かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

わかくさ保育園(3回目受審)

対象事業所名 わかくさ保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人恩賜財団済生会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0023
金沢区平潟町12-1
tel:045-784-2824
設立年月日 1965年05月05日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
 わかくさ保育園は、シーサイドライン「野島公園」駅下車、徒歩約5分の住宅地にあります。昭和40年(1965年)5月、恩賜財団済生会若草病院の院内保育所として、開設され、昭和51年(1976年)8月、社会福祉法人恩賜財団済生会支部神奈川県済生会わかくさ保育園として、横浜市の設置認可を受けました。同じ敷地内に、同法人が運営する若草病院や、高齢者施設若草ホーム、障がい者施設金沢若草園等があります。
 園の施設は、3階建てビルの1階および2階の約半分を使用しており、1階に保育室、厨房、事務室等があり、2階にはプレイルーム、図書室、和室などがあります。園庭は、子どもたちの体力がつくように砂地とし、鉄棒、砂場、ロフトハウスのほか、滑り台・トンネル・ネットクライミング・デッキ・丸太登り・太鼓橋等がセットになった大型木製アスレチック遊具が設置されています。
 定員は60名(産休明け〜5歳児)で、開園時間は、平日7:00〜20:00 土曜日7:00〜17:30です。
保育理念は「子どもの最善の利益を考慮し、子ども一人ひとりの幸福に貢献する。」で、保育目標を「健康で明るく 思いやりのある子ども」「生活習慣を身につけ 自主性のある子ども」としています。これに基づき、保育方針を次のように定めています。
 ・家庭と保護者が協力しあって、園児一人ひとりの個性を大切にし、互いを思いやる心を育てながら楽しく生活できるよう援助する。
 ・家庭のようにゆったりとした雰囲気と恵まれた自然の中で、子どもたちの主体性や豊かな人間性が育まれるよう援助する。
 ・在園児保護者の支援を積極的にすすめるとともに、地域の保護者支援にも努める。


◆ 高く評価できる点
1、子どもたちは、元気に遊びながら、さまざまなことを学んでいます。
 天気の良い日は、園庭での遊びや散歩に出かけます。園庭では、三輪車や四輪車に乗ったり、手押し車を動かしたり、砂場や木製固定遊具の場所で遊んでいます。かくれんぼやボール遊び、おいかけっこもしています。子どもたちは、仲間同士で遊んだり、一人で好きな遊びに熱中したり、さまざまです。0歳児クラスから5歳児クラスまで一緒に園庭で過ごす時間が多く、異年齢同士で遊ぶ姿も見られます。また、乳児クラスの子どもたちが早めに保育室に戻ると、幼児クラスの子どもたちは、ボールを蹴って走り回ったり、ボールを蹴り上げたりして遊ぶなど、年齢の小さい子どもたちへ配慮している様子が見られます。さらに、幼児クラスでは、3・4・5歳児が縦割りで「3きょうだい」というチームを作り、散歩のときに手をつないだり、一緒に掃除をしたり、粘土の使い方を教え合ったり、一年を通してさまざまな活動をしています。
 園外への散歩では、海や山などが近い立地を活かし、海の公園、野島山、称名寺などへ出かけています。乳児でもかなりの距離を元気に歩き、木や花の名前を保育士から教えてもらったり、松の木に触ったり、自然に触れる機会が多くあります。「おたのしみの日」には、家庭から持ってきたお弁当を持って出かけることもあります。
 室内の自由遊びの時間には、ブロック・積み木・粘土・絵本など、子どもたちは自分が好きなことに熱中して遊び込んでいます。また、製作活動の時間では、年賀状を作ったり、クリスマスの飾りや人形を作ったりしています。子どもたちは、自分の好きな色を塗ったり、思い思いの形にしたり、楽しんでいます。
 また、幼児クラスを中心に、チューリップ、アサガオ、ヒマワリなどの花を育て、トマト、ピーマン、ナス、キュウリ、さつまいも等の野菜を栽培する経験もしています。収穫して、調理してもらい給食やおやつで食べています。5歳児クラスの子どもたちは、当番が、食材を赤・黄・緑に分けたカードを「たべものれっしゃ」に貼るなど、栄養素について知る機会があります。


2、職員は、園児一人一人の個性を大切にした保育をしています。
 職員は、一人一人の子どもの思いを尊重しています。例えば、製作などの一斉活動の際に、何をやるか、どのようにやるかなどの説明はしますが、子どもが自分で考えて工夫できるように概略だけを示すようにしています。どのような色にするか、どんな手順で行うかなど、子ども一人一人の自主性を尊重し、必要なときだけ手助けするようにしています。また、園庭での自由遊びの際、乳児・幼児が一緒のとき、職員は一ヶ所にかたまることなく、適当な位置に分散して、子どもたちを見守っています。子どもたちの様子や態度から、新たにボールや三輪車をさりげなく出したり、遊びのヒントを与えたり、どの職員も担当クラスの子どもであるかどうかにかかわらず行っています。これらの背景には、乳児会議、幼児会議、全体会議などで、子ども一人一人の情報が全職員間で共有されていることがあります。一人一人の子どもが、個性を活かし、主体性を持って活動できる保育となるよう全職員が一丸となって取り組んでいます。


3、子育て支援および地域との交流に力を入れています。
 地域子育て支援として、週1回の園庭開放「おひさまの庭」を行っているほか、育児相談、子育て支援講座、赤ちゃんの駅(おむつ替えや授乳の場所提供)などを実施しています。園庭開放を利用する親子に向けて、ミニミニ運動会や泥んこ遊び、さつまいもの苗付けなどの企画もしています。また、子育て支援ニーズ把握のため、園庭開放などの利用者に「子育て支援アンケート」を実施しているほか、自治会を通じて「地域アンケート」「子育て支援アンケート」を行い、園に対する要望なども把握しています。
 園の運動会や、わかくさまつりなどの行事に、自治会や地域の人々、園庭開放を利用している親子、同敷地内の高齢者施設の利用者を招待しています。また、子どもたちが、高齢者施設を訪れ、歌を歌い、プレゼントを贈るなどの交流もあります。さらに、子どもたちが近隣の保育園を訪れたり、先方の園児が来園するなどの交流もあります。
 子どもたちは、散歩などで日常的に地域の人々と接し、交流しているほか、近隣の図書館で絵本や紙芝居を借りたり、野島青少年研修センター、八景島シーパラダイス、はまぎんこども宇宙科学館、横浜市民防災センターなどを訪れ、地域を知る機会をもっていて、公共交通機関を利用する経験もしています。


◆ 今後の工夫が期待される点
1、マニュアルや規程類の整理と活用
 日常の業務マニュアル、衛生管理・安全管理マニュアル、諸規則、規程類、決定事項・通達など、現在活用しているものがそれぞれファイリングされています。一方、園では、どのような経緯で現在の規程・規則・マニュアルなどとなったのかを職員が把握できるように、それぞれの分野ごとに、従前の規程・規則・マニュアルなどを時系列に沿って整理する作業を進めています。その結果を踏まえ、さらに改善すべき点が無いか、不足している部分は無いかなどを職員間で検討し、業務の改善につなげることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育理念は、「子どもの最善の利益を考慮し、子ども一人ひとりの幸福に貢献する。」です。保育目標を「健康で明るく 思いやりのある子ども」「生活習慣を身につけ 自主性のある子ども」としています。
・守秘義務については、全職員が「個人情報保護に関する誓約書」を園に提出しています。ボランティアや実習生に対しては、守秘義務について説明しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育課程は、子どもの最善の利益を第一義とし、保育理念・保育目標・保育方針を踏まえて作成しています。保育課程に基づき、年齢ごとに、年間指導計画・月間指導計画・週案を作成しています。
・入園前に保護者と面談し、その際に、子どもの様子を把握しています。体験入園の制度があり、入園前に3日程度の来園を行うように保護者に勧めています。
・個別支援計画は、乳児は全ての子どもについて、幼児は特別な課題がある子どもについて作成しています。
・園庭には、ロフトハウスやアスレチック、鉄棒などの固定遊具や、ボール、三輪車、四輪車、手押し車などを用意し、ダイナミックに身体を動かして遊ぶことができる環境になっています。
・幼児クラスを中心に、「栽培・食育年間計画」をもとにチューリップやアサガオ、ヒマワリなどの花を育てたり、トマト、ピーマン、ナス、キュウリなどの野菜をプランターで育てています。
・子どもの年齢や発達状況にあわせて自由に表現ができるよう、季節に合わせた歌や遊戯、制作などを行っています。幼児クラスは「うた・ゆうぎ年間計画」、「絵画・制作・造形あそび年間計画」があります。
・散歩や屋外活動を積極的に取り入れています。自然環境に恵まれている立地を生かし、海の公園や野島山、称名寺などに歩いて出かけています。毎月の「おたのしみの日」にはお弁当を持って出かけています。
食育計画の目標として「食育を通して乳幼児期の望ましい生活習慣を身に付ける」を掲げています。クラスごとのクッキング保育として、クッキー作り、おにぎり作りなどの楽しい企画を催しています。
・5歳児クラスの子どもと栄養士が関わり、翌日の献立をもとに、「からだをつくる」、「ちからのもとになる」、「からだのちょうしをよくする」と食材を3つに分け、廊下にある「たべものれっしゃ」の掲示物に食材のカードを貼っています。楽しみながら栄養素について考える機会を提供しています。
・全クラスで連絡ノートを活用して、園での子どもの状況と家庭での情報を共有しています。また、ホワイトボードや写真を活用し、各クラスのその日の活動内容を保護者に伝えています。
・年2回、試食会を兼ねたクラス懇談会を実施しています。春の懇談会は一年の見通しについて伝える機会とし、冬の懇談会は、一年の振り返りについて写真のスライドなどを使って伝える機会としています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・子どもの発達や状況に応じて、月間指導計画・週案を作成し、評価・見直しを行っています。
・子どもの成長発達状況を、乳児は2ヶ月ごと、幼児は半年ごとに「保育のまとめ」に記録しています。
・特に配慮を要する子どもや障がいのある子どもに関し、ケースカンファレンスを定期的に実施しているほか、必要に応じ随時実施し、内容を職員会議等で全職員に報告しています。また、職員は、横浜市などが行う特に配慮を要する子どもや障がいのある子どもの保育に関する研修に参加しています。
・虐待の防止に関する規程を定め、職員会議で全職員に周知しています。また、金沢区福祉保健センターの担当者に講師を依頼し、虐待についての園内研修を実施しています。
・食物アレルギーのある子どもの食事は、色のついた専用トレイ・食器を用いています。受け渡しの際に、調理室職員と保育士が声を出して確認しています。
・苦情解決事業実施要領を定め、重要事項説明書に記載しているほか、園の玄関に掲示し、意見箱も設置しています。職員が口頭で受けた苦情や要望を記録しているほか、保護者からの連絡帳に苦情や要望が書かれていた場合に、コピーして記録帳に貼りつけ、データとして蓄積・整理し、解決に活かしています。
・「健康・安全管理マニュアル」を整備し、一人一人の健康状態を把握しています。マニュアルは、厚生労働省のガイドラインをもとに、病気の対応などについては園独自の内容を追加しています。「ほけんニュース」を毎月発行して、季節に応じ、感染症の予防や健康についての情報を保護者に提供しています。
・特に、防災訓練には力を入れており、「地震・火災・津波訓練計画」に基づき多様な訓練を実施しています。火災や地震の訓練の他、海が近いという地域性を鑑み、津波を想定した訓練を行っています。
・不審者の侵入防止策として、防犯カメラを園内4箇所に設置しています。また、不審者対策の訓練を、警察官OBのスクールサポーターの協力を得て実施しています。
4 地域との交流・連携 ・地域子育て支援として、週1回の園庭開放「おひさまの庭」(夏場はプール開放)、行事などの交流保育、子育て支援講座、赤ちゃんの駅(オムツ換えや授乳の場所提供)などを実施しています。園庭開放を利用する親子に向けて、ミニミニ運動会やどろんこ遊び、さつまいもの苗付けなども行っています。
・子育て支援講座として、「幼児救命救急」、「子どもの運動あそび」などを行いました。地域の子育てをしている家庭のほか、在園児の保護者も参加できるようにしています。また、育児相談も実施しています。
・園の運動会やわかくさまつりなどの行事に、自治会や地域の人々、園庭開放を利用している親子、同敷地内にある高齢者施設の利用者、卒園児などを招待しています。
・子どもたちが、近隣の図書館で絵本や紙芝居を借りたり、野島青少年研修センターや八景島シーパラダイス、はまぎんこども宇宙科学館、横浜市民防災センターに行くなどしています。
・ボランティアとして、中高生の職業体験・福祉体験、卒園生などを受け入れています。また、短期大学などから実習生を受け入れています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

・服務の基本方針を定め周知しているほか、全国保育士会倫理綱領を全職員に配付しています。また、他施設での不正・不適切な事例などを入手したときは、職員会議などで報告し、職員に周知・啓発しています。
・ゴミの分別をしています。また、生ごみ処理機を設置し減量化を図り、処理液を園の畑の肥料として利用しています。リサイクルの取り組みとして、牛乳パックや段ボール等を利用して職員がおもちゃなどを手づくりしています。裏紙や新聞紙なども、子どもたちの遊びや絵描きなどの素材として利用しています。
・電力削減のため、照明器具をCCFL(冷陰極ランプ)に全室切り換えています。また、節電に関するコンサルタントの助言を受け、省エネルギーに取り組んでいます。
・重要な課題が生じたときは、チームを編成して取り組む仕組みがあります。例えば、平成28年度は、創立40周年記念行事のためのプロジェクトチームを設置しました。また、防犯・防災および地域子育て支援に関するチームを発足させています。
・事業運営に影響のある情報は、横浜市こども青少年局、金沢区こども家庭支援課、金沢区園長会などから得ています。
・平成27年度〜平成32年度の中期計画を作成しています。


6 職員の資質向上の促進 ・キャリアパスと連動した人材育成方針を定めています。それに基づき、平成28年度から、「目標による自己管理」体制を導入し、一人一人の職員が自己目標を設定しています。
・職員は、横浜市や金沢区などが行う研修に参加しています。外部研修に参加した職員は、研修報告書を作成し、閲覧できるようにしたり会議で報告したりして、全職員が情報を共有できるようにしています。
・サービス向上を目指した会議・勉強会を開き、日々の保育等について職員間で意見交換しています、また、他の保育所での良い事例などを入手した場合は、具体的な取組を写真なども用いて園長が説明しています。
・金沢区福祉保健センターの職員、南部地域療育センターの職員、その他さまざまな分野の専門家を、園内研修の講師として招き、研修および指導を受けています。
・全職員が、「目標による自己管理」に基づき、自己目標を設定し、年度末に自己評価を行っています。
・保育所としての自己評価は、職員一人一人が行った結果を全体会議で意見交換し、まとめています。
・人材育成方針の中に、経験年数や習熟度に応じた役割・期待水準を明文化しています。
・日常の保育や保護者との対応など、それぞれの担当者が責任を持って対応するようにしています。また、毎年、役割分担表により、園の行事や諸係りの担当者および役割を明示し、企画や準備、実行までを経験することで、業務遂行力が身につくようにしています。

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