かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

たまプラーザこどもの詩保育園

対象事業所名 たまプラーザこどもの詩保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 歩育の会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 225 - 0003
青葉区新石川2−1−15 
tel:045-910-5686
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 当園は社会福祉法人歩育の会の系列園です。開設は平成25年4月1日で、4年目を迎えます。東急田園都市線のたまプラーザ駅から徒歩2分の至近距離に位置します。定員は50名(平成28年12月現在50名在籍)です。特別保育は、産休明け保育、延長保育、障がい児保育、緊急一時保育を実施しています。
 駅直結のビル内にあるため商業施設が多いのですが、駅周辺には大きな公園も多くあり、散歩先はたくさんあります。このような環境の中で子どもたちは伸び伸びと過ごしています。

 

《特に優れている点・力を入れている点》
○体力増強、健康促進に力を入れています
 当園は駅近くのビルの4階にあります。ビルの中ということもあって、10坪ほどのパティオで子どもたちが外遊びをする空間になっています。ただ、広い園庭で体を使う遊びをする環境にないので、子どもたちの体力作りへの取り組みを園の優先課題としてきました。具体的な活動としては、運動能力を伸ばすために、リトル体操(3〜5歳児、クラス別に毎週)、リトミック(0〜5歳児、クラス別に毎週)、スイミング(4、5歳児、毎週近くのスクールで)などを外部の講師により実施しています。また、近くの公園や広場に積極的に出かけるだけでなく、3〜5歳児は「あるこうたいかいカード」を作成して、年間を通して散歩に出かけた先にシールをはるなどの取り組みも実施しています。さらに、歩ける年齢になったら階段を積極的に使うなど、いろいろな機会を通して体力増強に努めています。

 

○子どもたちの視野を広げる多彩な活動を行っています
 リトル体操やスイミング、「あるこうたいかい」などの運動面で体力作りを推進していますが、このほかにも英語や手話、絵本の読み聞かせなども計画的に導入しています。英語は、英語でのコミュニケーションの必要な子どもの入園をきっかけに、今後は必要になってくるということで導入に踏み切りました。3〜5歳児が毎週クラス別に遊びを通して楽しく学んでいます。手話は、いろいろな子どもたちがいることを、手話を通して自然に知ってもらうことを願って、毎月3〜5歳児が学んでいます。そして、発表会のときに保護者に披露しています。読み聞かせは、日常保育の中で機会あるごとに職員が実施しています。子どもの夢や想像力を育てるためには欠かせないものとして、園では特に力を入れています。

 

○職員間の連携も良く、アットホームな雰囲気のもとに保育をしています
 当園は若い職員が多く、いろいろな場面で動きがはつらつとしています。また、職員間の連携も良く、お互い声をかけ合い、情報を共有して保育にあたっています。また、経営層との風通しもよく、アットホームな雰囲気のもとに職員たちは元気に活動しています。職員アンケートの自由記述にも、「どんなことでも話し合い、報告や連絡を密にし、保護者の相談にも快くていねいに接しています」「保育士間のやり取りが盛んであり、日々の保育の悩みなど同僚や経営層に話し合える環境が良いです」といった職員間のコミュニケーションの良さが数多く見られます。訪問当日の保育観察では、職員の適切な声かけやタイムリーな連携プレーの場面が随所に見られました。

 

《事業者が課題としている点》
 子どもの心と体、子育て全般について、十分な知識を持ち、保育活動に携わることができる人の育成を課題ととらえ、第三者評価の結果を職員どうしが理解し、資質向上のための努力をしていきます。
 地域の方々に施設を知ってもらうことを課題ととらえ、施設自らが積極的に情報を発信、公開していく努力をし、園見学の方々にも、理念と方針、料金や職員構成を、よりていねいに説明していきます。
 中長期の計画、人材育成などの方針とビジョンの見直しを行っていきます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  保育理念は「子ども一人一人の最善の幸せを願う」、保育方針は「保護者と共感し合える保育」をはじめ3項目、保育目標は「健康で生き生きとした子どもを育てる」をはじめ3項目からなっています。これらは、玄関や各保育室に掲示するとともに全職員に配付しています。保護者には、「入園のしおり」で園長が説明するとともに、「連絡帳」の表紙裏にはって周知しています。また、4月の保護者会でていねいに説明し、理解を図っています。園では、保育理念や保育方針に沿った保育を実施していくように、職員会議で常に話し合いながら進めています。
 各歳の連絡帳には、表紙裏に「保育理念・保育方針・保育目標」を、巻末に「児童憲章」をはって、子どもの人権を守る保育を心がけていることを保護者に伝えています。また「ステートメントブック」には、行動基準のテーマで、言葉遣い、人権への配慮、子どもへの言葉かけなど、一人一人の子どもたちを尊重する保育を行うことが大事であることを記載し、職員たちに周知しています。また、園で職員一人一人に実施している「自己評価」の中に、人権尊重の項目があります。なお、子どもへの声かけがきつかったり、不適切な対応をしていた場合は、同僚や上司が積極的に注意を促しますが、不穏な空気にならないような雰囲気づくりを心がけています。
 「個人情報保護規程」が作成されています。そこには個人情報保護について、情報管理における保育者の心構えが、保護者との会話、職員どうしの会話、連絡帳の管理、書類の管理、ホームページの管理などの柱で、詳しく記載されています。この個人情報の保護については、職員会議で園長が説明をして職員に周知しています。実習生やボランティアについては、初日に担当者が説明をして理解を図るようにしています。保護者には、年度当初に個人情報の取り扱い説明を記載した重要事項説明書を配付し、署名捺印をもらっています。なお、児童ファイルなど個人情報の記載された文書類は、鍵のかかる引き出しに保管をしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育課程に基づき年間指導計画、月間指導計画、週・日案を作成しています。実際の指導に関しては、何をしていいのかわからない子どもに対しては、職員がきちんと説明をして理解を図るようにしています。また、生活発表会では、この役をやりたいと希望する子どもや、この楽器をやりたいと主張する子どもに対しては、子どもとの対話を通して、極力子どもの自主性を尊重するようにしています。このように積極的に取り組もうとする子どもがいることで、ほかの子どもに刺激を与え、結果として良い影響が出ています。子どもたちの意見や要望はできるだけ取り上げることで、指導計画を変更することもあり、計画そのものに柔軟性を持たせています。
 年間指導計画や月間指導計画は担任が2人いますので、互いに相談しながら作成しています。作成したものは園長に提出し、園長やリーダーがアドバイスをするしくみです。次月の月間指導計画作成については、毎月25日ころに2人で話し合い、今月の評価・反省を行い1週間ほどかけて作成します。また、保育の内容については、例えば、離乳食やトイレットトレーニングの進めかたなどは個人面談や連絡帳などで保護者の意見や要望を聞き取り、指導計画に反映させるようにしています。なお、行事ごとにアンケートを取っており、日程や内容についての要望などはその際にも聞き取るようにしています。
 おもちゃ類は、子どもの興味に合わせて選択できるように、自分で取り出しやすい高さの棚に置かれています。0〜2歳児クラスでは、子どもの発達や興味に応じて職員がいくつかのおもちゃを選び、その中から子どもが選択しています。遊びの種類によってパーテーションでしきりを作ったり、マットや机などでコーナーを作っています。3〜5歳児の部屋の柱の部分をコーナーにした、ごっこ遊びの部屋があります。そこには、人形や木のぬくもりのあるキッチンセットが用意され、子どもが落ち着いて遊び込める環境になっています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  5歳児クラスの担任が園長の指導のもとに保育所児童保育要録を作成し、郵送または直接、該当の小学校へ届けています。入園の際の児童票やその後の健康の記録とともに、3か月ごとに子どもの成長の経過記録を作成し、児童ファイルにとじ込んでいます。また、個人面談で家庭環境の変化や要望を聞き取り、それも記録しています。個々の子どもの記録は、職員が必要なときには見ることができます。そのほかの記録としては、「子どもの姿と発達」というテーマで各歳ともに毎月記録しており、進級時の申し送りは、年度末に現担任がこの記録をもとに新担任に詳細を説明して理解を深めてもらうというシステムになっています。
 配慮を必要とする子どももほかの子どもも同じように受け入れています。職員は保育日誌を日々詳細につけて園長に提出しています。その保育日誌を園長がじっくり読み込み、個々の子どもへの対応に工夫をしたほうがよいと判断したときは適切なアドバイスをしています。また、職員会議で各クラスから子どもの様子や行動に対して報告や相談が出され、それについて対応のしかたや配慮する点などを話し合っています。職員が「気になる子どもの指導」の外部研修に出席して、研修後は報告をし、職員一人一人に周知しています。なお、個別対応の必要な場合は、個別ファイルを作成するようにしています。
 「苦情解決マニュアル」が作成されています。苦情解決責任者までの園内の流れのポイントや、対応状況確認チェック表(保育状況や職員の対応状況)の柱のもとに詳しく説明されており、職員に回覧して理解を図っています。過去に受けた苦情や要望についてはファイルにまとめ、全職員が閲覧できるようにしています。具体例としては、お迎えが少しだけ遅れたときに延長料金が発生したことや、子どもがけがをした際に担任から受けた報告に対する不満などがあります。前者は延長利用のしくみをていねいに話して了解してもらいました。後者については、何はともあれ、まずは職員の対応について園長が謝罪をした後、子どもには「痛い思いをさせてごめんね」と話し、その後けがの状況を詳しく説明して保護者に納得してもらいました。
4 地域との交流・連携  園の保育課程の表題部の「基本的社会的責任」の項目の一つに「地域交流」を掲げ、「児童福祉施設として子育て家庭や地域に対し保育所の役割を確実に果たす」と記して、在園児だけでなく、地域の子育て支援も園の重要な使命として取り組んでいます。たまプラーザ地区の保育園や幼稚園などで構成する「保育のひろば」が主催の地域の育児家庭向けの講習や行事ではアンケートを行い、保育園の子育て支援に何を望んでいるか意見を聞いています。園の見学者や、同じビルの同じフロアにある横浜市たまプラーザ地域ケアプラザの育児講座参加者の育児相談などを通じて、口頭で子育て支援ニーズについて意見を聞いています。青葉区や横浜市の園長会などでも地域の子育て支援について情報交換をしています。
 地域の子育て支援ニーズについて、職員会議で年度計画などを討議する際に、全職員で話し合っています。青葉区の認可保育園が、地域の子育て支援の一環として開催しているイベント「なしかちゃん広場」に、園の5歳児が参加して、地域の子どもたちといっしょに遊び交流しています。ビル内保育園のため園庭はありませんが、散歩でよく行く公園では、地域の子どもたちや近隣の保育園の子どもたちといっしょに遊んでいます。一時保育は現在、保護者から緊急の申し出があるときに少人数を受け入れています。たまプラーザ地域ケアプラザ主催の地域の親子向けの講習会では、当園の職員が、親子リトミックの遊びや離乳食、絵本についてなどの講師を務めています。
 ホームページや、園の入口扉の横に案内を出したり、たまプラーザ地域ケアプラザに園だよりや給食だより、保健だより、給食の献立、給食や離乳食のレシピなどを置かせてもらって、園の情報を広く提供しています。育児相談は園長や主任が主に担当し、相談者の都合を考慮して特定日とせず、随時受け付けています。公園に散歩に行ったときや外部の講習の講師を務めた際にも育児相談を受けることがあります。運動会などに地域の子育て家庭の参加を募るときには、入口扉の横に案内を掲示したり、たまプラーザ地域ケアプラザに案内を置かせてもらったりしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

 職員の自己評価は3月に3回目の評価を行い、できていない項目は理由を記入し、最後に1年の振り返りをしています。保育の年間指導計画や月間、週の指導計画、日誌、個別指導計画なども同様に自己評価を記入しています。3月には保育理念や保育方針などを踏まえた園の自己評価を全職員が記入し、集計結果を最終的な園の自己評価としています。これらの結果を基に、各クラス会議や職員会議などで園長も参加して話し合っています。話し合いの中から、園としての課題を明らかにして、できるものから改善に努めています。園の自己評価の一環として、例年保護者アンケートも実施しており、園の自己評価の結果といっしょに園だよりなどで公表しています。
 園長は青葉区の園長会や横浜市の私立園長会、青葉区こども家庭支援課、横浜市こども青少年局、横浜市社会福祉協議会などから、法律や制度の改正、待機児童や新設保育園の動向など、園の事業運営に影響のある情報を収集し分析しています。この地域では現在人口が増えていますが、新規保育園や小規模園も増加しています。制度の改正を含め、重要な情報は職員会議などで職員に説明し、対応を話し合っています。運営面では、園は駅に連絡路のある近接ビルの4階にあり、地の利が良い反面、中型園のため、常に定員を確保する必要があります。延長保育の希望も増えています。園の課題について職員に周知を図り、園全体の取り組みとしています。

 園長は系列3園の社会福祉法人歩育の会の理事長として「今後の保育園の中長期について」とする中長期計画を策定し、毎年修正しています。この中長期計画がより具体的になればより良い計画となるでしょう。次代の組織運営に備え、園長は、同じ階の横浜市たまプラーザ地域ケアプラザや地域の小規模保育室「横浜保育室」との連携、協力など、新たなサービスのしくみを取り入れています。また、ステップアップ計画や研修計画表、さまざまな自己評価などを活用し、幹部職員の後継者育成を図ろうとしています。園の運営に関して、公認会計士や社会保険労務士の指導を受けています。

6 職員の資質向上の促進  園長は園の運営に必要な人材が確保されているかを常にチェックし、採用計画を立てています。人材の不足が予想される場合には、法人本部と連携して、ハローワークや保育の専門学校などで補充を図っています。保育の理念・方針を踏まえた人材を育成するために、職位に必要な研修を記載した「ステップアップ表」と、体系的に学ぶ研修の「職員研修計画表」を職員に配付し、これに基づいて、本人の希望を考慮した年間研修計画を主任と園長で策定しています。また、職員は年度初めに年間目標を作成し、自己評価表で年3回の自己評価を行っています。職員は園長と年度初めと年末に個別面談を行い、年間目標の確認や進捗状況に応じた助言を得ています。
 職員は7月、11月、3月の年3回、同じ自己評価シートの項目に沿って自己評価を行い、また、3月には職員が園の自己評価も行うしくみができています。週1回の職員会議で職員の参加者が伸び悩んでいることが議題に上り、原因と解決策を検討しました。会議は午睡時間中の1時30分からでしたが、日誌や連絡帳記入などの仕事がまだ終わらない職員が意外に多いことがわかり、会議の開始時刻を15分繰り下げて1時45分からとしました。おかげで職員会議の参加者が増え、保育上も問題がありませんでした。地域療育センターあおばから年2回の巡回訪問を受け、特に配慮を必要とする子どもの保育指導を受けています。保育では、リトル体操や英語遊びなどに外部の専門講師の指導を受けています。水泳は近隣のスイミングスクールで教えてもらっています。
 ステップアップ計画(キャリアパス表)は管理職、中間職、初級者、新任者ごとの適応役職とそれぞれに必要な能力、経験、役割、職務内容などの期待水準、必要な研修、標準経験年数などを明文化してあり、職員に配付しています。業務の最終責任者は園長ですが、通常の業務は現場の職員に任されています。しかし、事故や苦情など状況判断を要する突発的な出来事は、主任や園長に速やかに報告、連絡、相談することを徹底しています。職員の自己評価を年3回実施しており、年度初めと2回目の自己評価後、翌年度への意向調査の際に園長は全職員と個人面談を行い、職務への満足度や要望、悩み、改善提案などを聴取しています。

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