かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

川崎市特別養護老人ホームすみよし

対象事業所名 川崎市特別養護老人ホームすみよし
経営主体(法人等) 社会福祉法人セイワ
対象サービス 高齢分野 特別養護老人ホーム
事業所住所等 〒 211 - 0033
中原区木月祇園町2番1号
tel:044-455-0880
設立年月日 1994(平成6)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 推進機構評価項目ガイドライン準拠版
評価機関名 一般社団法人 アクティブ ケア アンド サポート
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要・特徴】
 川崎市特別養護老人ホームすみよしは、東横線元住吉駅から徒歩14分にあり、川崎市国際交流センターに隣接しています。周辺には小・中・高等学校が点在し、閑静な住宅地に囲まれています。
 施設は、鉄筋ンコンクリート造りの地下1階・地上3階建て、平成6年4月に開設し、平成21年に川崎市の指定管理者として社会福祉法人セイワ(以下、「本部」という)が受託しました。
 施設では、短期入所生活介護及び介護予防短期入所生活介護が共に運営されています。同じ建物内に、短期入所生活介護、通所介護、地域密着型通所介護、居宅介護支援、地域包括支援センターがあり、施設も含めて全体で6事業があり、連携しながら運営にあたっています。
 基本理念は「利用者の意思及び人格を尊重し良質かつ安全なサービスを実施します。地域ニーズに取り組み公正で倫理的な施設を目指します。」(要約)としています。「介護の科学化(根拠に基き、説明責任の果たせるケア)、チャレンジ風土の形成、創客(地域福祉の推進による集客から創客へ)」をサービス提供の考え方として職員は日々の業務を実践しています。利用者は音楽療法や体操、映画会など様々な活動を楽しみながら、明るい笑顔、活気が漂うホームです。


【特によいと思われる点】
・職員個々の活動を、相互評価の手法を用いて評価しています
 福祉サービスを提供する個々の職員に、具体的な接遇目標を設定させ、その対応状況を2か月ごとに他職員から評価させる相互評価の手法を取り入れています。評価は5段階で行われ、この有効活用を目指した対応が、特養事業長によって行われています。
・管理部門と職員間の情報や行動の流れの良さ、風通しの良さ、利用者の明るさがあります
 年1回の職員全体会議、毎月の運営会議、各部署及びフロア会議、毎朝夕には職員ミーティングがあり、各会議に置いて課題の共有化や連絡・報告・相談体制が整い、情報や行動がスムーズに流れています。施設長は事業の方向性を明確に示し、管理係長や特養事業長は現場を優先し、現場に時間を多く取り、職員とのコミュニケーションを図っています。利用者の介護に体を動かし、声かけや相談に応え、利用者の明るさ、気持ちの良い関係を作っています。
・排泄、入浴、食事で利用者の満足度を高める取り組みに力を注いでいます
 利用者へのアンケートやヒアリングを行い、献立、行事食や選択食、味付け等に反映しています。栄養ケアモニタリングによる食事形態や褥瘡予防、訪問歯科医による経口摂取への取り組みを行っています。排泄ではオムツと清拭の見直しを行い利用者が不快感を減らし快適に過ごせるよう、職員の労務の負担を軽くするよう取り組みました。入浴では毎日お風呂にゆっくり入れるよう体制を変更し、経費面での削減も図っています。


【さらなる改善が望まれる点】
・地域のニーズを把握するためにも、ホームページの更新は積極的に行う必要があります
 地域の福祉向上のため、地域との連携を図っています。施設の現状報告として、定期的に「広報すみよし」を作成・発行し、地元町会などへ配布し、有効に活用しています。現状、諸般の事情からホームページの更新が行われていません。施設の情報提供に、ホームページの役割が重要視されています。その有効活用を図る観点から、更新の頻度や内容の検討が期待されます。
・意見箱など苦情の申し出をしやすいように取り組んでいますが、外部の第三者委員の委嘱が待たれます
 苦情や意見を申し出ることができるように、苦情解決の仕組みを契約書や重要事項説明書に明示し、利用者・家族に説明しています。玄関に、意見箱を設置し、玄関の壁に、苦情の受付担当者と解決責任者、外部の介護保険相談窓口の3機関を紹介しています。また、苦情を出しやすいように、エレベーター内にもキャラクター「すみみん・すみきち」が、制度について説明しています。第三者委員を設置する予定で取り組んでいますが、速やかな実現が期待されます。
・サービス担当者会議で、利用者・家族の生の声を直に聞く取り組みが期待されます
 利用者の生活歴や既往症、ADL(日常生活動作)などを把握し、それに対する利用者の日々の変化に目を向け、点検や評価を行っています。サービス担当者会議では、利用者や家族の希望やニーズ、職員が日常的に把握した生活状況から抽出した課題などをもとに介護計画(ケアプラン)を作成し、利用者の同意のもとに、サービスを提供しています。計画の作成に当たり、今後、家族などにサービス担当者会議の日時を通知し、生の声を聞くことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・利用者個人の尊厳を保持する重要性を、職員に対する人権教育により周知しています
 人権教育は、本部の「セイワ行動基準マニュアル」に従って行っています。個人の尊厳を保持する重要性を中心に、職員のマナーなどに重点を置いた内容を、接遇マナー向上委員会が中心になって取り組み、各職員に、個々の接遇目標を設定させ、その内容を個人の顔写真とともに掲示板に掲示しています。身体拘束などの不法行為の防止に、「身体拘束・虐待防止マニュアル」などに従って努めています。
・生活支援の場において、プライバシー保護が確実にされています
 利用者の人権尊重、特にプライバシー保護に「介護マニュアル」などに従って取り組んでいることを、生活支援の場において見ることができました。各階のホワイトボードに掲示して来訪者に周知しています。個人情報に関して、「個人情報管理要綱」、「個人情報に関する保護方針」を設定し、職員に研修や会議の場で周知しています。
・人権尊重に関する取組みを、規定やマニュアル、掲示などに明確にし、職員に周知しています
 人権尊重に関する対応は、上記のマニュアルなどに明記し、職員に周知しています。事例や苦情が発生した時の対応は、上記マニュアル及び「苦情相談窓口」の掲示などにより、施設の取組みを明確にしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・利用者・家族の要望や専門家の助言を踏まえケアプランを作成しています
入居時の面接で「入居調査表」により利用者の基本情報、身心状況、ADLなどを確認し、施設への要望を利用者・家族から聞いています。健康診断や嘱託医による診察、助言、健康診断表をもとに、栄養状況や既往症の進行状況を確認しています。日常の介護を通して生活や心身状況を観察し、ケース記録や評価表に記録しています。カンファレンスや栄養ケア会議において、健康及び栄養状態の課題を抽出しケアプランに反映しています。
・利用者の気持や想い、ニーズを受け止め、計画に反映しています
職員全員が利用者の要望を受け止めるように努めています。入浴時などの気持ちがゆったりとした場面で利用者が気持や想いを表わすところを見逃さず、ニーズを受け止めています。意思疎通が困難な利用者には、家族の意向や多職種の職員の情報をもとに、ニーズを確認しています。
・ケアプランに沿った支援を行い、実施状況を確認・評価しています 
利用者の主体性の尊重、家族支援、対等な立場などケアマネジメントの理念に沿ってケアプランを作成し、利用者と家族に説明しています。同意により利用者の意識を高め、家族に協力を依頼し、介護ケア、看護処置、医師や歯科医の診察・治療、栄養指導による食事などサービスを提供しています。ケアプランの目標を目指して支援を行い、経過を記録しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・<すみよし言葉の宿>のキャラクターが苦情・意見を出しやすいように話しかけています
意見箱を設置し、<すみよし言葉の宿>として、キャラクターが利用者や家族が自由に意見を出しやすいように呼びかけています。寄せられた意見を確認し、内容を掲示するなど公表しています。日々のケアのなかで希望や意見を捉え、直ぐ改善するケースが多く、苦情として投函されたことはほとんどありません。
・事故、栄養、褥瘡などについて、リスクカンファレンスを行い、ケアプランに反映しています
 栄養と褥瘡予防のモニタリングを実施し、毎月栄養状態高リスク者及び褥瘡の経過観察を行い、褥瘡リスクを把握しています。カンファレンスで、ADL(日常生活動作)の状況を確認し、リハビリ、食事量や形態などについて、ケアプランの見直しや変更を行っています。ヒヤリハットや事故の発生時、事故カンファレンスを実施し、事故の原因分析、再発防止策の検討を行い、その結果をケアプランに反映し、速やかに実施しています。
・「洗手必焼(せんてひっしょう)」の感染症強化月間キャンペーンを展開し、まん延防止に取り組んでいます
感染症委員会において、利用者の健康状態を報告し、「感染症陽性利用者対応」を職員へ周知しています。毎年11月から翌年3月までを「感染症強化月間」とし、「洗手必焼」(せんてひっしょう)キャンペーンを行っています。ポスターを掲示し、手洗い、マスクの着用、生ものは良く火を通すことを奨励しています。感染症のまん延が懸念される時は、感染症の迅速検査キットを用いて速やかに対応しています。
4 地域との交流・連携 ・町内会をはじめ、関係機関と情報交換を行い、連携が強化されています
 ボランティア活動を中心に、地域との交流に取り組んでいます。5月のボランティア懇談会で、クラブ活動などの活動状況が報告されています。併設の地域包括支援センターとの連携により、種々の行事が計画・実施され、地域の人々に参加を呼びかけています。「すみよし納涼祭」では、町内会との良好な関係が表れています。地域防災連絡会議を毎年開催し、町内会をはじめ、関係機関と情報交換を行い、連携を強化しています。
・地域の福祉向上に向けて、地域の組織とネットワークを構築しています
 「地域資源リスト」や「各種地域福祉サービス事業所一覧」などで、地域の関係機関や団体を明確にし、接触・活用を進めています。川崎市社会福祉協議会の「防災プロジェクト」に参加し、参加機関とのネットワークを構築しています。「歌声喫茶」が開かれていました。施設の紹介を兼ねて、地域のニーズを発掘するため、定期的に広報誌を発行しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・サービスの進捗状況のチェックを通して、自己評価を行っています
 各部・事業部門で、テーマごとに半期の「事業計画進捗状況報告書」を作成し、総括(自己評価)を行っています。この報告書には、次期への申送り(課題)を「今後の展開」として記載し、年度末には「事業報告書」に反映しています。その内容を理事会に報告しているほか、家族懇談会において報告し、施設の運営情報を開示しています。
・管理者のリーダーシップのもとに、サービスの改善と併せ、職場環境の整備に取り組んでいます
 本部が計画した各種の研修によって、管理者をはじめ、職員の資質向上を図っています。各種の研修(研修会や勉強会)は、「セイワ職員研修」として、計画的に実施しています。サービスの質の向上を狙いとした職員提案は各委員会において取り上げ、事業長会議などの場で検討しています。働きやすい職場環境の整備を目指し、衛生委員会で職員の就労環境の改善について話し合い、具体的に取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進 ・職員の資質向上に向けて、各種の研修を計画的に実施しています
 職員の資質向上を期す研修を、年度「事業計画書」及び「段階別研修参加予定者名簿」に明示し、実施しています。研修結果(外部研修を含む)を「研修報告」にまとめ、周知しています。実習生に対しても、施設の取り組む姿勢をオリエンテーション用資料に明示し、説明しています。
・サービスの質を確保するため、表彰制度を設け、意欲を引き出しています
 必要な人材及び人員体制について、本部が配置基準を明確にし、有資格者を配置しています。各階層の職務基準も、本部が明確にし、それぞれに対する研修を計画的に実施しています。現状、本部が職務内容評価に基づいて職員を表彰する制度のほか、施設においても親睦会で表彰制度を採り入れるなど職員の意欲を引き出す仕組みを設けています。
・働きやすい環境を目指し、職員の就業環境の充実に取り組んでいます
 毎月、有給休暇の取得や時間外勤務など就労状況を把握し、「業務報告書」にまとめています。施設長が職員(非常勤職員は管理係長が)と個別面談を行い、意見や意向、異動希望などを把握しています。職員の処遇を充実させるため、親睦会を開催したり、外部の福利厚生制度に加入し、利用を推奨しています。

詳細評価(PDF518KB)へリンク