かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

藤沢市立小糸保育園

対象事業所名 藤沢市立小糸保育園
経営主体(法人等) 藤沢市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 251 - 0861
藤沢市大庭5103-3
tel:0466-87-9121
設立年月日 1982(昭和57)年05月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 神奈川県社協版
評価機関名 株式会社 ケアシステムズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<優れている点>
1.子どもの発達課題に応じたきめの細かい指導計画書が作成されている
・年間指導計画、月次指導計画などは、藤沢市で定めた保育課程に沿い子どもの発達過程をもとに担当の職員により作成されている。月次計画は個々の子どもの養護や教育上の発達課題を明確にした上で、保育の方針をきめ細かく決めている。子どもの日々の状況については、必要に応じて連絡帳や朝夕の送迎時を通じて保護者に詳しく伝えるように努めている。


2.子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
・指導計画に個人別に配慮すべき事項を記入し、日誌などについても人権尊重を含めて評価反省に努め、子どもの状況や関わり方については職員間で共有できるようにしている。家庭の諸事情については、職員が共有し統一された支援を行うように心がけている。外国人家庭などの文化、風習、食生活の違い、宗教、思想信条による考え方の違いを考慮した上で、個別に保護者と話合い、可能な限りの配慮に取り組んでいる。また、「人権」をテーマにした研修へ参加し、注意喚起を促している。


3.空間づくりの一環として「コーナー遊び」に力を入れている
・子どもの自主性に任せ、一定時間は自由に活動する時間帯が設けられているほか、各クラスの一角には「コーナー遊び」の場が設けられ、おままごと遊びや静かに遊べる空間となっている。長い時間を有効に遊べるかをテーマとし、角度を変えた遊びの捉え方に取り組んでいる。様々な疑似体験ができるように年齢に合わせた落ち着ける場を設けており、より楽しめる・より安定した時間を過ごせる・より年齢に合った遊びができる空間づくりに取り組んでいる。また、各クラス内では発達に応じた玩具や遊具で、多様な遊びが展開できるような配慮も行っている。


<独自に工夫している点>
1.子どもが自主的に関わり、自己決定できる環境がある
・園では、朝の登園後から適宜子どもが自ら遊び道具を選んで、自由に活動する時間を設定している。クラスで仲間と遊ぶ子どもや、異年齢の子どもが集まり遊ぶ姿もある。また、絵本の読み聞かせでは、3歳児から5歳児を対象にした合同の「絵本の読み聞かせ」を行っている。保育士はスペースを設置し、絵本を選んで子どもを待っている。保育士は毎回緊張感を持ちながら、子どもが飽きずに継続できるよう常に工夫しながら取り組んでいる。


2.食事や食育に関する詳しい情報提供に取り組んでいる
・市役所の保育課に在籍している栄養士が月1回園を巡回訪問しており、保育士や調理員と給食に関する打ち合わせ会を開催し、メニューや味付けについて検討している。給食の献立メニューや食育に関する情報を提供するためにお便りを定期的に配布している。味覚は乳幼児期に作られるということから食事の大切さや、食材などの工夫、だしの取り方などの園での給食への取り組みを分かりやすく、イラストなども取り入れている。給食の食材産地表を掲示したり、給食のサンプルも展示して保護者への詳しい情報提供に取り組んでいる。


3.入園時には面談などを通じて子ども一人ひとりの状況を詳しく把握して保育に役立たせている
・子ども一人ひとりの健康状態、既往症、アレルギー、家庭状況、必要な事項などは入園児の個別面談で詳しく聞き取り、児童票に記載し把握している。家庭や発育の状況は保護者に記載して提供してもらうとともに記載内容を点検し、必要に応じて保護者に確認を取るようにしている。さらに、保護者の就労状況に合わせ、可能な時間と回数で慣らし保育を実施するなど、子どもが無理なく新しい環境に慣れるように配慮している。また年度途中に入園した場合には、保育計画に添って段階を踏み、新入園児と同様に対応することにしている。


4.ヒヤリハットに関する職員の意識をさらに高めることを目指している
・全職員が安全管理についての意識を持つため、マニュアルには安全管理に関する項目が設けられ、事故などの緊急時の対応方法に関する手順を決めている。また、安全管理に関する研修に職員を必要に応じて参加させ意識の高揚に取り組んでいる。事故防止ではヒヤリハットの提出で、職員会議などの場を通じて検証しながら再発防止に努めている。さらに園内の危険箇所の再確認を図り、事故やけがが発生しないように職員が一人ひとりヒヤリハット意識を高め、個人差がないようにしていくことを目指している。


<改善すべき事項>
1.保護者と職員のさらなる意見交換が望まれる
・園では、定期的に保育参観、保護者会、個人面談などを通じて保育に関しての保護者の考えや提案を聴いたり、子どもの発達の過程での問題に関する勉強会を開催したりしている。ただし、今回行った保護者のアンケートでは、保育園に満足している意見とともにさまざまな意見も出されている。職員間での統一した対応や、さらなるコミュニケーションが必要と見受けられた。保護者の意見には真摯に向き合う姿勢があることから、今後の対応に期待したい。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 藤沢市立保育園共通の保育課程をはじめ、「藤沢市人権施策推進指針・子どもの人権を尊重するために」「藤沢市児童育成計画・基本計画」「児童虐待防止ハンドブック(神奈川)」「保育園のしおり」などに人権への配慮を明示しており、園内外の研修や職員会などを通じて周知に努めている。


A 人権目標、児童憲章を園内に掲示して、いつでも確認できるようにしたり、人権研修に参加して理解を促している。個人情報の保護に関しては藤沢市の条例を踏まえ、「保育園のしおり」に明示して入園時に説明して了解を得ている。


B 保育士として、守るべき法・規範・倫理などは、職員会や園内外の研修で関連資料を読み合わせたり、年2回人権チェックリストを実施して理解を深めている。また、人権の担当者を設置して意識の高揚を促している。今回行った保護者アンケートの「子どもは大切にされているか」や「子供は保育園での生活を楽しんでいるか」などについても高い満足度が得られていた。


C 3歳児からトイレを男女間で別にしたり、プール遊びの際の着替えやシャワー時には目隠しをして、プライバシーや羞恥心に配慮している。また、保育の中では「ふわふわことば」や「とげとげことば」などについて話し合う機会を設け、言葉と気持ちの大切さを伝えている。


D 個々の家庭の生活習慣や価値観、保護者の特性等は、日々の関わりの中や個人面談で把握し、柔軟な対応に努めている。また、虐待や育児困難家庭などをテーマとした研修に参加し理解を深めている。虐待を防止する見守りネットワークから情報を収集し、さらに虐待の事実を把握した際には関係機関と連携を図りながら支援する仕組みも整っている。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 子ども一人ひとりの発達の過程や生活環境などは、個人面談やクラスでの話し合いなどの機会を通じて全体的な姿を把握している。子どもが主体的に周囲の人やものに働きかけることができるよう、子どもの置かれている環境に応じて、また発達の状況に配慮した保育に取り組んでいる。乳児は月齢や発達に応じた少人数のグループ保育に取り組んでいる。また、各種の話し合いによって、子ども一人ひとりの状況について時間をかけて情報共有に取り組んでいる。


A 子ども同士のトラブルに関しては、それぞれのケースに合わせ、話し合いの場を設定するなど、保育士は仲介役となり相互の気持ちを受け止めながら代弁している。障害も一つの個性と尊重できる環境作りに配慮している。発達の過程で生じる子ども同士のけんか・かみつき等に対し、子どもの気持ちを尊重した対応に努めている。設備的な問題もあるが、環境構成の工夫によってあらゆる場面での対応ができるよう、職員がスキルアップに力を入れている。


B 落ち着いた環境の中で個々の発達・成長・興味に応じたあそびを展開して、子どもの感性が豊かに育つように働きかけている。また、子どもが気づいたことや感じたことなどを言葉で表現できるように声かけなどに努めている。保育士は、子ども一人ひとりの個性を理解し、思いや甘えを受け止めることで自分が認められ大切にされているという肯定感が持てるような配慮を心がけている。


C 登園時には保護者に声をかけながら、健康状態、睡眠状況、食事摂取量など家庭での子どもの様子を確認している。状況に応じて個別の対応に取り組んでいる。乳児では口頭での聞き取りのほか、連絡帳の活用で個別に配慮している。保育に支障がない限り、お迎え時においても、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに詳しく伝えることを心がけている。担任からの引き継ぎ事項を確実に伝え、家庭での保育に役立たせてもらえるようにしている。


D 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう、日々子どもの様子を伝えている。また、個人面談や保護者会で助言している。個別の発達段階に応じて、食事に関しては食べ方や箸の持ち方、正しい姿勢を保つ、そして言葉を大切にするよう子ども達に伝えている。排泄ではトイレトレーニングが始まると、保護者と相談・助言しながら連携を図り、スムーズに移行できるよう配慮している。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 入園時の個別面接では、健康上の留意点、離乳食の進度、アレルギーなどを聞き取り、児童票、食物アレルギー面談記録、職員会議記録に落とし込み、職員間で共有できるようにしている。担任以外がシフトを担当しても安心してあずけられるように、詳しい把握に努めている。利用開始直後には、保護者との連携を特に密にし、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している。また、保護者の就労状況に配慮しながら、希望者には慣らし保育を実施している。


A 年間指導計画は、藤沢市保育課程を踏まえて養護と教育の各領域を考慮して作成しており、子どもの発育状況や保護者の希望を尊重して必要に応じて適宜見直している。計画は職員会での検証をもとに作成し、4月の保護者懇談会で説明している。また、指導計画は期ごとの反省に取り組んでおり、見直しの時期・手順等の基準も定められている。


B 保育時間は、7時〜18時の通常保育に加え、18時〜19時の延長保育を実施しており、保護者の勤務時間や家庭の事情にあわせた柔軟な対応がなされている。延長保育では補食を提供して就労支援や子育て支援につなげている。また、保護者の急な残業や変更等に対しては臨機応変に対応している。保護者アンケートの「開所時間内であれば柔軟に対応してくれるか」の設問に関しても概ね高い満足度が聞かれていた。


C 職員会で、市の園長会・市の担当課での決定事項の報告が適宜なされている。園運営に関する重要な案件は、主査会議、園長・主任話し合い、職員会などにおいて検証し決定している。各会議で検討したことや決定事項は会議録として、事後に確認できるようにしている。また、保護者に対しては、保護者懇談会での説明や、たより、掲示物等で知らせている。


D 月単位、四半期ごとに評価反省では課題の明確化を図り、次期の計画策定にあたり職員が十分意見を出し合えるような会議や話し合いの運営を心がけている。役割分担一覧表や仕事分担表などを明示しており、年間行事予定については年度初めに保護者に配布して周知している。また、保護者との日々のコミュニケーションや、行事・公開保育後のアンケート結果を計画に盛り込むことに注力している。


E 災害時を想定した引き渡し訓練をはじめ、防災・防犯訓練計画を職員会で検討し、回覧・掲示で周知に努めている。防災訓練は消防署、防犯訓練は警察の協力を得て内容を十分検討し実施している。訓練実施計画書を会議や回覧・掲示等で周知し、より効果が上がるように努めている。安全に関しては、安全衛生点検表や安全確認表に記載して確実に実施している。


F 「藤沢市立保育園における意見・要望等解決実施要領」に沿って、「意見・要望等解決の仕組みについて」を掲示し、園における苦情・要望の解決責任者、受付担当者を設定している。登園やお迎え時、保護者会、個人面談などの機会を通じて意向、要望、苦情などを把握し、職員会などで検討し迅速に回答することに努めている。また園での解決が困難な場合には、第三者委員がいる藤沢市市民オンブズマン制度や神奈川県保育会保育園利用者相談室などを利用できることを説明している。

4 地域との交流・連携

@ 地域に開かれた保育園として地域の親子(未就園児)が遊びに来られるように年9回程テーマを決めて地域交流「あそびにきてね」を開催している。また、園庭開放を月〜金10:00〜12:00・14:30〜16:30に実施しており、在園児と一緒に遊べるようにしている。広報としては、掲示板、携帯子育てメール、ホームページで発信している他、公立保育園子育て連絡会を設置して、子育て情報を載せたパンフレットを公共施設にて配布している。


A 世代間交流の一環として、民生委員の協力のもとに地域の高齢者を招待し、幼児が歌や遊戯を披露して一緒に食事をする機会を年8〜9回設けている。また、ボランティアが園に訪れ、お話会を開いてくれたり、市民センターで絵本を読み聞かせてくれる機会を設けている。また、市民センターから絵本を借りられるようにもなっている。


B 保育実習生、看護学生、中高生の保育体験を受け入れており、保育に関心のある学生などに体験をしてもらい次世代への育成を図っている。また一時保育をはじめ、ふれあいコーナー(あいあい)に年9回参加し、育児相談に応え子育てガイドやアドバイスに取り組み地域の要望に応えている。また、地域のふるさと祭りにおいて園の紹介などにも取り組んでいる。


C 育児相談、保育園見学は随時受け付けており、地域の子育て家庭を支援することに取り組んでいる。特に、見学の問い合わせについては、保護者の状況に合わせて日程を調整し、原則的にはいつでも対応することにしている。保護者の知りたいこと、要望などを丁寧に聞き取りながら、重要な案件を分かりやすく伝えることにしている。また、地域の子育て家庭のニーズを把握するために質問・要望などを記録することにしている。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 藤沢市のホームページに園の概要、保育目標、年間行事、園の生活状況などの園に関する情報が掲載されている。内容は写真で見ることもでき、「保育園にあそびにきませんか」「すこやかメール」などのパンフレットを市民センターや地域子どもの家、市役所に常置している。 


A 「保育園のしおり」には、保育の基本姿勢(保育目標、理念、プライバシーの保護、人権擁護など)をはじめ、年齢ごとの一日の過ごし方や用意する物なども掲載され、卒園までを想定した詳しい情報を伝えている。初めて子育てをする保護者にも内容が理解しやすいような文章で構成されている。入園面接ではしおりに沿って、園の保育理念、保育目標を説明するほか、必要品などを具体的に説明している。


B 入園児の個別面談をはじめ、年2回の保護者懇談会、公開保育、個人面談などによって、意向や要望の把握や園からの伝達事項を伝えコミュニケーションを図ることにしている。職員の乳幼児クラスの話し合いでは、子ども一人ひとりの特記事項などを共有し、職員間の相互理解を深め意思統一を図っている。各種のアンケート結果は、園内掲示によって都度保護者にフィードバックし、改善への取り組みも合わせて伝えている。


C 登園時には保護者に声をかけながら、健康状態、睡眠状況、食事摂取量など家庭での子どもの様子を確認し、状況に応じて個別の対応に取り組んでいる。乳児では口頭での聞き取りのほか、連絡帳の活用で個別に配慮している。降園時が担任以外の場合は、遅番の職員が担任からの申し送りを保護者に口頭で直接伝えている。子どもの様子は連絡ノートに記載のほか、各クラス掲示板にクラス担任が一日の子どもの様子や保育内容を書き確認できるようにしている。

6 職員の資質向上の促進

@ 藤沢市の担当課と人事課が連携して、定期的な新卒採用や市内保育園のローテーションなどによって、適材適所な人員配置になるようにしている。人事制度に関する方針は、就業規則や人事考課制度に明示されており、入職時の説明や関連書式を配付して周知している。また、年度末には、園長と主任が職員各自の要望、年齢、経験を踏まえ、人材育成を考えクラス担任を決めており、保育士の育成を重点に置いた職員配置方針を採っている。


A 職員各自の目標は人事評価の目標設定シート・目標管理シートで明確化し、共有しながら達成できるように努めている。目標に向かって一人ひとりが努力するように明示されており、加えて園内研修や園内研究で積極的に学習し、自己研鑽を重ねるように日頃より指導している。また、職員一人ひとりの研修成果は、園内研修でそれぞれが学んだことを発表したり、職員会にて研修報告をして共有に努めている。さらに、若年層の職員が積極的に保育に取り組めるような指導を目指している。


B 職員会では、日々の保育のねらいを明示したり、各行事の目的を事前に全職員で改めて確認したりしている。行事ごとの評価・反省や、他園の取り組みを参考にしながら、計画の策定・見直し・次年度計画を策定している。準備期間のかかる行事の場合は、途中で確認作業を行い修正しながら進めている。「役割分担一覧表」や「仕事分担表」には、それぞれの担当者とその業務内容を明示している。保護者が参加する行事については、アンケートを参考に場所や時間を設定して、より多くの参加が得られるようにしている。


C 市の職員研修概要には、職制としての段階別研修及び保育に関わる研修が計画されており、職制別に求められる姿、必要とされる知識、技術が明文化されている。それに沿って「職場研修年間計画書兼結果報告書」で評価し、職場外研修も計画されている。また、第三者評価の自己評価を園内研修の一環として位置付けて、保育に関わる5領域別にチーム編成をして、プレゼンテーションを実施している。

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