かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市井土ケ谷保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市井土ケ谷保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 232 - 0053
南区井土ケ谷下町13-17
tel:045-715-0188
設立年月日 1976(昭和51)年06月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

施設の特徴
 横浜市井土ケ谷保育園は、昭和51年6月に開所し今年で41年になります。市営地下鉄蒔田駅から徒歩約8分のところにあり利便性の高い保育園です。閑静な住宅街に囲まれ、花見の名所でもある大岡川がすぐ近くを流れています。多くの大小の公園が近くにあり、散歩や園外活動に適した環境にあります。
 園舎は鉄筋コンクリート造り2階建てで、園庭を備えています。定員は0歳児〜5歳児まで合計117名で、現在129名の入所児童数となっています。一時保育、障害児保育とともに横浜市南区の「育児支援センター園」としての役割を担っています。1歳児・2歳児は3クラス編成を採り入れ月齢に配慮した保育を行っています。各クラスの保育室と2階の乳児トイレは平成28年3月に内装の改修が完了し清潔な保育環境となっています。


特に優れていると思われる点
1.散歩や公園での遊びなど園外活動を取り入れ、心身ともに健全な子どもの育成に努めています。
 園目標の一つである「こころもからだもげんきな子」「いきいきと活動する子」を達成するために、遊びに力を入れています。園庭とテラス、近隣に点在する公園を上手く活用して、戸外活動の機会を多く設けています。近くの公園を散歩コースとして設定し、子どもたちの要望や様子などからコースを選定しています。散歩マップや散歩日誌があり、園外活動が安全に行われるようにしています。公園への散歩の途中で地域の方と元気に挨拶を交わし、地域の方との交流を図っています。
 動植物の図鑑をいつでも見られるようにし、カブトムシやセミを見つけて飼育ケースで観察したり、モンシロチョウを観察したことをきっかけに、運動会で表現したりする機会を持っています。幼児クラスでは帰りの会などで、その日の「楽しかったこと」を発表する機会を設け、その中で子どもの関心や興味を持ったことなどを汲み取り、保育に活かすよう心がけています。


2.夏期の計画的な異年齢保育や日常の異年齢交流を積極的に実施しています。 
 子ども同士の交流を通じ「共に成長する子」「思いやりのある子」の育成を目指して積極的に異年齢保育を実施しています。乳児は、年齢をまたいだ1歳児高月齢・2歳児低月齢クラスを設置し、月齢での区分けによる保育を実践しています。
 幼児クラスは年間を通して「なかよしグループ」を3・4・5歳児の3名で編成し活動する機会を設け、さらに大きなグループでの活動もあります。夏期の7月下旬から8月下旬には異年齢保育を実施し、異年齢での散歩やリズム遊び、会食など計画的に行っています。乳児と幼児との交流と触れ合いも多くあります。職員同士のチームワークが良く、各クラスとの交流は日常的に行われており、子ども同士の交流を通して、子どもたちが共に成長することを学んでいます。


3.地域のボランティアや近隣の小学生、園内での交流などを通して貴重な体験を積んでいます。
 子どもたちと地域のボランティアグループ、「保育応援隊」のお話し会・公園愛護会・環境ボランティアなどとの交流を積極的に行っています。公園愛護会の方々と一緒に園庭で春から苗を育て、育てた苗を近くの3ケ所の公園に苗植します。毎年2月には保育応援隊の方々を招待し「感謝会」を行い、ゲームや踊りを楽しみながら応援隊の方には「手作りのメダル」を授与しています。
 年長児は就学に備え小学校に訪問し先生や小学生との交流も行っています。行事のお誘いの手紙などを近隣の小学校や町内会に年長児が持って行って、地域とのかかわりを持っています。また園庭開放による園内での、地域の子育て家庭の保護者や子どもとの交流も自然に行われています。子どもたちは地域の幅広い年齢層の人々との交流を通じ貴重な体験を積んでいます。


4.「育児支援センター園」としての活動と、「地域子育て支援」を積極的に取り組んでいます。
 横浜市南区の育児支援センター園として南区内の地域子育て支援活動の取りまとめ、保育に関わるあらゆる施設・団体・個人の渡し、育児相談・園庭開放など数多くの取り組みをしています。園では、専任で担当する「育児支援専任保育士」「子育て支援担当保育士」が対応に当たっています。日常の保育を行いながら「育児支援プロジェクト担当保育士」もサポートしています。出前保育 年47回・合同育児講座 年4回や、園内での育児相談は来所や電話で随時受け付けています。
 園独自の活動として「てくてくひろば」を開催し、近くの公園2ヶ所で、園から遊びの道具を持参して、毎月2〜3回月曜日と木曜日に地域の子どもたちと一緒に遊ぶ機会を設けて、保護者はもとより地域の方の支持を得ています。園全体で地域子育て支援に積極的に取り組んでいます。


特に工夫・改善が望まれる点
1.種々の情報は、受け手に伝わる変化のある情報提供が望まれます。 
 毎月発行している園だよりでは、保育目標や行事予定、お知らせ、各クラスの様子などを掲載し保育園の考え方や保育の意図なども丁寧に伝えています。保育園の自己評価や保護者からのアンケート結果なども伝えています。
 これらは、定型化され効率よく伝えられていますが、各クラスのエピソード、異年齢保育の様子、アンケート結果、職員の係り活動、などを特集して伝えるなど変化のある情報提供が望まれます。


2.各種マニュアルの見直しに伴う、変更などの引き継ぎの連続性が期待されます。
 保育園では職員の保育に関わる共通理解、判断基準、サービスの標準化などのため業務マニュアル、食物アレルギー除去対応マニュアル、安全管理マニュアルなど多くのマニュアルを備え、毎年度末には職員が振り返りを行い、良好な保育を行うための見直しを行っています。
 井土ケ谷保育園は公立保育園の性格から人事異動の多い職場といえます。マニュアルの見直しをした経緯などは後任者にも変更履歴などで引き継いで行くことが必要と考えられます。引き継ぎの連続性を維持し、保育サービスの質の向上に繋げることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・入園説明会やクラス懇談会で、保育園の理念などについて直接保護者に伝える機会を持っています。各クラスの保育室に園目標や保育姿勢を掲示しており、保護者がいつでも見られるようにしています。職員会議、カリキュラム会議や園内研修などを通して、職員全体で理念・方針を共有する機会を持っています。年度末での職員会議で振り返りを行い、見直しの話し合いを行っています。
・保育の中で子どもの意見を尊重し、保育に反映させています。日々、肯定語をつかうように職員間で話し合い、カリキュラム作成時や経過記録記入時には、肯定的に子どもをとらえ、まとめられるよう職員全体で考える機会を持っています。子どもの様子や、その時の精神状態などを考慮しつつ、子どもに分かりやすいよう一人一人の気持ちに寄り添って保育を行っています。
・個人情報に関しては、横浜市のガイドラインに基づき園長が全職員に対し、毎年1回研修を実施しています。個人情報の取り扱いに関してのマニュアルがあり、年度当初に全職員が確認しています。保護者には入園説明会で保育園の個人情報取り扱いについて説明し、了解を得ています。守秘義務については、職員全体に周知し、受け入れる実習生やボランティアに対しても誓約書を書いてもらうようにして周知しています。
・個人情報に関する記録は、施錠できる書庫に保管して管理し、廃棄する際には機密文書として廃棄またはシュレッダー処理します。個人情報が含まれる書類などを渡す時には、専用の袋を使って手渡しをし、乳児クラスの連絡ノートは保護者と直接受け渡しを行い、記録に残しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育課程は保育理念、保育方針、保育目標に沿って作成しています。子どもの姿、地域の特色、地域との関わり、食育、地域交流などを踏まえて編成しています。各年齢での発達過程は一貫性のある目標(発達の目安)となるように保育課程について話し合う機会を設けています。
・幼児クラスでは帰りの会などで、その日の「楽しかったこと」を発表する機会を設けています。その中で子どもの関心や興味を持ったことなどを汲み取り、指導計画に活かすよう心がけています。上手く言葉で伝えられない年齢では、特に思いの汲み取りをしっかりと行うよう心がけています。
・散歩、リズムあそび、誕生日集会などを定期的に設け、異年齢で過ごすようにしています。幼児クラスは年間を通して「なかよしグループ(異年齢3人のグループ)」があります。夏期の1ケ月間はなかよしグループによる異年齢保育を行っています。3歳児・4歳児・5歳児での「とまとグループ」と「とうもろこしグループ」に分けた合同保育も行い交流を持ちながら過ごすようにしています。
・散歩先で地域の方と会うと積極的に挨拶をしています。地域の人と公園に苗植えをし、保育応援隊、お話し会、公園愛護会、環境ボランティアなどとのかかわりを持ち、感謝会(保育応援隊へのお礼)も行っています。行事のお誘いの手紙などを近隣の小学校や町内会などに年長児が持って行って、地域とのかかわりを持っています。
・食育年間指導計画に沿って活動を進めています。栽培物を使ったクッキング体験をする機会を4,5歳児クラスはもっており、園長自ら魚を子どもたちの前でさばいて、興味を持たせています。4,5歳児では当番活動の1つとして、エプロンを着用して食事やおやつの配膳活動を行います。乳児の授乳は、愛着関係のできている人ができるだけかかわるようにして、安心した中で授乳できるようにしています。
・クラス懇談会に合わせて保育参加を計画し、保護者が参加しやすいように工夫しています。保護者が参加する行事の日時は必ず年間行事予定にのせ、予定を立てやすいようにしています。重要な部分については口頭で改めて説明をするようにしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園説明会で個人面接を行い、子どもの様子・健康状態・家庭状況などについて聞き取りを行っています。面接時に得た情報は、「面接カード」に記録し、全職員が状況を把握できるようにしています。アレルギー対応食や離乳食については、調理担当職員を含めた話し合いにより情報を共有しています。入園初日に担任が個別に話をする時間をとり、事前の情報や児童票を基に、改めて子どもの様子を把握しています。
・配慮を要する子どもの情報は担任間で話し合い、情報の共有とともに対応の統一をしています。他の職員にもミーティングや会議で周知しています。変化のあったことはその都度、職員間で伝え合い、情報を共有しています。保育園独自の「食物アレルギー除去対応マニュアル」を作成しています。個々に異なった色つきのトレーを使用し、食器を分けています。除去内容を表示した専用カードを使用し、誤配がないようにしています。
・入園説明会で、苦情解決の仕組みを説明し、配布資料にも記載しています。第三者委員の連絡先を園内に掲示しています。行事の時には第三者委員を紹介し保護者がその存在を知ることができるよう機会を設けています。南区こども家庭支援課へ意見や要望を直接言えることも伝えています。クラス懇談会や個人面談で、意見・要望を個々に聴く機会を作っています。保護者から年度末にアンケートをとり、提出された意見・要望については検討し対応しています。
・健康管理マニュアルに沿って子どもたちの健康管理を行っています。健康台帳、歯科検診のファイルなどがあり、個人の健康に関する情報がわかるようになっています。健康台帳や口頭で、子どもの健康状態を保護者に伝え、また翌日には家庭での様子を聞いて健康状態を把握しています。ケースによっては記載だけでなく、必要に応じて面談しています。
・健康診断は年2回、歯科検診は年に1回行い健康台帳に記録し、子ども一人一人に健康手帳を作成して、健康診断結果などを保護者に正しく伝えるようにしています。当日受診できなかった子どもに関しては、後日嘱託医のもとで受診できるよう連携を図っています。嘱託医とは日常的に連携しており、相談事項発生の場合にはアドバイスをもらっています。子どもの歯ブラシが触れあわないよう、保管に配慮し、幼児は歯科検診時に、歯科衛生士による赤染や歯磨き指導を行っています。
・衛生管理マニュアルは内容により時期を考えながら1年を通して確認し修正しています。保健係を決めて担当者から発信し、確認・見直しができるようにしています。各クラスにウェルパス(手指洗浄液)を設置しています。保護者がいつでも利用できるようにし、登降園時の手洗いを保護者にお願いしています。
・防災・事故・災害のマニュアルは全員に周知できるよう職員会議などを利用し読み合わせしています。毎月1回避難訓練を行い、災害に対しての行動、連絡体制などを様々な時間や状況で訓練し、その都度反省や見直しをしています。近くの中学校と高等学校への避難訓練を実施しています。水害対策には十分対策を立て、2階への避難訓練を実施しています。災害発生時には保護者向けの緊急連絡が一斉にできるシステムがあります。
・不審者侵入時の対応マニュアルを作成し、不審者侵入を想定した防犯訓練を定期的に実施しています。午睡時には窓や出入口を施錠し、登園の多い時間帯以外は門の施錠を実施しています。そのほかの時間帯は、インターフォンを押してもらい、クラスと名前を保護者に名乗ってもらうようになっています。

4 地域との交流・連携 ・横浜市南区の「育児支援センター園」として種々の活動を通じ地域と積極的に関わり、子育てニーズを把握するよう努めています。相談内容に応じて連携が取れるよう「育児支援専任保育士」を配置し、対応に当たっています。南区の「いどがや通信」として隔月で「南区市立保育園子育てひろばカレンダー」を作成しています。また半年ごとに南区内の市立保育園共通の「子育てひろばのご案内」を発行しています。南区のホームページで区内の育児支援予定をアップロードし発信しています。
・保育園の取り組みとして、育児講座 年13回、交流保育年12回、出前保育 年47回、合同育児講座 年4回、出張講座 年11回、実施しています。育児相談は来園や電話で随時受け付けています。育児講座については、0歳児から参加できるものや調理員から学ぶおやつ作りなどを開催しています。交流保育については、年齢別に設定したクラスでの体験交流を実施しています。
・保育園の内外の掲示板にポスターやチラシを掲示し子育て支援のお知らせをしています。また公園散歩に積極的に取り組んでおり公園でのチラシ配布や交流保育などへの参加を呼び掛けています。園独自の取り組みとして出前保育では「子育て支援担当保育士」が近隣の公園に玩具を持って出掛け、遊びとともにその場で育児相談なども受け付けています。毎回15組くらいの親子が参加し、公園での出前保育が定着しています。
・保育園は地域のボランティアから成る保育応援隊との交流を活発に行っています。いろいろな特技をもった方々がお話し会・書道・環境・苗植えなどを実施しています。2月には感謝会を行い保育応援隊の方を招待し、保育園の様子や理解へとつなげています。
・ボランティアの受入については、「ボランティア受入マニュアル」に基づき担当者が対応しています。受入時にはボランティアとしての心構えや保育のやりがいなどについて事前にオリエンテーションを行っています。ボランティアとの交流は事前に子どもや保護者に連絡をしています。終了後には専任担当者がボランティアからの意見や感想を記録し職員会議で報告し今後の保育園の運営に反映しています。
・就学前には複数の地域の小学校を訪問し、学校案内をしてもらったり、様々な学年と交流をしたりしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・保育課程の見直しを毎年、実施しています。理念、基本方針などを明文化してあり、保育園のしおりを各クラスのマニュアルに入れ、何時でも見られるようにしています。理念、基本方針などは事務所前にも掲示しています。
・保育園独自の「個人情報保護マニュアル」を整備しており、各職員には小冊子を配布しいつでも確認できるようにしています。コンプライアンス(順法)にかかわる研修については職員会議の中で毎月1回実施しています。
・毎年、保育園の自己評価の中で保護者アンケートを実施し、結果を全職員で共有するようにしています。アンケートからの要望、要求を把握し保育園として検討または行政として検討し実現可能かどうかを考えています。自己評価結果は保護者に保育園内の掲示板や各クラスに掲示し公表しています。
・定期的に排出されているごみのチェックを行い、全職員に分別について周知しています。子ども向けに横浜市資源循環局と協力してゴミの分別や減量化の意識向上を図る機会を設けています。ゴーヤやヘチマなどのグリーンカーテンを子どもと一緒に行い、子どもにも環境・省エネについて、実体験できる機会を設けています。
・保護者会を通じて、話をする機会を設けています。必要に応じて保護者会の総会などに園長・主任が同席しています。
6 職員の資質向上の促進 ・「保育士人材育成ビジョン」を基に、職位に応じた目標や役割期待を設定しています。職員は「目標共有シート」をもとに園長と年数回の面談を実施し、自らの役割を確認しています。年度末には職位に応じた目標・役割期待、目標達成のためのプロセス、達成度などを振り返り課題へつなげています。課題については翌年度の目標に反映させています。
・保育園内においては複数のプロジェクトや役割分担を設置しグループでの勉強会を通して子育て技術の向上に取り組んでいます。また担当クラスだけではなく保育園全体の現状と課題を把握するよう努めています。南区こども家庭支援課として要配慮児や虐待児に特化した研修「セーフティーネット」に参加し、区の現状把握に努め、職員交流会などで情報共有に努めています。
・全職員で保育士の自己評価および保育園の自己評価を実施しています。日々の日誌、月ごと、期ごとのカリキュラムで自己評価を行い保育の質の向上に役立てています。
・実習生の受入にあたっては実習担当者が、事前にオリエンテーションを実施し、保育園の目標、保育姿勢など保育園の取り組みを説明するとともに実習生の要望を取り入れながら実習プログラムを作成しています。充実した実習になるよう毎日反省会を行っています。反省会では、より多くの職員が意見を述べたり助言をしたりしています。実習生からの質問や感想などの時間を十分とっており実習生の意見を保育園の運営に反映させています。

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