かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

にじいろ保育園サクセス和田町(2回目受審)

対象事業所名 にじいろ保育園サクセス和田町(2回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 サクセスアカデミー
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 240 - 0065
保土ヶ谷区和田1-15-3 コーラル和田町1階
tel:045-332-2110
設立年月日 2007(平成19)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 合同会社 評価市民・ネクスト
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
 「にじいろ保育園サクセス和田町」は相模鉄道線「和田町駅」の駅前にあります。駅を降りると道路を挟んで目の前に7階建てのマンションがあり、道路に面したファストフード店の奥に保育園の入口があります。マンションを挟むように、右手には相模鉄道線の線路、左手には帷子川が流れています。駅周辺は商店街になっており、川を越えて国道16号線に出るまで商店街が続いています。人通りも多くにぎやかな街中です。しかし、近隣には大小さまざまな公園があり、園では13箇所の公園マニュアルを作っています。園庭は乳児用に柵をつけた小さいものですが、プランターを置き、植物の栽培もしています。
 2007年(平成19年)に開園した定員30名の認可保育園で、0歳から5歳の子どもを受け入れています。開園時間は平日午前7時から午後8時、土曜日は午前7時から午後6時です(延長時間含)。
 運営法人は株式会社サクセスアカデミー(以下運営法人)です。運営法人は事業所内保育施設(大学、病院、企業)の受託運営、認可保育園・東京都認証保育所(にじいろ保育園)の運営、公設民営保育園の運営、学童クラブ・児童館・全児童対策事業施設の運営、保育施設運営のコンサルティングサービスで、首都圏を中心に幅広く展開しています。
 保育理念を「子ども理念」として『のびやかに育て だいちの芽』、保育方針を「子ども理念」に基づいて『みとめ愛・みつめ愛・ひびき愛』としています。また、めざす保育園像として「陽だまりのような保育園」、「地域と共に育つ保育園」、「子どもと共に輝いていける保育園」を掲げています。


●特長・優れている点
【1】子どもたちは年齢を超えて交わり、自主性を育みながら元気良く過ごしています
 ワンルームの保育室、一箇所のトイレ、30人の子どもたちという園舎です。乳児が落ち着いて過ごせるように0〜2歳児クラスは低い柵や棚で年齢別の保育室に仕切り、トイレや玄関へ行く動線を棚などの備品で確保し、残りのスペースを幼児17名の保育室にしています。こうした工夫で子どもたちは落ち着いて遊び、生活の流れも入り乱れることなくスムーズになっています。
 保育士は優しくおおらかで、細かい規制はしません。生活の大きな流れの中で子どもたちが自分からその流れを汲み取って行動することを大切にしています。片づけが始まっても遊び続ける子どももいますが、いつのまにか片付いて次のプログラムに移っていきます。遊びも子どもたちが主人公です。保育室の棚や引き出しにはさまざまなおもちゃや素材が用意されていて、幼児は年齢を超えて友だちと一緒に好きなものを選んで遊び込みます。新聞紙で男女別なくスカートやマントを作って身にまとって遊ぶ子どもたち、描いた絵や塗り絵を自分でファイルする子どもたち。どの子どものファイルも使い込んであります。
 異年齢児との交わりは生活の一部です。乳児との合同保育の際、幼児は乳児を危なくないように見守ったり、ブロックをあげたり、乳児の遊んだものを片付けてあげたりし、幼児クラスでは3歳児が4歳児・5歳児に刺激されてより高度な遊びに挑戦しています。一方4歳児・5歳児は3歳児に縄跳びを教えてあげたりはしますが、乳児に対するような優しさではなく、同じクラスの仲間という意識での接し方に見える場面も見られました。
 職員に見守られながら、子どもたちは生き生きと穏やかに日々を過ごしています。


【2】職員は全員が協力して子どもたちの園生活を支援しています
 保育室は低い棚等で仕切ったワンルームなので、大人はほぼ全体を見渡すことができ、声は他のクラスの保育士にも届きます。その特質を活かし、全職員が協力して保育がスムーズにいくように助け合っています。保育士たちが声をかけ合って互いにすすんで協力している姿が日常的に見られます。日々散歩に行く際に必ず通る狭い玄関や、一箇所のトイレを、重ならずに使用するため、クラスごとの使用時間差が上手に作られています。トイレが終わって所在なさげにしている乳児がいれば、気が付いた保育士が絵本を見ている子どもたちのところに導きます。2歳児の子どもが食事の配膳中に「おなかが痛い」と言うと、排便だと察し、他クラスのトイレを見守っている職員に「お願いします」と声をかけます。おむつ交換等の忙しい時間帯には、看護師や主任とも声をかけ合って補助に入ってもらいます。調理職員は全クラスに食事やおやつを運び、子どもの様子を見ています。園長や看護師が主に使っている狭い事務室も大事な空間です。子どもたちが興奮してしまった時のクールダウンや場合によっては逃げ場、ちょっと具合の悪くなった時の休み場所にもなります。そのように全員で協力して「陽だまりのような保育園」「子どもと共に輝いていける保育園」を目指しがんばっています。


●独自に取り組んでいる点
 今年度から保育の質の向上のため、園独自の研修を取り入れたり、年間を通しての園テーマ
を決めたりして、園一丸となって取り組んでいます
 今年度から2つのことを推し進めています。第一に園内研修の充実です。その一つとして「手遊び研修」を毎月行っています。そして「手遊び研修」は非常勤職員が担当になって行い、常勤職員・非常勤職員全員で共有し、保育に生かせるように工夫しています。また、園長が感じた「子どもの人権の尊重」の保育姿勢や子どもへの声掛けを意識した「しぐさの研修」を取り入れています。保育理念「のびやかに育て だいちの芽」の実現の為、保育士の資質向上を目指し、園内研修の充実に努めています。
 第二に年間を通して園独自のテーマを決めています。今年度は「アート」です。子どもたちが言葉や音そして作品で表現できるようにテーマに沿って子どもの姿や思いを月案の目標に組み込んでいます。朝の会では言葉として手話を取り入れています。「入園の集い」や「夕涼み会」では、音として職員がハンドベルの演奏を行いました。こうした試みから幼児たちの興味を促し、一年の集大成である生活発表会で幼児たちがハンドベルの演奏を披露出来るように取り組んでいます。また、作品としては子どもの発想力を大切にし「夕涼み会」で部屋の一部を作品展の会場にして、保護者が観覧できるスペースを設け、子どもの成長が感じられる機会を作りました。これらを通して子どもたちが年間を通して一つのテーマである「アート」に向かって表現し、達成感が持てるように保育を行っています。


●今後の取り組みが期待される点
【1】他園との交流を含め、地域との交流や活動への更なる取り組みが期待されます
 園では現在地域住民との交流から地域の子育て支援ニーズを把握するまでには至っていません。また、毎週予約制で育児相談を受け付けていますが利用実績がありません。育児相談に応じる人材も体制もあり、関係機関との連携体制もありながら利用実績のないことが惜しまれます。
 園舎が小さく園庭もせまいことなどから、他園との交流や活動を含め、積極的に地域に出ていくことを計画的に取り組むことにより、園の目指す「地域と共に育つ保育園」が実現していくことを期待します。


【2】年齢別の発育・発達に応じた保育の内容がより充実することが望まれます
 小型園のため、一人一人に全職員の眼が行き、園全体が大きな家族のように和やかで、異年齢の子どもたちがごく自然な形でふれあっています。幼児クラスは3歳児から5歳児が一つのクラスとなっています。自由に遊ぶ時間にはそれぞれが自分で遊びを選んで遊んでいますが、一斉保育でも3歳児から5歳児まで一緒に活動しています。異年齢での一斉保育のメリットもありますが、同年齢での一斉保育に欠けるというデメリットも生じます。日々の遊びや一斉保育の中で、年齢別の発育・発達に応じた保育内容をより充実させていくことが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ○保育理念にある「のびやかに育てだいちの芽」はあたたかい環境の中で、一人一人の心に寄り添い、人や物、自然との豊かな出会いや体験を通して生きていく力を育てるという考え方です。これは子ども一人一人を大切にしていて尊重しています。
○運営法人作成のマニュアル「人権」があり具体的に記載しています。園では、職員全員にコピーを配布し周知するとともに、園長が保育の中で職員の言動で気になることがあった場合には、その場で或いは事後に話し合ったりしています。また、性差による先入観を植え付けないように、マニュアルに基づく研修を行い保育に活かしています。
○事務所は子どもたちに親しまれていて、威圧感を与えずプライバシーも守れる場所となっています。またテラスや玄関も他の子どもから離れて1対1で話し合える場所なので、子どもが興奮した場合のクールダウンに使用しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ○保育の基本方針の「陽だまりのような家庭的で温かい保育園」を実現するために「みとめ愛・みつめ愛・ひびき愛」を掲げて「あたたかいまなざしに見守られ、見つめられ心地よい安定した心」「人を信じ尊重し自分のことも友達のことも好きと言える認め合う心」「ひびきあい共感しあい喜びと自信を持ってたくましく生きていける心」として、子どもの最善の利益を第一義にしています。子どもの人権や主体性を尊重し保育課程を作成しています。
○子どもが主体的に遊べるように配慮しています。乳児保育室、幼児保育室ともに、棚などにおもちゃや絵本が置いてあり、子どもが自分で取り出せるようにしています。幼児は合同保育なので、自由に遊ぶ時間には、発達段階に沿って一人一人が興味を持って遊びに集中できるように配慮しています。
○乳児はトイレットトレーニング、幼児は箸への移行を保護者の意見や意向を聞きながら柔軟に計画し行っています。トイレットトレーニングは、始める前に日常保育の中で一人一人の排泄のリズムをとらえるようにし、家庭での取り組みを優先し園での状況を伝えながら進めています。

3 サービスマネジメントシステムの確立 ○運営法人作成のマニュアル「保健衛生」に健康管理の記載があり、それに基づいて看護師を中心にして子どもたち一人一人の健康状態を把握しています。感染症に関しては、マニュアルに主な感染症一覧、登園停止基準、保育園での感染症対策等を記載してあります。保護者には、「入園のしおり」でそれらを伝えています。保育中に感染症が発症した場合は、保護者に連絡し、お迎えの相談をします。子どもは園児から離し看護師が個別対応します。他の保護者向けに発症した感染症に関する情報を玄関に掲示します。
○運営法人作成のマニュアルの他、園で作成した「トイレ掃除の手順」を衛生管理マニュアルとしています。
○マニュアルは、変更や修正を職員参加で行っています。昨年度は職員の意見から消毒の実施方法について修正し勉強会を行いました。その他、看護師が全職員対象に、夏前には胃腸炎や熱中症の予防や対処法、秋冬のインフルエンザやノロウィルスの流行に備えた嘔吐処理の実習・勉強会を行いました。
○一人一人の健康診断の結果は「健康の記録」「児童健康調査票」に、歯科健診の結果は「歯科健診の結果」「児童健康調査票」に記載しています。
○緊急時に備えて、保護者とは災害伝言ダイヤルや伝言板を活用する緊急連絡体制が確立しています。毎月の避難訓練以外に、保護者引渡し訓練、広域避難場所まで誘導する避難訓練をそれぞれ年1回行っています。
○子どもの事故や怪我は「事故報告書兼事故証明書」「アクシデントレポート」に記載します。それらは日々のミーティングや、月1回のケース会議・職員会議・アクシデントひやりはっと会議(A/D 会議)で共有し、再発防止策について話し合っています。事故防止に向けて職員の意識を喚起するために、クラスごとに注意事項を毎月チェックする「事故防止確認表」を使用しています。

4 地域との交流・連携 ○常盤台地域子育て支援連絡会に参加し、地域ケアプラザや地区社会福祉協議会などと、地域の子育てに関する情報交換・検討会を行っています。
○地域での子育てを支援するために、交流保育、出張保育を提供しています。交流保育では、主に1歳児を中心に親子で保育園生活を体験してもらっています。出張保育としての子育てサロン「陽だまり」では、相談の手伝いだけでなく、手遊びや絵本の読み聞かせも提供するようになりました。
○町内会館で生活発表会を行ったり、地域活動ホームのおもちゃ文庫を利用しています。また、地域の消防署に、避難訓練や消火訓練を職員や子どもに指導してもらっています。
○園の運動会や夕涼み会のポスターを町内会館や近隣の商店に掲示し地域住民を招待しています。夕涼み会では地域の親子も参加してもらいました。運動会では地域の未就学児のためのプログラムを組みました。
○ボランティアの育成担当は園長で、受け入れ時には自己紹介カードを、終了時には事後アンケートを書いてもらっています。ボランティアから習うこともあり、ハンドベルを園として取り入れました。

5 運営上の透明性の確保と継続性 ○全職員に業務マニュアル「保育ガイド」の抜粋版を配布しています。「保育ガイド」には人権尊重・倫理規定が明文化されています。また、職員会議や日々の申し送りでそれらを確認しています。
○園の情報は運営法人のホームページや園のブログで随時提供しています。また、常盤台地域子育て支援連合会に参加して情報交換をし園の情報を提供しています。
○重要な意思決定に当たっては、年2回の保護者懇談会・年1回の運営委員会で説明しています。
○主任は、フリーで各部屋に入れるようにして職員とコミュニケーションを取り易くしています。週末や月末に週案・月案や児童票、発達経過記録等の計画や記録に目を通し、保育のポイントや職員の自己評価について指導、アドバイスをして改善に取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進 ○実習生の指導は主任と配属クラスの担任が主に行い園長が確認しています。実習の日誌は、園長、主任、配属クラスの担任が確認し、園長がその日の振り返りを直接実習生に聞いて助言しています。実習終了時には反省会を行い、配属クラスの担任と主任が実習生と意見交換します。終了後には保育実習アンケートを提出してもらい記録はファイルにして保管しています。
○研修は職員・非常勤職員関係なく、新任研修・スタートアップ研修・スキルアップ研修・レベルアップ研修・フォローアップ研修を受講しています。研修計画は園長が作成しています。
○職員はチャレンジ共有シートを作成し、現状の自分を理解し気づきと課題を発見します。それを基に園長と年3回の面談を行い、職員は身に付けたいスキルを認識し、園長は身に付けて欲しいスキルを確認します。そして、職員一人一人に期待していることを直接伝えることでやる気を促進しています。

詳細評価(PDF2,190KB)へリンク