かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ポピンズナーサリースクール武蔵小杉

対象事業所名 ポピンズナーサリースクール武蔵小杉
経営主体(法人等) 株式会社ポピンズ
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0063
中原区小杉町3-472
tel:044-738-2127
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 ケアシステムズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<特によいと思う点>
@「保育士が子どもの安全基地となる保育を目指す」という思いで保育の質の向上を目指している
 開園4年目の若い園であるが、法人の他園の経験をマニュアルとして持ち込み一定の水準に達しており、カリキュラムなどにも細やかな配慮が見られる。訪問調査の際に「第一に子どもにとって良いのかを考え、子どもの安全基地に保育士がなることを目指す」ことを保育士の目標にして進めていきたいとしていた。保育をする中で子どもへの対応の統一された概念の存在は、大変重要なものである。園のスタッフの保育の取り組みの原点となることを期待したい。


Aスタッフを研修に派遣し受講後は伝達講習を行い組織全体の質向上に取り組んでいる
 法人本社の研修体制が整備され、入社時の研修やフォローアップ研修等実施している。28年度は外部機関の年齢別の保育研修にスタッフを派遣したり、公立保育園の公開研修なども参加を予定している。そのほか、区や市の研修などについて情報提供を行い受講を勧めている。スタッフ自己評価でも「研修に参加するよう促している」などの声も聞かれ、質向上の取り組みがうかがえる。


B法人の方針であるエデュケア(教育プラス保育)に取り組み成果を挙げている
 要支援児が保護者と園の相互連携の下に、支援センターや専門医のアドバイスを保育に取り入れることで成長を遂げ、要支援児対象外になる成長を見せた事例があるとのことである。相互の信頼関係が構築され、要支援児の保護者と連携をとりながら支援したことがうかがえる。子どもの成長を育んだ適切な環境の提供や保護者との連絡や連携、保育士のスキルアップのために研修に参加する向上心などは、法人の方針であるエデュケア(教育プラス保育)が表出された取り組みとして評価できる。

 

<さらなる改善が望まれる点>
@園の機能や専門性を地域に還元することを期待したい
 地域貢献を課題としており、できることを始めたいとしている。駅に隣接した商業ビル内の保育園であり住宅地ではないという制約もあるが、近くにはタワーマンションもあり子育て世代の存在もみえる。今年度は小学校見学なども行っているが、小学校との更なる交流や連携、地域の母子が来園できるような機会を図るなどの地域との交流を期待したい。


A園独自の取り組みに期待したい
 園内には法人主体のマニュアルや掲示などが多くみられ、法人としての統一された運営を目指していることがうかがえる。大きな柱として法人の意向が反映されることは園としてプラスへの働きとなるが、当園の地域性や保護者の意向、子どもの様子などそれぞれの園の特徴が生まれることも事実である。開園からの3年間で法人の方針を受け継ぎ築いてきた基盤の上に、これからはこの園独自の取り組みが生まれ刻まれることで、スタッフと子どもと保護者の輪が育まれることを期待したい。


B保育環境をさらに整えることを検討されたい
 ダイニングを中心にして放射線状に保育室が位置しており、各クラスは低い棚で仕切られた開放感のある保育室となっている。扉のついたロッカーなどが個別に設けられ、白を基調にした大変清潔感のある保育室になっている。統一感のある保育室ではあるが、各部屋に子どもが自由に手にすることができる玩具が大変少ないことが憂慮される。視覚で子どもの創造性を促す環境、自分で遊びたいと思う玩具を手にすることができる環境、ごっこ遊びなどで情緒を促す環境などを提供する中で、子どもの自発性や社会性の成長が育まれることを提唱したい。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 子どもの人権尊重について園内研修を行い学ぶことで、子どもの気持ちを くみとり子どもに寄り添う保育を実現させることを目指している。子どもの声に耳を傾け、言葉の中にある子どもの気持ちにも配慮する中で子どもの成長を見守る保育を心がけている。身近な取り組みとして、おむつ替えや鼻を拭く際にも本人に声をかけるなどの細かな行為一つひとつの積み重ねを大切にし、子どもが自分の気持ちを発露する機会をつくることで支援している。


A 子どもの年齢に合わせて、羞恥心の育ちへの声かけを行い、着替えの際には視線を遮る配慮も心がける対応をしている。しかしながら園庭で行われている夏のプールの際に、視線を遮る目隠しなどをしていないことが憂慮される。近隣のビルとの距離があることも理解できるが、現在のネットなどによる情報拡散の脅威を鑑みて、プールに入る期間は、近隣のビルからの視線を考慮して窓の下部に目隠しをするなどの配慮も望みたい。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 園は今年度初めて第三者評価を受審したが、前年度から第三者評価で行う際の項目をチェックし、園内で自己評価を行うなどのサービス向上への前向きな姿勢を示している。その際には、「子どもへの環境設定や保護者との信頼関係の構築に努めながら安心して子育てができるように支援する」としてスタッフの共通理解を促している。これらの真摯な取り組みが、保育の中で子どもに反映されることを期待したい。


A 今回のアンケートで「外部の苦情窓口」の項目の周知が大変低くなっている。重要事項説明書にも苦情解決制度としてではなく、「家庭と園の連絡」という項目に記述されているために認識を難しくしているように思われる。園の姿勢を周知させるためにも、入園時の面接や懇談会などの機会に外部の苦情窓口があることを直接説明することを期待したい。また、園内に苦情解決制度についての掲示はあるが、保護者に見やすい場所への掲示が必要と思われる。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 開園から4年目で、勤務年数や保育士の年齢も若いスタッフが多い現場である。ビルの5階という環境の下で稲を育て、おにぎり作りやわらで絞め飾り作りまでを実行し、その活動を写真を使って即日に視覚とコメントにより保護者にわかりやすい掲示をしたり、子どもの自由遊びの時間のスタッフの立ち位置や見守り方の指導を行うなどの、多くの保育への取り組みが行われている。現場で自然発生的に生まれる質の高い保育への向上心は、若い園だからこそ今後の保育の方向性を動かす力だと期待したい。


A 「世界の文化・日本の文化」を月毎に紹介し、世界や日本の遊びや食事などを保育の中に取り入れており、世界には多くの国があり、日本とは違う文化があることを身近に知ることができる機会となっている。実際に訪問時給食の献立も紹介された献立だと子どもから聞くこともできた。毎日の食事は子どもに刻まれていくものである。子どもとスタッフが一緒に喫食することで共有できる食事の楽しさや養護・教育面についての環境提供も再考する機会も望みたい。

4 地域との交流・連携

@ ボランティア受け入れマニュアルが整備され、中高生を中心としたボランティアを受け入れている。窓口は園長であり「しおり」をもとに注意事項などを説明し、誓約書を取り交わしている。今年は中高校生の職業体験のほか高校生のボランティアを受け入れている。


A 地域交流を課題としており次年度からの実践を視野に入れている。「駅ナカ保育園」であり制約もあるが、子育て世帯の子どもの身体測定や、運動会場を借りている学校の見学など、できることから始めたいとしている。立地条件を活かした地域交流など、今後の取り組みに期待したい。


B 当園がある地域は急速に子育て世代の住民が増え多くの保育園が開園しており、施設同士で情報を共有し、連携を図ることも必要な環境と思われる。しかしながら、他の園との横のつながりを育む機会が設けられていないとのことであった。区の取り組みとして情報共有や課題の表出の機会を図れる仕組み作りを期待したい。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ スタッフ主体の小集団活動に取り組んでおりミニキャラバンと称し、遊びや歌など自分の得意なことを他のクラスで発表している。クラスのカリキュラムに入れておりスタッフが参考にするなど、園全体の保育の質向上につなげている。よい取り組みと思われる。


A 毎年、ウエブサイトを利用した保護者アンケートを実施している。結果は本社で集計され園にフィードバックされている。会議ではアンケートの傾向を見るとともに自由意見など話し合い、保護者に回答したり内容によっては改善に取り組んでいる。


B 事業計画や事業報告が策定され家族代表などが参加する運営委員会で説明している。事業計画の策定にあたってはスタッフの意見を求めたり反映させるなど、組織的に行うことが望まれる。また、事業計画は定期的な会議の場で取り組み状況を確認し、評価しながら推進することが期待される。

6 職員の資質向上の促進

@ 園では法人本社の研修のほか区や市の研修、外部機関の研修などの年間研修計画を策定しスタッフを派遣して資質の向上に取り組んでいる。研修受講後は伝達講習で共有を図っている。また、今年は公立園の公開保育も参加予定である。救命救急の講習も受けるなど多様な研修でスタッフの知識やスキルの向上に取り組んでいる。


A 法人本社の研修体制が整備され、内定前研修やフォローアップ研修など実施している。新人スタッフへの研修は体系化されているが、現任スタッフに対しても年次別や職種別の研修体制の整備が望まれる。また、園内研修もスタッフの希望を取り入れ、知識やスキルの教育などをベテランスタッフや専門職が行うこともよいと思われる。


B 昨年は職員の離職が多く保護者の不安につながっている。若いスタッフが多い職場であり、悩みなど何でもいつでも相談できる職場風土を作ることや、業務の通じて達成感をもてるような取り組みが期待される。なお、実践している小集団活動などはよい取り組みと思われる。スタッフが主体的に活動できる取り組みを更に期待したい。

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