かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

南平間保育園(3回目受審)

対象事業所名 南平間保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 サクセスアカデミー
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0013
中原区上平間1183
tel:044-511-0010
設立年月日 1969年06月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 合同会社 評価市民・ネクスト
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要・特徴】
 南平間保育園は、JR南武線の鹿島田駅から徒歩10分ほど歩いた所にあり、幹線道路から奥まった静かな住宅地の一角に位置しています。園から少し歩くと多摩川や公園が複数あり、自然環境に恵まれています。園舎は鉄筋コンクリート2階建で、手入れは行き届いています。1階は3〜5歳児、2階は0〜2歳児の保育室になっていて、日当たりが良く、園庭は広くプールもあり、子どもたちは毎日元気に遊んでいます。
 南平間保育園は、昭和44年6月に開所し、平成21年まで川崎市立保育園として運営され、同年4月からは公設民営の指定管理施設として株式会社サクセスアカデミーによって運営されています。指定管理施設となった時に園舎の大幅なリフォームが行われ新園舎も建設されました。定員は120名(0歳児〜5歳児)で、開園日は月曜日から土曜日で、開園時間は平日が7:00から20:00、土曜日も7:00から20:00です。
  保育理念は「のびやかに育て だいちの芽」、保育目標は「自然を愛し、心身ともに健やかな子ども」「自分で考え行動し、意欲と根気のある子ども」「『仲間』と関わり、人を思いやれる子ども」「自己を表現できる子ども」です。


●特によいと思う点
【1】子どもの気持ちに沿った活動や、子どもの体験が広がる活動を取り入れ、 保育園生活が豊かになるような工夫をしています
 日常の保育の中では、子どもの意見や発案を肯定的に受け止め、神輿作りの際にテーマやデザインを子どもたちで決め、子どもたちが自分のできる作業に取り組むなど、子ども同士で決めながら進めて行けるような場を設けています。保育士は常に子どもたちの興味にアンテナを立て、子どもの気持ちに沿えるような立案や柔軟な予定変更をしています。異年齢児保育においても、子どもの心の育ちをねらいとした、3、4、5歳児の3人で構成される「きょうだいグループ」活動を取り入れて遠足などを行い、子どもの体験が広がる工夫をしています。


【2】職員が保育園での子どもの様子や保護者への気遣いを言葉で伝えることで、保護者との信頼関係を築いています
 子どもの保育園での様子は、職員が保護者に言葉で伝えることを大切にし、会話のキャッチボールを心がけています。連絡帳や園内に貼り出してある保育記録だけでなく、登降園時には、園での子どもの様子、子どもの成長や出来事などを伝えています。また、職員は子どものことだけでなく、保護者にも「おかわりないですか」などの気遣いの言葉をかけることで、保護者との距離が縮まり、相談、意見、要望など保護者が伝えやすい雰囲気を作るよう努めています。


【3】園長のリーダーシップにより、子どもに寄りそった保育について職員会議で話し合い、理念に沿った保育の質向上に取り組んでいます
 園長は子どもの最善の利益を尊重した保育実践のため、「子ども達にとっての保育園」「保護者にとっての保育園」「職員にとっての保育園」という文書をつくり、子どもや保護者に向き合い、寄りそった保育について職員会議で話し合い、保育の質の向上に取り組んでいます。また「子どもの人権擁護に関して考える」研修を継続して行い、ケーススタディや保育士の日頃の気づきを出し合うなど、理念に沿った保育を日常保育の中でどのように行ったらいいのかについて、職員で話し合うなど、理念実現にむけ、リーダーシップを発揮しています。


●さらなる改善が望まれる点
【1】事業計画や事業報告の作成過程に職員がかかわることで、職員が課題に主体的に取り組めるようにすることが望まれます
 事業計画は、毎年、前年度の事業報告、把握している事業環境や地域の保育ニーズ、指導計画の反省、保護者からの意見、職員の意見をもとに、園長が策定し、保育に関わる内容は職員会議で周知しています。今は園長主導で事業計画を策定していますが、経営層と職員が一体感をもって園運営をすすめられるよう、事業計画や毎年度の事業のまとめである事業報告に関して、職員と意見交換する場を設けるなど、職員が当事者意識を持ち課題に主体的に取り組めるようにすることが望まれます。


【2】理念の立場の保育が実践されるよう、個々の職員の保育技術向上に向けた取り組みが望まれます
 園長は理念に沿った保育が実践されるようにするため、例えば、子どもには適切な声の大きさ、トーンで話しかけること、子どもの言葉に耳を傾けることについて、職員全体で話し合い、保育に生かされるように取り組んでいます。しかし、園全体として十分には浸透していないため、園長は子どもとの関わり方の研さんがさらに必要と考えています。今年度は職員会議で「人権」についての研修や話し合いをすすめていますが、これを継続しつつ、OJTや職員相互に声をかけあうことなど、個々の職員の保育技術向上に向けた取り組みが望まれます。


【3】マニュアル類の見直しの手続きについて、さらに明確化することが期待されます
 理念、安全・健康、保育のあり方、食事、保護者との関わりなど、詳細な内容の、運営法人作成の「保育ガイド」があり、園マニュアルとして位置づけています。「行事マニュアル」「登降園記録用カードマニュアル」など園の独自のマニュアルも作成しています。「保育ガイド」は運営法人で毎年定期に見直しをし、「行事マニュアル」も年1回見直しています。しかし、園マニュアルのいくつかについては見直し手続きは必ずしも明確ではありません。現場の運用を反映させよう、マニュアルの見直し手続きをさらに明確化することが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ○保育士は、朝の受け入れ時から、「子どもの心に寄り添う保育」を心がけ、子どもの気持ちや意見を受け入れるように努めています。日常の保育では、子どもが自由におもちゃを選んで遊んでいます。また、保育士が子どもの意見に耳を傾けることで、子どもが意見を伝えやすいようにしています。行事の内容でも、テーマや役割など、子どもが自分たちで決められることは、子どもたちがクラス内で話し合う習慣がついています。
○子どもを尊重したサービスの提供をするために、職員は人権についての外部研修参加や園内検討会を行い、共通認識を持った保育ができるように努めています。また、理念を受けて、園が大切にしている「子どもの心に寄り添う保育」は、職員が常に念頭に置けるように、園長が会議や職員面談などでも繰り返し話し、子どもへの対応に違いが出ないように工夫する他、新たな職員の振り返りや職員の気づきの機会を設けた新たな園内研修を開始しました。今後さらに、職員みんなが理念に沿った、子どもの目線での保育が実施されることが期待されます。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ○保護者が意見や要望を伝えやすいように、職員は日ごろから話しやすい雰囲気作りに努めています。送迎時に保護者や子どもが事務室に出入りする姿や、廊下でも職員が通りすがりに言葉を掛ける姿がみられ、職員と保護者の信頼関係ができていることがうかがえます。保護者からの意見や要望を受けて、お泊り保育を取り入れたりと実際に保育活動などに反映しています。
○園では、造形教室、体操教室、和太鼓演奏のほか、園長のフォークギターに合わせて歌うなど、保育に変化や潤いをもたせ、楽しみながら体験が広がる工夫をしています。日常の保育や運動会などの行事の中で、子どもが友達や異年齢の子どもと関われる機会を多く設けています。園では、3、4、5歳児が一人ずつの3人のグループで、「きょうだいグループ」と名付けての異年齢児保育を取り入れ、「小さい子を敬う〔思いやり〕」「年上の子を頼る、憧れる」ような心が育つ機会としています。
○職員は、一人一人の子どもの家庭環境や取り巻く環境を把握し、情報を共有しながら、担任だけでなく職員全体が一人の子どもに同じ理解で関われるように努めています。子どもを一人の人と見ることを前提に、子どもの意見や個性を受けとめ、子ども同士のケンカも単に謝ることで終わらせないよう、子どもの言い分を聞いて、自分たちで解決していけるよう、自律生活への支援をしています。
○職員は、登降園時の保護者とのコミュニケーションを大切にしています。家庭での子どもの様子の聞き取りや、保育園での様子を、出来るだけ言葉で伝えています。保護者にも気遣いの言葉をかけることで、保護者との距離が縮まり、信頼関係が築けるように努めています。保護者への申し送りの漏れがないように、チェックすべき項目を網羅した書式を使用して、申し送りの徹底をしています。
○園では、子どもたちが楽しんで食事ができるように、職員が子どもと会話をしながら一緒に食べています。また、食育活動では、野菜栽培や調理、お泊り保育での飯ごう炊飯を行っています。また、餅つきでは米と餅米の違い、秋には旬の食材の実物を見せ、触れる機会を作り、サンマにラップした上から触れるなど、行事に合わせていろいろな体験ができるような取り組みもしています。保護者には、食育活動の様子を、連絡帳や貼り出し保育記録でも伝えています。
○感染症対応について、職員は看護師主催の園内研修で感染症対策を学び、予防や感染拡大防止に繋げています。感染症発生時には、掲示や安心伝言板(メール・インターネットを利用しての連絡)、口頭で保護者への注意喚起をしています。また、感染発生情報が入った場合、次亜塩素酸ナトリウムの薄め液でふき掃除やおもちゃの消毒を行っています。また、食器の消毒も徹底して行っています。感染予防措置として、3歳児以下の子どもたちは、園で設置したペーパータオルを使用し、4、5歳児は各自持参のハンカチの使用しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ○毎年度初め、保育課程に沿ってクラス担任が年間指導計画案を策定し、主任、園長がチェックした後、年間指導計画としています。乳児や気になる子どもは、個別指導計画を策定しています。計画策定にあたり、看護師、栄養士とも連携しています。指導計画の「ねらい」が達成できたかについて、各指導計画の「自己評価」欄で反省を行い見直し、子どもたちの状況を柔軟に反映しています。例えば0歳児では哺乳瓶の経験のない子どもが多く、個別対応できるようミルクを時間差で提供するなど、状況に応じ柔軟に評価・見直しをしています。
○理念、安全・健康、子どもとの関わり方、食事、保護者との関わりなど、法人作成の詳細な「保育ガイド」を園のマニュアルとして位置づけています。「行事マニュアル」「登降園記録用カードマニュアル」など園の独自のマニュアルも作成しています。「保育ガイド」は運営法人で毎年定期に見直しをし、「行事マニュアル」も年1回見直しています。しかし、園マニュアルのいくつかについては見直し手続きは必ずしも明確ではありません。現場の運用を反映させよう、マニュアルの見直し手続きを更に明確化することが期待されます。
○安全安心に対する取組は最優先課題の一つに位置づけ、園長、主任先頭に取り組んでいます。事故や感染症など緊急時の対応では、消防署、警察署、医療機関、区などの緊急連絡先を職員室に掲示し職員はいつでも誰でも対応できるよう体制を整えています。ノロ、ロタなどの二次感染に備えて保育室などの消毒対応ができるよう訓練しています。保育士、用務職員による月1回の園内、園庭、遊具などの安全点検を実施しています。「事故報告書」「ひやりはっと」制度により、再発防止策を全職員に周知し、事故の再発防止に努めています。
4 地域との交流・連携 ○園では、園の情報を川崎市のホームページや中原区子育て支援室の「こねっと通信」で開示しています。また、園の外掲示板を使用して、園だよりなど園の情報の発信をするとともに、園庭開放、育児相談や地域への行事参加の呼びかけも行っています。地域との交流、子育て支援につながるように、職員が子育てサロンの講師として参加したり、近隣の老人ホーム訪問で年長児が和太鼓演奏を行うなどの活動を積極的に取り入れています。
○中原区の園長会など地域で開催される関係機関などとの定期的な会議や連絡会には、園長が参加しています。また、中原区子どもの発達支援検討会にも参加し、発育発達に関する協議をしています。各会議などに参加することで、地域ニーズの把握に努め、地域の福祉の向上のため、地域のネットワーク内での共通課題に協働して取り組んでいます。
5 運営上の透明性の確保と継続性

○理念に基づき、「自然を愛し、心身ともに健やかな子ども」「自分で考え行動し、意欲と根気のある子ども」「『仲間』と関わり、人を思いやれる子ども」「自己表現できる子ども」を保育目標にしています。「運営規程」には「子どもの最善の利益」を尊重することが掲載されています。今年度は職員会議で「人権」についての研修、話し合いを継続してすすめています。子どもには適切な声の大きさ、トーンで話しかけること、子どもの言葉に耳を傾けることなど、理念の立場に立った保育が現場で実践されるよう話し合っています。
○園長、主任は園の運営改善にむけ、リーダーシップを発揮しています。子どもの最善の利益を尊重するため、園長は「子ども達にとっての保育園」「保護者にとっての保育園」「職員にとっての保育園」という文書をつくり、子どもや保護者に向き合い、寄りそった保育について、職員会議で話し合い、保育の質向上に取り組んでいます。職員会議で意見や提案を出しやすくするよう会議運営に努め、職員間の連携を大切にしています。園内外の安全対策とリスク回避のため、職員による園内、園庭、遊具などの定期巡回による点検を実施しています。
○園では園の質の向上めざし、今年度から「保育所の自己評価」を実施する計画ですが、自己評価の実施から課題の抽出、改善までの各プロセスに職員が関わり、主体的に取り組めるようにすることが望まれます。また行政などから、1、2歳児の待機児童が多いなどの子どもの動向、保育士不足など、事業経営に影響のある情報や福祉ニーズについて把握し、地域で求められるサービスを実施しています。それらの分析に基づき、地域ニーズである地域の子どもの身長、体重測定などを実施しています。今後も「出前保育」などを検討しています。

6 職員の資質向上の促進 ○職員の採用は法人の担当者と園長が面接し、経験、人柄、コミュニケーション力、柔軟性などを考慮して決定します。保育士の他、看護師、栄養士も採用し、運営法人から臨床心理士も定期的に園に派遣してもらうなど、理念実現に向けた取り組みが展開できるよう適材適所に配置しています。職員は「チャレンジ共有シート」を提出し、年度目標の職員の自己評価と園長との面談により評価内容を双方で確認しています。評価結果は人事評価に連動させるとともに、職員ごとの課題を明確にし、職員のやる気の向上に向けた取り組みをすすめています。
○人材育成については毎年度、事業計画に方針を示し、年間研修計画を策定しています。「チャレンジ共有シート」に基づき、職員の要望や、一人一人の課題に沿った研修計画を定めています。乳・幼児の発達、感染予防、虐待防止、保護者との関わりなど全ての職員が年1回以上の研修を受講しています。研修参加後は研修報告書を提出し、職員会議で報告、回覧し研修内容を全職員で共有しています。ただし、年間研修計画は職員ごとの課題や計画が明記されている訳ではないので、個別の職員ごととなるよう改善することが望まれます。
○園長、主任は職員に声かけを行い、体調管理に気を配っています。有給休暇やシフトの回数も、職員全員が平等になるよう努めています。体調の悪い職員がいた場合、園全体の業務の調整を行い、職員の協力のもと休ませるなどの配慮しています。今年から1週間程度の長期の休暇も交代でとれるようにしています。全員が年に2回の職員面談を行い、クラス担任や業務要望などを把握し、適材適所の配置に生かしています。運営法人のカウンセラーがメールや電話で職員の悩み、相談にのってくれる制度があり、メンタルヘルスケアにも努めています。

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