かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ちとせ山ゆり保育園(2回目受審)

対象事業所名 ちとせ山ゆり保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 川崎保育会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 213 - 0022
高津区千年970
tel:044-755-9211
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

≪概要≫
【立地面での特色・とりまく環境】

 

ちとせ山ゆり保育園は社会福祉法人川崎保育会の経営です。川崎市立保育園の民営化方針を受けて、川崎保育会としては2番目の保育園として開所しました。市立保育園からの継続で地域子育て支援センターを併設し、親子の交流、子育て相談、子育てに関する情報・講座等の開催を行い、地域のニーズに対応した活動を実施し、地域に貢献しています。園は、JR南武線武蔵新城駅から徒歩12分程度の住宅地に位置し、駅からは少し距離はあるものの徒歩圏内であり、マンション等も多く立ち並び、待機児童も多い地域です。園舎は屋上を設置した2階建で、屋上にはプールが設備されており、駐車場(2台駐車可能)、駐輪場(園と支援センターの共有)、広い園庭が整備され、余裕のある設計となっています。また、柔らかな色合いの外観とエクステリアに立つアンティークな外灯の佇まいが地域に溶け込んでいます。園舎内部は年齢別に保育室がある他、食堂、遊戯室、談話室、調理室、休憩室、図書コーナー等がそれぞれ独立して設備され、1階にはテラス、2階にはバルコニーが設けられ、開放感と広々とした空間を確保しています。

 

≪特に良いと思う点≫

 

●1.子どもの人権を第一義とした保育の展開

 

ちとせ山ゆり保育園では、「子どもも人権を持っている」ことを尊重し、「子どもの人権を最も大切にする保育」を大きな方針として掲げ、実行しています。子ども達に、ちとせ山ゆり保育園では“どんなことをやっても大丈夫”という安心感を提供し、叱らない保育を心掛け、急かさず、時間がかかっても見守り、食事時間は語らいの時間とし、楽しく摂れるよう支援しています。保育の参加に消極的な子どもについては、自分を見てくれているという気持ちを汲み取り、声掛けを行いながらも無理強いせず、子どもを尊重した保育を推進しています。

 

●2.地域子育て支援センターを活用した地域子育て支援

 

ちとせ山ゆり保育園が併設する地域子育て支援センターは、育児相談や、専用の室内での遊び、園庭遊
び等を地域の子育て親子に開放し、一般園児と一緒になって園庭で遊ぶ等、登録者の親子は家庭ででき
ない遊びを伸び伸びと楽しく利用しています。また、地域子育て支援センターでは利用者の知人などが
園見学や相談に訪れ、地域の育児に関する窓口的な役割を担っています。保育園への入園等へのつながり
を含め、園と共に地域との関わりを積極的に進め、地域の子育ての貢献に努めています。

 

●3.リトミック・体操・英語教室の実施

 

今年度、幼児については、リトミック・体育・英語教室を実施しています。体育は専門家による指導方
法を導入し、子どもの体力作りと知的向上につなげています。英語教室では、日常的に身近に英語に親
しみ、将来への体験を目的としています。リトミックは、子どもの大切な時期に音感、リズム感を醸成
し、脳細胞への浸透にて知的細胞活動が促され、脳細胞の発達に非常に有効性が高い観点で重点的に取
り入れています。さらに、楽器を購入し、子ども鼓笛隊を結成し、保護者に運動会やクリスマス会で子
どもの成長を披露しています。

 

≪さらなる期待がされる点≫

 

●1.職員の体制・構築について

 

職員の交代があった経緯について、体制の立て直しの為に職員の交代をせざるを得ない要因を踏まえ、過渡期には保護者の方々の不安や不満等に対して、ご迷惑をかけた点など現園長は、真摯に受け止めています。今年度、職員の補充、新職員による体制の再構築を図り、さらに、来年度の新規採用を含め、園の新体制は整いつつあります。園長の卓越した保育に対する想いを根幹に、新職員体制の確立に向けて、既存の職員と共に一貫した一つのベクトルに向けて体制が固まることを期待しています。

 

●2.さらなる職員の資質向上に向けて

 

限られた保育士の人数による保育環境は、保育士一人ひとりが力を付けると共に、チームのコミュニケーション・連携の強化が望まれ、さらに、体制確保のためには、職員一人ひとりのスキルアップが必要です。新入職員には、スキルアップとチームワーク力を、既存の職員には新人の指導とコミュニケーションを心掛け、盤石な保育体制を構築して欲しいと期待しています。評価調査での職員インタビューでは、保育士、栄養士は明るく、意欲的であった点は評価が高く、今後、さらなる努力を望みます。

 

●3.看護師の確保について

 

ちとせ山ゆり保育園には現在、看護師が欠員となっています。看護師採用の苦悩について事情は重々理解できますが、保護者は看護師の配置を望んでいます。事情を踏まえながらも、継続して今後とも採用における努力を期待しております。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●「子どもの人権の尊重」を考える軸として、子どもの年齢を「概ね」で表示し、個人差、発達段階に応じた対応を心がけています。保育に参加できない子どもについては、無理強いせず、子どもの気持を尊重して「待つ」ようにし、また、攻撃的な子どもについても、要因について「分かる」努力をし、子ども本人が納得するまで「待ち」、子どもの気持ちに寄り添う保育を心がけています。

 

●子どもの人権の尊重の考え方と共に、園では「叱らない保育」を推進し、職員間で個々の成長を確認し合う機会を設け、保育場面でも叱らず良い点を褒める保育を実践しています。職員は虐待に関する対応、知識を学び、共通認識を図り、意識を高めています。

 

●個人情報に関して、重要事項説明書に明示し、保護者懇談会時に説明を行い、保護者から同意を得ています。プライバシー保護については、保育園運営マニュアルの中にコンプライアンスに関する専用のマニュアルを整え、職員は理解しています。

 

●プライバシーの配慮では、園全体で各年齢の発達の様子の理解に努め、保護者の希望、子どもの気持ちに寄り添うよう心がけています。性差については、看護師による研修を受け、月齢別、年齢別における性差に関する専門的な視点から学び、全職員で知識を深めています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●利用者満足の向上に向けて、経験の浅い職員教育に関して、園長、主任と連携の下、機微の部分に指導を行い、フォローをしながら育成に努め、報・連・相を密にして情報を把握し、共有化を図り、サービスの向上に取り組んでいます。

 

●保護者が意見等を述べやすいよう、玄関先の目の付きやすい場所に意見箱を設置し、保護者との日々の会話を大切にして相談や意見を言いやすい雰囲気に努め、談話室を活用する等、環境を整えています。

 

●園では、「遊び」から学び、成長があると考え、興味・関心が持てるよう遊びを工夫し、保育を進めています。全園児の発達の過程や生活環境等を理解し、受容し、個々の子どもの発達に沿った保育を心がけ、子どもの可能性を大切にし、良いところを見て、褒めることを大切にして保育にあたっています。

 

●登降園時には挨拶や声掛けを行い、連絡帳、登降園チェック表に目を通して子どもの様子を確認し、担任は保護者に日常の子どもの様子や、健康状態等を伝えるようにしています。休息(昼寝含む)の長さや時間帯は、子どもの状況、年齢やその日の体調に応じて休息や午前睡を取り入れ、子どもの生活リズムを大切にしています。

 

●延長保育は、子どもが落ち着き、安定した気持ちで過ごせることを第一に考え、グループでの保育を行わず、保育室のコーナーを活用して保育士が見守る中、自由に遊べるようにしています。また、床材、遊具が連結した安全な遊びの空間作りをして保育環境を整えています。

 

●ちとせ山ゆり保育園では、子どもが健康で自由に園庭を走り回ることができる保育を目指し、外遊びを制限せず、子ども達は元気にのびのびと遊んでいます。保育士は、個々の将来の姿を予想しながら、個性を引き出し、その子の為になるような保育を目指しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●園の必要な情報は、ホームページ、パンフレット、地域向けのインフォメーションボックス、園内掲示板により情報を提供しています。また、保育の写真等により保護者(利用希望者を含む)に対してサービス選択に必要な情報を提供し、園見学者にもパンフレット、入園案内を配布しています。

 

●指導計画は、保育課程を基に、養護と教育の各領域を意識して各クラス担任が年間、期間、月間を立案し、主任を中心としてまとめ、共有しています。また、食育計画は栄養士を交えて作成しています。保護者に対して、子どもの日々の活動は、乳児では連絡帳で伝え、幼児は掲示板で知らせています。

 

●各種マニュアルを整備し、マニュアルに沿って標準的な実施方法により保育を実践しています。また、園の特徴として「叱らない保育」を実践し、パート職員も含めた全職員に「心得」を配布し、“足らざるところを叱るよりも、良いところを褒め、気分、雰囲気を良くし、前向きに生活すること”の共通理解の基、保育にあたっています。

 

●苦情解決の仕組みについては、苦情解決窓口、苦情解決責任者、第三者委員の連絡先等、苦情解決体制を掲示し、直接苦情を申し出る事ができることを掲示し、保護者に知らせています。苦情を受けた際は、迅速に対応し、表明した事柄は必ず実行するように心がけています。

4 地域との交流・連携

●地域に対して、併設する子育て支援センターを通じて育児相談を行い、地域子育て支援センターを利用する親子や、園庭開放の利用者からの相談を受けています。また、園庭には大型遊具が設置され、保育園園児とも自然に一緒に遊ぶ機会を提供しています。

 

●地域の福祉ニーズを把握するための事業(地域子育て支援センター、園庭開放)及び活動を行い、地域の子育て情報、ニーズの把握に努めています。また、高津区の子育て支援事業にも職員を派遣し、協力すると共に情報の収集を行っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●理念・基本方針は、ホームページ、パンフレットや入園の案内に掲載し、また、毎月発行する園だよりに園長が月の目標を記載して伝えています。中・長期計画を基に園運営を遂行し、テーブルを常備した講堂を創設し、障害児受け入れの為のバリアフリー、エレベーターの設置を計画に沿って実現しています。

 

●園長は、組織表及び役割分担表を作成して分掌業務を明確にし、園長の考え及び役割と、子どもの生命の責任を含めた全ての責任の表明を行い、サービスの質の向上に努めています。

6 職員の資質向上の促進

●川崎市保育会園長会で開催される研修会を中心に、個々の職員に合った研修に参加し、職員の資質向上、専門性を高めるよう取り組んでいます。また、保育手帳を園で購入して全職員に配布し、活用しています。

 

●園内研修は、現場でのOJTを中心に実践化を図り、職員会議で園長の策定した教育に係る文書等を中心に研修を実施し、職員のレベルアップを図っています。

 

●園長は、職員の日々の様子を確認し、声掛けを行うなど配慮に努め、要望や意向、意見は主任等からの情報を参考にしながら、相談しやすい職場環境を作るよう尽力しています。主任は、職員の希望等を確認し、個人面談での要望を加味し、有給休暇の消化バランス及びシフトに配慮しています。

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