かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

特別養護老人ホーム 南太田ホーム(2回目受審)

対象事業所名 特別養護老人ホーム 南太田ホーム(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 横浜社会福祉協会
対象サービス 高齢分野 養護老人ホーム
事業所住所等 〒 232 - 0006
南区南太田2-11-4
tel:045-250-6771
設立年月日 2000(平成12)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
特別養護老人ホーム「南太田ホーム」は京浜急行線南太田駅より徒歩15分、市街地から少し離れた緑に囲まれた、近くに公園のある丘の上にあります。施設の周囲にはプールや体育館を備えた緑が一杯の大きな公園や高等学校があります。
平成12年4月に社会福祉法人 横浜社会福祉協会が温かみの感じられる木造3階建ての施設として開設し、入所定員60名(他に短期入所40名、通所介護35名)のところ現在57名の利用者が入所し生活しています。各居室は見晴らしや日当たりがよく、木のぬくもりを感じる作りとなっています。
入所利用者の平均年齢は86歳、平均介護度は3.3です。利用者の幸福の追求・地域貢献の追求・職員幸福、職務環境の追求・未来を支える福祉の追求などの4つの「福祉の追求」を理念として、利用者に選ばれる、より良い施設づくりを目指しています。


≪優れている点≫
1.多職種の職員は良好なコミュニケーションを介護に反映しています
利用者のケアに関わる小さなことでも気づいたことは、職種が異なっても職員間で確認し合っています。職員は各部署の持っている技術や知識を出し合い、さらに良いケアにつなげていかれるよう取り組んでいます。サービスの基本となる「施設サービス」や「栄養ケアサービス」を利用者及び家族の意向に沿って、多職種共同で策定しています。
介護職員はじめ看護師、管理栄養士、機能訓練指導員、生活相談員などの各部署の職員はいろいろの委員会や行事の中でいくつかの担当を受け持っています。身体拘束廃止委員会、事故対策委員会、感染症対策委員会など7つの委員会や納涼会、敬老会などのイベントやお花クラブ、料理クラブなど職員は多くの委員会や行事の担当者となり、職員同士の横の連携が密接です。職種・年齢などを超えて話し合うことが多く、多職種間のコミュニケーションがうまく取れています。
また、ホームは適切な人員配置と業務分担により、安定した業務を行える環境を整備し、職員の負担が過度にならないよう配慮しています。

2.地域との交流や連携に積極的に取り組んでいます
以前は施設中心の夏祭りでしたが、地域参加型に切り替えて夏祭りを実施しています。近隣の住民や職員による模擬店・ゲームコーナー・メイクコーナー、特に高校生茶道部の茶会や美術部の学生が利用者や家族の似顔絵を書くコーナーは好評で大勢の住民が参加されています。
近隣の地域ケアプラザが主催する「生活支援推進連絡会」には施設長が出席しています。区の職員や他の地域ケアプラザの職員、民生委員、一般の地域住民などが参加し、地域の人々が必要とするサービスについて意見交換や情報交換しています。
事業所内で実施している通所介護や短期入所生活介護の窓口となっている生活相談員は地域の家族の悩みや相談に常に対応しています。


≪努力・工夫している点≫
1.利用者中心の介護に向けて、職員間の情報の共有が図られています
利用者一人一人に対して利用者担当者制を採用し、利用者と職員との馴染みの関係を重要視し、利用者の要望や思いを引き出すよう支援しています。職種間の「業務引き継ぎ書」は看護記録、介護記録、栄養管理など一冊のノートに一元化され情報を共有しています。
「サービス担当者会議」には施設長はじめ介護主任・副主任・介護士・看護主任・看護師・管理栄養士・生活相談員など複種の職員が参加し、身体の医療情報やコミュニケーション能力、利用者のニーズ、課題など各面から把握しています。「担当者会議開催カレンダー」を作成し、ADLの低下やターミナルケアの開始時期など必要に応じて随時、会議を開き、変更しています。「栄養ケア計画」を本人及び家族の意向を反映して高齢者の低栄養状態の改善を行い、要介護状態の重度化を予防するよう、努めています。

2.食事を大切な時間と捉え、利用者に喜んでもらえるように工夫しています
ホームは月に2回は行事食を提供しています。その他、季節感のある献立、郷土料理、バイキング方式、リクエスト食、お好み食、外食、利用者と手作りおやつを作っています。職員の聞き取りによる利用者への嗜好調査など、ホームでの生活の重要な時間である食事について、利用者に喜んでもらえるように工夫、実践をしています。
スイーツ外出は何回か日にちを分けて実施しており、車イスなど介護度の高い利用者も多数参加ができる企画となっており、利用者に好評です。また、日々記入する検食簿は、提供された食事がどうであるか、職員自身の意見を交えながら、利用者の視点に立っての記入を心がけています。献立は委託業者の栄養士が立てますが、ホームの栄養士が中心となり意向を伝えており、柔軟かつ臨機応変に対応できる体制を整え、利用者のホームでの食生活を支えています。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1.入職後も理念や運営方針を職員に周知徹底することを期待されます
法人が目指すサービスのあり方を4つの「福祉の追求」という理念として事務所に掲示しています。また、法人の理念を基に施設の運営方針が作成されています。
入職時の研修だけでなく、安定した質の高いサービスを提供するためにも常時、全職員に浸透させる取り組みが必要です。理念・方針を事務所などに掲示するだけでなく、朝礼などでの唱和や訓示、毎日の日誌や議事録などに掲示、研修会での説明などで職員に周知徹底することを期待されます。

2.家族との交流連携を深めるためのさらなる具体策が期待されます
納涼祭、敬老親睦会のお知らせを郵送し、家族の参加を呼びかけています。家族面談は必要に応じて行っており、ケアプランの更新時期以外でも家族との交流連携に努めています。
今後は、家族との交流連携をさらに深めていくために、家族懇談会、介護教室の開催やインターネットに馴染みが少ない家族に向け、広報誌などの発行も期待されます。預かり金の定期的な書面報告に関しても検討改善が期待されます。

3.環境に配慮した方針を明文化することを期待されます
ごみの分別化や紙のリサイクルなど全職員の取組みにより、ごみの減量化が進み、環境配慮への意識や経費削減に努めています。今年度よりLED化の工事を始めると共に、より省エネルギー化を図っています。しかし、削減数値などの方針は理念や事業方針の中で明文化して公表していません。電気量や水道料などの数値から、前年比での削減数値を目標にかかげ、施設全体で省エネルギー化を促進し、その効果を明確にして取り組むことが期待されます。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

法人が目指すサービスのあり方を「利用者の幸福の追求・地域貢献の追求・職員幸福、職務環境の追求・未来を支える福祉」という4つの「福祉の追求」を法人の理念として事務所に掲示されています。法人の理念を基に具体化した「利用者の自立支援に努め、家庭的な心のこもったサービスにより安心して快適な生活を送る施設づくりを目指す」という運営方針を基に職員は日々支援に努めています。


4人部屋が10室と多床室がメインですがプライベートカーテンや家具などで仕切られ、個々のペースは確保されています。一人一人の馴染みのテレビなど持ち込まれ、ベッドの位置や向きも個別に配慮されています。一人一人の身体機能に合わせた危険防止の手すりや自分の力を活かした作品なども見られます。食堂のテーブルも利用者の身長に応じて用意されています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

利用者一人一人に対して利用者担当者制を採用し、利用者と職員との馴染みの関係を重要視し、利用者の要望や思いを引き出すよう支援しています。
サービス担当者会議には施設長はじめ介護主任・副主任・介護士・看護主任・看護士・管理栄養士・生活相談員など複種の職員が参加し、身体の医療情報やコミュニケーション能力、利用者のニーズ、課題など各面から把握しています。「施設サービス計画」及び「栄養ケア計画」を利用者及び家族の意向に沿って他職種共同で策定し、利用者及び家族の同意を得たうえでサービスを提供しています。


サービス計画作成・見直しを6ヶ月ごとに実施するよう、徹底しています。担当者会議開催カレンダーを作成し、ADLの低下やターミナルケアの開始時期など必要に応じて随時、会議を開き、変更しています。「栄養ケア計画」を本人及び家族の意向を反映して高齢者の低栄養状態の改善を行い、要介護状態の重度化を予防するよう努めています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

感染症対策委員会を中心として感染症対策を徹底して実施しています。10月から3月までを感染症予防強化月間として、手洗いの励行、施設内の消毒の徹底、面会方法など対策を実施しています。利用者や職員にインフルエンザワクチン予防接種を行い、感染症の発生を予防しています。汚物処理用のダムウェーターを設置し、汚物の運搬経路や保管場所を明確化し、清掃員の作業動線を区分しています。事故防止委員会、身体拘束廃止委員会、褥瘡防止委員会を3ヶ月に1回それぞれ開催し、全職員を対象に研修会を年に2回、実施しています。


苦情受付ボックスを玄関の事務室前に設置し、生活相談員の職員が気楽に相談を受けています。毎月、市の介護相談員が来訪し、第三者的な立場で利用者と話し合い、施設での生活やサービスに対する要望や苦情について聞き取り、職員と意見交換しています。玄関に「苦情解決に関する規定」を掲示し、内容や今後の対応については利用者・家族、職員に事業報告書の中で報告しています。


医療依存度の高い利用者の増加に伴い、ターミナルケアの実施体制を強化しています。利用者本人が終末期を迎えた場合や突然心肺停止状態になった場合の対応について家族の意向をアンケートで確認しています。

4 地域との交流・連携

施設を地域に開放した地域参加型の夏祭りは模擬店をはじめ、家族や地域の住民も多く参加されています。自治会のお祭りには、飲み物の冷却用にプラスチック製のプール(クーラーボックス)を貸し出し、協力しています。南太田二丁目町内会と防災協定を締結し、災害時の特別避難所として、受け入れ体制を整備しています。「南太田消防計画」に基づき合同防災訓練を実施し、常に火災や災害に対しての心構えを持つように努めています。


ボランティアや実習生の受入れマニュアルや手順などを整備し、積極的に取り組んでいます。近隣の傾聴ボランティアやコーラスや沖縄舞踊、バンド演奏、動物とのふれあい、高校生の茶道部の茶話会・美術部の似顔絵書きなど10団体以上を積極的に受け入れています。


社会福祉士介護福祉士の実習体験や教職員を目指す学生の介護体験、横浜市新採用職員活動の実習体験などに協力しています。また、近隣の福祉専門学校や医療秘書福祉専門学校、看護福祉学校などの実習生を継続的に受け入れています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

新聞やテレビで公になった事例など、不適切な行為を行わないよう、「倫理法令順守マニュアル」や「勤務心得」などをテキストに守るべき法・倫理などについて確認しています。法人のホームページには決算状況など公開し、透明性を図っています。ホームの玄関にも掲示し、職員や家族も閲覧しています。


施設長は年度初めに前年度の事業報告、新年度の事業計画を作成し、職員・利用者・家族に発表しています。利用者の日課や行事・レクリエーションに対する取り組み、食事・感染症対策などの健康管理、地域との交流・連携、職員の育成、施設環境の整備、防災・事故防止対策など施設運営に関して振り返りを行っています。インフルエンザやノロウィルスなど感染症の予防対策の活発化を図る感染症・食中毒予防委員会は看護師や介護士、栄養士、生活相談員など多複種の職員が参加し、取り組んでいます。


生活相談員は介護保険の改正や動向など事業の運営に関する情報を収集しています。施設長は市が隔月主催する施設事業部会に参加し、外部環境の変化など重要な情報について把握し、職員会議で検討しています。

6 職員の資質向上の促進

施設内研修は事故防止委員会や食事委員会などの各種委員会の委員が中心となって企画し、実施しています。施設外研修は上司の推薦により参加しています。外部研修に参加した場合は研修結果を活かすため、研修報告を提出し研修結果を部門ごとに共有しています。研修のテーマによっては各委員会が取上げ、参加者が講師となって施設内研修を行っています。

職員の専門性の向上を図るため外部研修に参加し職場の活性化につなげています。介護員には「喀痰吸引研修」、看護師は「喀痰吸引指導者研修」、ケアマネジャーは「介護支援専門員更新研修」、生活相談員は「ソーシャルワーク技術研修」、事務職員は「事務職員研修」、施設長は「高齢福祉部会研修」など各種・職務に応じて援助技術の向上に取り組んでいます。

人事制度マニュアルや目標制度の目標シートにより、職務の役割を明文化しています。サービス計画を作成するときの担当職員への権限移譲や感染症・食中毒予防委員会の委員長の責任など明確にしています。県社協老人福祉施設協議会が主催する「かながわ高齢者福祉研究大会」に参加し、優秀な成績を収めています。また、法人内の13施設における「法人内技術発表大会」においても介護技術の事例発表を行い、職員のモチベーションを高めています。

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