かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

明日葉保育園武蔵新城園

対象事業所名 明日葉保育園武蔵新城園
経営主体(法人等) 葉隠勇進株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 213 - 0022
高津区千年1026
tel:044-740-9993
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
 「明日葉保育園武蔵新城園」は、平成26年4月に開設され、都内、川崎市内、横浜市内に13箇所の保育園を運営する葉隠勇進株式会社が運営をしています。
 木造平屋1階建ての園は生後5ヶ月から就学前までの65名が在園する小規模園で、JR南武線武蔵新城駅より徒歩7分、閑静な住宅地にあります。
 開園時間は午前7:00から午後8:00までで、通常保育のほかに延長保育、長時間保育(11時間開所)障害児保育も実施しています。
 「子どもの明日を育み今日を支える」の理念の下に明日葉の花言葉「旺盛な活動力」のように子どもたちの心身の成長や幸せを願い家庭、地域社会とのコミュニケーションを大切にサービスを実施しています。乳児は「たくさん可愛がられ、抱っこされ、個々を大切にされて生きる」幼児は「自分で正しいことを選び取れる子ども」「集団の中での自立」「心も体も健やかな子ども」という保育目標に沿った保育を実施しています。地域みんなで子どもを育む意識の高い地域で、昔からの地区行事などにも子どもが参加しています。

<特によいと思う点>

1.食と健康をわかり易く伝え、健康づくりに取組んでいます
 年間の食育計画がそれぞれの年齢で立てられています。そこには年間目標、食事、栽培、体験など季節に応じた体験ができるように計画が組まれています。
 病気にならない為の食事や、食育で学んだ栄養素と食事との関係などについても説明をしています。お米を噛み甘みが出る事を体験し、何故甘くなるか、唾液はどんな働きをするのか、どのように身体に良いのかなどを子どもにも理解しやすいように伝えています。あいうべ体操を取り入れ、筋肉、呼吸、唾液について知るなど、日常で取り組みやすい方法で健康づくりを行っています。
2.子どもの感性と自分で考える自立を育む保育を実施しています
 乳児は抱っこなどスキンシップを通じて保育士に対してアタッチメントが形成されるよう保育を実施しています。子どもに安心感を与え自己や他者への信頼感をもたらし、喜びなどの感性を通じて人間関係が築ける心身を育めるよう保育を行っています。
 保育目標にもある「自分で考えて正しいことを選び取れる子ども」を目指し、合図などで直観的に動くのではなく、行動を理解し“今自分はどうしたらよいか”を判断できるよう、左脳へのアプローチを考えた言葉がけを意識しています。子どもが自分で考える自立の気持ちを育めるような保育を実施しています。

<さらなる改善が望まれる点>

1.情報共有に向けての確認と更なる取り組み
 開園3年目で、園の土台が見えつつある状況です。各職員も研修参加などにより資質向上に努めています。「子どもの最善の利益を目指す」「保護者にとっても最善の保育を目指す」ことを園目標として日々の保育に取り組んでいます。子どもの情報などについては職員間で共有し統一した対応がとれるよう取り組んでいます。しかし、情報の共有については一部の職員から不足しているとの評価もありました。共有方法の確認やより良い報連相の仕組み作りなど、職員の意見なども踏まえ検討を行い、更なる情報共有の徹底が期待されます。
2.発達支援情報の積極的な発信
 園では地域住民に向けて、様々な育児支援イベントや講座を実施しています。参加者も増え恒例のイベントとして定着してきており、地域資源としての役割りを担っています。
園では、発達支援コーディネーター資格を持つ職員が在籍し、専門機関などからのアドバイスを受けて保育に活かしています。子育て中の保護者には子どもの発達に伴う悩みや不安を抱えている人も少なくありません。園が持つ情報の提供や相談対応に応じられることを積極的に発信し、現状の支援活動にあわせ更なる地域支援に貢献されることを期待します。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

園の保育の考え方の基本にもあるように、子どもの最善の利益を考えています。乳児は一人ひとりの気持ちに寄り添えるように、子どもはたくさん愛される事を感じられるようにグループ別担当制の保育を実施しています。幼児は集団の中で自分の意思を発揮して主体的に、のびのびと活動できるように職員が見守り援助をしています。子どもには視覚的に分かりやすいように約束事を掲示したり、行動の切り替えをするときは職員が感情的に声かけをするのでなく、短めに端的に伝えるようにしています。


個人情報保護とコンプライアンスについてのマニュアルがあります。さらに武蔵新城園における個人情報とコンプライアンスについて5つの項目からの記載があり、園独自の取り扱いについても園長が追記をしています。保護者には、個人情報の取り扱いについて同意書をいただき意向を確認しています。緊急時に病院や関係機関に対して必要な情報提供を行うことの説明と同意ももらっています。


職員は人権に関する研修を受講し、子どもの人権を守る保育について学んでいます。子どもに対して否定的な言葉がけをしない事や、保育中のおもらしなどは子どもの自尊心を傷つけない気持ちをくみ取る対応に努めています。着替えの時は外部から見えないようにカーテンをするなどプライバシーについても配慮をしています。職員が穏やかな声、優しい笑顔で子どもに接する「保育士の人的環境」が子どもの育ちの中で大切であることを意識するようにしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保護者との日々のやりとりを大切にしています。お迎え時には園での子どもの様子を丁寧に伝え、家庭での様子も伺い、保育に反映しています。連絡帳に書かれていることに対しても丁寧な対応を心がけています。行事の後にアンケートの結果や、内容について職員間で周知、検討し、改善をするなどして次年度に活かしています。園内に意見箱を置き保護者の苦情、要望を把握できるようにしていますが、個人面談、懇談会、日々のやり取りの中から保護者の要望を把握できるよう努めています。


園内に意見箱を置き保護者の要望を把握できるようにしています。個人面談、懇談会、日々のやり取りの中からも保護者の要望を把握できるよう努めています。日常的なコミュニケーションを大切にし保護者との信頼関係が築けるように努めています。子どもの発達過程を大切に個性を伸ばす保育を実施しています。「皆違って、みんないい」をクラス運営で共有しています。乳児、幼児共にスキンシップを図り子どもの気持ちをくんで心に寄り添い、一人ひとりの思いを大切にしています。子どもの様子は職員間で周知されて園全体で子どもを見守るようにしています。


登園時の視診と子どもの状況を保護者に確認し、保育記録簿に記録をして担任に引継ぎをしています。0〜2歳児クラスでは毎日保護者と連絡帳でやり取りをして家庭と密に連携しています。生活リズムや基本的生活習慣の大切さを保護者に伝えて家庭と連携をしています。トイレトレーニングは保護者の要望と園での子どもの状態を保護者に伝え、家庭と連携し実施しています。


年間の食育計画がそれぞれの年齢で立てられています。そこには年間目標、食事、栽培、体験など季節に応じた体験ができるように計画が記載されています。毎月幼児は栄養士の食育指導でマナー、栄養について学び、クッキングは年齢に応じた取り組みをしています。


食物アレルギーを持つ子どもの食事については、アレルギー用の献立を別に作りますが、なるべく他の子どもと同じものが食べられるように、バターロールはオリーブオイルを使うなど工夫をしています。専用食器と専用トレイを使用して誤食防止に努めています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

運営会社のホームページ、子育て支援事業のページに保育園の施設概要・アクセスの情報があります。園見学などで来園された方にお渡しするリーフレットでは理念、保育目標、一日の流れ、給食、行事の予定などの情報を提供しています。入園前の面接では、看護師、栄養士も同席して子どもの情報を共有し、保護者の同意を得てからサービスを開始しています。全園児が同じフロアーで活動をしているので、子どもたちは異年齢の子どもや色々な職員とふれあい成長をしています。


子どもの発達過程に応じて、子どもにとって一番良い状態になるように計画を柔軟に変更しています。月1〜2回の園長と担任との会議では実行した計画に対しての評価、確認が行われています。改善すべき点などは再度検討し次に活かすようにしています。必要に応じて専門機関からのアドバイスを受けて、子どもにとって最善のサービスを提供できるように職員間で内容は共有されています。日々の子どもの状況の変化は、保育記録に記載され、引き継ぎ時やミーティングで職員は情報を共有しています。


年間避難訓練計画に基づき、毎月、地震や火災など想定を変えて訓練を実施し、訓練実施後は職員間で、評価、反省をし改善をしています。事故が発生した場合には、事故報告書に事故の内容や対応経過を記録し、それぞれ再発防止に向けて改善点について検討しています。園長は、再発防止のための検討は単なる注意喚起で終わらせるのではなく、二度と起こらないためのしくみ作りにまで踏み込んで取り組むよう職員を指導しています。子どもたちの安全を考えて、保育室内のコーナーなどにはクッション材を用いてケガ防止の対策を取っています。


苦情解決について入園時、個人面談、新学期懇談会において説明をしています。苦情解決システムとして、苦情解決責任者、苦情受付担当者(園長)第三者委員3名の氏名と苦情解決の流れを文書化して「園生活のしおり」にも掲載して保護者に周知し、玄関にも掲示をしています。

4 地域との交流・連携

ホームページには、保育理念・保育方針と並んで、学校給食・保育園給食のリーディングカンパニーとしての実績を通じて「食育」の重要性に着目して、発展し多くの保育園の経営に携わることになった経緯が記載されます。知育・徳育・体育の基礎となるべきものとしての食育を発信しています。


また園の玄関には、園の行事や地域向けの行事を掲示、地域住民に向けてイベントを行い、場所や遊びに活用できるようにしています。例えば、「親子リトミック遊び」や講師を招いて育児講座として、体操教室、わらべ唄指導なども実施しています。


園長による園長校長会議など関係機関の会議に出席して情報交換を大切にしています。地域主任児童委員との交流もあります。町会役員との交流(町内会会長・民生委員)との連携も積極的に対応しています。
町内会行事の地域夏祭り、地域秋祭り、どんと焼きには事業所から出席します、町内の民生委員は、園の第三者委員も兼ねており、園の運営委員会にも出席いただき、地域の福祉ニーズ把握にも協力いただいています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

保育理念は「子どもの明日を育み、今日を支える。明日葉の花言葉は〜ご家庭や地域社会とのコミュニケーションを大切にしてよりよい今日をサポートします」で、保育方針、保育目標をそれぞれに園の玄関に掲示をしています。保護者には「園生活のしおり」に記載し、職員には保育課程の最上段に記載をすることで周知をしています。保護者に向けては入園説明会や保育説明会でも保育理念、保育方針、保育目標の説明をしています。園だよりでは保育のポイントとして保育方針に沿って行われる今月の子どもたちの活動の様子を伝えています。


園としての事業計画書は、法人の計画に沿って、園長がリーダーの意見も取り入れて作成しています。一番に、子どもの最善の利益を考えて対応をし、保護者には自分の子どもが大切にされていることを理解してもらうことが大事だと考えています。


毎月の保育サービスについては、職員会議で、月単位の自己評価を行っています。各行事後には、保護者にアンケートを実施して、利用者・保護者のニーズを把握し、来年度の方針会議に提案しています。同時に、期単位で会議を行い、議論を行っています。

6 職員の資質向上の促進

法人本社は、年間を通じて職員採用を行っています。法人の事業内容は給食業務ですが、保育園の他にも発達支援スクール、高齢者住宅の運営などを行っています。園の特徴としては、職員にはスポーツ経験者が多く、明るく、アットホームな雰囲気が特徴です。コンプライアンスマニュアルも整備され、職員採用時には法人本部で、福祉サービス事業に携わる者として遵守すべき法令・規範・倫理は、入社時に法人が中心に研修を行っています。


年度始めには、園としての研修計画(年間職員研修計画)を立てています。この計画は、「園内研修」と「園外研修」に区分され、各月ごとに研修内容が明示されています。この計画に従って、職員の階層ごとに受講させる研修を選定しています。園長は、個々の職員が置かれている環境にも配慮して、参加者を選定しています。法人内の研修については、年間約20講座程があります。研修後は、一週間以内に研修報告書を作成し、園内で共有できるようにしています。


園長は、面談等により職員の就業状況と意向の把握をしています。改善に取り組む姿勢を持って運営しています。特に、職員はシフトによって勤務していますが、問題を一人で抱えることなく職員全員でとりあげ協力して解消することを目指しています。改善のための一つの手段として、園長が、日々の「保育役割分担表」を約2ヶ月先まで計画を立て、保育士間での職務分担、休暇取得などに偏りがないように工夫しています。この分担表は、日々の状況変化も記録され、職員同士のチームワークを良好に保つ工夫がされています。


 

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