かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

川崎市南菅生保育園(3回目受審)

対象事業所名 川崎市南菅生保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 川崎市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 216 - 0015
宮前区菅生4-4-1
tel:044-977-4164
設立年月日 1976(昭和51)年07月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>

 川崎市南菅生保育園は昭和51年7月に開園した公立保育園です。園はJR南武線武蔵溝ノ口駅、東急田園都市線溝の口駅又は宮前平駅よりバスの所にあります。定員は0歳児から5歳児までの90名ですが、現在97名を受け入れています。園は長時間保育、延長保育、障がい児保育も行っています。
 園舎は鉄筋2階建てで、1階は幼児クラス、2階は乳児クラスとなっており、主に乳児が使用するテラスもあります。園庭には備え付けのプールや砂場、鉄棒、ジャングルジムを設置しており、マテバシイ、イチョウ等の樹木が植えられています。近隣もみどりが多く、菅生緑地、清水台団地内の公園は散歩コースになっています。
 園は保育理念「子ども、保護者、地域、職員が共に育ち合える保育園を目指して」の下に3項目を設定し、保育方針及び保育目標「心も体も健康な子ども」、「仲間とともに意欲的に遊ぶ子ども」を掲げて保育を行っています。また、人的サービス面で「異年齢交流」、「運動遊び」、「食育活動」に力を入れて取り組み、設備環境面では「広い園庭及びテラス」、「安全で安心して過ごせる保育環境」、「自然に恵まれた環境」を活かした保育をしています。


<特によいと思う点>

1.異年齢児保育の交流の中で、子どもはお互いへの思いやりやあこがれの気持ちを育んでいます
 子どもは全員が園庭で一緒に遊んで、年下や年上の子どもとの関係を楽しんでいます。3〜5歳児は4つの「にこにこグループ」を作り、各年齢の3人がきょうだいのように話をしたり助け合いながら過ごしています。
 行事の「にこにこ広場」では子どもが主体となって遊びのコーナーを企画、準備し、乳児も参加してごっこ遊びを楽しんでいます。子どもには生活や遊びの中で、年下の子どもを思いやる気持ちや年上の子どもへの憧れの気持ちが芽生え、人と関わることの喜びを育み、新たなことに挑戦してみたいという意欲につながっています。


2.保護者を含めた食育活動を積極的に行っています
 園では年齢に応じプランターで野菜作りを行っています。また、地域子育て支援センターすがおの畑を借りた菜園作りには地域のボランティアが活発に参加してくれています。園で栽培し、育てた野菜をクラスで収穫・調理し、食事の様子を保護者に伝えています。収穫した野菜を保護者に持ち帰って頂き、家庭で食べた時の様子や感想を聞いています。この状況を掲示して全保護者に伝え、家庭での食育の意識の向上につなげています。
 また行事食では季節を感じる献立や、年長組が考えた献立を取り入れるなど食育への意欲を育んでいます。


3.地域の子どもや他の保育園との連携強化に努め、共に育ちあえる保育を実践しています
 近隣の小学校やわくわくプラザを訪問し小学生等との関わりを持っています。民営の園を含む園長会議などの会議で交流を行っています。民営保育園とは同年齢クラスの職員がお互いに職員交換を行って学び、保育の質の向上に努めています。
 他の園の子どもにはプールや園庭の開放を行い、近隣の保育園とは年長児交流を年3回行っています。また、他の園とドッジボールを行い子ども同士の遊びを通じてお互いの育ちに繋げています。


<さらなる改善が望まれる点>

1.園の今後についての説明を行い保護者に理解を求めることが期待されます
 「川崎市総合計画」における実施計画(2か年)や「川崎市子ども・子育て支援事業計画(5か年)」により、園の中・長期的な計画が示されています。園は平成31年度に民営化が決定している中で、民営化に対し不安を感じている保護者の方もいます。
 保護者に対する民営化説明会は随時開催されていますが、さらに細やかな説明の機会などを検討して協力と理解が得られるように期待されます。


2.近隣住民との良好な関係を構築する工夫が望まれます
 園では地域の関係機関や団体等と連携をとり、地域との交流を行っています。また、町内会を通じて園の運営について地域住民から理解と協力が得られるよう努力をしています。
 しかし、一部の保護者は、保護者の駐車、駐輪、登降園のマナーなどの問題で、近隣住民との関係が良好でないとの認識を持ち不安を感じています。今後も引き続き、地域の関係機関等の協力も得て、近隣住民との良好な関係に向けての努力が期待されます。懇談会等で保護者に説明は行っていますが、さらに安心につながるよう丁寧な対応が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

子どもの主体性を大切に考え、一人ひとりの意志を尊重し、子どもが自分の意志で遊びを選択できるようにしています。子どもの発達段階や興味に合わせ、遊具の入れ替えや配置を変えるなど、環境作りに配慮しています。生活発表会の劇では、子どもが意見を出し合い、ストーリーから作っていきます。職員は運動会や卒園式ではどういうものをやりたいか、子どもの気持ちを引き出すよう努めています。


保育方針に「子どもにとって…自分らしく生き生きと生活できる保育園」を掲げ、一人ひとりの個性や特性に合わせた保育に力を入れて取り組んでいます。職員は「川崎市子どもの権利に関する条例」に基づき、子どもの権利について川崎市主催の「人権研修」等に参加して学び、子ども一人ひとりを尊重したサービス提供を実践しています。


プール遊びの際は外部から見えないようネットを張り、人権の尊重を心がけています。身体測定や着替えの際は裸が見えないよう衝立などで隠しています。幼児用トイレにはドアを付けるなど年齢に応じた羞恥心や自尊心に配慮しています。子どもが排泄に失敗した時は、他の子どもに気付かれないように着替えています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

「運動会」や「親子で遊ぼう会」、「生活発表会」などの行事の後に保護者の意見や感想をお聞きしています。内容は行事に関する自由記述形式で、保護者の意見や要望、満足度を把握し、次年度の年間行事や活動内容の見直しに役立てています。 年2回のクラス懇談会と年1回以上の個人面談を実施しています。0、1歳児クラスは保育参観、2〜5歳児クラスは保育参加を個人面談と同じ日に実施し、保護者一人ひとりから意見や要望を聞いて、保護者の意向を収集分析しています。


子どもの思いや意見は一人ひとり違っていいことを、子どもに伝えています。子どもの行動や気持ちを受けとめ、耳を傾けるよう配慮しています。幼児クラスでは「子ども会議」の中で、一人ひとりが意見を出し合い、生活発表会の劇や製作活動等に取り組んでいます。登降園時には保護者と挨拶を交わし、信頼関係の構築に努めています。保護者に積極的に声をかけ、子どもの日常の様子等を情報交換して、保護者の言葉に耳を傾けています。保護者との面談はプライバシーに配慮し、他人から聞かれないように面談室等の個室で行っています。


子どもたちは全員が園庭で一緒に遊び、異なる年齢の子どもと遊びを通じて交流しています。3〜5歳児は4つの「にこにこグループ」を作り交流しています。行事の「にこにこ広場」では子どもが主体となって遊びのコーナーを企画、準備し、乳児も参加してごっこ遊びを楽しむなど、園全体で交流を深めています。季節の行事や日本の伝統文化を感じられる行事を取り入れ、「おじいちゃんおばあちゃんと遊ぼう会」では様々な年代との交流を楽しんでいます。幼児は年齢に応じた当番活動(栽培、飼育、給食)を通して、友だちと協力してやり遂げることの楽しさを感じられるようにしています。


登園時に保護者から家庭での子どもの様子や体調を必ず聞いています。朝の視診を行うなど、子どもの様子を確認し、職員はミーティングで周知しています。保護者と連絡を取り、状況を確認しながら、子ども一人ひとりの発達段階に合わせ、基本的な生活習慣が身につくよう支援しています。保育士、看護師、栄養士が連携して健康集会を行い、子どもが自分の健康に関心を持ち、自主的に行動できるよう支援しています。

 
季節の旬の素材を取り入れ、季節感のあるメニューを提供しています。味付けは、だしの風味を活かし素材そのものの味を大切にしています。食育年間計画を兼務栄養士が保育説明会で保護者に伝えています。年1回給食試食会を開催し、日常の子どもの食事の様子や野菜の収穫、調理保育の様子を動画を使って、分かりやすく説明しています。保護者から味の感想などを聞き、参考にしています。月1回給食だよりと献立表を配付し、レシピの紹介や食育活動の様子を紹介しています。


子どもの年齢に応じて、怪我の防止や安全の大切さなどを伝え、自主的に行動できるよう、声かけや必要な援助を心がけています。保育士、看護師、栄養士が連携し、健康集会を定期的に開催し、園庭の使い方、道の歩き方など安全な行動や遊び方の約束事を伝え、子どもが自分の健康に関心を持ち、自主的に行動できるように支援しています。年齢に合った玩具の管理、クラスの柱や棚などの角にはクッション性のある物を巻くなど安全な環境構成を整備しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

見学は月2回開催し、保育理念、方針、目標、設備や園で特色ある保育(異年齢交流、運動あそび、リズムあそび、食育活動、絵本の読み聞かせ、自然に恵まれた環境)について、地域の方や入園を希望される方に説明しています。入園説明会や保育内容説明会では、具体的な保育の計画や活動、大切にしている保育内容などをパワーポイントを使い、さらに分かりやすく説明しています。 5歳児は近隣小学校の「わくわくプラザ体験」や、近隣保育園との年長児交流で、同じ小学校へ進学する子どもが集まり、自己紹介などをして、学校生活への期待が持てるよう支援しています。


定期的な会議(朝ミーティング、夕の給食担当者打合せ、月2回の乳児・幼児会議、月1回の全体会議、給食会議、リーダー・フリー会議)と状況に応じた緊急会議で子どもの状況等について情報共有しています。さらに、発達相談支援コーディネーターが中心となり、月1回ケースカンファレンスを行い、担任以外の職員からも子どもの情報を収集し、子どもの課題や対応について話し合い、園全体で子どもを支援しています。


防災訓練年間計画に基づき、火災、地震、土砂災害など想定を変え、毎月防災訓練を行っています。年1回消防署員立ち会いでビデオや水消火器、ホースなどを使った訓練を行い、災害時に身を守るためのアドバイスを受けています。月2回の保護者対象の災害伝言ダイヤルの訓練、年2回の引き取り訓練を実施しています。年1回一時避難場所の菅生小学校への避難訓練を全クラスで行っています。備蓄品リスト、病院一覧、火災時、緊急時の連絡方法を事務所に掲示し、職員に周知しています。

4 地域との交流・連携

園の情報をホームページのほか、園外掲示板、地域子育て支援センターすがお、宮前区の「みやまえ子育てガイドとことこ」等に提供しています。区主催の「親と子の子育て応援セミナー」や社会福祉協議会主催の地域子育て広場「子育てサロンい・ぬ・く・ら」などへの保育士派遣、ブランチ園での健康講座への看護師派遣等も行い、地域との交流や連携を深めています。地域子育て支援事業として地域の保護者に遊びの紹介、育児相談、身体測定、絵本の貸し出しを行っています。このように園の有する機能を地域に提供しています。


認可保育所園長連絡会議、全体園長連絡会議、幼保小の連携会議、年長児担当者会議、発達相談支援コーディネーター会議、子育て支援連携会議等に定期的に参加し情報交換や課題解決に向けた話合いを行っています。民間の保育園とは同年齢のクラスの担任同士で職員交換を1日行い、子どもの保育について学び合い保育の質の向上につなげています。地域の保育園や親子にプールや園庭を開放したり、近隣園の年長児が一緒にドッジボールを行って交流を深めています。


関係機関との会議での福祉ニーズの把握のほか、「公開保育」や「あそびの広場」の参加者との意見交換や感想等からも地域の福祉のニーズを把握してしています。こども文化センターなど地域の施設と連携し、「地域の子ども達を皆で見守るために手をつなぐ」ということを目的に菅生中学校区地域教育会議の方や地域子育て支援センターすがお、菅生・蔵敷こども文化センター等の職員と定期的な会議を持ち、「すがお手つなぎまつり」を開催しています。また、年3回、4・5歳児が近隣の特別養護老人ホームに出向き歌や踊りを披露し楽しい時間を過ごしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

保育理念、保育方針、保育目標等について、保育の実践結果を踏まえ振り返りを行い、これらを実現するための事業計画を職員全員が参画し話し合って作成しています。園長作成の「南菅生保育園運営方針」については、職員に周知するために分かりやすい内容になっています。保護者への保育理念、保育方針、保育目標の周知は入園説明会、保育内容説明会で行っていますが、同時に幼児の保育室にひらがなで掲示し子どもにも伝えています。


「川崎市総合計画」における実施計画(2か年)、「川崎市子ども・子育て支援事業計画(5か年)」をベースとして園では中・長期的な観点で保育の質や福祉サービスの質の向上を目指し運営を行っています。同時に単年度ごとの園独自の運営方針を策定し、事業計画(保育課程、行事計画など)は前年度の反省を踏まえ、子どもの状況や保護者の意見も参考にし実践的なものになっています。また指導計画は保育課程に基づき年齢毎にクラス担当が作成し会議等の場で検討しています。


サービスの質の向上に向け、園では定期的な会議(全体・乳児・幼児・リーダー等)を開催し、保育の計画や各種業務の評価・反省を行っています。指導計画(年間・月間・週日指導計画等)は、評価・反省を行い問題点を見つけ出し、今後の対応について職員間で検討し次期に繋げています。主な園の行事ではPDCAサイクルを活用した振り返りや保護者からの意見や感想を活動内容の見直しに役立てています。組織目標を個人の業務目標とリンクさせ、川崎市の人事評価制度を活用して定期的な業務評価を行っています。

6 職員の資質向上の促進

川崎市の職員配置基準に沿って人材を配置しています。園では職員の希望を考慮し職務分担を明確にして人員体制について会議で確認しています。


配慮が必要な子どもの支援のために必要に応じて人員を配置しています。また、職員は川崎市の公務員として遵守すべき法令、倫理について研修を受け、正しく理解するために自主考査を年1回実施しています。また、服務チェックシートを用いて年2回服務規律の確保について自己確認を行っています。


職員の資質向上に向けて市による人材育成基本計画に基づき、職員のキャリアや希望を踏まえ、研修参加予定表を作成し、計画的に参加しています。職員は市や区の研修や外部研修に参加し専門知識や技術の習得に努めています。


研修受講者は受講後、園長へ研修報告を行い、同時に報告書を作成し、毎月の研修報告会で職員間での共有を図り、資質向上に役立てています。


園長は有給休暇の消化や時間外労働のデータを定期的にチェックし、職員の就業状況を把握しています。職員の意向は、園長との年3回の人事評価の面談があり、その中で職員の働きがいや業務の進捗状況を確認しています。


職員共済組合や職員厚生会から福利厚生の情報を入手しています。市総務企画局の産業医による職場巡視が行われ健康相談を受けることができます。

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