かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

天王森の郷(4回目受審)

対象事業所名 天王森の郷(4回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人たちばな会
対象サービス 高齢分野 特別養護老人ホーム
事業所住所等 〒 245 - 0016
泉区和泉町733番地
tel:045-804-3311
設立年月日 2001(平成13)年03月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 評価機関独自版
評価機関名 福祉サービス第三者評価機関 公益社団法人 神奈川県介護福祉士会
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
○ほほえみと陽のあたる特別養護老人ホームを目指して、平成28年度の重点事項に、「@お客様、ご家族への安心・安全の質の高いケアの提供、A組織を支えていく人財育成、人財確保の徹底、B地域の社会福祉法人としての活動の充実、Cコスト削減を中心としての効率的な経営」を掲げ、利用者の支援にあたっている。
○認知症ケアのレベルアップ、利用者の生活重視をさらに充実させて、本来の特別養護老人ホームの役目をあらためて理解して、重介護・終末期ケアなど、利用者のニーズに対応できる職員育成とチームケアの確立に努め、コストを意識し、地域になくてはならない施設となるよう事業をすすめている。
○併設型短期入所の利用者を含め、150名の利用者が本館と新館に分かれて生活を送っている。「お客様の尊厳の保持と自立支援を第一に専門職として最高のサービスを提供すること」を介護理念に置き、質の高いサービスの提供に努めている。
〇食事・口腔ケア委員会や褥瘡対策委員会、リスクマネジメント委員会など、各委員会が活発に活動している。今年度は、おしゃレク(誕生会)委員会を立ち上げ、あらたな活動を行っている。委員会を毎月定期的に開催し、多職種が連携し、職員全体でサービスの質の向上に向けた取り組みを展開している。
○今回の第三者評価は、上記の各委員会が中心になり、役割を分担して、検討会議を複数回開催して検討を重ねている。職員全体に自己評価項目についてのアンケート調査を実施し、現状の課題を分析して、次への具体的な実践につなげている。
〇福祉サービス第三者評価を定期的に受審し、今回の受審が4回目となる。また、段階別の評価として、今回初めて「グレード2」の第三者評価を受審している。第三者評価を継続して受審することで、提供するサービスの質の向上を、施設全体の取り組みとしている。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ○意思表示が難しい利用者自身からの意向の把握について、介護職員、看護職員、相談員、栄養士など、各部門の共通する問題として、食事の提供、介助場面を取り上げ、職員全体にアンケートを実施する中で、意思表示が難しい利用者の意向の把握は、すべての職種が、利用者の表情や言葉以外の意思表示から感情を捉えていることを確認している。また、利用者の表情や言葉以外の意思表示の確認は、普段から利用者の状態を観察、把握していなければ、表情や行動の違いに気付くことができないことを再確認している。今後の具体的な取り組みとして、日々の利用者の変化を観察していくこと、カンファレンスを多職種で行い、情報を共有することなどをあげている。
○利用者に対する権利擁護の制度は、職員の理解を高めるため、勉強会を開催して、周知を図っている。また、職員にアンケートを実施して、権利侵害の面から権利擁護を結びつけて検討を行っている。取り組みをすすめる中で、「第三者の目」や「代弁者」の働きが必要であるため、成年後見人などの専門職との関わりの他、ボランティアや見学者、地域住民などが訪れやすい開かれた施設になること、それぞれの機関の専門職に相談する姿勢を持つこと、場合によっては行政に働きかけることをあげている。また、自分たち施設職員も介護の専門職として、権利擁護の担い手であることを認識している。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ○本人のできること、強みの確認については、エンパワメントやストレングスの用語の説明書を作成して共通認識を図り、すべての部署が関わっている「食事の提供場面」に限定して職員にアンケートを実施している。利用者のできること、得意とすることをケアプランに反映するために、@本人の希望、A現在の身体状況、Bその他について確認をしている。利用者が可能な行為は、利用者自身が行えるように、少しのサポートで本人の希望に近づけるプランを策定すること、担当者会議や家族連絡時などで得た情報の共有を図ること、利用者個々の状態変化に応じたプランニングにつなげて行くことをあげている。各職種の専門的意見から利用者の心身の状態に適した適正なプラン、全職種が統一したケアサービスの提供につながるように取り組みたいとしている。
○個別支援の視点に基づいた支援計画の策定については、取り組みの中で、今以上に利用者担当職員の機能を高めることとしている。担当者は自分の担当の利用者に責任を持ち、個別支援計画の策定に関わり、定期的に手紙を送る・面会時等に積極的にコミュニケーションを図るなどを、今後の取り組みとしている。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ○利用者や家族からの要望や苦情の解決については、苦情解決責任者や苦情受付担当者、第三者委員などを設置し、また、苦情解決の関係書式を整備している。要望や苦情は、利用者や家族からの期待やありがたい言葉として受け止めている。意思表示が難しい利用者については、介護の提供場面を通して、利用者の表情などを観察し、苦痛を感じているようであれば、それを苦情として捉え、より適切なケアを提供するように配慮している。
○入所時、転倒・転落アセスメントシートを活用して、リスクマネジメントの視点を取り入れた個別支援計画を策定している。入所後は、日々のカンファレンスの中で評価を行っているが、アセスメントシートを使用しての再評価までは実施していない現状がある。また、利用者のADLが大きく変化しているのに、現行のアセスメントシートの点数は変わらないという問題点にも、今回の取り組みで気付くことができた。今後は、現在使用している転倒・転落アセスメントシートを修正し、改善されたシートを用いて評価を継続的に実施し、個別支援計画の再計画に取り入れていくこととした。
4 地域との交流・連携 ○開所当初から地域とのつながりは深い。施設内に「地域支援部」を設け、地域支援会議を開催して地域の方たちへの支援活動を行っている。町内会の保健推進委員会に理事長、ケアマネジャーが参加している。また施設内で「在宅介護講習会」を平成19年から実施している。今後は地域のサロンへの出張講習会を開催する予定である。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ○利用者自身からのサービス評価として、食事レクリエーションとしての行事食や季節に合わせた選択食の提供を取り上げている。食事レクリエーションの提供は、利用者が選びやすいよう写真を活用し、利用者自身が食べたいものを選ぶことができるよう工夫している。意思決定が難しい利用者は、食事後の反応(食事中の反応、口の開き具合、飲みこみ時間など)を職員が観察、記録している。管理栄養士や食事口腔ケア委員が中心になり、利用者の反応や聞き取り調査を行い、利用者の希望をできる範囲で献立に反映できるようにしている。食事レクリエーションは利用者にとても好評なことから、今後も引き続き利用者の意見や感想を聞き取り、嗜好を把握することで、より一層のサービスの改善につなげていくこととしている。今後の具体的な取り組みとして、利用者の食べたいものや苦手な物を知ること、昔からある食材を季節に合わせて提供すること、利用者に喜ばれる食事レクリエーションを実施していくことなどをあげている。
○ケアサービスの見直し、改善計画及び実施については、排泄ケアに焦点を当てて検討している。排泄ケアサービスの見直し改善については、職員全員にアンケートを実施し、何を見直さなければいけないかを確認している。その結果、その方にあったオムツやパッドの選定が、職員の経験や思い込みで決められていることが確認できた。オムツについては、装着時の違和感などに関して利用者の聞き取りを行い、利用者の希望を尊重していくこと、オムツサイズの選定には客観的な判断が必要であること、パッドの使用についても利用者の状態により使い分け、パッドの重ね使用を止めることなどがあげられた。オムツやパッド類を適正に選定していくことは、適正な在庫管理及び発注にもつながり、コスト削減の効果も期待できることもわかった。
6 職員の資質向上の促進 ○職員の研修は施設の年間計画に沿い、内部研修や外部派遣研修を行い、キャリアパスにつなげている。これまでキャリアパスの取り組みは、共通チェックリストと介護課チェックリストの2種類を使用して行っていたが、今回の取り組みを通して、項目を精査し、初級、上級、非常勤の3種類のチェックリストに改訂し、職員の資質向上につなげることとした。

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