かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

グローバルキッズ日吉園(2回目受審)

対象事業所名 グローバルキッズ日吉園(2回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社グローバルキッズ
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0061
港北区日吉1-10-26
tel:045-562-0321
設立年月日 2010(平成22)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 グローバルキッズ日吉園は東急東横線及び横浜市営地下鉄日吉駅から徒歩8分の閑静な住宅地にあります。園は開園から6年が経過し、園庭が整備された平屋建ての園には、定員63名のところ、69名を受け入れ、0歳児は生後57日から保育を開始しています。1歳から5歳までの定員は同じ人数のため、在園中の5年間は子どもも保護者もほぼ同じメンバーで過ごしています。幼児は異年齢のクラス構成で保育を行い、子どもたちは兄弟姉妹のように過ごし、園全体が家庭的な雰囲気となっています。
 運営法人の(株)グローバルキッズは首都圏を中心に100ヵ所ほどの施設を事業展開しています。子どもたちの未来を背負っている責任を自覚して企業理念に「子ども達の未来のために」を謳っています。園では保育理念に「豊かに生きる力を育てる」を掲げ、子どもたちへの最大の使命としています。
 職員は子ども一人一人の発達過程を理解したうえで、自主性・主体性を尊重する「子どもを中心とした保育」の実践を目指しています。職員は子ども一人一人の発達を保障できる環境を整えることに力を注いでいます。


≪優れている点≫
1.子どもが自分で遊びを作りだし遊びこめる保育を実践しています
 子どもの一人一人の個性を大切にし、自主性・主体性を尊重する「子どもを中心とした保育」の実践を目指しています。保育目標の一つに「自分で考えるこども」を掲げ、行事練習や英語遊びの時間以外は子どもたちが自分で考えて自主的にのびのびと遊びを展開する自由活動の時間となっています。職員は子どもが遊びこめる環境づくりに力を注いでいます。
 0歳児以外の各保育室には前園長手作りのままごとハウスをはじめ、発達過程にあった高さ、感触、安全性を踏まえての絵本・自動車・伝承遊び・お絵かき・ブロック・キーボードなど様々なコーナーや、壁には身長に合わせた高さに固定されたおもちゃや鏡なども設けられています。また、用意されている玩具類は既成のものもありますが、子どもたちの発想や表現力を育てることを大切にして紙・鉛筆やハサミなどの文房具をはじめ、ままごとの材料にプラスティックチェーンや木の実を用意したり、職員手作りの様々な玩具、廃材を利用するなどしています。
 園庭には木登りできる木や小さな築山・菜園が設置されています。また、3年がかりで園庭全体を砂場のようなサラサラな砂に交換して、乳児から幼児まで安全に遊びこめるように改造しています。


2.子どもたちは兄弟姉妹のように過ごし、家族のような温かい雰囲気のなかで保育が行われています
 園では今の時代に求められているサービスの提供として、幼児は異年齢のクラス構成にしています。現代では少子高齢化によって、一人っ子も多く、兄弟も含め異年齢の子とかかわる機会は減ってきています。0・1・2歳児は発達の差が大きいため年齢別の保育を行っていますが、3・4・5歳児は同じクラスで過ごす異年齢のクラス構成で保育を実践しています。
 異年齢の子どもたちでほとんどの時間を過ごすことで、子どもたちが相互に教えあい、学びあい、ともに育ちあうことを目的としています。年下の子どもは年上の子どもの活動を見て憧れや目標をもって真似しようとします。年上の子は年上として自覚を持ち、意欲的に活動に取り組めるようになっています。また、年下の子に対しく遊びを教え、手伝う、見守るなどやさしく対応することを通して自信につながっています。さらに、園の定員は1歳から5歳まで同じ12名であり、子どもや保護者は園在籍中の5年間は、ほぼ同じメンバーで過ごしていることもあって、子どもたちは兄弟姉妹のように過ごし、園全体が家族のような温かい雰囲気で包まれています。


3 ランチルームでの食事を全園児交流の場にして、子どもの自主性を育てています
 園にはランチルームが設けられており、0歳児から5歳時まで食事やおやつを一緒に取っています。幼児は異年齢クラスとなっているので子どもたちは常時一緒に過ごしていますが、乳児は年齢別のクラスとなっているので、ランチルームでの食事時間は全園児交流の場となっています。
 ランチルームには家庭やレストランで見かけるようなテーブル・椅子セットとクラスにあるような丈の低いテーブルと椅子の2種類が使われており、レストランのような雰囲気があります。基本に「子ども中心の保育」を考え、一斉にそろって「いただきます」ではなくて、早く登園しておなかがすいた子どもや眠くなりそうな子ども、遊びが一区切りした子どもから食べ始め、席も子どもたちが自由に選んでいます。
 職員がホワイトボードに書いた献立を示しながら、今日の献立やおかわりの出来るおかずを伝え、子どもたちはにぎやかに会話をしながら楽しそうに美味しそうに食べています。3歳児は、ご飯だけ自分で食べられる量を盛り付けますが、4・5才児は、おかずもご飯も自分たちで盛り付けます。下膳は3歳児以上は残したものはバケツに入れ、箸やスプーン、お皿や茶碗はそれぞれ決められた場所に置きます。2歳児はおやつの下膳だけの片付けに挑戦しています。年上の子どもたちの様子を見ながら自然に身についていくようです。


≪努力・工夫している点≫
1.プロジェクトチームを立ち上げ、園庭改造を全員参加で取り組んでいます
 保育目標の一つに「自分で考えるこども」を掲げ、職員は子どもが自分で遊びを展開できるように園庭でも遊びこめる環境づくりに努めています。
 3年前から園庭改造のためのプロジェクトチームを立ち上げ園全体で取り組んでいます。園庭には木登りできる木や小さな築山・菜園が設置されています。また、昨年、今年度と園庭全体に砂場のようなサラサラな砂を入れ、乳児から幼児まで安全に遊びこめるように改造しています。


2.1クラスを2グループに分けて、子どもの自主性を尊重した保育を行っています
 幼児は3・4・5歳児を1クラスとした異年齢保育を実践しています。36名に保育士4人を配置していますが、職員状況が可能であれば1クラスを2グループに分けて保育しています。
 グループ分けは年少・年中前期と年中後期・年長に分けた「英語プログラムであそぼ」のほかに、散歩などの園外保育は個々に自分で行きたい公園を選びグループを作るなど子どもの自主性を尊重しています。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1.地域への子育て支援サービスの情報提供について
 園では地域への子育て支援サービス提供について前向きに取り組んでいきたいとの認識はありますが、情報発信が少ないため利用者がごく少数にとどまっています。情報誌には一時保育や育児相談・園庭開放・身体測定・絵本貸出・ベビーステーションなどのサービス提供を実施している園として掲載されていますが、近隣の住民向けに情報発信するまでには至っていません。一時保育の希望者はありますが、定員の枠内での受け入れのため受け入れ人数はごく少数にとどまっています。
 また、園の見学時に保護者からの質問や相談に答えて育児相談になることはありますが、事前に予約が必要な育児相談はほとんど利用がありません。現代の保育園は園の保育に支障がない限り、地域の子育て家庭への支援を積極的に行うよう求められています。開園して6年を経過し、園運営も軌道に乗ってきている現在は、地域の子育て支援ニーズを把握し園の専門性を活かしたサービス提供について前向きに検討されることが期待されます。


2 保育方針の理解度やサービス内容の満足度を知る機会作り
 園は開園7年目になりますが、園長や主任ほか多くの職員が開園当初から在籍し、保護者も入れ変わりが少ない中で職員と保護者との日常的なコミュニケーションは取られています。要望や苦情などは日常の会話の中で把握して素早く処理され、大きな問題はほとんど発生せずに過ごしてきました。
 保護者アンケートでは「職員の対応について」の項目で「話しやすい雰囲気、態度であるか」の設問に、「満足」「どちらかと言えば満足」で100%の高い評価を得ています。一方で「保育園の年間の計画について、保護者の要望が生かされているか」の設問では「満足・どちらかといえば満足」が61%に留まり、「どちらかといえば不満」が25%となっています。
 年2回開催の園主催保護者会(クラス懇談会)や運営委員会が保護者の意向を知る機会になっていますが、園全体の満足度を知る機会は設けられていません。保育方針の理解度やサービス内容の満足度を知る機会を設けることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

運営法人は企業理念に「子ども達の未来のために」を掲げています。それを踏まえ、園では保育理念に「豊かに生きる力を育てる」、保育目標として「元気でたくましい子ども・自分で考える子ども・思いやりのある子ども・明るくのびのびしたこども」を掲げて保育を展開しています。これらの理念、基本方針は子どもの人権や最善の利益を尊重したものとなっています。


運営法人から保育者の心構えとして「コンプライアンスハンドブック」が職員全員に配付されています。冊子には「保育マインド」「保育の姿勢」として子どもの人権に配慮した保育者としての姿勢が明記されており、「乱暴な言葉かけや対応をしてはならない。笑顔で接し、子どもの目線で優しい言葉で話す。丁寧にゆっくり話し、良い時は大いに褒め、悪い時は分かりやすい言葉でいけないことを簡潔に伝える。子どもへの関わり方を職員間で共有し、統一性のある保育をする。個々の子どもの成長に応じて子どもの感情や理解力に配慮した保育をする」とあります。また、年度末には職員全員が1年間の保育活動における自己評価表を作成し来年度につなげています。


個人情報の取扱いや守秘義務については入社時に研修を受け、個人情報を含む書類は鍵のかかる棚に保管しています。保護者へは園で管理する個人情報の取扱いの説明を行い、園で使用する写真・ビデオの掲載などの承諾書を得ています。


特に配慮を要する子どもについてはクラスミーティングで話し合い、毎月2回開催される全体ミーティングで個々の子どもについて、報告や検討をして情報を共有しています。また、障害児保育、食物アレルギーなど各種研修に職員が参加し、研修報告書を作成すと共に全体ミーティングの中でも報告し、参考にしながら保育に取り組んでいます。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

0、1歳児は個別の保育室、2歳児と幼児室はワンフロアをロッカーで大小の2つに区切り使用しています。幼児クラスは3・4・5歳児36人の異年齢クラスですが保育士が4人配置できる日については2グループに分かれて活動できるように工夫しています。


園は遊びについて子どもの自由な発想や集中力を大切にして、自分で考えて自由に遊びこむことが心身の成長につながると考えています。「遊ぶ」ではなく「遊びこむ」、「与える」ではなく「作り出す」を基本にモノや場所にとらわれない、ワクワクするような遊びの環境づくりに努めています。園庭には木登りできる木や小さな築山・菜園が用意されています。昨年、今年度と園庭全体に砂場のようなサラサラな砂を入れ、乳児から幼児まで安全に遊べるように改造しています。


食事は完食を目指すのではなく、楽しみながら食べることを第一としています。保護者と連携しながら無理に食べさせないことを理解してもらっています。子どもたちの食への関心を高めるために0歳児から5歳児の年間の食育計画が作成されています。3歳児以上は毎月一度、旬の食材を使って作るクッキングや日本古来の伝統料理などを調理師や栄養士から教わっています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

保育課程は保育理念、保育目標、園目標、保育方針のほか保育マインド(保育のこころ)や施設の運営方針、保育課程作成にあたっての留意点なども記載されています。また、子どもの発達過程を踏まえての保育者の配慮・援助・保護者との連携とともに、職員の質向上・地域の姿など保育全体が把握できるものになっています。保育課程は年度終わりにクラスミーティングの中で検討していますが、2〜3年間は同じ内容になっています。


園では生後57日からの子どもを受け入れており、なれ保育は8日間を目安に行っていますが、保護者の状況や子どもの園での慣れ具合など考慮して柔軟に対応しています。0歳児は生後57日からの受け入れていることもあり、人見知りなども比較的少なく、1歳児についても、0歳児の時の担任が1人、必ず持ち上がる体制をとっています。


「園だより」「給食だより」「ほけんだより」を毎月発行しています。当日の保育活動は、乳児クラスは連絡帳で、幼児クラスはクラスボードにその日の活動予定を記入しています。クラス懇談会では担当保育士から日常の園児の様子を伝え、園長からは保育活動の中で保育理念や保育方針がどのように組み込まれているかなど丁寧に説明しています。日々の保育の様子は、写真や動画に撮って積極的に発信するように努めています。動画は保護者会で公開し、写真はインターネットに掲載し、パスワード設定を行い保護者は閲覧や購入が出来るようになっています。


園長や主任ほか多くの職員が開園当初から在籍し、保護者との日常的なコミュニケーションは蜜に取れています。要望や苦情などは日常の会話の中で把握して素早く処理されています。要望や苦情があった場合は担任が受付して園長に報告し、速やかに対応しています。苦情受付票に記載し全体ミーティングなどで情報を共有しています。各クラスの保護者代表が出席して年2回開催される運営委員会が、保護者からの意見や要望を聞く機会になっています。

4 地域との交流・連携

毎日出かける散歩での地域住民との交流や行事ハロウィンでの近隣の店舗との交流はありますが、園の行事に地域の人を招待するなどの交流には発展していません。運営法人の系列の地域保育園と共同で職員対象の救命救急研修を定期的に開催しています。また、港北区の幼保小の交 流会や研修会、園長会議に出席し子育て支援ニーズの把握に努めています。


港北区内子育て支援事業の案内冊子などに育児相談や園庭開放・身体測定・ベビーステーションの場の提供などの情報を提供していますが、近隣の住民向けに情報発信するまでには至っていません。事前に申し込みが必要ですが園庭開放、身体測定、育児相談、ベビーステーション、看護師・栄養士への相談など地域の子育て支援サービスを提供していますが、利用者が少なく、現在は他の関係機関や地域の団体との連携は少数にとどまっています。地域の子育て支援ニーズを把握し、園の専門性を生かしたサービス提供について前向きに検討されることが期待されます。

5 運営上の透明性の確保と継続性

運営法人は企業理念に「子ども達の未来のために」を掲げ、東京・横浜・千葉・川崎に保育所や放課後対策事業を大規模に展開しています。ホームページや入園のしおり(重要事項説明書)には法人や本園の概要と運営情報などが公開されています。


運営法人では職員が心掛けるべき企業の信条である「クレド」を作成し、園では全体ミーティングの際に唱和をして理解に努めています。また、「コンプライアンスハンドブック」を全職員に配付し、意識向上に役立てています。冊子には企業理念をはじめ、行動規範・内部通報制度・保育施設の運営管理等が掲載されています。他園での不適切事例が報じられた時には、全体ミーティングで共有するほか、緊急性のある場合には業務連絡表などで速やかに職員に知らせています。


運営法人の方針として保護者の負担の軽減のために自主的な保護者組織を勧めてはいませんが、保護者の自主的な活動の援助として保護者専用のボードを用意し、保護者同士の情報交換に利用出来るよう配慮しています。保護者からの要請として謝恩会の参加や保護者主催のイベント募集のチラシなど園内に掲示しています。各クラスの保護者代表が出席して年2回開催される運営委員会が園の方針や状況を保護者に報告し、意見や要望を聞く機会になっています。

6 職員の資質向上の促進

園の職員補充については全て運営法人が担当しています。採用時の新人研修についても法人が実施していますが、非常勤職員は園長が「園について・保育について」などで丁寧に説明しています。年度替わりに職員の異動が決定していて、新規に採用する職員の都合がつく場合には年度内に新採用職員を職場に配属するなど、柔軟な採用も実施し、引き継ぎがスムーズに行くように配慮しています。


人事考課、キャリアパス制度が設けられており、本人の階層に応じて目標設定シートを作成して自己評価し次年度につなげています。クラスリーダーは個人目標に加えて、「クラス目標」も設定しリーダーとしての役割を意識しています。園長は前期・後期の2回面談を行い、本人の成長につながるアドバイスを心がけています。


年度ごとに職員研修受講計画を作成し実施しています。社内、社外の研修があり、職員はキャリアパス制度に基づく研修やその他ニーズに応じて年間を通して研修に参加しています。非常勤職員を含む全員が研修するものとして、消防署の指導によるAED研修があり、アレルギーについての研修は非常勤職員も希望によって参加しています。研修後は報告書を作成し、他の職員がいつでも閲覧できるようになっています。

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