かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

西寺尾保育園

対象事業所名 西寺尾保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 聖徳会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 221 - 0001
神奈川区西寺尾3-22-1
tel:045-401-0953
設立年月日 1974(昭和49)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
1.立地および施設の概要
西寺尾保育園は、社会福祉法人聖徳会が運営する6保育園の1つで、昭和49年4月に開設した42年の歴史ある保育園です。0〜5歳児クラスで、園児数は140名(定員145名)です。JR横浜線大口駅から徒歩13分の高台にあり、園舎は鉄筋コンクリート鉄骨造り2階建てで、屋上には夏のプール遊び、園庭にはのぼり棒や平均台、ログハウスなどの大型遊具を設置しています。園周辺の5か所の公園は、散歩コースとなっています。

2.園の特徴
保育目標は「自主性・創造性・社会性を育て、柔軟性も身につけさせる」で、子どもの発達過程に応じ、遊具・遊び・学びの環境を提供していくことに力を入れています。日常的な健康増進や運動能力向上のために、講師による体操教室を取り入れています。また、子育て世代に向けて、園庭開放・育児相談、育児講座も実施しています。

【特に優れていると思われる点】

1.子どもたちが遊び込める環境設定
1階テラスは4、5歳児共有の遊びの場になっています。小さなブロックを種類別に収納してある棚、子ども用の手作りソファーやいすのある絵本コーナー、台所コーナーなどを設置し、また、ドレスやドレッサーで子どもたちがなりきって遊ぶなど、子どもの興味・関心に応じた環境設定をしています。0〜3歳児の各保育室には、音の出るおもちゃや積み木、おままごと道具、パズルなど様々なおもちゃを揃えています。多目的室があり、乳幼児合同の手遊びを行ったり、幼児合同で平均台や跳び箱を使って体操を行うなど、様々な遊びに使っています。園庭には、ログハウスや汽車のおもちゃなどの大型遊具や砂場を設置し、子ども達は好きな遊びで遊んだり、駆けまわったりして思い思いに過ごしています。

2.職員の質の向上に向けた取り組み
 職員の資質向上に向け、初級・中級・上級の階層別研修計画を作成し、計画に沿って障がい児保育や救急救命法、食育、アレルギー、経営などの外部研修、子育て支援連絡会などに積極的に参加しています。職員は研修参加後、研修レポートを作成し、職員会議で研修報告を行い、職員間で研修内容を共有し、保育に活かしています。園内研修として保護者支援のロールプレイを行うほか、全職員で感染症対応やAEDの使い方研修を行っています。
 職員は年度初めに「年間自己目標表」(職場ルールの遵守、利用者対応、知識技術の取得などの項目)に沿い、自己目標を立て、年度末に目標に対する自己評価を行い、職員全体で振り返りの発表の場を持っています。職員の自己評価結果についてクラス内で話し合い、その中で生じた課題については園全体で話し合って改善に取り組んでいます。

3.発達過程に沿ったきめ細かい個別の指導計画
 0〜2歳児については毎月、個別の指導計画を作成しています。今年度から0歳児については、個別に保育日誌(日案)を作成し、一人一人の一日の生活に対して「ねらい」をもち、活動内容を記録し、振り返りを行っています。
幼児クラスの特別な配慮を要する子どもに対しては、年3期ごとに「個別支援計画」を作成し、「要配慮児月案」を作成しています。さらに個別の「配慮児保育日誌」を作成し、配慮・援助内容を記録して毎日を振り返り、きめ細かい援助を行っています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】

1.保護者に対し、保育内容の理解を促す更なる工夫
 保護者への日常の情報提供は、連絡ノートや掲示板などを通して行い、送迎時や年3回の保護者懇談会(平日)などで情報交換を行っています。また、保育参加や保育見学、個人面談は特定の日を決めずに、年間を通して保護者の都合の良い日に受付をしています。今回の保護者アンケートの「園と保護者との連携・交流」では、否定的回答(不満・どちからといえば不満)が平均16%でした。園では、保護者とのコミュニケーション・交流を課題としており、個人面談の在り方を検討しています。さらに、懇談会や保育参加日程の再検討など、保護者が参加しやすい体制づくりにより、保護者に保育内容の理解を促すことが望まれます。

2.意見・要望の受付体制とデータ蓄積による解決への仕組みづくり
 保護者からの意見・要望については、「意見・要望の受付書」を玄関ホールと各クラスに置き、職員が直接受理する方法がとられていますが、受付件数は年間1件程度にとどまっています。日頃の生活についてアンケートを実施したり、意見箱を設置するなどして、保護者が気軽に意見・要望を言える仕組みづくりが求められます。また、保護者から寄せられる些細な意見・要望についても記録をとり、データを蓄積・整理して、今後の問題解決に活かしていくことが期待されます。

3.ケガ対応時の記録化の促進と保護者への確実な報告
 子どものケガについては、保健連絡表と事故報告書に記載し、保護者に保健連絡表(写し)を渡して説明していますが、保護者アンケートの「ケガに関する保護者への報告」について、19%の保護者が不満・どちらかといえば不満と答えています。軽度なケガについても記録をとり、保護者に確実に伝えることが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育目標は「自主性・創造性・社会性を育て、柔軟性も身につけさせる」で、保育方針は「『好き』からはじめよう、『遊び』の中で自分に出会う、『気づき』を大切にした保育」で、いずれも子どもの最善の利益を考慮したものになっています。

・職員は子どもと話す際には言葉遣いに配慮をして、子どもと目線を合わせながら穏やかな口調で接するようにしています。

・園のマニュアルに「個人情報管理規程」「守秘義務に対する保育者の態度」の規程があり、入職時に非常勤職員を含む全職員に配付、説明しています。

・横浜市主催の人権に関する研修に参加して、園内で研修発表を行い、虐待の定義などを職員間で共有しています。マニュアルに「虐待の発見と防止」の項目があり、職員は周知しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・乳児に対しては、その仕草や表情から子どもの要望・意思を汲み取るようにし、幼児に対しては、子どもの意見を聞いて遊びを決めたり、やりたいことを聞いたりしています

 

・各指導計画は子どもの発達過程に応じ、ねらいを定め、養護・教育や家庭との連携に配慮して作成し、計画終了時に評価・振り返りを行っています。乳児クラスは個人別の月間指導計画を作成するほか、0歳児クラスは個別の保育日誌を作成し、発達過程に合わせ、一人一人の一日の生活に対して活動内容を細かく記入し、振り返りを行っています。

・0歳児クラスは3、4名の小グループに分け、1、2歳クラスは10名程度の2つのグループに分けて小集団での保育を行い、食事・製作のフロアーと睡眠・遊びのフロアーに仕切り、場所を変えて静と動の活動が行える環境を確保しています。

・幼児クラスの特別な配慮を要する子どもに対しては、年3期ごとに個別支援計画を作成し、月案のほか、個々の保育日誌を作成し、配慮・援助内容を記録し、きめ細かく毎日の振り返りを行っています。

・入園後の子どもの成長発達記録は、子どもの家庭状況や発達の状況を、乳児は年5回、幼児は年3回、各担任が児童票に記録し、健診記録と毎月の身長・体重もあわせて記録しています。

・玩具や教材は、各年齢や発達に合わせて用意し、各クラスの子どもたちが手の届く場所に置き、自由に取り出して遊べるようになっています。粘土、折り紙、色画用紙などの素材のほか、公園で集めた落ち葉やどんぐり、ペットポトル、牛乳パックなどの廃材を自由に使えるようにしています。

・室内では平均台や跳び箱を使って運動能力を高める活動をし、園庭では平均台やログハウスなどの大型遊具や砂場で、子どもたちは好きな遊びをして過ごしています。

・子どもの発達状況に応じて、散歩や園外活動の行き先を変え、乳児は園周辺や近くの公園に行き、幼児は歩く距離も長く、自然の斜面の上り下りや探検ができる公園などを選んでいます。

・食事は子ども一人一人が食べられる量に合わせて盛り付けをし、職員も子どもたちと会話を楽しみながら一緒に食べています。

・午睡時に眠れない子どもは、職員が寄り添って、静かに体を休められるようにしています。 ・排泄は一人一人の子どものリズムを把握して、個人差を尊重して対応しています。

・登園時は、体調や家庭での様子を聞き、お迎え時に園での様子を保護者に伝えています。降園時は幼児クラスのその日の様子を入口のホワイトボードで知らせ、乳児クラスは連絡帳で知らせています。

・保護者懇談会は年3回開催し、個人面談は日時を定めず、希望があれば随時実施するようにしています。

・4、5歳児の保育参加は、子どもと一緒に遊び給食を一緒にとり、1〜3歳児は保育参観、0歳児は離乳食移行時に保育参加を行っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・障がい児を受け入れ、横浜市東部地域療育センターの巡回相談で、配慮を要する子どもの対応などについてアドバイスを受けています。

・食物アレルギーのある子どもの保護者からは毎年、「生活管理指導表」を提出してもらい、除去食を提供しています。除去食提供にあたっては、専用の食器を使い、職員間でダブルチェックを行い、職員が側について誤食防止に努めています。

・保育園のしおりに「ご意見・ご要望の受付窓口の設置」について記載し、入園説明会・懇談会で保護者に説明し、玄関ホールに意見・要望の受付窓口として苦情受理責任者、受付担当者、第三者委員2名のほか、神奈川区子ども家庭支援課の連絡先を掲示・紹介しています。

・玄関ホールと各クラスに「意見・要望の受付書」を置き、行事ごとにアンケートを行うほか、保育参加時には感想文を書いてもらい、保護者の意見・要望の把握に努めています。

・感染症に関するマニュアルを作成し、登園停止基準や保育中の感染症への対応について記載するほか、保育園のしおりに掲載して、入園時に保護者に説明しています。

・「事故防止」「事故対応マニュアル・急変時マニュアル」を策定し、緊急通報マニュアルを事務室、各クラスに常備しています。子どものケガは保健連絡表と事故報告書に記載し、保護者に説明しています。

・毎月、避難訓練・不審者訓練を行い、消防・警察と連携して、子どもたちが速やかに避難できるよう訓練しています。

4 地域との交流・連携

・園見学者の、離乳食、トイレットトレーニングなどの相談を受けています。

・地域子育て支援として、園庭開放、育児講座を実施しています。園の納涼会、運動会には近隣住民に呼びかけ、卒園児を含め、近隣住民の参加を得ています。

・神奈川区保育園子育て支援連絡会主催の「ワイワイパーク」に毎年職員が参加し、地域の親子を対象として、ふれあい遊びや絵本の読み合わせなどを行っています。

・年長児が西寺尾小学校、西寺尾第2小学校と交流し、錦台中学校とは授業の一環としての交流会や職業体験を受け入れています。

・利用希望者に対しては、見学の希望日時を聞き、園の都合も勘案して、日時を決めています。見学時は主任がパンフレットに基づき利用条件、サービス内容などについて保育の現場を見ながら説明しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・設置法人共通の就業規則や保育マニュアルに職員倫理規程などを定め、職員は周知しています。設置法人のホームページに財務諸表や現況報告書を掲示し、設置法人全体の経営、運営状況を公開しています。

・理念・保育方針を記載した保育園のしおりを全職員に配布し、年度末に保育課程を作成する際には、園長から理念・方針について説明しています。

・設置法人全体の平成21年度から平成35年度までの中長期事業計画が策定されています。

6 職員の資質向上の促進

・主任が研修担当となり、階層別の研修計画を作成しています。28年度の園内研修として、保護者支援のロールプレイや感染症対応やAEDの研修を行っています。また、横浜市や神奈川県担当課主催の障がい児保育研修や神奈川区保育園子育て支援連絡会などの外部研修に参加して、研修レポートを作成し、職員会議で研修報告を行い、職員全体で共有しています。

・職員は年度初めに年間自己目標表に沿い、本年度の自己目標を立て、年度末に達成状況を自己評価し、職員全体で振り返りの発表を行っています。職員の自己評価は主任、園長が評価・査定をする仕組みになっています。

・実習生の受け入れにあたっては、マニュアルに基づき、主任がオリエンテーションを行い、実施しています。育成担当はクラス担任が行い、実習目的に沿って実施し、実習生は期間中、担当職員と疑問点や質問事項について意見交換をし、アドバイスを受けています。

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