えられ、主体的な行動ができる子どもを育てる保育
 職員との信頼関係の中で、子どもが自分の考えや気持ちを安心して表せるよう支援しています。3歳児クラスでは、毎週「インタビューごっこ」を行っています。何度か経験するうちに、初めは恥ずかしがっていた子どもも堂々と話せるようになっています。自分の意見を伝え人の意見を聞いてお互いを認め合うことが、主体的な行動へとつながっていっています。5歳児が、発表会の劇とその内容をみんなで話し合って決めました。職員は、子どもたちの意欲的に取り組む姿勢を認め、楽しむ姿を見守っています。


2.地域との交流を通じて子どもの生活を豊かにする工夫
 ピクニックや散歩で季節を感じ、バケツに水を張って氷作りに挑戦するなど五感を感じる保育を実践しています。近隣の保育園とは生田緑地で年長児交流をし、プールを借りにきている近隣保育園とも交流をしています。宿河原小学校とはどんど焼きを見物に行ったり、職業体験の5、6年生8名ずつを1年間にわたり受け入れて幼児が一緒に遊んだりしています。地域の高齢者施設には、5歳児が訪問して歌や手作りのお守りをプレゼントするなどの交流をしています。園では、地域との交流を通じて、生活を豊かにするよう工夫しています。


3.柔軟な職員体制による新人職員の勉強会
 0〜2歳児クラスに配属予定の新人職員5名を4月の1か月間はフリーとして時間的な余裕を持たせ、毎日1時間、園長が勉強会を実施しました。子ども尊重の保育について、子どもへの接し方、指導計画の立て方、各種書類の書き方、各種マニュアルの読み合わせなどを内容として指導した結果、子どもへの接し方、個別指導計画の内容などに成果が表れています。


【さらなる改善が望まれる点】
1.職員の質の向上に向けた取り組み
 一部の職員に、子どもへの接し方や言葉かけに配慮の欠ける対応が見受けられます。また、子ども一人一人の状況や保育環境などについて、職員間の話し合いが十分ではありません。子どもへの言葉かけや態度、環境構成などについて園内研修や職員同士の振り返りの機会を設け、質の向上に取り組むことが期待されます。


2.保護者との連携
 園長の交代などによる保護者の不安を取り除くため、中期計画に「保護者との連携」を追加して、保護者との会話を増やし、懇談会では、保護者をクラスごとでなく、全クラスを2組に分けて行い、お互いの悩みや相談ごとを話し合ってもらうなどの取り組みをしています。しかしながら、保護者アンケートの集計結果では、要望や不満への対応に対する満足度は61%、送迎時の情報提供の満足度は72%にとどまっています。送迎時の情報提供や要望への対応など、さらなる努力が期待されます。


3.事業計画の職員や保護者への周知
 職員への事業計画の説明は、期初に計画内容、目標などを記載した資料を配付して行い、職員会議で計画の進捗状況を確認し、必要により計画を見直していくことが望まれます。また、保護者向けに事業計画の概要と実施状況をまとめた資料を作成し、運営委員会などで保護者に説明して園運営を理解してもらうことが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子ども尊重の基本姿勢は、保育園業務マニュアルの中に言葉かけなど具体的な実施方法として明示してあります。0〜2歳児クラスは、4月はリーダー以外の担任を決めず、新卒職員は毎日1時間ほど各種マニュアルの読み合わせや子ども尊重の保育についての勉強会にあてました。


・子どもが嫌がる様子を見せたときは、子どもの気持ちを汲み取ってワンクッションおいてから、また誘ってみるようにしています。


・身体的虐待だけでなくネグレクトや言葉による暴力、保護者による虐待だけでなく職員による虐待も未然に防がなければならないことは、職員会議などで日常的に園長から話して注意を促しています。保健師とも連携し、子どもと保護者の様子をよく観察して、保護者とうまくコミュニケーションをとるように配慮しています。 


・保育園業務マニュアルの中の「個人情報について」の規定や「個人情報管理規程」も整備して、入社時に「新入社員時研修」を受けるほか、園内でも4月に読み合わせを行い、確認しています。入園時に、ホームページに子どもの写真を掲載することの同意書をもらっています。


・幼児クラスでは、プールの着替えの際に体を隠せるようなバスタオルを持ってきてもらい、子どもの羞恥心に配慮しています。幼児用トイレには扉が付いています。おねしょに対しては、本人の気持ちに配慮して、おねしょシーツを用意しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・運動会、生活発表会などの行事の後にアンケートをとり、保護者に意見、要望、感想を聞いています。運営委員会を開催する前に配付する出欠確認書に、園に対する要望意見欄を設け、運営委員会で話し合っています。反省点や改善点をまとめて職員会議で反省会を行い、保護者にはアンケート結果を書面で配付し、フィードバックしています。


・年2回の個人面談で、保護者の意向・要望や満足度を把握しています。


・入園時に、保護者から「入園時児童家庭調査票」「健康調査票」「お子さまの状況について」を書面で受け取り、職員は一人一人の家庭環境や発達過程を尊重した保育を行っています。園長は、職員会議で子どもへの言葉かけや接し方などを指導し、不適切な対応があった場合はそのつど注意しています。


・朝夕の合同保育、土曜保育、合同の散歩などで異年齢の子どもが交流しています。季節の行事で文化を体験し、日常の保育では、各種ゲーム、製作活動を通して生活や遊びが豊かに展開されています。また、地域の高齢者施設を5歳児が訪問し、手作りのお守りを渡したり歌を披露したりして交流しています。


・子どもが主体的に活動できるよう年齢に応じてコーナーを設け、子どもたちが自由に遊べるような環境を作っています。子どもたちは好きなおもちゃや絵本を自由に取り出し、自由な発想で遊びを発展させています。


・配慮を要する子どもについては、保護者と連携を図り、情報を共有して保育にあたっており、必要に応じて、設置法人の発達支援チームや川崎西部地域療育センターの助言、指導を受けています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・早番職員は、登園時に保護者から前日の家庭における様子や体調などにについて聞き取った内容を、0、1歳児は生活記録簿に、2歳児以上は引き継ぎ表に記録し、クラス担任に伝えています。


・0〜2歳児は個別の保育連絡ノート、3〜5歳児についても全員に個人ノートを配り、保護者と連絡を取り合い、可能な限りその日のエピソードを口頭でも伝えるよう努めています。


・長時間保育の子どもが安心してゆったりとした環境の中で過ごせるよう、マットを敷いて、自由に横になり、くつろいで過ごせるようにしています。乳児は様子をみてスキンシップなどで寂しさを和らげる配慮をしています。


・お腹を空かして意欲的に食事に臨めるように、食事開始時間を年齢に応じて設定し、個々の食事量やペース・好き嫌いを把握し、量の調整も行っています。2歳児からは職員も一緒に、楽しくおしゃべりをしながら食べています。食事終了の5分前には「もぐもぐタイム」を設け、お話を止めて食事に集中する時間としているクラスもあります。


・体調の優れない子どもには保護者と相談し、牛乳をお茶に変更したり、ご飯をおかゆにするなどして対応しています。アレルギーのある子どもには除去食を提供し、テーブルやトレイの色を分け、配膳の際には職員がダブルチェックを行い、誤食のないようにしています。


・給食試食会や親子クッキングを開催し、保護者に食育についての考えや、日頃給食で工夫している点とレシピの紹介をしています。


・戸外へ出かける際は、交通ルールや公園でのルールを確認してケガの防止に努めています。感染予防として手洗い、うがいを徹底し、看護師による手洗い指導も行っています。園内では棒や鉛筆、はさみなど細長いもの、とがったものを持って走ったり、友だちを押してはいけないことなどを教えています。


・入園前説明会で、感染症・SIDS(乳幼児突然死症候群)について説明し、設置法人の看護師が作成する「保健だより」を毎月保護者へ配付し、直近の感染症情報や健康に関する話題を提供しています。

4 地域との交流・連携

・園のパンフレットを、多摩区役所に常置しています。多摩区こども支援室主催の「保育園展」には子どもたちの作品のほか園のパンフレットも置いています。設置法人のホームページや川崎市の子育て応援ナビに園情報を掲載しています。


・近隣ののぼりっこ保育園にプールを開放し、5歳児が交流しています。夏祭りに、地域の人や見学に来た親子が参加しています。見学に来た人からは、育児相談を受けることがあります。近隣の高齢者施設「ヴィラージュ川崎」に5歳児が訪問し、手作りのお守りを渡したり歌を披露したりして交流しています。


・多摩区公私立園長会に園長が、次席会議に主任が、実務担当者会議に5歳児担任が出席しています。宿河原小学校の懇談会にも出席しています。


・多摩区公私立園長会では、保育士不足などの現状や、防災についての話し合いをしています。多摩区役所の保育園展についても話し合っています。5歳児担任は、年長児交流をする中で、就学前の子どもの育ちについて課題を話し合っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・運営理念は「安全・安心を第一に」「想い出に残る保育を」「利用者のニーズにあった保育を」「職員が楽しく働けること」を掲げ、目指すべき保育の方向や考え方が表れています。基本方針は「子どもの自ら伸びようとする力、後伸びする力、五感を感じる保育の充実」、園目標は「おひさま・いのちをたいせつにしよう・おとなりのひとにあいさつをしよう・おはないっぱいのえんにしよう」となっており、保育にあたって職員の行動規範となっています。


・6年長期目標として「園目標実現のための保育活動を考える」「園目標の具体化として、行事の内容にねらいをおく」「地域を知る」を設定しています。今年度の中期計画は、園長も交替し、保護者の不安を取り除くという課題を追加して、「食農・栽培活動を通しての食育」「地域交流、小学校や他保育園との連携」「保護者との連携」と具体的な内容になっています。


・事業計画は、平成27年度中期計画の内容をさらに具体的な計画にしていますが、具体的な数値が入っていません。また、職員会議などで職員に十分な説明をしていません。


・園長は、保育の質の現状について、各指導計画や保育日誌の評価反省欄をチェックするだけでなく、毎日クラスに入り、評価・分析しています。園長は、新卒職員5人に対して、4月はクラス担任を持たせずに、毎日1時間、マニュアルの読み合わせなど保育の研修にあてるなど、職員の保育力アップのための取り組みに指導力を発揮しています。


・社会福祉事業全体の動向については設置法人本部で把握しています。この園を取り巻く状況については、園でも多摩区公私立園長会などで、0歳児やきょうだい児の利用希望、園庭開放などの子育て支援サービスの要望などの情報を収集しています。把握した情報は、地域交流として中長期計画や事業計画に反映しています。


・設置法人がサービスのコスト分析や利用者の推移、利用率などの分析を行っていますが、園でも園の状況を分析しています。そのうえ、ティッシュを半分にして使うなど無駄使いを減らす取り組みをし、園内研修は「物の大切さを子どもに伝えていこう」をテーマにして園全体で取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人に人事管理部門があり、職員の採用や各園の人員体制、人事管理全般を担当しており、計画的に人員を採用し、川崎市保育所職員配置基準に基づき人員を配置しています。


・就業規則や倫理規程、保育園業務マニュアルには遵守すべき法令、・倫理について定めており、職員は入社時研修を受け、理解しています。


・賞与・昇給の査定基準がマニュアルに示されています。職員は年3回、職員の自己査定をもとに、園長とマネジャーが査定を行う人事考課の目的や仕組みを理解しています。査定結果に基づいて、園長が職員へフィードバックをしています。


・組織が職員に求める基本姿勢や意識、階層別に求められる保育実践に必要な専門知識と技術は、設置法人作成の「保育士人材育成ビジョン」に明示しています。


・設置法人の職員向け研修は、新入社員、中途入社職員、主任、園長など経験年数に応じ受講が義務付けられている「階層別研修」と職員が自由に選択できる専門的テーマからなる「自由選択研修」があります。自由選択研修と社外研修は、個人別年間研修計画を策定のうえ、職員の受講希望を園長が本人の保育技術の習熟度や能力を勘案のうえ、アドバイスし、受講しています。


・研修受講後は必ず研修レポートを作成し、園長および設置法人に提出しています。研修終了後の職員会議で、必要に応じ研修資料を配付し、研修内容を発表しています。年3回の人事面談時に、研修の成果や実施状況について自己評価・分析を行い園長と面談し、能力開発効果の評価とアドバイスを受け、前期、後期で見直し、次期の計画に反映させています。


・職員のメンタルヘルスチェックを行う相談機関と連携しており、必要に応じ産業医との面談・相談ができる体制があります。

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