かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

竹の子学園(3回目受審)

対象事業所名 竹の子学園(3回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人明星会
対象サービス 障害分野 施設入所支援他
事業所住所等 〒 250 - 0052
小田原市府川752-5
tel:0465-32-7740
設立年月日 1994(平成6)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 推進機構評価項目ガイドライン準拠版
評価機関名 公益社団法人 神奈川県社会福祉士会
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

施設の概要:
 竹の子学園は、伊豆箱根鉄道大雄山線相模沼田駅から、徒歩で20分程度の、周囲を林に囲まれた静かな所にある。社会福祉法人明星会が平成6年4月に開設した障害者支援施設であり、定員は入所56名(男性32名、女性24名)及び短期入所4名である。鉄筋2階建ての建物で2人部屋29室と個室7部屋の造りである。明星会は現在当学園の他に、定員30名の通所施設竹の子ケアセンター(生活介護、自立訓練)、パン工房ハッピー(定員20名 就労継続支援B型事業及び就労移行支援事業)、9ヶ所のグループホーム(合計定員50名 共同生活援助)及び障害者相談支援センターを運営している。
 法人の基本理念に、「利用されるすべての方が安心して信頼していただける支援を行う、地域の一員として地域福祉の向上に貢献する、チームワークを重視した健全で活力ある行動をし福祉のプロとして自己研鑽に努める」を掲げている。神奈川県知的障害施設団体連合会の「あおぞらプランU」を遵守し、利用者の人権を守ること、個々の利用者のニーズに添った個別支援計画を作成し、ゆとりのある支援を行うことなどを施設運営の基本方針としている。社会の流れが変わっても法人として変わらない姿勢「利用者の方が地域に出て日常生活や社会生活を安心安全に過ごせるように支援すること」、その実現のための「目配り」「気配り」を大切にすることを施設運営の方針として日々の利用者支援に努めている。


優れている点:
@職員の資質向上のための研究発表会
法人として年1回来賓を招いて、「チームでひとつのものを作り上げる」「研究成果を文書で残す」「パワーポイントによる資料作成、発表に慣れる」を目的に研究発表会を開催している。研究成果をまとめた書籍出版や、外部で講師ができる職員の輩出を目指し、3年目となる平成28年度は、当学園からの人権やリスク対策など4件の発表も含め、法人運営の他事業所や法人本部などから計9件の発表があった。優秀作を、外部の事例発表会への参加を推薦するなど、職員の資質向上に努めている。
A「竹の子人権守ろう宣言」など人権擁護の取り組み
法人として「私達は理由なく『ちょっと待ってて』とはいいません」など具体的な12項目の行動指針からなる「竹の子人権守ろう宣言」を作成し、その中から月ごとにスローガンを定め「今月の人権スローガン」として掲示、毎朝のミーティングで復唱し職員の注意を喚起している。また、年に1回全職員に「人権チェックリスト」を配布し、自己評価と振り返りを行い、職員の人権意識の周知を図っている。
B個別支援計画に沿ったきめ細かい支援
年度初めに個別支援計画を策定している。アセスメントを実施し本人の日常生活、医療、行動面での支援ニーズを把握し、利用者・家族・成年後見人の意向や要望を尊重し個別支援計画に反映している。個別支援計画は、利用者本人の目線に立ち、できること、得意なことを伸ばすことを心がけ、利用者が分かりやすいよう挿絵を活用するなど工夫し作成している。また、必要に応じ、利用者個別に「入浴支援について(○○様)」などの支援マニュアルや、支援手順書を作成している。毎月開催している寮会議で、利用者1人ひとりの状況、課題や改善点を職員間で話し合っている。支援内容について半年ごとに、モニタリングし個別支援計画に反映している。
C日中・余暇活動の充実
日中活動として7班の作業班を用意し、利用者の希望を尊重し、能力や適性に応じて、班を編成している。農作業・陶芸・リサイクル解体作業・園内清掃・公園地域清掃・地域の方の畑手伝い・企業内ダンボール組立て・老人ホーム清掃等の活動をしている。休日は、希望者の買い物外出・ドライブ・公園での散歩や地域のイベントに参加している。また、月に1回ドライブ・映画・七宝・運動・リラクゼーションなどのクラブを用意し、それぞれ希望のクラブで活動をしている。クラブに所属せずゆっくり過ごすことも可能だが、現在は全員クラブ活動に所属している。他に一泊旅行なども企画し、生活の充実の工夫をしている。
D楽しめる食事の工夫
食事を楽しんでもらう事を大切に、選択食やイベント食の工夫をしている。選択食は、同法人運営パン工房の焼きたてパンか、ご飯の選択、及び主菜の選択を週2回実施している。主菜の選択は、食事を受け取るその場で現物を見て選んでもらっており、見た目が同じ様にならないよう盛り付けなど工夫している。また、6月・2月に、ハワイアン・パンケーキ、キーマカレーなど2種類のカレー(ナン付き)、数種類準備された中から9種類好きなものを詰める弁当食などのイベント給食、12月にクリスマスディナー、年2回寮ごとに焼き肉やパスタ3種類などの園内夕食会、年3回外食を実施している。


改善を要する点:
@マニュアル全体の整備
利用者の掃除作業班による「掃除マニュアル」や、個別の支援を定めた「清拭について(○○様)」など、利用者の活動や支援をとらえ工夫されたマニュアルが整備されている。他方、状況の確認内容などが支援員個人や支援グループに任されており、チェック表などを用いずに実施、また客観的な確認に至っていない状況が見受けられる。生活環境のチェック表や機器・設備の点検マニュアル、管理・実施マニュアルなどを体系化し、誰が見てもわかるよう、また管理の仕組みに沿ったマニュアル整備が望まれる。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 @施設の基本方針に「あおぞらプランU」の遵守を掲げ、利用者の人権擁護に努めている。また、独自に「竹の子人権守ろう宣言」を作成し、人権擁護に関する12項目の行動指針を定めている。虐待防止委員会で、各事業所の虐待防止マネージャーが事案を持ち寄り防止に努めている。
A職員は居室に入る時には必ずノックし、声掛けをしてから入室している。居室はほとんどが2人部屋であるが、構造上仕切りの設置は難しい。トイレにはドアがあり、また、女性用及び男性用浴室共にドア、入口にパーテーションを設置しプライバシーに配慮している。
B年に1回全職員に「人権チェックリスト」を配布し、自己評価を通じて振り返りを行っている。また、「竹の子人権守ろう宣言」の中から毎月スローガンを決め、毎朝声に出して読み周知を図っている。行動制限が必要な場合は、「虐待防止マニュアル」に則り、本人、家族及び成年後見人の同意のもと個別支援計画に反映させ、必要最小限で行っている。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 @年度初めに個別支援計画を策定している。アセスメントを実施し日常生活、医療、行動面での支援ニーズを把握し、利用者、家族及び成年後見人の意向や要望を尊重し個別支援計画に反映している。個別支援計画は、本人の目線に立ち、できることや得意なことを捉えて作成している。強度行動障害等の状態によって支援手順書や、必要な利用者に個別に支援マニュアルを作成し支援している。
A年1回の健康診断に加え、毎月内科健診、皮膚科診察及び精神科診療、4〜6か月毎に歯科検診を行ないアセスメントシートに反映させている。支援員に加え看護師、管理栄養士による寮会議において、健康状態や治療状況を確認し、必要に応じて利用者毎に「緊急マニュアル」や「発作マニュアル」を作成、情報及び支援内容の共有を図っている。また、利用者1人ひとりの栄養ケア計画を作成し、状況に応じた食事支援を行っている。
B食堂・浴室等の共用部分は良く清掃され清潔感がある。食堂の椅子・テーブルはすべて木製でぬくもりがある。施設内の生活に留まらずスーパー、レストラン、図書館、プール、公共機関など地域の資源を活用し、利用者個々の興味に合わせ、おしゃれや、コンサート・映画などに出掛け、少しでも自立し、地域移行することを目標に支援している。
3 サービスマネジメントシステムの確立 @車椅子の操作や、トイレ掃除の手順を記したマニュアル等を寮支援室に置き、必要な都度見直している。居室は、職員が毎日清掃を行い、廊下・浴室などの共用部分は、利用者の掃除作業班と職員が毎日清掃をしている。年3回建物などの害虫駆除を実施している。毎月利用者と季節にあった壁画を食堂に作成し、季節を感じられるよう工夫している。
A施設独自の「出来事報告書」を準備し、事故やインシデントに加え、小さな出来事も見逃さないよう軽微なインシデントを「びっくりホッと」とし、発生内容を寮会議・職員会議で分析し、毎月のリスクマネジメント委員会で更に改善すべき点はないか確認し大きな事故につながらないように取り組んでいる。利用者毎のリスク管理は、寮会議で医療面、栄養面を含め課題を検討し、個別支援計画に反映し支援している。
B「苦情解決規程」を定め苦情解決の仕組みを明確にしている。苦情解決責任者、苦情受付担当者及び第三者委員の配置に加え、オンブズマンによる相談会を定期的に行い、利用者の意見をくみ取っている。利用者による「たけやぶ自治会」を組織し、利用者の意見が給食会議などに伝えられ、生活環境の改善が図られている。
C「感染症予防対策マニュアル」等のマニュアルを整備し、医務室と各寮に設置している。新任研修で研修を行うとともに、看護師が年1回法人全体の職員会議で、救急救命、感染症や誤嚥時の対応などについて研修を行い全職員の周知を図っている。また、感染拡大を防止するため、嘱託医と連携を図り、地域の感染情報の提供や施設内の消毒を実施している。
D火災避難・土砂・水害・地震対策マニュアルを作成し、毎月の消防機器設備点検の他、年3回地震と火災を想定して避難訓練を実施、非常時対応の整備を図っている。BCP(事業継続計画)を作成し、災害時に事業活動を継続する方法や組織体制を計画している。「災害時における要援護者等の緊急受け入れに関する基本協定書」を小田原市と締結している。
4 地域との交流・連携 @年1回開催する竹の子祭に地域の方々を招待している。バザー、模擬店、ゲームコーナー、陶芸の体験コーナー、農作物や陶芸品の販売、地元商店の販売に加え、法人の各施設紹介のブースや広報紙「竹の子だより」の配布など、施設や福祉を知る機会を提供している。祭りには、毎年地域の方が300人ほど訪れている。また、地域行事(夏祭り・敬老会等)には都合のつく限り、職員と共に利用者が参加している。
Aボランティア登録制度があり、メーリングリストにより活動内容や活動状況を伝え、ボランティアの募集を行っている。竹の子祭では、予めボランティア登録をしていた方を中心に、実習に参加した学生や地域の方々約40名が模擬店等の各ブースで活動した。定期的なボランティアとして、七宝焼きの講師が来所している。
B他施設など福祉現場で働く方と共に学ぶための研修「スキルアップ&ネットワーク研修」を年4回開催している。職員の資質向上のみならず、高齢・障害・児童の職場や、専門職の壁を取り払ったネットワークを作りながら、スキルアップを目指している。パン工房で作ったパンを、地域近隣の施設や小田原市役所・南足柄市役所等に訪問し販売している。また、日中活動で作成している陶芸作品を、小田原市役所へ訪問販売や地域のお店に置かせてもらい販売している。
5 運営上の透明性の確保と継続性 @法人の基本理念に、利用されるすべての方が安心して信頼していただける支援を行う、地域の一員として地域福祉の向上に貢献する、チームワークを重視した健全で活力ある行動をし福祉のプロとして自己研鑽に努める、を掲げている。神奈川県知的障害施設団体連合会の「あおぞらプランU」を遵守し、利用者が望む「良質なサービス」の追求、利用者の自己選択・自己決定の重視などを施設の事業方針としている。
A不法行為等の防止について、毎年度全職員を対象に「人権チェックリスト」を用いて自己評価を行い、支援の振り返りを行っている。「竹の子人権まもろう宣言」の中から月毎に一つスローガンを掲げ、毎朝声に出して読み上げ確認している。また、スローガンは玄関はじめ各寮の掲示版に貼り、職員への意識づけを行なっている。
B3年に1回、福祉サービス第三者評価を受けている。その際は評価項目についてリーダー・サブリーダー、看護師、管理栄養士が中心となり、全職員で自己評価と振り返りを行っている。第三者評価の結果は、家族会で報告するとともに、竹の子学園のホームページで公表している。
6 職員の資質向上の促進 @法人として、「チームでひとつのものを作り上げる」「研究成果を文書で残す」「パワーポイントによる資料作成、発表に慣れる」を目的に、研究成果をまとめた書籍出版や、外部で講師ができる職員の輩出を目指し、年1回来賓を招いて研究発表会を開催している。平成28年度は、当学園からの4件の発表も含め、人権や相談支援など9件の発表があった。優秀作を、外部の事例発表会への参加を推薦するなど、職員の資質向上に努めている。
A新任研修や年度初めの辞令交付式において、理事長が理念・方針について説明している。研修は、採用年度にOJTを実施、OFF−JTとして職場内研修と研究会、職場外研修を実施、及びSDS(自己啓発研修)を支援している。ケースワーク技法など基本的な援助技術や面接技術に関する研修は、年間計画のもと外部研修を活用している。
B職員は、年度初めに「業務・研修計画シート」を作成し研修テーマを決め、衛生管理、発達障がい、人権、食中毒に関することなど、職種や経験年数に応じた様々な外部研修を計画的に受講している。受講者は研修の内容、所感を記載した研修報告書を提出し、職員会議において伝達研修を行っている。研修報告書は閲覧できるよう事務室に保管している。研修実績について中間・年度末に評価を行ない、管理者のコメントを通じて自己のスキルアップにつなげている
C保育実習、社会福祉士実習、ヘルパー実習等について、実習生担当職員を配置し、「実習生担当マニュアル」にもとづき受け入れている。年間を通して約20校の保育や社会福祉校から実習を受け入れている。また社会福祉士実習については実習指導者講習を受講し、受け入れの態勢を整えている。

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