かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

第二尚花愛児園

対象事業所名 第二尚花愛児園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 仁成会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0053
港北区綱島西1-16-27
tel:045-542-2004
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 第二尚花愛児園は、東急東横線綱島駅から徒歩で7分ほどの位置にある、平成27年4月開所の私立保育園です。近くには自然豊かな公園が多く散歩コースに恵まれています。保育方針に「明るくバイタリティーのある、思いやりに満ちた豊かな心を持った子どもを育てる」を掲げ、保育士、栄養士、看護師が協力して保育を進めています。定員は90名(0〜5歳児)、開園時間は、平日は7時から20時、土曜日は7時から18時です。保育の中で、体操教室や英語遊び、習字、知育教育を行うほか、地域の伝統行事に積極的に参加するなど、体力や感性を育てる保育をしています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○思いやりに満ちた豊かな心を持った子どもを育てることを心がけて保育を行っています
 「明るくバイタリティーのある、思いやりに満ちた豊かな心を持った子どもを育てる」ことを保育方針として掲げています。その保育の特色として、綱島の民俗と伝承を大切に、伝承遊びや伝承行事を大切にした保育を行っています。また、基礎体力を養うため3〜5歳児クラスでは体操教室を取り入れ、他国の文化を敬う気持ちを育てるため2〜5歳児クラスでは外国人講師による英語教育を取り入れています。その他、専門講師による月1回の習字、教育文化施設を訪ねる知育教育、さまざまな製作、異年齢のふれあい保育や食育を取り入れ、子どもたちが意欲を持って行動できるよう心がけて保育を行っています。


○子どもたちが安全に伸び伸びと活動できるような環境づくりに力を入れています
 園庭には芝生が植えられており、遊ぶときには必ず安全確認をしたうえで、裸足で遊んでいます。思いきり走り回ることができ、転んでも痛くないようです。各保育室にウッドデッキが設けられ、2階には広いホールがあり、雨の日でも思いきり遊ぶことができます。和室では伝承遊びなどをゆっくり楽しむことができます。玄関には図書のコーナーがあり、絵本が見やすいように展示され、送り迎えのときに保護者といっしょに本を借りたり、本を読む姿が見られます。0〜2歳児の保育室には、常に保育士がいっしょにいられるように、子どものトイレの隣に保育士用のトイレが設置されています。子どもたちが安全に伸び伸びと活動できるような環境づくりに力を入れています。


○全職員が理念や保育方針を理解し、全園児を把握して、子どもの主体性を尊重した保育を行っています
 理念、基本方針ともに、新年度の新規職員研修や職員会議で周知を図り、職員全員が理解しています。新入園児に関しては、入園面接後に職員会議を開き、全員で情報共有を行っています。日々の保育では、子どもの要望に合わせて日案を変更したり、気づきを学年会議で話し合い保育に取り入れています。園長や統括は保育室に入って、職員の保育の様子を観察し、職員会議で子どもの自主性や主体性をどのように育てればよいかを話しています。月間指導計画は、毎月学年会議を開いて振り返り、目標の確認や、子どもたちの様子や今後の方針について話し合い、記録の内容は職員会議で周知され、全員が共有できるようにしています。これらの取り組みを通して、全職員が全園児を把握し、子どもの主体性を尊重した保育を行っています。


《事業者が課題としている点》
 人材育成が今後の課題と考えています。理念の実現や保育の質の向上に向けて、職員の良いところを取り上げて褒めたり、各職員のスキルを見極めクラスで補い合うなど工夫をして、職員の意欲の向上を図る考えです。またOJT(職場内研修)ができる職員を育成し、職員間の連携を深め、全職員一丸となって園を盛り立てることを目ざしています。さらに、開設して2年目となるので、園の特色や柱となる行事などを確立し、より充実させたいと考えています。保護者の意見なども柔軟に取り入れながら、園としての思いは芯を持ち、意見を出し合いながら園全体で計画に携わり、子どもや保護者はもちろん、職員の達成感も得られるように取り組みたいです。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  第二尚花愛児園の保育理念は「社会福祉施設としての使命感を持ち、事業の社会的重要性に鑑み、叡智を持って応えてゆく」「高齢化社会、福祉社会を担う、心身ともに逞しく心優しい青少年を育成するために情操保育(教育)を基本としている」、保育方針は「明るくバイタリティーのある、思いやりに満ちた豊かな心を持った子どもを育てる」となっています。保育理念や保育方針は法人のものと同様の内容になっています。理念、保育方針ともに、新年度の新規職員研修や職員会議で周知を図り、職員全員が理解しています。理念、保育方針および保育目標は明文化され、園内、園外に掲示されています。また保護者にも配付しています。
 子どもを呼ぶ際には、どのような呼称で呼んでいるかを入園前の面接で確認し、保護者が呼ぶのと同じように呼んでいます。子どもを急かしたり、強制したりしなくて済むように、時間にゆとりを持った保育を心がけています。言葉遣いやトーンについて、園長は保育に入った際に職員の発言を注意深く聞くようにしています。子どもの人格を尊重し、発言を聞くために、意思表示のつど、子どもの目線に立って話を聞くようにしています。子どもどうしのトラブルには、できるだけ指導的な態度はとらず、本人たちで話し合い、解決できるように心がけています。子どもの人権について、「職員の心得」「業務マニュアル」に記載し、職員会議で話したり、事例研修などを行っています。
 ホールの一角や事務所の奥、図書コーナーなど、ほかからの視線を遮ることができる場所があります。必要に応じて和室を使うことも可能で、保育士と子ども一対一で話し合ったり、気持ちを切り替えたりすることができるようになっています。子どもが落ち着いて遊べる空間があり、図書コーナーなど、一人になれる場所もあります。異年齢交流の時間も含め、どのクラスの子どもとも職員はかかわる機会があります。そのため、子どもたちはどの職員とも親しく、職員全員で子どもを見守る体制ができています。おねしょの始末は、ほかの子どもにわからないように保育士がそっと片付けていますが、子どもたちは気にしていない雰囲気になっています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育課程を「第二尚花愛児園のしおり」の「V提供する保育の内容」に明記しています。保育課程には保育理念や保育方針、保育目標が示され、子どもの最善の利益を第一義とし、一貫性のあるものとなっています。また、園のある地域は古くから栄えてきた地域であるため、地域の伝承遊びや暮らしの中に生きてきた生活習慣、四季折々の伝承行事を大切に保育に取り入れることを特色としています。保育課程は年度末に職員全員が読み合わせて内容を確認し、新年度に臨みます。保護者へは、保護者説明会や重要事項説明書を配付する際に、保育課程の内容を説明して理解を求めています。
 保育課程に基づき、年齢ごとに指導計画を作成しています。子どもの意見や意思を尊重するために、言葉で理解できる子どもには、職員が一対一となってかかわるようにしています。言葉で表現することがまだ十分にできない年齢の子どもには、顔を見合わせて表情や態度から子どもの意見や要望をくみ取ったり、理解できた内容を言語化して表現して子どもの意思を確認することもあります。園長や統括は保育室に入って、職員の保育の様子を観察し、職員会議で子どもの自主性や主体性をどのように育てていけばよいかを話しています。職員は、子どもの要望に合わせて日案を変更したり、気づきを学年会議で話し合い、その後の保育に取り入れています。
 3月をめどとして日程を決め、保護者面接を行っています。決めた時間割通りに来園できない保護者には、日程変更して対応しています。面接の際には年齢や発達の段階に合わせた面接表を基に、子どもの状況や家庭環境などを把握するようにしています。保護者には、アンケート形式の健康状態や生活の資料を提出してもらいます。入園前の園案内の際に子どもを観察し、必要に応じて担任だけでなく栄養士などが面接に同席するようにしています。個人の資料や面接の記録は、個人別にファイリングしています。面接後職員会議を開き、全員で情報共有を行い、指導計画作成に生かしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  年齢ごとに年間、月間指導計画、週案、日案があり、子どもの発達や状況に応じてそれぞれの担任が作成しています。年間指導計画は4期に分けて振り返りを行い、園長と総括の確認後、見直しと評価を行っています。月間指導計画は、毎月学年会議を開いて振り返り、目標の確認や、子どもたちの様子や今後の方針について話し合っています。指導計画の評価と改定にあたっては、日々の送迎時のやり取りや連絡帳などを使って保護者の意向を確認したり、アンケートを実施して要望や苦情を聞き取っています。保護者の意向や要望は、担任が統括や園長に相談して、可能であるものは速やかに対応し、園だよりや各種お知らせで対処の結果を報告しています。
 個人別発達記録があります。内容は健康記録、予防接種、定期健診等身体の記録と、個人別の成長発達記録となっています。記録は入園後1か月ごとに更新され、個別にファイリングされています。家庭の状況や傷病の記録等、特筆する必要のあるものは、発達記録に特記として記載しています。記録の内容は職員会議で周知され、全員が共有できるようにしています。施錠できる共通の場所に保管していますが、コンピュータ上でも発達記録内容を確認することができます。毎日の子どもの状態や保育の状況は日誌に記録し、申し送り時にも伝達漏れがないようにしています。進級時には新年度の担任が、着任前に記録を再確認できるようにしています。
 「保育所における食物アレルギー対応マニュアル」があり、「生活管理指導表」の提出をした子どもには除去食および代替食を提供します。かかりつけ医の診断や指示に基づいて、食物アレルギー対応表を作成し、除去が必要な食材と対象となる子どもを名簿にまとめています。アレルギーのある子どもには、食事の際は赤いベストを着用させ、指定の席に座らせて、専用のエプロンや口拭き、テーブル拭き等を用意し、専用食器や名札を使用します。保護者とは毎月、園長や統括、栄養士がメニュー打ち合わせを行い、保護者に確認表を提出してもらっています。担当者は横浜市こども青少年局の研修を受け、他園のヒヤリハット事例も参考にして事故防止に努めています。
4 地域との交流・連携  園は港北区のベビーステーションであり、地域の子育て中の人がおむつ交換や授乳のために、いつでも利用できることを掲示しています。子育て支援活動や夏祭りなど行事への参加も、園や地域の子育て支援のNPOのホームページや掲示板などで開催日程や内容を知らせて、呼びかけています。夏祭りについては参加のお誘いだけでなく騒音も懸念されることから、近隣周辺にはチラシを配布しています。平日毎日行っている育児相談だけでなく、子育て支援活動への参加者からは感想や要望を聞き取り、保育へのニーズを把握しています。地域の児童福祉委員や小学校のPTA会長等をメンバーとした地域の子育て支援部会や綱島地区子育てネットワークに参加して、地域の子育て支援について検討や研究を行っています。
 地域の子育て支援ニーズおよび園の役割については、年度初めの職員会議で職員に周知しています。子育て支援担当職員と協議して、子育て支援事業の運営や企画を行っています。園の専門性を生かして、一時保育や交流保育および園庭開放を行っています。親子教室として「あそび広場」を、園のホールを開放して年10〜15回開催しています。1〜3歳児の定員30名、事前登録制で、手遊びや歌、体操、リトミック、ペープサート、パネルシアター、絵の具遊び、ごっこ遊び、絵本など、7月から3月を期間として計画しています。参加者は、保育士から育児アドバイスや親子での遊びかたなどを学んだり、仲間づくりの機会となっています。また、親子体操や親子ヨガ、栄養士のおやつ作りなど食育講座も開催しており、いずれも定員を超える参加希望を得ています。
 園では希望に応じて1回5組まで1時間程での案内会を開催することをホームページで知らせています。問い合わせには、基本方針や保育内容の説明と見学できることを伝え、パンフレットを配付しています。基本方針や利用条件、保育内容についての電話での問い合わせ対応および見学案内は、主任や園長に限らず、全職員だれもが、重要事項説明書「第二尚花愛児園のしおり」に基づいて説明しています。サービス内容の詳細や料金、持ち物、職員体制など、質問が多い内容は別紙にまとめてあり、パンフレットとともに手渡して説明しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  園のホームページには、園の概要や保育内容、施設案内を掲載して広く発信しています。「あそびの広場」のバナーや「お知らせ」では新情報を更新しています。パンフレットは、園の概要や具体的な保育内容、給食などを明記しています。いずれも保育の内容や特徴について子どもたちの写真を掲載し、わかりやすく発信しています。パンフレットは港北区の相談窓口や地域の子育て支援の拠点に配付しています。子育て支援関係のNPOのホームページや冊子に、当園の情報が掲載されています。地域情報新聞から取材を受けて、食育講座や移動動物園開催の様子が掲載されています。
 職員が守るべき法・規範・倫理等については「職員の心得」にまとめて全職員に配付し、毎年の研修や会議、園長面談時に周知し理解を確認できています。個人情報の保護に関する方針や取り扱いについては、特に年度初めに理解を深めています。経営、運営実績については園のホームページで公開し、園だよりに、年度初めと年度末の保護者アンケート結果および園の自己評価を掲載し運営状況を公開しています。他園や福祉業界での不適切な事例等は、記事を掲示したり職員会議で意見交換するなど、注意喚起の機会をもっています。
 園の理念や基本方針は、玄関にある図書コーナーやホール、各保育室に掲示しています。全職員に配付している重要事項説明書および「職員の心得」には記載があり、周知を図っています。年度初めや年度末の事業計画や事業報告だけでなく、朝礼や職員会議、園長面談で、自己評価や保育の振り返り、事例検討や対策などを通して、そのつど理念や基本方針への理解を深める機会がもたれています。理念や基本方針の理解を確認する機会としては、採用時および主任の日常的なクラス指導や園長の定期的な個別面談で実施しています。
6 職員の資質向上の促進  当園の正規職員は法人ホームページやハローワークなどで募集しており、採用時には保育理念や方針に共感できるかを確認しています。採用後の新人研修では、保育課程や指導計画、保育の特色、各種マニュアルについて研修を行い、保育理念や方針を理解して業務を開始しています。クラスに配属されると、ベテランのクラス担当や主任からOJT(職場内研修)を受けながら、実技研修や芸術・文化鑑賞等によりスキルアップに努めます。保育士は毎月自己評価を行って次月の目標を立て、7月と2月には園長と面接し、進捗確認や次の目標の相談の機会としています。また、面接は園長と主任が、個別の資質向上に向けた人材育成計画や褒賞を与える人事考課の機会としています。毎月の自己評価と人事考課面接により、人材の育成に取り組んでいます。
 非常勤職員にも、業務マニュアルや「職員の心得」「重要事項説明書」が配付されています。常勤と非常勤の組み合わせでクラス担当となり、OJT(職場内研修)が実施されています。非常勤職員は、全職員対象や保育士対象の研修を受講して報告書を作成しています。全職員には保健衛生や健康管理、情操教育研修が組まれ、保育士であれば実技研修や幼保小連携の研修へ参加しています。園内研修へも参加を基本として資質向上が図られています。全職員は、業務などで迷った際には、クラス担当の先輩や主任へ相談できる体制があります。休憩室をいっしょにしていることで、職種が異なっても相互に相談ができ、アドバイスが受けられる状況ができています。
 保育士は、毎月個別に定型の書式で自己評価を行っています。自己評価は自ら考えて改善や向上に取り組む姿勢を養うことを意図して、自身の目標を立て達成度を記入しています。保育の自己評価は、子どもの活動や達成結果だけでなく、子どもの発達状況に応じた意欲や取り組み過程を評価して実施しています。保育士一人一人が自己評価を通して、その後の計画に反映できているか、年2回の園長面接では、相談やアドバイスにより目標の軌道修正をしたり、励ましています。

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