かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ベネッセ市ヶ尾駅前保育園

対象事業所名 ベネッセ市ヶ尾駅前保育園
経営主体(法人等) 株式会社ベネッセスタイルケア
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 225 - 0024
青葉区市ケ尾町1153-3 第2蕪木ビル2階
tel:045-973-8944
設立年月日 1994(平成6)年10月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
 ベネッセ市ヶ尾駅前保育園は、東急田園都市線「市が尾」駅から歩いて2分のマンションの2階にあります。商店や銀行、スポーツクラブなどが並ぶ駅前通りに面していますが、徒歩圏には緑豊かな公園が複数あり、子どもたちが季節の自然を楽しむことが出来ます。 
 ベネッセ市ヶ尾駅前保育園は、1994年(平成6年)10月に駅型保育園(認可外)として開園し、2004年(平成16年)8月に認可園となりました。運営法人は株式会社ベネッセスタイルケアです。運営法人の保育事業では首都圏を中心に保育園の運営を数多く展開しています。
 マンション内の保育園ですが、日当たりがよく明るく、落ち着いた雰囲気となっています。園の表側と裏側にテラスがあり、園庭として用いています。
 定員は51名(0歳児〜5歳児)、開園時間は平日(月曜日〜土曜日)が7時〜20時、土曜日が7時30分〜18時30分です。
 保育理念として「『よりよく生きる力=Benesse』の基礎を育てる」、保育目標として「自分で考え、すすんで行動する子ども」「友だちと楽しく遊ぶ子ども」「感性豊かな子ども」、保育方針として「子どもの『個性と人格を尊重』し、主体性を育てます」「自然な生活の営みの中で子どもが『安定感・安心感・落ち着きを持てる室内環境』をつくります」「深い信頼関係に根ざした『豊かな人とのかかわり』を重視します」「身の回りの『社会・自然を通しての学び』を大切にします」を掲げています。


◆高く評価できる点
1、落ち着いた環境の中、子どもたちはのびのびと自分を表現し、園生活を楽しんでいます
 園は、子どもが主体的に遊びに向かい、安心して園の生活を楽しめるよう、様々な工夫をしています。乳児は担当制を取り、保育士との一対一の関わりを大切にしています。3〜5歳児クラスは異年齢合同のクラス編成となっています。保育室内は、「構造の遊び」、「ままごと」、「思考(手先の遊び)の遊び」、「製作の遊び」、「絵本の遊び」と明確に区切られていて、遊びに集中できる環境を整えています。子どもたちは友達とブロック遊びやままごと遊びをしたり、数人で粘土遊びを楽しんだり、一人で絵本や図鑑を見たりと、自由に自分のしたい遊びを見つけています。
 保育士は大人の都合で物事を進めることなく、子どもの気持ちや子どもの声を受け入れる姿勢を大切に保育にあたっています。観察時にも、発言や発信ができにくい子どもに対して、保育士がしっかりと向き合い、子どもの声を「待つ」場面を多く観察しました。保育士は、子どもの発する小さなサインに寄り添い、言葉を足したり繰り返したりして受け止め、子どもが自分の思いを言葉で表現できるように働きかけています。
 また、マンション内の保育園であり、園庭も広くないことから、雨でなければ毎日、近隣の散歩に出かけています。園外活動も積極的に取り入れていて、散歩先でのヨモギ摘み、お月見用のススキ採りなどのほか、地元の農家の協力で芋ほりを体験するなど、多くの自然に触れる機会を設けています。園内には散歩先で拾った落ち葉や木の実を大切に飾り、子どもたちの小さな発見を共有し、季節感を味わっています。    
このような保育士の働きかけの結果、子どもたちは家庭にいるかのように安心してくつろぎ、保育士に甘え、素直に自分の気持ちを言葉や身体中で表現しています。


2、保育士は自己研鑽に励み、方向性を統一し連携して保育にあたっています
 保育理念、保育方針、保育目標を玄関とスタッフルームに掲示しています。さらに、非常勤職員を含む全職員に「ベネッセ保育の考え方」を配付し、非常勤職員を含む全職員が参加する年3回の全体研修で読み合わせをし、職員全員が同じ方向性で保育にあたれるようにしています。
 園は、人材育成に力を入れていて、職員はチャレンジシート(個人目標シート)を用いて目標設定し、中間期と年度末に振り返りをし、年3回の園長面談で目標設定と達成度の評価を行っています。また、人事制度の中に等級制があり、等級別に職務遂行能力、求められる保育の専門性などが明記され、具体的なチェックリストを用いて、職員が自分で求められる役割や期待水準を確認することが出来ます。
 研修としては、毎月、園内研修を実施していて、保育方針や行動基準、救命救急講習、リスクマネジメント研修などは非常勤職員を含む全職員の参加を義務付けています。職員は、横浜市や青葉区などが主催する外部研修に積極的に参加しています。また、運営法人の研修も充実していて、該当する職員が参加しています。研修に参加した職員は研修報告書を提出するとともに、職員会議でも報告しています。さらに、課題に対して全員で取り組む仕組みがあり、今年度は防災に対して、職種を超えた職員でグループを作り、環境設定、備品などのテーマごとに学習や検討を重ねていて、自分達で考え、実践する機会となっています。
 このような様々な取り組みを通して、保育士は方向性を統一し、目指す保育の実現に向けて取り組んでいます。


 
3、保護者とのコミュニケーションを丁寧に行うことで、信頼関係を築いています
 園では、園だより・クラスだより・給食だより・ほけんだよりを毎月発行するとともに、その日の保育の様子を、2歳児クラスまでは連絡帳で、3〜5歳児クラスについては保育中の子どもの写真にコメントを入れた掲示を用い、毎日情報提供しています。掲示物のコピーを掲示の横に備え、保護者が自由に持ち帰ることが出来るようにするなど、忙しい保護者への配慮もしています。
 年2回、春と秋に保護者懇談会を実施しています。春の懇談会ではクラスのねらいや目標・発達の目安等を説明し、秋の懇談会では、ビデオや写真を用いて、子どもの成長の様子を保護者に見てもらっています。また、給食試食会として、給食の一品を一口試食してもらう機会を毎月設定しています。保護者のお迎えの時間に合わせ、通常は職員の休憩室として用いているマンションの独立した一室に試食品を用意し、保護者に立ち寄ってもらい、くつろいだ雰囲気の中で、栄養士や園長、主任と気楽にコミュニケーションがとれるようにしています。
 保育士は、日々の保護者とのコミュニケーションを大切にしていて、その日の子どもの様子をエピソードも交えて保護者に伝え、保護者の意見や要望を聞き取っています。事務室が玄関に面していて、園長、主任は毎日、保護者と親しく挨拶を交わし、保護者と子どもの様子を見守っています。保育士から報告があった場合や、保護者の様子がいつもと異なる時には、すぐに園長、主任が保護者に声をかけて、保護者の思いを受け止め相談に乗っています。
 このように細やかに保護者により添うことによって、保護者との信頼関係が築かれていて、今回の保護者アンケートの総合満足度では、「満足」が74.3%、「どちらかといえば満足」が25.7%、合わせて100%と全ての保護者が満足と答えています。


◆改善や工夫が望まれる点
1、地域に対して、園の専門性を還元するための取り組みが期待されます
 園では、青葉区内の認可保育園が行っている地域の子育て支援イベントに企画の段階から参加するなどし、保育園としての地域に果たす役割についての意識を高めています。ただし、マンション内という立地上の問題もあり、地域に向けた子育て支援サービスの提供や講習会の開催などは行っていません。また、園見学に来た保護者の相談にのることはあるものの、園として育児相談を掲げるまでには至っていません。
 保育園に求められる役割を果たすためにも、育児講習会や別室を用いての育児相談、栄養相談など、園の持てるノウハウを地域に還元するための取り組みの工夫をされることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・子どもの人格尊重については運営法人で定めた「ベネッセスタイルケア宣言」や「保育の考え方」があり、これらを用いた、法人研修や園内研修を毎年行っています。この学びを得た職員の姿勢には人格尊重についての明確な意思統一が見られます。保育中に職員が子どもを急かしたり強制したりする場面は見られず、決して大きな声を出さず、静かな穏やかな口調で保育を行っています。
・職員は大人の都合で物事を進めることなく、子どもの気持ちや子どもの声を受け入れる姿勢があります。発言や発信ができにくい子どもには、保育士がしっかり向き合い、子どもの声を「待つ」場面を多く観察しました。
・マニュアル集「安全衛生基準」の中に虐待の定義、チェックポイントと対応などを明記するとともに、園内研修で取り上げ虐待の定義や見分け方について職員に周知しています。虐待が明白になった場合や疑わしい場合、見守りが必要な場合には、青葉区こども家庭支援課や横浜市北部児童相談所と連携をとっています。
・運営法人で作成した「ベネッセスタイルケア行動宣言」「行動基準」「個人情報保護ハンドブック」等で、守秘義務について丁寧な取り決めをしています。これらは全職員に配付し説明しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・0・1・2歳児は担当制を取り、食事やオムツ替えなどの生活場面での一対一の関わりを大切にしています。
・3・4・5歳児は異年齢保育を行っています。観察時にも、年上の子どもが年下の子どもの手助けをしたり、年下の子どもが年上の子どもの真似をしたりする姿を多く見ることが出来ました。
・子どもが主体的に遊びに向かい、保育所の生活を安心して過ごせるように、様々な工夫をしています。3〜5歳児クラスでは「構造の遊び」、「ままごと」、「思考(手先の遊び)の遊び」、「製作の遊び」、「絵本の遊び」と、保育室内を明確に区切り、子どもが遊びの目的に集中できる環境を整えています。
・自由保育を保育の基本におき、家庭的な環境の中で子どもが心地よく生活できるように配慮する姿勢があります。園内外での保育時間には多くの自由遊び時間を確保し、子どもたちは時間に急かされずおおらかに遊びを楽しんでいます。
・園庭はマンション内専用地の小さな園庭の為、天気の良い日には毎日地域の公園で遊ぶ散歩を取り入れています。散歩先は、距離及び目的とする遊びの種類によるコースを細かく設定し、子どもの発達に合わせた選択をしています。また、園内で、跳び箱・マット・巧技台・鉄棒等の運動具を用意する他、地域のボランティアによる体操の時間も設けています。
・月齢の低い乳児の授乳及び食事介助は、子どもが1人で椅子に座れるようになるまでは保育士が膝に抱き、子どもの様子を確認しながら行う他、0歳児クラスの食事介助は概ね年明け頃までは完全な一対一の対応で行っています。2歳児クラスまでは出来るだけ担当の保育士が援助する体制を取り、子どもにとっての食事のスタートを大切に考えた対応をしています。
・その日の保育の様子は、2歳児クラスまでは連絡帳により個別に伝えています。3〜5歳児クラスについては保育中の子どもの写真にコメントを入れた掲示を毎日行っています。
・保護者懇談会を春秋の年2回実施しています。春の懇談会ではクラスのねらいや目標・発達の目安等を説明し、秋の懇談会では、ビデオや写真を用いて、子どもの成長の様子を保護者に見てもらっています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・子どもの発達や状況に合わせ、年間指導計画、月案、週案を作成しています。クラスごとの毎日のミーティングで振り返りを行い、それらを集約したものを基に月案を作成しています。作成された月案は、職員会議で意見交換し、職員間で共有しています。
・入園後の子どもの成長発達の様子は、児童票の発達経過記録に4期に分けて記載されています。家庭状況調査票、健康記録、保育の記録、面談シート、保育経過記録などの子どもの記録は個人別に「児童票」としてファイルされています。
・保育士は障がいがある子どもを特別扱いすることなく、他の子どもと同じように関わるよう努めています。保育士の姿勢は他の子どもたちにも伝わり、子どもたちは自然に障がいがある子どもを受け入れています。
・玄関に意見箱を置いています。年2回の懇談会、個人面談、行事後や参観後のアンケートで、保護者の意見、要望を聞いています。また、年1回運営法人による「顧客満足度調査」を実施しています。
・健康管理、感染症対応、衛生管理などの各種マニュアルを整備しています。マニュアルは毎年春に全職員でマニュアルの読み合わせをし、職員間で共有しています。また、季節ごとの(プール遊びの衛生管理や嘔吐処理等)園内研修を実施しています。
4 地域との交流・連携 ・マンション内の立地であり、地域住民の受け入れが簡単ではない施設環境の為、地域に向けた子育て支援サービスの提供や講習会の開催等は行っていません。現在、今後どのような形が実現可能かの論議が職員間で始まっています。
・園のホームページに園情報を掲載し、情報提供をしています。育児相談については、園見学者からの相談が多く、丁寧に対応していますが、日時を決めた定期的な育児相談は行っていません。
・地域の公園愛護会に所属し、年2回の会議への参加及び、園児と共に公園の花壇作りや清掃に参加しています。
・幼保小教育連携事業に参加しています。地域の小学校とは、5歳児クラスの子どもたちが就学に備えて小学校訪問を実施したり、地域の高校生がボランティア活動をしてくれるなどの交流をしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・保育理念、保育目標、保育方針を、玄関、スタッフルームに掲示するとともに、マニュアル「保育の考え方」に記載し、全職員に配付しています。入職時の運営法人の研修で理念、方針を周知するとともに、非常勤職員を含む全職員が参加する年3回の全体職員会議で、「ベネッセ保育の考え方」「ベネッセ保育の考え方プラス」の読み合わせをし、目指す方向性を共有しています。また、必要に応じて職員会議や園内研修でも取り上げ、確認しています。
・就業規則の服務心得や行動基準、個人情報ハンドブックなどに職員が守るべき法・基準・倫理などが明記されています。また、全職員に配付している「ベネッセスタイルケア行動宣言」にも明記されています。入職時の運営法人研修で周知するとともに、年3回の全体職員会議で、全職員で読み合わせを行い、確認しています。
・保護者代表が参加する運営委員会で事業報告をしていますが、経営、運営状況などの情報を積極的に公開することはしていません。
・課題に対して、異なる職員によるチームで検討する体制があります。今年度は、防災に対して、職種を超えた職員でグループを作り、環境設定、備品などのテーマごとに学習や検討を重ねています。
・運営法人の中長期計画に基づき、3か年の園運営計画を作成しています。
・運営法人の外部顧問に発達心理、安全衛生、リスクマネジメント、栄養など様々な分野の専門家がいて、運営に関する意見や情報を得、運営に反映しています。また、系列の教育研究所からも意見・情報を得ています。
6 職員の資質向上の促進 ・職員は、チャレンジシート(個人目標シート)を用いて目標設定し、中間期と年度末に振り返りを行っています。年3回の園長面談で、目標設定と達成度の評価を行っています。
・人事制度の一つとして等級制を採用していて、等級要件を明示したチェックシートを用い、自分で確認できるようになっています。
・毎月、園内研修を実施しています。保育方針や行動基準、救命救急講習、リスクマネジメント研修などは非常勤職員を含む全職員が参加しています。
・職員は、横浜市や青葉区、地域療育センターあおば、白峰学園保育センターなどの外部研修に積極的に参加しています。また、運営法人の研修にも、該当する職員が参加しています。研修に参加した職員は研修報告書を提出するとともに、職員会議でも報告しています。
・保育士は毎日、クラスミーティングで振り返りをしています。職員会議では、保育の内容が保育理念や方針に沿っているかを常に振り返っています。
・職員会議で、職員の改善に向けた意見を聞いています。園長、主任は日々の職員との会話の中からも意見、要望を把握しています。運営法人による職員満足度調査(ES調査)で、職員の意見を聞いています。また、年3回の園長面談で、職員の満足度や要望を把握しています。

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