かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

川崎市中央療育センター

対象事業所名 川崎市中央療育センター
経営主体(法人等) 社会福祉法人 同愛会
対象サービス 障害分野 地域療育センター
事業所住所等 〒 211 - 0035
中原区井田3-16-1
tel:044-754-4559
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 川崎市中央療育センターは、東急東横線の元住吉駅やJR線の武蔵小杉駅より市営バスで、下車して徒歩3分の小高い丘の上にあります。周囲には県立養護学校やリハビリテーションセンターなどの数多くある福祉施設の中央に療育センターがあります。鉄筋コンクリート造りの3階建てと2階建てが各1棟です。
 運営法人である社会福祉法人同愛会は、障害児・者及び高齢者に対する様々な福祉サービスを横浜市内・川崎市内及び東京都内で事業展開しています。利用者が、より質の高い人生を、より「じりつ」した人生を送るために「人生(存在)への支援・援助」を理念として、支援に努めています。
 センターは、「地域支援部門」「医療・個別療育部門」「通園療育部門」「短時間通園療育部門」「放課後等デイサービス部門」「入所・短期入所部門」など個々の子どもの特性に合わせて生活・遊びの経験や気づきの機会を提供しています。
 評価対象の通所部門は定員110名(児童発達支援センター50名、医療型児童発達支援センター50名、短時間通園10名)です。医師を含め多様な専門職員約120名が、保護者と共に子どもの一生を考えながら、必要とする支援に取り組んでいます。


≪優れている点≫
1.地域との交流・連携 を積極的に取り組んで、利用者の支援に取り組んでいます
 センターでは高津区や中原区の自立支援協議会・サービス調整会議・子育てネットワーク会議などに地域支援部の担当職員などが参加し、センターへの理解を深めるとともに地域のニーズを把握しています。多くの関係機関や団体が開催する会議や連絡会、協議会などを中央療育センターの会議室で開催することもあり、地域支援部の担当職員がそれぞれ参加し積極的に情報の共有を図っています。中原養護学校・高津養護学校・通級指導教室連絡会はセンターで体験教室も含め、連絡会議を行い支援の情報共有を行っています。近隣の中原養護学校とは備品や会場の貸し借りを相互に実施しています。
 保護者の初回相談から支援の方針が決まるまでの間、利用できる支援について、保護者向けのお便り「子育てサロン・おひさま」やじりつに向けた「放課後等デイサービス」などのパンフレットも地域の保護者に配布しています。通園療育の始まる新年度には、20ページ程の「通園のしおり」を保護者を中心に配布しています。しおりでは、センターの運営理念や運営目標、療育目標、通園支援の内容・クラス編成、1日の流れ、行事予定、登園時の交通機関、健康管理、緊急時の対応など子どもの特性に合わせた生活や遊びを通して、楽しみながら発達を促す療育のための環境づくりを分りやすく説明し、療育への理解促進に努めています。


2.直接に支援を行う職員の教育や資質の向上に力を入れています
 職員の人材育成の内部研修は研修委員会がテーマを決め、全職員を対象に実施しています。講義と事例検討会を企画し、講義はどの職種にも共通したテーマを年度ごとに決めています。事例検討会は「業務の振り返りと質の良い支援の実施」をテーマに年間6回にわたって各部門から、順番に発表しています。常勤職員は6回中、3回以上、非常勤職員は希望制で参加しています。新規採用者と一緒に行われる年度初めの「法人の理念や権利擁護」の研修会は業務の一環として非常勤職員も含め、全員受講しています。
 外部研修については研修事業の団体が1年間実施する療育専門職の研修(学会・研究会・勉強会)を参考にし、各部門の部長が対象職員のステップアップの観点から計画的に参加できるようにしています。基本的には職員一人ひとりが、1回以上参加することになっています。参加者は起案書を作成し、受講後は報告書を提出し、報告書を回覧しています。研修内容によっては出席者が講師となって研修報告会を開いて情報共有に務めています。
 通園部、医師、看護師、リハビリテーション部の理学療法・作業療法・言語聴覚、心理、地域支援部、放課後等デイサービスなどの専門職が支援技術の向上を図るために全国児童発達支援協議会職員研修や心身障害児総合医療療育センターなどが開催する研修会に職員は年1回以上受講しています。


≪改善することが期待される事項≫
1. 診察時間や診断内容などに利用者の理解を求める工夫が求められます
 センターでは通園施設の他に放課後等デイサービス、相談支援など多機能な支援を行っています。今回の評価対象の通園施設利用者(卒園児を含む)や個別訓練の利用者からは、診療に関して不満の声も寄せられています。利用者にとって診療に対する期待の高さが伺え、「診察について、十分な診療時間が確保されている」「診察における診断や今後の見通しに関する説明」について不満の声が寄せられている状況です。
 施設のリソース(医師数や時間など)が限られている中で、より多くの利用者に必要な支援を行っています。しかし、利用者は状況や個別対応に関する十分な理解ができておらず、不満の声が高くなっています。利用者が納得し満足するために、診療担当だけでなくセンター全体の取り組みにより、利用者に福祉資源への理解を得られる改善が期待されます。


2. 研修生をはじめ、第三者からの気づきなどを活かして、支援の向上に活用されることが期待されます
 実習生・研修生の受け入れについては、地域支援部のソーシャルワーカーや通園職員、各部門が中心となって福祉の育成の観点から積極的に行っています。センターの担当職員にも実習生の指導を通して療育に関する説明や職員自身の考えを示すなどのスキルアップの機会にもなっています。平成27年度の受入れは大学や短大、専門学校、中原・高津養護教員、大学医学部、川崎市の職員などの体験研修が17校45名、延べ日数450日以上と多くの実習生が参加しています。また、保育の補助や理美容などのボランティアも多くの参加があり、子どもの保護者とも信頼関係も生まれています。
 多数の第三者がセンターの活動に参加していますので、研修生やボランティアなどからの気づきや提案が活用できます。職員の言動や態度などいろいろな角度から見た気づきをアンケートやチェックシートなどで依頼し、支援の向上に活用することが期待されます。


3. 環境配慮に対する姿勢を施設の運営方針の中に明文化し、目標を数値化するなど職員一同で取り組むことを期待します
 職員全員で省エネや経費節減、ビンや缶、燃えるゴミなど分別処理などに努めています。コピー紙の両面コピー、カラーコピーの最小利用、昼休みやトイレでの節電など各自心がけています。
 しかし、施設の運営方針の中に環境配慮に対する姿勢を明文化していません。利用者の健康等に直接的に大きな影響を与える福祉関係の事業者として、一般の企業以上に厳しい社会的責任を果たすことが望まれます。運営方針などに環境配慮に対する方針を明文化し、目標を数値化し掲示して周知して、職員全員で取り組むことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

センターの理念や方針を毎朝、センター長・園長・職員全員で唱和し、子どものこれからの人生を支援していくという法人理念がぶれないように気持ちを新たに周知徹底しています。理念である「人生(存在)への支援・援助」と「運営方針」を具現化するための支援を三つの「運営目標」として掲げています。


人権や虐待拘束防止、接遇ケアなどについて啓発・普及するため、年度初めに新入職員を含め、権利擁護についての研修会を開催しています。各クラスでは毎朝のミーティングや1日の支援終了後、反省会を開いています。1日の支援を振り返り、子ども一人ひとりに対する気づきや虐待につながる行動、子どもに対する不適切な支援の有無などについても話し合い、職員間で情報を共有しています。毎日の支援日誌についてはパソコン入力により、全職員で共有しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

サービス等利用計画の作成の流れについて、重要事項説明書にわかりやすく記載し、利用者・保護者に説明しています。子ども一人ひとりのアセスメントから支援計画の作成、モニタリングまでの流れについてマニュアル化されています。地域支援部の相談支援専門員は子ども・家族に面接して、現在の置かれている状況、生活に対する意向、両者の希望する生活、解決すべき課題などを把握しています。


受け入れに際し初回面接で利用者情報のヒアリングを実施し、お子様のかかえている問題や、保護者の困っていることを確認します。子どもの支援ニーズを把握し医師による初診を行い、さらに発達検査の結果などを基に支援会議につなげています。これらの結果は再診時に保護者に医師から伝えています。初回診療はおよそ45分、再診15分を予定しています。


支援会議は毎週水曜日にセンター長を中心に協議しています。会議には支援員、ソーシャルワーカー、心理士、理学療法士作業療法士言語聴覚士、医師、看護師など関係部門の職員が参加して、療育センターとしてのお子様にとってよりよい支援方針を様々な観点から総合的に協議しています。子ども一人ひとりの身体機能や認知機能、コミュニケーション機能、社会生活スキルなど発達段階を的確に評価して、その子どもにあった発達場面の療育環境を提供し、家族と共に子どもの健全な成長を図っています。


療育にあたっては、一人ひとりの支援ニーズを検討し個別支援計画を策定しています。個別支援計画は通園開始時に策定し子どもの支援の目的を明記し保護者の同意を得ています。計画はおおむね6ヶ月ごとに見直しをしています。子どもや家庭の状況に変化があった場合にはケースカンファレンスを随時開催し、支援の方法の変更が必要であるかどうかを確認しています。他にも必要時には関係するスタッフでケースカンファレンスを行い、また、センターとして一貫してサービスを行うための支援内容を確認しています。訓練は医師の指示に基づいて理学療法士、作業療法士、心理士、言語聴覚士などにより行われています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

クラスやグループごとのクラス会議で子ども一人ひとりのニーズを検討し、個別支援計画を作成しています。個別支援計画は通園の開始時に支援の目的などを明記して、保護者の同意を得ています。6ヶ月後に課題や目標、支援内容などを見直しています。各種のアンケートや保護者会、ご意見箱などを通じて、ニーズや課題を確認しています。幼稚園や保育園などの訪問からも情報を収集しています。年間の支援結果を取りまとめ、次年度の支援に向けて、課題を抽出しています。


ヒヤリハット委員会はセンター内の各部門で予測される小さなヒヤリハット事故を取上げ、事故防止に取り組んでいます。保育室での事前準備や活動中の環境設定、子どもの情緒面への対応、与薬支援、玩具使用前の確認などを行なっています。事故が起きた時の対応や報告、記録、再発防止の検討などの流れの手順書を整備しています。近隣の病院など関連機関や職員の緊急連絡網を明記し、子どもの急変・事故・怪我が発生した時の職員の対応について規定し全職員に配付しています。委員会は毎月、定例曜日に事故内容を分析し、職員全員にフィードバックして再発防止に努めています。


通園個別支援計画書は新規利用児契約時から6ヶ月での更新になります。前期までの計画書を作成し、秋に見直しを行い、後期支援計画書を作成しています。個別支援計画作成にあたっては、保護者の思いを確認し、園児の様子観察の内容も踏まえてクラス担任が作成し、主任、園長の確認を経て保護者へ開示しています。保護者の要望を目標に盛り込むようにしており、十分な達成度が見られないものについては見直しの時点で目標の妥当性を検討し修正しています。医療的ケアが必要な子どもについては医師・看護師・各種療法士などを含めた医療的ケア委員会にて健康面への配慮について確認しています。

4 地域との交流・連携

川崎市中央療育センターをはじめ、南部・北部・西部の4か所のセンター長と川崎市の障害課長が四半期ごとに集まり、運営調整連絡会議を開催しています。センターの運営・連携・職員のスキルの向上・障害児の利用調整などについて協議や制度改正などについて情報交換しています。


センターにおいては高津区や中原区の自立支援協議会・サービス調整会議・子育てネットワーク会議などに地域支援部の担当職員などが参加し、センターへの理解を深めるとともに地域のニーズを把握しています。多くの関係機関や団体が開催する会議や連絡会、協議会などをセンターの会議室で開催することがあり、地域支援部の担当職員がそれぞれ参加し、積極的に情報の共有を図っています。中原養護学校・高津養護学校・通級指導教室連絡会はセンターで体験教室も含め、連絡会議を行い、支援の情報共有を行っています。近隣の中原養護学校とは備品や会場の貸し借りを相互に運用しています。


初回相談から支援の方針が決まるまでの間は、支援について親子で参加する「子育てサロン・おひさま」で遊びを通して社会のルールを学んでいます。じりつに向けた支援の「放課後等デイサービス」などのパンフレットも配布しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

保護者や地域と共に子どもの一生を考え、子どもに必要な支援に取り組んでいることを分りやすく伝えるために、センターのキャラクター入りのパンフレットを作成しています。法人のホームページにはセンターのコーナーを設け、運営理念や相談窓口の地域支援部門・診療所・リハビリテーション部門・心理部門・通園療育部門などのサービス内容を開示しています。相談や見学の対応は地域支援部のソーシャルワーカーや担当部門が窓口となって対応しています。見学者等の希望を基本的にはすべて受入れ、パンフレットやしおりなどで、丁寧に説明しています。初回の相談から、実際の療育や専門的な支援が開始するまでの流れをできる限り、簡素化し、効果的な支援ができるよう努めています。


実習生・研修生の受け入れのマニュアルを整備し、通園部・地域支援部のソーシャルワーカーなどが中心となって福祉の育成の観点から積極的に行っています。受け入れに当たっては職員や保護者には朝礼や懇談会などで趣旨を説明しています。平成27年度の受入れは大学や短大、専門学校、中原・高津養護教員、大学医学部、川崎市の職員などの体験研修が17校、45名、延べ日数450日以上と多くの実習生が参加しています。受け入れ終了後には参加者や学校から感想や意見が送られ、職員にとって支援の振り返りや向上に役立っています。ボランティアの受入れについてはボランティア委員会を設置し、ボランティア派遣の要請や調整、センターの概要や支援内容、プライバシー保護、保護者との連携などについて組織的に対応しています。


適切なセンター運営を図っていく観点から、毎年法人として内部監査を実施して、経理関係はじめ労務関係、保健衛生関係、非常災害対策など運営全般にわたる書類や届け出書、協定書などを1日かけて監査を実施しています。年度末に事業の総括を行い、次年度の事業計画を立案しています。通園クラス・グループの実施状況や専門職との連携による療育の充実など10項目にわたる活動内容とその実施状況を振り返り、それぞれの項目について課題を抽出しています。それらの課題に対して、次年度に向けた対策を検討した上で新年度の事業計画を作成しています。

6 職員の資質向上の促進

職員の人材育成を目的とした内部研修は、川崎事業本部の計画に基づき研修委員会が年度ごとのテーマや具体的実施計画を決め、全職員を対象に実施しています。事例検討会は「業務の振り返りと質の良い支援の実施」をテーマに年間6回にわたって各部門から、順番に発表しています。常勤職員は6回中、3回以上、非常勤職員は希望制で参加しています。新規採用者と一緒に行われる年度初めの「法人の理念や権利擁護」の研修会は業務の一環として非常勤職員も含め、全員受講しています。


外部研修については研修事業の団体が1年間実施する療育専門職の研修(学会・研究会・勉強会)を参考に、各部門の部長が対象職員のスキルアップの観点から計画的に参加できるようにしています。基本的には職員一人ひとりが1回以上、参加することになっています。参加者は起案書を作成し、受講後は報告書を提出し回覧しています。研修内容によっては出席者が講師となって研修報告会を開いて情報の共有に務めています。


通園部、医師、看護師、心理士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ソーシャルワーカー、放課後等デイサービスなどの専門職が支援技術の向上を図っています。全国児童発達支援協議会職員研修や心身障害児総合医療療育センターなどが開催する研修会に職員は最低、年1回以上参加しています。


施設機能の一環として特に保育士や幼稚園教諭の育成のため、実習生などを積極的に受け入れています。センターの担当職員にも実習生の指導を通して療育に関する説明や職員自身の考えを示すなど支援員としてのスキルアップの機会にもなっています。

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