かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

もみの木保育園

対象事業所名 もみの木保育園
経営主体(法人等) 株式会社Berry
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 226 - 0027
緑区長津田5−1−25
tel:045-530-0400
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 もみの木保育園は株式会社Berryが運営する横浜市の認可保育園です。JR長津田駅南口から徒歩1分ほどの住宅街にあり、近くに商店街があり、給食に使用する食材は地元の青果店、精肉店から購入しています。特に野菜は地元農家から直接仕入れ、旬の食材をたくさん使った食事を提供しています。周辺は公園が多く緑豊かな環境で、子どもたちはそれぞれの年齢に合わせた散歩を楽しんでいます。園では「子ども一人ひとりが安心して自分らしさを発揮できる生活環境をつくり、『思いやり』『意欲』『自主性』『集中力』『創造力』を育てます。『異年齢保育』(3〜5歳児)子どもと子どもの自然なかかわり合いによって互いに違いを認めながら、協力し合う『育ち合い』の保育を目指しています」を保育方針としています。玄関や階段のスペースは装飾の専門家が季節ごとに美しく飾り、子どもの感性を育てる一助になっています。
 定員は60名(0〜5歳児・産休明け保育、延長保育、障害児保育あり)、平日:午前7時〜午後8時(延長時間含む) 土曜日:午前7時30分〜午後6時30分です。


《特に優れている点・力を入れている点》
○職員同士のコミュニケーションの良さが子どもと保護者との信頼関係を築いています
 異年齢保育の実施により職員間のコミュニケーションが活発になっており、職場の人間関係が良好である様子が見られます。そして、「子どもと一緒に活動を楽しむ」「保護者との連携を密にしている」などの職員の意識が、子どもや保護者に対する言葉がけやかかわり方に表れている様子も見られます。子どもや保護者との信頼関係は短期間で生まれるものではありません。日ごろから職員の意識が同じ方向を見ているからこそ園全体で子どもを見守る保育が実施され、これが子どもや保護者に伝わることで信頼関係が築かれています。職員は朝のミーティング時に各クラスの子どもの体調、けが、病気、与薬、家庭からの連絡、心身の注意事項、アレルギー食の確認、今日の散歩のコースなどについて情報交換し対応をしています。


○園生活に自然に溶け込んだ食育活動が行われています
 食育活動は、保育士と栄養士が協力して実施しています。栄養士は、子どもたちが食べるだけではなく、食と健康、料理と食、食と文化などについて興味を持ち、食べることを好きになって楽しんでほしいと願っています。そして季節の素材を「なぞなぞBOX」に入れて触って当てたり、自分たちが育てた野菜を給食で食べたりしています。園で収穫したにんじんを給食に使った場合などは、栄養士が「献立コメント」にその旨を記載して保護者にも食育について知らせています。食育の取り組みの一つとして、5歳児は、毎朝お米を研いだり、野菜の皮をむくなどしています。3つの栄養素については年齢に応じて伝え、5歳児は卒園記念として3つの食材を組み合わせて献立作りに参加しています。また、お泊まり保育でも調理を経験しています。


○利用者本人を尊重し一人一人を大切にした保育が行われています
 園の保育方針として「子ども一人ひとりが安心して自分らしさを発揮できる生活環境をつくり、『思いやり』『意欲』『自主性』『集中力』『創造力』を育てます。『異年齢保育』(3〜5歳児)子どもと子どもの自然なかかわり合いによって互いに違いを認めながら、協力し合う『育ち合い』の保育を目指しています」を掲げ、保育士は職員会議などで理念の確認をし、方向性を共有して保育にあたっています。小規模園の良さを生かし子ども一人一人の個性を大事に、一人一人が主体的に物事にかかわれるようにすることに力を入れた保育が行われています。異年齢保育の活動の中でも年齢に合わせた製作や英語などを取り入れています。計画に子どもを合わせるのではなく、どうしたら子どもがのびのび育つかを大切にして計画を作っています。


《事業者が課題としている点》
 防災対策の強化のため、災害時対応マニュアルを見直しを行っています。系列園と協力し、園長主任会議でさまざまな災害を想定し、意見を出し合って作成していますが、災害を経験した地域の取り組みや対応マニュアルなどの情報を集め、検討していく必要があると考えています。また、緊急時の対策として、消防隊員の指導による避難訓練や不審者対応のシミュレーション、AED設置など、突然の出来事に対応できるようにしていますが、時間帯によって職員体制が変わるため、職員の配置状況によって、連絡方法、避難方法を話し合う機会を定期的に設けていきたいと考えています。また系列園や地域と連携できるように体制を整える必要があると考えています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  園では、保育所保育指針に沿って保育課程や年間指導計画、月間指導計画などを策定しています。保育理念に「子どもの人権や主体性を尊重し」とあり、保育方針として「思いやり・意欲・自主性・集中力・創造力を育てる」を掲げ、利用者本人を尊重するものとなっています。保育理念・保育方針は職員会議で読み合わせをして、全体に周知を図っています。園では保育方針に基づいてリトミックや英会話、体操に力を入れ、また、3〜5歳児クラスは日常的に異年齢のグループで生活をしています。
 園では、子どもの人権を十分に配慮するとともに子ども一人一人の人格を尊重して保育にあたっています。業務マニュアルには「子どもの人権を守るために」などの項目に子どもたちと接するときの心得や子どもに対する声のかけ方、話し方などを記載し職員に周知しています。乳児クラス担当主任や幼児クラス担当主任、クラスリーダーが保育現場での職員の言葉や対応について観察し、必要時にはクラスで話し合ったり指導をしています。訪問調査日に確認したところ、子どもに対する職員の声は穏やかで、優しい話し方でした。保育士の自己評価にも子どもへの接し方についての項目があり、職員は日々の行動の自己チェックをしています。
 業務マニュアル「個人管理規程」「情報提供」を作成し全職員に周知しています。「人に言わない、貼らない、持ち出さない」を原則とした守秘義務を職員は理解しています。ボランティアや実習生にも「受け入れマニュアル」にプライバシーや守秘義務を示し、遵守することを誓約してもらっています。保護者には入園のしおりに基づいて説明し、入園時に保護者から同意書を得ています。子どもたちの児童票など個人情報の入った書類は、3階の事務所の鍵のかかるロッカーで保管しており、子どもや保護者の園舎への立ち入りは2階までとしています。また、保管期限の切れた書類はシュレッダーにかけて廃棄処分としています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育課程に基づいて、子どもの成長や発達に合わせ年齢ごとに年間指導計画を立てています。また、子どもの意見や意思を柔軟に指導計画に反映し、年齢に応じたさまざまな活動や体験を通して感性を育て、生きる力をはぐくめるよう計画し実行しています。職員は日ごろから子どもの意思をくみ取る努力を重ね、自分の気持ちを言えない子どもについては、表情やしぐさから意思をくみ取り代弁するなどの援助をしています。幼児については、子どもどうしのやり取りを注意深く聞いて気持ちをくみ取っています。子どもどうしで話し合う機会も設け、互いが納得できるよう、子どもの気持ちを大切にしながら進めています。
 3月の初めに入園説明会を開催しています。入園説明会では、まず全体の説明をして、その後個人面談を実施しています。担当職員が保護者と面談し、保護者にあらかじめ配付している「個人面談票」「家庭状況」「生活状況」「緊急連絡表」「健康状態」等に家庭での日常生活の様子、食事、排泄、睡眠などの様子、心配なことなどを記入してもらい、それに基づいて面談で聞き取り、記録をして「児童票ファイル」にとじています。面談を行った後は全職員によるミーティングを行い、個々の子どもの情報について共有し、入園後すぐに保育に生かせるようにしています。なお、面談の際には、子どももいっしょに来園してもらい、子どもの様子もあわせて観察し把握しています。
 園では0〜2歳児の子ども、3〜5歳児で特別な配慮が必要な子ども、就学に向けた準備など特別な課題のある子どもに関して個別指導計画を作成しています。毎月クラス担任が中心となり、翌月のねらいと配慮を検討したうえで計画を作成し、園長と主任が確認しています。個別の目標は子どもの発達に合わせて随時見直しを行っています。特に個人差のあるトイレットトレーニングなどについては、送迎時や連絡ノート、連絡帳などを通して園での様子を保護者に伝えて相談し、同意を得て進めています。送迎時の保護者との会話のほか、連絡ノートや連絡帳で意見交換をしたり、必要時に保護者と面談を行って情報交換を行い、子どもの様子に合わせて計画の見直しを行いながら保育を進めています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  入園説明会の際に、保護者には子どもの不安な気持ちに配慮して短縮保育の必要性を説明し、「短縮保育スケジュール表」を作成しています。短縮保育はこのスケジュール表に基づいて実施しますが、保護者の就労状況や子どもの様子を見ながら、柔軟に対応するようにしています。0歳児や1歳児の新入園児の受け入れ担当者は決まっています。新入園児が園生活に慣れるまでは、お気に入りのタオルやぬいぐるみなどの持ち込みを認めています。食事・睡眠・排泄など、園での子どもの様子は、0、1歳児は連絡ノート、2歳児は連絡帳に詳細に記録して保護者に伝えています。また、家庭での子どもの様子も記録してもらい、保護者との連携を密に取っています。短縮保育中のお迎えの際には、他の子どもに見えないように配慮しています。
 園舎は横浜市福祉のまちづくり条例に基づいたバリアフリーの建物になっています。多目的トイレ、エレベーター、園庭にはスロープを設置しています。職員は、横浜市北部地域療育センターや横浜市子ども青少年局などの研修に参加して、研修報告会や報告書を回覧して職員間で情報共有するとともに、職員会議では配慮を必要とする子どもについて話し合っています。保護者の同意を得て、緑区保健福祉センターや横浜市北部地域療育センターにつなげ助言を受けています。その助言を参考に障がいの特性に配慮した月別個人指導計画を作成し、月ごとの目標や配慮すべき点などを記録しています。また、個人日誌にも記録しています。障がいのある子どもの対応については、得意とすることを伸ばせるように支援し、ほかの子どもともいっしょに活動をしています。
 アレルギーのある子どもについては、業務マニュアルの「アレルギーに対する配慮」に従い、生活管理指導表に基づいて保護者、園長、担任、栄養士で面談をしています。職員は横浜市の研修などに参加し、アレルギーに関する最新の知識と技術を学び、研修受講後には研修報告書を作成して全職員に回覧するとともに、職員会議で研修内容を発表して情報共有しています。アレルギー除去食を提供する際には、朝のミーティングで確認し、配膳時に2名で確認し、除去食材により色別の専用トレー、名札を使用し除去食品名を表示して、はっきり区別できるようにしています。また、月1回献立表について保護者に確認してもらい、園長や栄養士、担任とアレルギーの状況や変化について話し合っています。
4 地域との交流・連携  園の見学者や近隣の商店街との交流の中で園に対する要望を把握しています。また、緑区の子育て家庭支援の取り組み「みどりっこまつり」、毎週火曜日に園で実施している育児相談などでも一時保育や育児相談などの園への要望を把握しています。要保護児童対策地域協議会に参加し、地域の気になる子どもへの支援策について、協議会への参加団体といっしょに検討しています。
 園では、一時保育、育児相談の状況など、把握した地域の子育て支援のニーズについて職員会議で話し合い、子育て家庭支援の取り組みについて、園で何ができるか検討を行ってきました。そのうえで、「地域子育て支援計画」を策定し、散歩の際に公園などで地域の子育て家庭の親子といっしょに遊んだり、絵本の読み聞かせを行っています。また、その内容を小さなチラシにして公園に来ている親子に配付し、育児相談を行ったり、園児と地域の子どもと交流を行うなどしています。年2〜3回、近隣園5園の5歳児が集まり、ドッジボールなどの遊びを通して楽しく交流しています。園の作品展には地域の子育て家庭の親子も参加していますが、今年度実施したミニ育児講座「0〜5歳児の『歩育』が大切なわけ」「食育指導〜砂糖の量」はとても好評でした。
 園のリーフレットや離乳食などのレシピを緑区の子育て家庭支援の取り組みである「みどりっこまつり」で配布したり、横浜市のホームページに園の概要を掲載しています。園のホームページや横浜市の子育て応援ガイドブックには育児相談について掲載し、園の情報を地域の方に提供しています。育児相談は毎週火曜日の10時30分から12時まで行っています。散歩先の公園で育児相談や絵本の読み聞かせなどを行うことについて掲載した小さなチラシを公園に来ている地域の子育て家庭の親子に配付しています。園の外側の窓に、園の行事などのお知らせをはり出したり、園だよりを近隣の商店街に配付するなど、地域への情報提供に努めています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  利用希望者による見学は随時受け入れ、問い合わせがあったときには園長、主任が担当者として対応しています。園のホームページの「入所案内」の項目にも見学の受け入れが可能であることを掲載しています。見学者には、保育に支障のない範囲でできる限り見学者の都合に合わせて応じるように努めています。また、子どもの活動する姿を見てもらうために午睡の時間は外してもらっています。見学者には「見学問い合わせ案内マニュアル」に沿って、園のリーフレットを渡して説明し、園の案内をしています。見学者の質問にはていねいに答えるようにしています。問い合わせの内容は電話対応記録簿に記録しています。
 年間指導計画の策定の際には、保育士の自己評価や反省を生かしてクラスごとに作成し、職員会議で話し合い、他のクラスの意見やアドバイスを取り入れています。異年齢保育をもっと豊かに発展させることや、保護者とのコミュニケーションの改善などについて話し合い改善に努めています。保育所の自己評価は、理念や保育方針、保育課程に沿って、目ざす子ども像、発達支援、職員の研究・研修への意欲、地域交流と幼保小連携などを中心に行っています。保育所の自己評価は毎年4月に園内にて公表しています。
 園では子どもの製作に廃材を利用したり、園で使うメモ用紙はコピーした用紙の裏紙を使ったり、紙コップをやめてプラスチックのコップにしたり、コピー機やプリンターのトナーはリサイクル品を使うなどゴミの減量化に努めています。子どもたちにも燃えるゴミと燃えないゴミの分別を教えています。室温は夏は28℃、冬は17〜22℃になるようエアコン等の設定にも留意し使わない電気はスイッチを切るなどの節電に努め、手洗い場に水をだしっぱなしにしないなどを掲げ、節水も心掛けています。プランターで夏には野菜を栽培したり、季節の花や草花などを植えるなど緑化に努めています。園では管理規程に「環境への配慮」を掲げ、環境保全のため節電、節水、ゴミの分別に努めることなどを啓発しています。
6 職員の資質向上の促進

 実習生の受け入れは主任を担当とし、マニュアル「実習生の受け入れについて」に基づき、保育専門学校生や短大生を受け入れています。受け入れにあたってはオリエンテーションを行い、園のリーフレットを渡し、受け入れ方針、子どもの人権尊重、プライバシー保護などについて説明し、守秘義務を周知しています。実習は本人の希望を聞いたうえで異年齢保育や全クラスの体験など、効果的プログラムとなるようにしています。次世代の保育士を育てることなど実習生を受け入れる意義やプログラムなどは職員会議で周知し確認しています。実習終了後は内容を記録し、実習生を受け入れたクラス担任や主任と意見交換するなど反省会を行い、今後の活動に生かすようにしています。
 保育方針に沿った保育を行うために、経験年数、実績などを基準に人材を採用し、年齢構成などのバランスを見て職員を配置しています。急な場合は非常勤職員、派遣社員などで補っています。栄養士など必要な人材を確保し、理念実践に向けた人材構成にしています。全職員の資質向上を目ざし、全職員が毎年9月に記入する自己評価表の「自己評価」に基づき、各個人の目標と課題を明らかにしたうえで、主任が「研修計画表」を作成しています。職員の個人目標は、前期と後期に分け、本人の反省と合わせて、園長が面談し、人事考課表で達成度の評価を行います。
 指導計画の自己評価欄や「自己点検・自己評価のためのチェックリスト」による保育士の自己評価など、保育士の自己評価の書式は定式化されています。2歳児のねらいは「保育士と一緒に好きな遊びを見つけ楽しむ」で、自己評価は「好きな玩具を見つけ楽しむ様子が見られる。友だちとの関わりもできてきたが、加減がわからずトラブルになる場面もあるので、傍らについて関わり方を伝えた」、5歳児では「仲間の一員として行動し自立心を高める」というねらいに対し、「お店屋さんごっこなど年長児ならではの活動を通して、一人一人がクラスの一員であることを実感できるよう声掛けを工夫した」と、保育士の自己評価は、意図したねらいと関連づけて行われ、子どもの育ち、取り組む過程も重視しています。年間指導計画策定の際には保育士の自己評価を生かしています。

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