かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

こどものいえもも保育園(2回目受審)

対象事業所名 こどものいえもも保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 すぎのこ福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 216 - 0035
宮前区馬絹1899-5
tel:044-860-2415
設立年月日 2002(平成14)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

≪概要≫
【立地面での特色・とりまく環境】

 

こどものいえもも保育園は平成14年に設立され、社会福祉法人すぎのこ福祉会の経営です。すぎのこ福祉会はすぎのこ保育園を母体としてスタートし、神奈川県下に5つの保育園を運営しています。社会福祉法人すぎのこ福祉会の保育理念として「すべては子どもたちとその未来のために」を掲げ、子どもを中心に保護者、保育者、地域が支え合い、育ち合う保育を展開しています。こどものいえもも保育園の最寄りの駅は田園都市線宮前平駅であり、徒歩8分程度で駅から徒歩圏内にあり、丘陵地の住宅地の中に位置しており、待機児童も多い地域です。園舎は特徴ある造りになっており、「子どもの丘」をコンセプトに設計され、5歳児保育室兼食堂はMB1(中地下1階)にあり一般よりは低い階低のフロアに設けられ、また、子育て支援センター「花の台」を備えたフロアは中2階にある等、スキップフロアで室内空間に変化をもたせた建物になっており、園庭、畑も自然が多く残され、馬絹の自然と丘に融けこんだ保育園をイメージとされ、こどものいえもも保育園の子ども達は元気いっぱいに遊んでいます。

 

≪特に良いと思う点≫

 

●1.ランチルームの有効的な工夫

 

こどものいえもも保育園には大きなランチルームがあります。3歳〜5歳児はこのランチルームで食事を行い、基本的にはクラス別のテーブルにて食事を摂りますが、同じ空間で一緒に食事をすることで顔見知りとなり異年齢での一体感が育まれています。子ども達は背の低い幅の広いカウンターを介して、栄養士、調理師との会話も生まれ、食事のお代わりや量の調整等も保育士だけではなく栄養士、調理師も関与し、子どもの好き嫌い、味などの情報も直接、栄養士、調理師に伝わる工夫がされており、楽しい食事の時間が推進されています。

 

●2.安心・安全な給食の提供

 

園では給食を大切に考え、「作りたての温かい食事を子どもたちに食べてほしい」思いを持ち、完全給食を実施しています。日本の和食を大切にし、おやつや補食も手作りにて、安全で安心な食材を吟味し、「食」に拘り提供しています。季節の食材、旬のものを取り入れ、子ども達が栽培し収穫した野菜を食卓に出し、季節伝統の行事に起因する献立を考案する等、力を入れています。季節ごとに園周囲に生る果実の木(桃、李、梅、柿、葡萄、ブルーベリー等)から子ども達と収穫し、一緒に調理するなど食育活動も積極的に実施しています。

 

●3.地域子育てセンター、一時保育による地域子育て支援

 

地域子育て支援センター(花の台)、一時保育室(こまくさ)を備え、一時保育では1日定員12人まで受け入れ、子育て支援センターでは利用登録制にてフリースペースで自由に利用できる他、絵本の日、子育て相談、イベントを実施しています。各種遊具も設置され親子で楽しめる工夫がされています。昨今は子育てに悩みを持つ保護者も増え、既存の保護者以外にも地域の子育てに寄与しています。また、公立園の民営化、小規模園の増加等に伴い、子育てに寄与する施設が必要であり、花の台、こまくさは地域子育てに大きく貢献しています。

 

≪さらなる期待がされる点≫

 

●1.施設のさらなる有効活用を

 

園舎は「子どもの丘」をイメージにステップフロアを活用した造りになっており、中段に設けられたステージや、階段を下りるとランチルームが設けられる等、夫々のスペースは行事や活動等で活用されていると思いますが、スペースの有効活用が更に考えられるのではないかと思われます。例えば、「サーキット遊び」のような活用法も考えられます。ゆったりしたスペースを保有し、空間を生かすことができる保育園ですので、小さな園ではできない遊び、園ならではの特徴を生かし、職員でアイデアを持ち寄る等、更なる活用方法に期待します。

 

●2.園庭の整備について

 

こどものいえもも保育園には自然のままの園庭があります。子どもたちは十分に遊び、実の生る木が植栽された良い園庭であると思いますが、一部危ない場所も見受けられます。恵まれた園庭を工夫し、例えば、テーマパーク化やアスレチックフィールドなど、活用の工夫ができそうに思われます。特に、果実の生る多種の木を活かし、馬絹の自然と丘に融けこんだ特徴を生かした園庭を創造し、工夫に努められることを期待しております。

 

●3.さらなる職員の資質向上に向けて

 

職員の個々の資質は1日半の調査では分かる筈も無いですが、職員面接での保育士、栄養士は明るく、意欲を持って取り組み、保育観察での保育士の取り組み姿勢も笑顔で元気良く保育に当たっていることが確認できました。但し、限られた保育士での保育環境は、夫々の保育士に万能であることが要求されます。現在、正規、非常勤、パート、派遣職員が一緒に学ぶことを課題とし、取り組み最中でもありますが、全保育士の底上げが「園の力」となり、非常勤、パート、派遣職員と共にベクトルを合わせ、更に職員の質の向上の推進に期待しています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●法人の理念として、「すべては子どもたちとその未来のために」を掲げ、子どもの権利条約(抜粋)を「ほいくえんのしおり」に明示し、常に、職員は保育の学びに研鑚しています。川崎市子どもの権利に関する条例を尊重し、子どもの人権を尊重した保育を実践し、子どもの姿を通して個々の希望を知り、子どもの「声」に耳を傾け、保育士主導ではなく、子どもの気持ちに寄り添った保育を心がけています。

 

●法人の保育方針は、「子どもたち一人ひとりの発達にふさわしい環境づくりと個性を発揮できる保育を創る」であり、保育理念・目標・方針を園内に掲示しています。虐待の早期発見については、虐待に関するマニュアルを整備し、登降園時の親子の様子や、朝の視診、着替え時の観察等を徹底するようにし、内面の虐待(ネグレクト等)についても留意しています。

 

●個人情報に関して、入園説明会時に重要事項説明書に沿って説明を行い、保護者から同意を得てプライバシー保護に留意しています。プライバシーの配慮では、子ども一人ひとりの違いを認め、各年齢の発達について理解を深め、子どもの気持ち、羞恥心などに配慮し、気持ちに寄り添う保育に努めています。

 

●職員は、声のトーン、大きさに注意し、子どもへの言葉掛けを多くするよう心掛け、子どもの人権を尊重した保育に努めています。今後さらに、専門的な視点から学び、全職員で意識を高めて行く予定でいます。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●保護者の意向について、意見箱を設置し、保護者の要望や意見を言える体制を整えています。利用者満足の向上に関しては、日々の連絡ノート及び登降園時に保護者との会話から把握し、意見を検討して改善に努めています。

 

●保護者との日々の会話を大切にし、相談や意見を言いやすい雰囲気に努め、子育て支援センター、一時保育の部屋、医務室、事務室等を備え、相談等を受けられるように環境を整えています。

 

●子どもが主体的に活動できるよう環境設定を行い、子どもの興味・関心が持てるよう遊びに工夫し、幼児クラスでは「集会」を設け、自分の思いを伝えること、人の話しを聞く、発表する機会とし、主体性を育み、自立に向けて支援しています。

 

●登降園時には、職員は登降園表に必ず目を通し、保護者に挨拶や声掛けをして日常の子どもの様子や、健康状態等を伝えるようにしています。また、個人の連絡ノートや、出来事ノート、クラス通信などでも子どもの様子を伝えています。

 

●園では食育に力を入れ、献立は和食を中心とし、安全で品質の高い食材を吟味し、素材・旬の味を生かした薄味で提供しています。また、美味しいお米、乾物や大豆を積極的に取り入れ、栄養バランスを考えた献立、盛り付けの工夫を行っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●園の必要な情報は、ホームページやパンフレットにより情報提供しています。園併設の子育て支援センターでは広報誌や川崎市宮前区のホームページに情報を提供しています。サービス開始にあたっては、保護者に入園前説明会で説明し、個別面談も行い、特に、除去食、個別対応が必要な場合は、看護師、栄養士も同席しています。

 

●指導計画は、保育課程を基に、年間・期間・月間を立案し、乳・幼児クラス間で共有し、週案、日案に展開して確認しています。日常の記録は詳細に丁寧に行われ、個人情報については、管理体制を確立し、事務室の鍵のかかるロッカーに保管しています。

 

●保育各種マニュアルを整備し、マニュアルに沿って保育を実践し、標準的な保育ができるようにし、個別の指導等により円滑な保育を目指し、サービスの標準化に努めています。重要事項説明書についても全職員に十分説明を行い、共通理解の基、保育に当たっています。

 

●苦情解決の仕組みについては、苦情受付担当者、苦情解決責任者、第三者委員の連絡先等、苦情解決体制を掲示し、直接苦情を申し出る事ができることを重要事項説明書に明示し、保護者懇談会でも知らせています。保護者への説明が必要な場合には、周知を行い、解決に時間を要する際は必ず中間報告を行い、理解を促しています。

4 地域との交流・連携

●地域に対して、併設する一時保育、子育て支援センターを通じて、施設開放、物品・遊具を提供しています。子育て支援センターでは離乳食講座を開催し、保育士と連携して実行しています。ボランティアの受け入れについては、マニュアルに沿い、子育て支援センターを中心に中学生の職場体験、高校生の職場体験等を受け入れ、窓口担当者を決め、受け入れの体制を整えています。

 

●一時保育事業(地域の緊急を含む)、子育て支援センター事業に取り組み、園の取り組みなどを園だより、保健だより、献立等を掲示して地域に発信しています子育て支援センターでは離乳食講座を開催し、保育士と連携して実行しています。

 

●宮前区役所地域みまもり支援センター(地域包括ケアシステムの新たな体制:子ども・高齢者・障害者対象)の活動に協力しています。地域の福祉ニーズに対応する事業・活動では、宮前区子育てフェスタに参加し、保育士、看護師、栄養士を派遣して専門性を提供しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●理念・基本方針等は、年度末及び、年度始めの職員会議で職員に資料を配布して具体的な内容を説明し、共通理解を深めています。中・長期計画については、法人の経営責任者会議で決定の下、園長会議において状況分析を行い、市場動向の見解を加味し、法人の保育方針に沿って事業計画を策定し、年間指導計画に展開して日々の保育に生かしています。

 

●園長は、運営組織図、職務分担表を作成して分掌業務を明確にし、年度当初には方針と園長の考え及び役割と責任の表明を行い、サービスの質の向上に努めています。子ども中心の保育体制が維持できるように努めています。

 

●園長は主任と共に保育の課題を明確にし、職員によるプロジェクトチームを設定して改善を図り、法人の各種委員会活動で検討された結果を職員会議で提案する等、質の高い保育を目指して取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

●職務分掌、担当制を明確にし、法人の研修に対する基本姿勢に沿い、園内研修、教育については研修担当が計画を立案し、職員の資質向上、専門性を高めるよう取り組んでいます。

 

●外部研修は、研修担当者と主任が連携して研修計画を策定し、個々の職員のレベルアップを図っています。研修受講後は研修報告書を提出し、内容に基づいて事例検討等を行い、共有を図り、一人ひとりの資質向上に役立てています。

 

●園長は、職員の要望や意向、意見を聞く場を設けて把握し、個別相談時では意向を尊重し、配慮に努め、働きやすい職場環境を作るよう尽力しています。また、衛生管理担当者を設置し、看護師のサポートや産業医と連携し、職員の心身のケアに努めています。

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