かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

相模原市立谷口保育園

対象事業所名 相模原市立谷口保育園
経営主体(法人等) 相模原市役所 保育課
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 252 - 0318
南区上鶴間本町4-47-10
tel:042-742-6915
設立年月日 1976(昭和51)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 神奈川県社協版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

●相模原市立 谷口保育園の立地・概要

・相模原市立谷口保育園は、小田急線相模大野駅南口から東方向へ徒歩で10分余り、国道16号線を渡って少し入ったところにあります。相模大野駅は小田急線の小田原線、江ノ島線の分岐点で、国道16号線と交差する交通の要衝であり、さらに、相模原市が政令指定都市となって3区に分区され、相模大野に南区役所が設置されてからは名実ともに南区の中心となっています。アクセスも良く、東京、横浜への通勤者に人気の地域であり、人口も増加を続けている地域です。園は、区役所とは反対側に所在し、辺りはまだ畑も残るのどかな住宅地の中に位置し、近くには小学校、中学校が点在しています。お散歩や戸外活動では、四季折々の自然の変化に触れることができる環境に恵まれ、豊かな感性と健康な心身を育んでいます。
・相模原市立谷口保育園は昭和51年に設立された歴史ある保育園であり、鉄筋コンクリート造一部2階建ての白い園舎が、広い空と緑の環境の中で一際映えています。歴史ある園舎は、改修を重ね、大切に使いながら、園内も清潔に保持されています。園内はL字形の構造で、保護者の出入り口は、危機管理に配慮し、正面玄関1ヶ所のみとし、正面玄関入って左に事務室、医務室があり、右に調理室、迂回して手前から2歳児保育室から順に各年齢の保育室が園庭側に設定されています。2階は階段を上った正面にランチルームがあり、0歳、1歳児保育室が設けられ、乳児保育室には別に調乳室とほふく室があり、充実しています。さらに、2階の広いテラスでは小さな子ども達がゆったりと十分に遊べる空間を確保し、1階の園庭には砂場、プールが設置され、幼児が元気よく遊び、安全でのびのびと生活ができるよう保障しています。

●相模原市立 谷口保育園の保育の方針

相模原市立谷口保育園は、相模原市の子ども像を示した相模原市の保育目標である「意欲と思いやりのある子ども」の実現のために、園の保育目標4項目「@安全で伸び伸びした生活をベースに基礎体力づくりをめざす」、「Aふれあいの場など、いろいろな経験をしていくなかで、思いやりや豊かな感性を育てる」、「B自主性を大切に意欲を育てる」、「C食を通じて食べる楽しさを味わい、命の大切さを知る」を定め、保育を推進しています。保育目標@では、園庭遊び、散歩などを通じて心身の健全な発育を促進し、Aでは、異年齢との交流や、地域の方と一緒に遊ぶことで思いやり、社会性などを育み、Bでは、相模原市の方針であるオープン保育により自主性を養い、Cでは、ランチルームを含む食育の推進を通じて子どもの健全な成長を育んでいます。特に、食育については相模原市は早くから力を入れて取り組んでおり、相模原市立谷口保育園では食育プロジェクトを設け、各年テーマを決めて取り組んでいます。テーマでは、一昨年は「良く噛む」、昨年は「マナー」、今年は「好き嫌いをなくそう」を設定し、年毎に基本に据えて食育活動を展開しています。

≪優れている点≫

1.食育の推進

相模原市立谷口保育園では食育に力を入れ、食育推進のために園全体で食育プロジェクトを設定し、テーマを定めて取り組んでいます。今年のテーマは、「好き嫌いをなくそう」であり、食育計画を立案し、活動を展開しています。0歳、1歳児から全クラスで野菜や花を栽培し、収穫した野菜等はクッキング活動に取り入れ、さらに特徴として、「元気ボード」、「食育ボード」、「かわら版」などを活用した食育活動を推進しています。「元気ボード」では、体に必要な栄養素を掲示し、昼食時にはランチルーム当番の5歳児が放送で、ランチルームの準備ができオープンしたことと、「今日のメニュー」を一つずつ紹介しています。子ども達は興味を持って聞き、発表する子どもにも意識と意欲を高めています。「食育ボード」には今年度のテーマである「好き嫌いをなくそう」を記載し、その下に時期的な「お正月特集」や、「お箸特集」などの記事が掲載されており、子ども達に興味と関心につなげています。「かわら版」は季節のコーナーにおいて、旬の食材を分かりやすく写真で示し、掲示しています。園では、これらの取り組みの日常化を図り、食に関する意識が日常習慣として子どもに定着するよう大切な活動であり、高く評価されるものです。


2.異年齢によるオープン保育の推進

相模原市立谷口保育園では、異年齢によるオープン保育を推進しています。相模原市のオープン保育は、現園長が相模原市のオープン保育展開時に当初から尽力し、試行錯誤をしながら探求して構成を練り上げ、今では相模原市全ての市立保育園でオープン保育を展開しています。オープン保育とは、子ども自身が遊びたいと思う遊び・場所を自分で選択し、「自ら選ぶ」ことを大切に、自主性を身に付けながら遊びの中に様々な学びを見いだせるよう、個々の個性、成長を育みます。園では、保育室にコーナーを設け、いくつかの異なる遊びを子どもが選び、個々に自由に遊び、また、園庭の木陰にゴザを敷いて遊びの展開を図る等、子ども達は楽しく遊んでいます。保育士は、子どもが自由に遊べるよう、園内のどこで活動するかを話し合い、調整しています。さらに、遊びのルール等を知るために一斉活動も行い、リズム遊び、楽器などを取り入れ、みんなで一緒に取り組むプログラムも導入しています。異年齢の遊びでは、「オープン保育」の集大成として、2月期に、お店屋さんごっこを行っています。秋ごろから3歳、4歳、5歳児のカラフルグループ(オープン保育の異年齢グループ)ごとにお店を立案し、品物を決め、看板作りを行い、本番当日は、年長児が呼び込みの手本となり、お店屋さんごっこを展開していきます。始めは恥ずかしがって声の出ていなかった3歳児も年長児の真似をして大きな声で呼び込みをしたり、品物をきれいに並べるなど、店員さんになりきり、オープン保育と異年齢活動において大きな成果を上げています。

3.地域子育て支援事業の推進

相模原市立谷口保育園は公立園として、また、地域中核保育園としての責務を担い、地域子育て支援事業を積極的に推進しています。毎月10日間以上の地域事業が計画され、園全体で取り組んでいます。園主催の地域事業として、「いっしょにあそぼ!」「赤ちゃんひろば」「親子であそぼ」「ハッピーらんど」「にこにこえくぼ」などを中心に、幅広い活動を展開しています。「いっしょにあそぼ!」は、毎月、保育室や園庭で園児との交流と遊びの提供を目的に、「赤ちゃんひろば」は0歳児の歩行前の乳児を対象に、「親子であそぼ」は、歩行完了から未就園児を対象に実施し、地域親子同士の交流や年齢発達に合わせた親子ふれあい遊び等を楽しめるよう、毎回、変化のある企画・開催をしています。「ハッピーらんど」では、私立くぬぎ台保育園分園と共同で年5回の親子遊びを実施。「にこにこえくぼ」では、公立保育園4園が合同で子育て支援事業の企画及び運営・開催を実施しています。その他、絵本の読み聞かせのボランティア団体「あいの会」との交流や、地域子どもセンターや保健所との協賛で「ひよっこ」「ふれあい親子サロン」などに参画し、職員の派遣をしたり、積極的に協力をして地域の子育ての支援に尽力しています。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●職員は、保護者に対して丁寧な対応を心がけ、相互の信頼感の醸成を図り、園児にはわかりやすい言葉で対応するように心がけています。園では、全園児の保護者を対象にした個人面談を実施し、園や保育士への要望等を聞く機会を設けて改善につなげています。

●園では「人権感覚チェックリスト」を用いて、職員一人ひとりが「差別とは」の意識を持ち、考え行動できるように努めています。外国籍に係る保護者に対しては、配布物にルビを振り、園行事においても個別に対応する等、配慮しています。

●個人情報を含む文書や簿冊は、「谷口保育園保育マニュアル」の規定に基づいて書庫に保管・施錠して管理をしています。個人面談は個人情報保護のため個別の部屋で実施し、プライバシーを保障しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●家庭との連絡、情報交換の手段・方法の基本は、「谷口保育園保育マニュアル」に明文化され、園と保護者との約束事として契約書を交わしています。約束事については「保育園のしおり」(重要事項説明書)に記載し、入園時に説明して理解を促し、保護者から承認印をもらっています。

●家庭との情報交換は、乳児は連絡帳を活用して情報を共有し、園だよりを毎月発行し、年2回、クラスだよりを懇談会前に配布して情報を提供しています。幼児については毎日、ホワイトボードで子どもの様子や園の情報を伝えています。

●家庭からの意見や要望、依頼等に関しては、苦情解決実施要綱に沿って谷口保育園独自の「意見受付け用紙」を用意し、「声の広場」(意見箱)に気軽に投函できるよう玄関から近い図書コーナーに設置する等、保護者の声を聞き、改善に役立てるようにしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●苦情解決方法は、「相模原市立保育所および療育センターにおける苦情解決実施要綱」及び「谷口保育園保育マニュアル」に明記し、苦情解決受付者、苦情解決責任者、第三者委員を明示して、園内2か所の掲示板に掲示し、苦情受付体制を整えています。

●室内環境管理では、温度・湿度等は、「相模原市立保育園園児健康管理マニュアル」に明文化し、毎日、温湿度が基準値内であるか確認・記録し、湿度が不足して加湿する場合は各クラスの日誌に数値を記入しています。

●「感染症対応マニュアル」を完備し、流行が予想される疾患の症状、対処法についてラミネートパネルで示しています。流行が予想される場合は、速やかに正面玄関横の感染症ボードに感染症情報を掲示し、注意喚起を行っています。
また、季節ごとに「衛生管理検討チーム」をプロジェクト化し、自主研修を行い、研鑚を図っています。
●食物アレルギー児に関しては、「相模原市保育園食物アレルギー対応マニュアル」、「谷口保育園保育マニュアル」に沿って職員会議で説明、周知を行い、誤食がないよう周知徹底しています。職員は、食物アレルギー児の「誤食対応訓練」を実施し、事務室に「緊急用手順書」を掲示して緊急時の態勢を整えています。

●火災や震災等発生時の避難方法及び内外への連絡方法については、「谷口保育園消防計画」、「相模原市保育所防災の手引き」、「公立保育園緊急連絡網」に明文化しています。年間避難訓練計画を作成し、職員の役割分担を定め、毎月、避難訓練を実施し、訓練後は職員会議で反省を行っています。

 

4 地域との交流・連携

●地域の子育て支援事業は、近隣の保育園との合同で、「にこにこえくぼ」(公立4園合同育児事業)、「ハッピーらんど」(私立園との合同育児事業)、「ふれあい親子サロン」、「赤ちゃんひろば」、「親子であそぼ」、「ひよこっこ」等を開催し、育児講座や子育て相談を実施しています。

●園の子育て支援では、園庭開放、育児相談を随時受け付け、コミュニティ保育グループや、地域で活動している子育てサービスを支援し、地域に貢献しています。

●地域の子育て支援事業を携わるスタッフとの情報交換や、近隣小学校との職員交流、意見交換会を通じて連携を図り、積極的に地域と交流を行っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●相模原市立保育園及び第三者評価の自己評価の観点を基に、全職員で自己評価を実施しています。園内検討グループの「自己評価プロジェクト」が中心となって自己評価を実施し、日々の保育状況等を把握し、保育改善に努め、次年度に生かしています。

●地域への情報提供は、事務室のカウンター前に地域向けのポスターを貼り、園のパンフレット、給食レシピ等を設置し、自由に持ち帰りができるようにしています。また、地域に向けた園のしおりを作成し、園見学者や園庭解放を利用する親子に配布して情報を提供しています。

●保育参観、公開保育を実施し、公開保育では、各クラスの見どころをリーフレットにまとめ、保護者が保育の目的や意図がわかるようにしています。また、保育参観については、園で設定した日程以外でも、随時受け付け、保育の理解に努めています。

6 職員の資質向上の促進

●職員は、谷口保育園保育マニュアルを保持し、職員会議やグループ別にマニュアルの読み合わせを行い、非常勤職員も含め理解を深めています。

●職員研修は、保育所職員研修計画を基に年間研修計画を作成・実施し、園内研修は、自主研修係が中心になって年間で計画的に実行し、時間を考慮して非常勤職員も参加できるようし、職員の質の向上に力を入れています。

●外部研修受講後は研修報告を作成し、職員会議で報告を行い、非常勤職員を含む全職員に回覧し、一人ひとりの質の向上に役立てています。

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