かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

十日市場のぞみ保育園(2回目受審)

対象事業所名 十日市場のぞみ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) テンプスタッフ・ウィッシュ株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 226 - 0025
緑区十日市場町872-19 エテルナU1F
tel:045-989-2577
設立年月日 2006(平成18)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
十日市場のぞみ保育園は、JR横浜線「十日市場」駅から徒歩約2分、環状4号線沿いにあります。大通りから一歩入ると緑が多い住宅地となっていて、田んぼも広がっています。平成18年(2006年)4月、テンプスタッフ・ウイッシュ株式会社により開設されました。園は4階建てビルの1階を使用し、保育室、厨房、事務室などから成り、保育室は、ワンフロアを背の低い棚で3つの区画に仕切り、0歳児室、1、2歳児室、幼児室としています。幼児は、3、4、5歳異年齢の1クラス編成です。保育室の外側にテラスがあり、園庭につながっています。定員は36名(産休明け〜5歳児)、開園時間は、平日7時00分〜20時00分、土曜日7時00分〜16時00分です。保育理念を、“自立・自律を促進し、子どもと大人の関わり合いの中で育ちあっていく「響育」を心がけます。”とし、保育方針を“生きる力の基礎を育てる。違いを認め合える気持ちを育てる。”としています。


1.高く評価できる点  
●子どもたちは、一人一人の気持ちや生活リズムを尊重され、園生活を楽しんで過ごしています 
朝の時間、子どもたちは、粘土・ブロック・ミニカー・ままごとセットなどでの遊びに熱中しています。ひとりで好きなことに熱中したり、友達と一緒に遊んだりさまざまです。「お医者さんごっこがしたい」の声で、周りの子どもたちが衝立や椅子・テーブルを並べて診察室や待合室、薬局を作り、保育士が出してくれた聴診器・薬などと書いたカードを適当な位置に置きます。お医者さん役、患者役、薬屋さん役など、異年齢クラスのほとんどの子どもが関わる遊びに発展する場面もあります。また、園庭での遊びでも、ひとりで玉入れやボール遊びをしたり、みんなで鬼ごっこやサッカーで遊んだりしています。日々の保育にあたっては、遊ぶ・食べる・寝るなどの活動時間に幅を持たせ、子ども一人一人のリズムや区切りを大切にする「流れる日課」が取り入れられています。例えば、散歩や園庭遊びで、みんなで外に出かけるとき、室内での遊びをそのまま続けている子どもがいても、保育士は急かしたり強制することはなく、部屋に残る子どもはほかの保育士に見守りを依頼しています。子どもたちが、自分の好きなことを中断せずに、じっくりと十分に遊び込める時間が毎日確保されています。また、給食は、クラスの全員が一斉に食べ始めるのではでなく、給食の時間内であれば、一人一人が自分の判断で食べたいときに摂ることができるようになっています。保育士は、室内や戸外の遊びの場で、危険のないように見守りながら、遊びを発展させるよう、さりげなく話しかけたり、おもちゃや遊具などを補充したりしています。子どもたち一人一人が「自分のやりたいことができた、やりきった」という満足感と自己肯定感が得られるよう全員で取り組んでいます。


2.独自に取り組んでいる点 
●わらべうたを保育に取り入れています 
園では、日々の生活のさまざまな場面で、わらべうたを取り入れています。歌いながら遊ぶことで、言葉を覚えるほか、友達と手を繋ぐなど互いにスキンシップを重ねることで、人に対する信頼感や思いやりの心が育つようにしています。また、子どもたちの集中力や遊びの流れが止まったときなどに、保育士がわらべうたを歌って気持ちを落ち着かせ、次の遊びにつないでいます。年間指導計画中に、年齢別・期別に、わらべうたの曲名を設定し、外部から講師が月1回程度来園し、わらべうたを子どもたちに教えています。習った曲を日々の活動の中で随時取り入れ歌っているので、散歩で出かけた際に自然にわらべうたを口ずさんだり、隣のクラスでわらべうたの遊びが始まると、一緒に歌い出すなど、子どもたちも親しんでいます。


3.さらなる工夫が期待される点 
●地域の子育て支援の充実が期待されます 
子育て支援サービスとして、毎週土曜日に園庭開放をおこなっていますが、まだ利用者は多くないのが現状です。園の掲示板で知らせているだけなので、地域の自治会の協力を得て、掲示板を利用させてもらうことなどが考えられます。また、育児相談や地域住民に向けての子育てや保育に関する講習・研修会などを実施するには至っていません。子育て支援を充実し、より地域に根付いた園となることが期待されます。


●保護者との連携・交流を密にすることが期待されます 
園では、連絡帳や連絡ノートを用いて、保護者と情報交換を密にするとともに、日々の活動の様子を「本日の活動」として、写真やイラスト等も用いて掲示し、迎えに来た保護者に伝えています。しかし、今回の利用者家族アンケートにおいて、「年間の保育や行事に関する説明」「保育中にあったケガに関する保護者への説明やその後の対応」「保護者懇談会や個別面談などによる話し合いの機会」「意見や要望への対応」などの項目では、「不満」「どちらかといえば不満」の回答が多くなっています。保護者とじっくりと話し合う機会を増やし、連携・交流を密にすることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・園の基本理念は、「自立・自律を促進し、子どもと大人の関わり合いの中で育ちあっていく『響育』を心がけます。」です。それに基づき、保育方針を「生きる力の基礎を育てる。」「違いを認め合える気持ちを育てる。」と定めています。
・園の理念として「響育」を掲げており、保育士は子どもとお互いを認め合い、人格を尊重しあうよう努めています。保育士は子どもたちにわかりやすい言葉で話し、声のトーンも優しく穏やかです。また、保育士は子どもの目線に合わせ、話にじっくりと耳を傾け、子どもの思いや考えをつかむようにしています。
・コーナーや押入れの下など友達の視線を意識せずに過ごせる場所があります。また廊下やテラス、玄関ホール等必要に応じて子どもと一対一で落ち着いて話し合える場所があります。
・個人情報の取り扱いについての保護方針、個人情報管理規定を定め、毎年全職員を対象にしたPMS研修(個人情報保護)を園内にて実施しています。個人情報に関する記録は全て施錠できるキャビネットに保管・管理しています。
・遊びや行事の役割、持ち物、服装、呼び名や並び順等などで性別による区別によらず、子どもたちの気持ちを尊重しています。園はジェンダーフリーについてのガイドラインを定めるとともに、無意識に性差による固定観念で保育をしていないか、園内研修をおこない、非常勤職員も含む全職員に周知し、職員同士で反省する仕組みがあります。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育課程に基づき、年齢ごとに、年間指導計画・月間指導計画・週案を作成しています。指導計画は、子どもの自主性や主体性を育て、発揮できるよう配慮し、作成しています。また、子どもの様子や状況に応じて、その日の活動を変更したり、週案の見直しをしたりするなど、柔軟に対応しています。
・乳児については、毎月個別指導計画を作成しています。幼児は、特別な課題がある子どもについて、個別指導計画を作成しています。
・入園前に保護者と面談しています。入園までの生育歴や家庭での状況、体質、健康状況、食べ物の好き嫌い、家庭での呼び方などを書面で提出してもらい、面談の際にはそれをベースに詳しく聞き取っています。
・掃除チェック表に基づき、掃除を毎日おこない、屋内・屋外とも清潔に保っています。特に0歳児室は、掃除をこまめにおこない、玩具を1日2回拭き、清潔に保つようにしています。食事と午睡の場所は同じ部屋ですが、テーブルを片づけて午睡用のスペースを作るなど、時間によって使い分けています。
・乳児クラスは手作りの布製のおもちゃやブロック、ままごとなど子どもの目の高さにあり、自分で選んで取り出せるようになっています。棚にはおもちゃの写真シールが貼られていて乳児でも自分で片づけられるようになっています。2歳児は各自一人の抱き人形があり、名前を自分でつけ、洋服やおむつ、ベッド、布団等も用意されています。幼児クラスはカードゲームやパズル、カプラやブロック、粘土や色紙、ままごとや人形、子ども用の衣装、絵本等たくさんのおもちゃや教材を自分で取り出して自由に遊べるようになっています。また、おもちゃの難易度や、季節、子どもたちの興味、関心、発想等に合わせて、定期的におもちゃの入れ替えをおこなっており、乳児にはトラブルにならないように同じおもちゃを多く準備する等配慮し、環境構成に配慮しています。 
・遊び、食べる、寝るなど、生活の時間に幅を持たせ、子どもたち個々のリズムや区切りを大切にする「流れる日課」を取り入れています。子どもたちが「自分のやりたいことをやりきった」という満足感・達成感を得、自己肯定感が育つようにしているため、子どもたちは好きな遊びを中断されることなく、遊び込める時間が毎日十分に確保されています。異年齢クラスでは子どもたちの発想から、宇宙ごっこになり、宇宙服や宇宙ステーションを作ったり、宇宙レストランなどに発展し、保護者懇談会の前に保護者参加で一緒に遊びました。保育士は子どもの自由な発想を受け止め、集団活動に取り入れています。
・5歳児は野菜の苗を近隣の店舗に買いに行き、園庭のプランターで育て、収穫しておやつに出してもらったり、異年齢クラスで稲を育て、瓶の中に入れ、棒で突いて脱穀し精米して、おにぎりにして食べたりしました。また、子どもたちはメダカ・ザリガニ・カブトムシ・アゲハチョウなど卵から育て、観察し、保育士は命の大切さや繋がりを伝える等、保育にフィードバックしています。
・散歩や園庭遊びを積極的に取り入れています。また、年間を通して子どもの発達過程に応じた運動を月案に盛り込んでおり、子どもの健康状態を把握したうえで、個々に合わせた活動をおこなうようにしています。園庭では、古タイヤ・コンテナ・縁台や一本橋などを使用したり、竹のぼり、ボールや縄跳びなど、子どもの発達段階に応じて運動能力を高めるような遊びを工夫しています。
・食事をする際は家庭で食べているような雰囲気作りを心がけています。たとえば幼児クラスでは、ごはんをおひつに入れたり、お茶をポットに入れて各テーブルに置くなどしています。また、子どもたちが作った花瓶をテーブルに置き、野花を一輪飾ったり、日によってはみんなの顔が見えるようにテーブルを動かしたり、工夫しています。
・午睡時は部屋に遮光・遮音カーテンを引いたり、子どもがいつも心地よく眠れるようにどの保育士も同じ子守唄を歌ったり、さすったり配慮しています。また、乳幼児突然死症候群(SIDS)対策として、0〜2歳児クラスでは 5分おきに呼吸をチェックし、記録しています。
・トイレットトレーニングは排尿間隔の記録を基に保護者とも連携を取り、一人一人の状況に応じて個別に対応しています。
・保護者に対し、懇談会で基本理念、保育方針、保育内容について説明したり、行事の園長挨拶の際にも基本理念に触れています。また、毎月「欅だより(園だより)」を発行し、基本理念、保育方針が理解されるようにしています。
・保育士は朝夕の登降園の際にその日の子どもの様子を伝えています。また、乳児は毎日複写式連絡帳を用い、保護者ときめ細かに情報交換をしています。幼児は必要に応じて連絡帳を用い、 保護者と情報交換しています。
・6月と12月に個人面談をおこなっています。また、希望があれば随時受け付けています。保護者アンケートの結果を踏まえて面談の開催方法等さらなる工夫が期待されます。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・短縮保育(ならし保育)は、保護者と相談し個別に対応しています。ならし保育の時間は、少しずつ延ばしていき、子どもの様子を保護者に伝え、臨機応変に対応しています。
・子どもの発達記録を作成しています。記録は、個人別にファイルし、事務室の書架に保管し、全職員が必要に応じ見ることができるようにしています。
・職員は、障害児保育に関する横浜市等がおこなう研修に参加しています。参加した職員は、職員会議で内容を報告するとともに、研修報告書を回覧し、全職員が情報を共有できるようにしています。また、保護者の同意を得て、緑福祉保健センターや横浜市北部地域療育センターから、助言や情報を得られる体制があります。
・虐待防止マニュアルを作成し、全職員に周知しています。マニュアルには、虐待の定義などが記載されています。
・アレルギー疾患のある子どもの場合、医師からの「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」に基づき、保護者と話し合い、適切な対応をしています。
・文化や生活習慣の違う国や地域があることを「せかいのひとびと」「世界の台所」などの絵本で子どもたちが知ることができるようにしています。また、世界の主な国のあいさつの言葉を玄関に掲示しています。
・苦情解決の仕組み規定を定め、苦情受付担当者は主任、苦情解決責任者は園長とし、重要事項説明書に記載しています。苦情解決のための仕組みを文書で保護者に周知するほか、概要をフローチャート形式で表示し、玄関に掲示しています。第三者委員(2名)に直接苦情を申し立てることができるようになっています。
4 地域との交流・連携 ・園見学に来た親子や行事に参加した地域住民、地元の自治会長等との会話の中から園に対する要望を聞いています。
・緑区がおこなっている未就学児親子を対象としたイベント「みどりっこまつり」実行委員会に参加したり、幼保小の連絡会議、合同園長会議などに参加し、子育て支援ニーズに対する情報を得ています。その内容について地域の子育て支援で何ができるかを職員で話し合っています。
・園の外掲示板に絵本の紹介や行事への参加の呼びかけ、わらべうたの紹介、給食のレシピ、園庭開放の内容等、掲示し、地域住民に対し情報提供しています。
・緑区こども家庭支援課、横浜市北部児童相談所、緑区地域子育て支援拠点「いっぽ」等の必要な関係機関をリスト化し、職員がいつでも見ることができるようしています。関係機関との連携の担当は園長・主任がおこなっており、いつでも連携できる体制ができています。
・散歩の際に子どもたちや保育士は地域住民とあいさつを交わしています。農家の人に稲の栽培方法を教えてもらったり、近くの畑で、芋掘りをしたり、5歳児は野菜苗やカレー作りのときの食材を近隣の店舗に買いに行ったりして交流しています。近隣の民間保育園と5歳児交流でドッジボール大会やゲームをするなど、交流しています。園のおやつのクッキーを作ってくれている障害者作業所へ公共交通機関を使って毎年見学に行き、障害者の方と園児が交流しています。
・園の基本方針や利用条件・サービス内容等についての問い合わせに対しては、パンフレットを用意し、主任が主に窓口となり、常時対応できるようにしています。
・利用者には見学ができることを案内しており、見学者の都合に合わせ曜日・時間などは調整して、園長・主任が案内しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・園の基本理念、園の特徴、利用条件などを掲載したホームページ、パンフレットを作成し、パンフレットは「みどりっこまつり」等で配布しています。「ヨコハマはぴねすぽっと」や緑区の広報誌に保育園の必要な情報を提供しています。
・指導計画の自己評価結果や、職員の意見などから、園としての課題を明らかにし、改善に取り組んでいます。園としての自己評価は実施していませんが、調査時点では、どのような観点からおこなうかを整理・準備中です。
・就業規則の服務規律の中に、倫理綱領を記載し全職員に周知しています。また、年度初めに、本社にてコンプライアンス研修を全職員に対しおこなっているほか、毎年、事業計画書に、全国保育士会倫理綱領を記載しています。他施設での不正・不適切な事例などを入手したときは、職員会議などで報告し、職員に周知・啓発しています。
・園の基本理念・保育方針を園の玄関や事務室に掲示しているほか、年度事業計画の中で、基本理念・保育方針の考え方を詳しく記載しています。また、園内研修で職員に説明、周知しています。
・事業運営に影響のある情報は、緑福祉保健センターや本社事業部から得ています。園長と本社担当者者でミーティングをおこない、分析・検討しています。
・重要な情報は、園長・主任会議で検討した上、職員会議等で報告し、園全体で情報を共有するようにしています。
6 職員の資質向上の促進 ・園運営に充分な人材構成となるように、経験年数などを考慮し、必要に応じて人材の補充をおこなっています。
・職員は、横浜市などがおこなう研修に参加しています。参加した職員は、職員会議で内容を報告するとともに、研修報告書を回覧し、全職員が情報を共有できるようにしています。
・非常勤職員にも、保育の手引きを配付しています。また、非常勤職員に対し、園内研修に参加できるよう配慮しているほか、必要な外部研修にも参加できるようにしています。
・年間指導計画・月間指導計画・週案には、振り返りと反省の欄を設け、保育士等一人一人が自己評価するようにしています。
・人事考課の職務記述書の中に、経験年数や習熟度に応じた役割・期待水準を明記しています。
・毎年、事業計画書に職員配置と業務内容を明記し、日常の保育や保護者との対応など、それぞれの担当者が責任を持って対応するようにしています。
・園長は、年に3回、職員と個別面談し、満足度・要望などを把握しています。

詳細評価(PDF1,136KB)へリンク