かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

藤沢市立藤沢保育園(2回目受審)

対象事業所名 藤沢市立藤沢保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 藤沢市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 251 - 0025
藤沢市鵠沼石上1-11-5
tel:0466-22-6889
設立年月日 1951年06月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 神奈川県社協版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<概要>

 

 藤沢保育園は昭和26年に開設し、65年が経過している歴史のある公立保育園です。園はJR・小田急「藤沢駅」から徒歩5分程の市街地の中に位置していますが、広い園庭や近隣には公園もあり恵まれた環境の中で保育が行われています。
 現在180名が在籍し、「心も身体も健やかな子」を園目標とし職員一丸となり、子どもの成長を支援しています。また積極的に子育て支援にも取り組み、地域に開かれた保育園として支援、交流を行っています。

 

<優れている点>
1.野菜を育て、みんなで分担して調理を行い、楽しみながら食育を行っています
 年齢ごとに食育年間計画を立てています。年齢によってねらいは異なりますが、0歳児から1歳児は徐々に自分で食べることができるようになる楽しさを感じられるように取り組んでいます。幼児は食に対する興味が持てるように栽培、収穫、調理を体験し、食育につなげています。
 幼児はクラス間で連携を取りながらクッキング保育を行っています。用務員と一緒に育てたジャガイモを3歳児が洗い、4歳児は皮をむき、5歳児は包丁で切る作業をしながら、連携してカレーを作り、調理での音や匂い、味わいを五感で感じることができるように取り組んでいます。

 

2.多種多様な遊びを通じて、社会ルールを守ること、友だちとの関わりを深める保育を行っています
 遊びを通じてルールを守ることの大切さを学び、友だちとの関わりを深めています。園庭での運動遊び、室内ではブロック遊び、絵本読み、歌、リズム運動、手遊びなどを子どもの年齢、発達に応じて実施しています。
 保育士による多数の手作り遊具・教具を備え子どもたちの興味を引くよう工夫しています。園庭での砂遊びでは山、川、道路などを子ども同士で協力しながら作ったり、イメージを膨らませながら思い思いの作品を作っています。富士山を作った子どもは白砂を探し、頂上の積雪を表現しています。
 保育士は手遊びや歌、言葉遊びを通して言葉の持つ楽しさや面白さを伝え、子どもの創造と、次の興味へとつなげています。子どもがそれぞれ好きな遊びに集中できるコーナー(空間設定)作りをしています。

 

3.地域住民と積極的に交流を行っています
 園では地域の子育て家庭に向けた支援を行っています。開園日には毎日園庭開放を行っており、室内でも粘土遊び、人形劇、お誕生会などへの参加・見学ができるようにしています。地域交流、次世代の人材育成として小中高校生の保育体験実習の受入れを行っています。実際にそれぞれのクラスに入り子どもたちと関わりを持つ実習を行っています。
 計画的に世代間交流を行い、一緒に折り紙や作品作りをし、9月の敬老会では藤沢市内の体育館で一緒に童謡を歌っています。藤沢市の事業、子育てふれあいコーナー「あいあい」事業において育児相談を行っています。保育士や用務員や調理員も市内の催し物に参加し、相談を受け助言するなど専門知識を活かした地域支援を行っています。

 

<独自に工夫している点>
1.保護者とのコミュ二ケ−ションを重視し保育運営を行っています
 保護者とのコミュニケーションを大切にして相談を受けやすい体制作りに努めています。園の目標、職員の紹介、園行事予定、食事メニューなどの情報は玄関近くに、クラスそれぞれの保育内容や子育て情報をクラスボードに掲示し、保護者は送迎時などいつでも見られるように情報提供に努めています。
 年1回の個人面談、年2回のクラス別懇談会などを行い園と保護者との情報・意見交換の場になっています。また、行事後のアンケートを行い次回の行事に反映するようにつとめています。保護者との「ほっと懇談会」を実施し保育園運営に関する意見交換を行っています。

 

2.クラスをグループによる縦割り編成として異年齢保育を行っています
 3・4・5歳児の計6クラス(各年齢が2クラス)を3グループに分け、縦割り編成にして異年齢交流を行っています。
 一緒にお散歩、室内遊び、行事参加することにより、年齢の違いから様々な社会性を学んでいます。特に運動会は子どもたちが一丸となって協力し合い、皆で作り上げる行事となっています。
 一人ひとり楽しむ心を育みながら、遊戯や競技に真剣に取り組み、頑張る過程も大切にしています。このように異年齢保育では年長児が尊敬される存在として振る舞い、小さいクラスの子どもにいたわり、助け合う関係が自然にできるように配慮しています。

 

3.乳児クラスでは担当制により、子どもとの信頼関係を重視しています
 保育士と子どもとの信頼関係を深められるよう乳児クラスでは担当制をとっています。保育士はスキンシップを大切にし、子どもたちが安心安全健やかに過ごすことができるように配慮しています。
 子どもは、特定の大人との愛着関係を形成することで人への信頼感を得ています。担当制を実施することにより、子どもの欲求が保育士に伝わりやすくなり子どもとの関係をより一層深めています。また、子どもの発達や家庭での状況をより深く理解し、適切な保育の実施に繋がっています。

 

<改善すべき事項>
1.防犯・災害などについての保護者の不安解消が期待されます
 防犯対策については、「危機管理マニュアル」内、「防犯対策の手引き」により役割分担、対応の仕方や留意事項などを示し、職員間で周知しています。防犯訓練も年間6回計画し、警察等の協力のもとに実施しています。
 しかし保護者の中には、防犯対策(不審者侵入防止など)について心配があるとの意見があります。門のセキュリティ体制について改善を求める意見も複数あります。
 地震対策や防犯対策の状況について保護者に再度説明をし理解を得ることも必要です。市で対応することと園で実施している対策などの情報を知らせて、情報共有することにより保護者の不安解消することが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

藤沢市保育課程の「子どもの発達と子ども理解」「保育実施上の留意点」などで保育士は常に優しい態度と言葉かけをすると記載され、職員会議で話合い周知をはかっています。にこやかクレド手帳(行動指針)を身に付け気遣いや気配りに注意を図っています。また、にこやか推進年間目標を事務所に掲示し、朝礼でその日の目標を確認し朝礼ノートに明記しています。

 

「人権施策推進指針」の中で人権に配慮した関わり、性差への配慮などでお互いを尊重する心を育てるよう努めるとあり、職員は日常の保育の中で実践しています。職員が無意識に性差による保育が行われていないか反省する機会を設けています。

 

藤沢市個人情報保護条例で個人情報の取り扱いや利用目的などを取り決めています。職員は個人情報保護の研修への参加や、職員会議などで学習し周知しています。個人情報に関する記録などは鍵つきの書庫に保管されています。また、保護者には「保育園のしおり」で個人情報の取り扱いについて説明し、使用する場合使用承諾の同意書をもらっています。

 

「見学者のしおり」「保育園のしおり(実習生用)」で実習生及び見学者に対して個人情報の保護、守秘義務などに関する記載があり、受け入れ時のオリエンテーションで守秘義務、プライバシーの保護などを説明し周知を図っています。中学生などの体験学習で知り得た個人の情報を他人に漏らすことのないように注意しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

家庭での生活や健康状態などの把握と情報交換により子どもの様子を共有しています。0、1歳児クラスはお便り帳、2歳児以上家庭連絡表で保育園での様子を伝えています。玄関のクラスボードでクラス毎の様子を記載し掲示しています。全クラスで登降園時の保護者との連絡事項を記す連絡ノートがあり、子ども一人ひとりの情報を家庭と園で共有し安全安心な保育を心がけています。

 

行事後のアンケートやクラス別懇談会や個人面談などを行い、それらを通じ保護者の希望や意向を把握しています。保護者との「ほっと懇談会」を実施し保育園運営に関する意見交換を行っています。また、「連絡表」のやり取りの中や登降園時での保護者との会話などでも希望や意向を把握しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

苦情への対応は「藤沢市立保育園における意見・要望等解決実施要綱」に基づき受付から解決まで行っています。苦情受付担当者、苦情解決責任者、第三者委員名を明記し玄関に掲示しています。受付時には記録用紙を作成しています。また、保護者との会話などで聞かれた意見についても記録用紙を作成しています。受付記録は保管され、全職員が共有し再発防止に活かしています。園内で解決できないものは市の保育課に依頼し対応してもらっています。

 

誤飲等事故防止のため消毒剤や洗剤などの保管場所や健康管理のための常備薬品とその使用法などを明記した文書がありそれに従い適切に実施されています。また、保育園で取り扱う薬品は薬品在庫表、薬品管理表、使用持ち出し簿で記録しています。

 

園児が日常触れるおもちゃ、布団、砂場、プールなどについての消毒方法や管理方法など藤沢市保健指針の衛生管理に従い行っています。寝具に関しては詳細な管理基準が明記されています。布団のクリーニングは年1回外部委託で行っています。玩具・砂場・鉄棒などは安全衛生点検表でチェックを行い衛生管理に努めています。

 

体調不良児の早期発見と発見の対応、園での対応可能な怪我の対応などは「藤沢市保育課程」「藤沢市保健指針」で詳細に対応方法などが記載され職員に周知しています。また、園では園内の「確認事項」という文書で怪我や病気や発熱などの対処方法を明記したものを作成し年初に職員に周知を図っています。また、在園中の記録としては「身体発育表」「歯科健診記録表」「尿ギョウ虫検査結果表」「保育日誌」などで健康確認を行っています。また、保護者への身体測定、健康診断、歯科健診の結果は主として連絡帳で行っています。

 

感染症対応マニュアルの中で感染症の対応について記載があります。その中で発生時の対応経路をフローチャートで明記しています。保育園のしおりでインフルエンザなど感染症にかかった時の出席停止期間の基準について記載があります。感染症の情報については職員には「感染症調べ」に記載し、動向表などで随時周知を行っています。保護者には「保健便り」の配布、保育内容が記載されている毎日のボードに記入して知らせています。

 

防災訓練は年間12回計画しています。消防署との合同訓練は1回行っています。年度当初に避難方法、役割分担、連絡方法などを確認し訓練後は毎月会議で反省を行っています。計画表には目標、想定、内容を明確にした訓練となっています。職員は訓練を通じ自分の役割を再認識するとともに反省会で翌月の訓練に備えています。訓練の内容は訓練実施記録に残しています。

 

防犯についても警察などと協力し防犯訓練は年間6回計画しています。職員会議で、実施計画、反省について話合い周知を行っています。年度末には再度確認して新年度の計画を作成しています。防犯訓練実施の際の「合い言葉」を事務室に掲示しています。

4 地域との交流・連携

藤沢市内の15園で構成している子育て支援委員会に参加し、「育児相談事業要項」を作成し、子育て支援の取り組みの中で年間計画を作成しています。それに基づいて園庭遊び、人形劇を見たり、園児との交流、体験保育など行っています。また、園庭開放は毎日行っています。同時に必要に応じて育児相談に応じています。

 

藤沢市の事業「子育てふれあいコーナー」では片瀬地域子どもの家に出向いての地域子育て相談(あいあい事業)へ参加し育児相談を行っています。また、保育士、用務員、調理士が市内の催物に参加し専門知識を活かし相談に応じています。併設の「子育て支援センター」と連携し地域の子育て支援に取り組んでいます。

 

運営方針の中で地域に対して開かれた保育として地域の人々との交流を持つことを方針に掲げています。その中で老人会と交流し、計画的に世代間交流を行っています。クラス交流では折り紙や作品作りなど、9月の敬老会では童謡を一緒歌うなどして楽しい時間を過ごしています。また、小学校とは年2回幼保小中特別支援学校連絡担当者会で意見交換を行っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

園の運営に関する自己評価は「自己点検表」に基づき、職員参加で行っています。また職員は人事評価を利用して、業務に対する評価を行い日々の保育に役立てています。自己点検に基づき保育の向上を図っています。その結果子ども・保護者への接し方の振り返り、絵本・玩具の整理等環境を見直すことなど職員の意識啓発に繋がっています。

 

見学者には保育の目標、園目標、園の行事などが記載されている「しおり」を配布しています。また、ホームページでは園に関する情報の提供を行っています。地域との交流日程や園での子どもたちの生活を写真付きで紹介しています。地域の人々への参加を呼び掛ける「すこやかメール」を公民館、図書館、地域子どもの家などに置いて情報提供を行っています。

 

保護者との情報交換や意見交換については「入園のしおり」で園の年間計画の中で個人面談、試食会、年2回のクラス懇談会などを決めています。同時に保育園は何時でも保育参観を行っていることを伝えています。保護者会との連携で意見交換の場を設けています。

6 職員の資質向上の促進

藤沢市保育課程にある6項目から構成している「保育の目標」を基に園独自に職員間で話し合って「今年の保育」を作成し、その中に「園目標」を明記しています。さらに「運営方針」や具体的な留意事項をまとめた「確認事項」、個人目標の記載欄のある「目標設定シート」を配布し職員会議で周知徹底を図っています。

 

職員の研修は市の主催する「職場研修計画」、園独自の「園内研修計画」、公立園長会の研修部会主催の研修会などがあります。職員が参加した研修は参加毎に報告書に記載し順次職員に回覧しています。職員は意向や要望を取り入れた外部研修などにも参加し、知識・技術向上に努めています。必要に応じて職員会議で報告し共有しています。

 

実習生の受け入れは主任2名で担当して、実習生の指導及びクラス間調整を行っています。受け入れのマニュアルとして「保育園のしおり(実習生)」「保育実習日程表」があり、それに基づいて行い、オリエンテーションの際には注意事項などを説明し周知を図っています。実習中に問題が出た場合はその都度クラス担当・主任が指導しています。

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