かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

にじの風保育園

対象事業所名 にじの風保育園
経営主体(法人等) 学校法人 聖ヶ丘学園
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0071
鶴見区駒岡二丁目6番56号
tel:045-575-1231
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】


・立地および施設の概要
 にじの風保育園は、東急東横線綱島駅から臨港バスで7分ほどの、港北区との区境、鶴見区駒岡の中小の工場が立ち並ぶ一帯にあります。平成24年4月開園で、267平方メートルの園庭を持つ3階建ての園舎に、定員60名のところ71名が在籍しています。近隣には大型ショッピングモールやマンションが建ち、新しい住民も増えるなか、少し足を延ばせば市民の森や鶴見川の河川敷、県立三ッ池公園など、豊かな自然にもふれることができる環境にあります。 
設置法人は学校法人聖ヶ丘学園で、聖ヶ丘教育福祉専門学校や中区のうみの風保育園、保土ヶ谷区のひかりの風保育園、青和幼稚園、磯子区に八幡橋幼稚園を運営しています。


・園の特徴
 「自分で気づき、考えて行動できる子ども」「他人への思いやりと感謝の気持ちを持てる子ども」「心も体も健康な子ども」を保育目標に掲げています。子ども一人一人の発達過程を踏まえつつ、自主性・自立性を育てることを重視した「受け止めて、褒めて、認めて、励まして、しっかり抱き留めて」の保育方針のもと、子どもたちが持っている“育つ力”を大切にしながらいろいろな体験をさせる保育をしています。


【特に優れていると思われる点】


1.子どもの意思を尊重する姿勢
 職員は子どもと目線を合わせて、子どもの年齢・発達に合ったわかりやすい言葉でゆっくり話しかけ、子どもの思いを聞き出し尊重しています。例えば、テーマのある絵を描くときは複数の筆記用具や色画用紙を準備し、画用紙の縦、横の使用も自由です。クッキングのときのサンドイッチの具材は、子どもたちの意思で選択できるようにしています。また、運動会や卒園式の様子を園でビデオ撮影して子どもたちに見せ、次年度はどんな内容にするか問いかけて反映するなど、子どもの意思を大切にしています。


2.計画的な食育活動の取り組み
 年齢ごとに年間食育計画を策定し、発達に応じた職員の配慮事項と働きかけ、ねらいを明確にして丁寧に取り組んでいます。子どもと一緒に土づくりを行ない、野菜の種や苗を植えて成長の過程を楽しみ、収穫してクッキングや遊びに取り入れて、野菜や食材に関心を持つよう保育につなげています。


3.地域との連携と豊かな社会体験
 園長は地域の連絡会や防災訓練などに参加して、民生委員や町内会と交流を図るなど、関係づくりに努めています。園庭開放を行って育児相談に応じたり、地域ケアプラザでの子育て支援に関わるほか、近隣の保育園と、職員の学び合いや子ども同士の交流などが積極的に行なわれています。また、年3回の老人福祉施設への訪問や、神社での七五三、江戸時代の農村生活が体験できる公園での伝統的な季節行事に参加するなど、地域の社会資源を活かして、子どもの社会体験を豊かにしています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】


1.職員の資質向上のための仕組みづくり
 今年度、系列園と共通の人材育成計画を作成し、職員のキャリアパス※を明確に定めました。そこには、経験年数により期待されるスキルと役割ならびに職員の自己評価と人事考課の関連が明確にされており、職員の意欲向上につながることが期待されます。職員のキャリアアップを着実に図るためにも、外部研修で学んだことの共有の時間をもち、園内(法人内)研修を充実させたり、会議での意見交換を活性化させたりするなど、より一層の資質向上のための仕組みづくりが望まれます。


2.保健衛生に関するマニュアルの見直しと保護者への情報発信
 衛生管理・感染症対応マニュアルに沿って、日々の清掃や感染症対策などが行われていますが、消毒液希釈などの規定・手順の記述がおおまかで、職員のエプロンの着替えの根拠などが衛生面からみて曖昧になっています。マニュアルの見直しを定期的に行って職員間で徹底し、保健衛生に対するさらなる意識の向上が望まれます。また、保護者向けに「ほけんだより」の発行を検討し、家庭と連携して乳幼児期の健康管理へ取り組むことが望まれます。


※キャリアパス:どんな仕事をどれくらいの期間担当し、どの程度の習熟レベルに達すれば、どういうポストに就けるのかを示すもの。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子どもの呼び方は、入園時生活状況書記載の呼び方を基に呼ぶようにしています。呼び捨てはしないことを、職員間で相互確認しています。

・物入れの一部、柱の陰など、友だちや職員の視線を気にせず一人で過ごせるよう工夫しています。また、職員は、階段の踊り場、相談室、事務所などで、子どもと一対一でプライバシーを守り、落ち着いて話し合っています。

・入園前説明会で個人情報保護について説明し、園児の写真を園と設置法人のパンフレット並びにホームページ、園内の掲示などに利用することの、使用許可を得ています。

・職員は、入社時に性差による区別を行わないよう研修を受け、行事での役割の選び方、折り紙の色の選び方など性差にとらわれない保育を心がけています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・子どもの年齢に合った玩具や絵本が、子どもたちが取りやすい高さの収納棚にあり、発達に合わせて入れ替えをしています。

・遊びでは、安全に配慮したルールを決めてから遊び始めます。職員は、遊具で遊ぶ順番を守ったり、小さい子どもの安全を配慮したルールを決めて子どもたちに伝えています。

・栽培用土作りを子どもたちと一緒に行い、トマト、インゲン、ピーマン、じゃがいも、かぼちゃなどの野菜を、苗から育てています。収穫した野菜は、クッキングでの調理や野菜スタンプ、かぼちゃの弦を使っての縄跳び、さつまいものつるでのリース作りに使っています。

・子どもの発達に応じて散歩先を、斜面のある公園、大型遊具のある公園を選び、運動能力の向上が図れる遊びを行っています。0歳児には、ハイハイができる子どもを対象に、階段やマットの山で斜面を作り、上り下りで運動能力を高める活動を取り入れています。

・毎月の給食会議で、具材の大きさや調理方法などを栄養士と話し合い、子どもたちに不人気の食材やメニューの見直しをしています。

・保護者は、保育参加の機会に子どもたちと一緒に給食を食べ、給食の味付けや量を確認しています。

・トイレットトレーニングは、尿意や便意を伝えられようになったり、一定時間排泄無く過ごせるようになったときに、保護者と話し合い、一人一人に合わせて無理のないように進めています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・保育理念は「共に生き、共に育ちあう」とし、「自分で気づき、考えて行動できる子ども」「他人への思いやりと感謝の気持ちを持てる子ども」「心も体も健康な子ども」の保育目標実現のため、「受け止めて、褒めて、認めて、励まして、しっかり抱き留めて」を保育方針として、職員の姿勢を具体的に示しながら、子どもの自主性、自立心を育てることを目指しています。

・入園面接時に生活状況書、健康調査表、児童票などを提出してもらい、生育歴や家庭での状況を把握して、職員会議で共有して保育に活かしています。

慣らし保育は、徐々に在園時間を延ばしていくことを勧め、個々に応じて柔軟に対応しています。登園初日と2日目は母子分離で午前のみ預かり、3日目は給食(授乳)を一緒にとってもらい、家庭でどのように与えているか見て、その後の保育に活かしています。

・0歳児は6名、1、2歳児は2名ずつ新入園児を迎えることができる定員になっています。4、5月は、園長、主任も保育に入り、できるだけ手厚く対応できるようにしています。

・進級時には、引き継ぎ記録をもとに引き継ぎを行って、複数担任の一人は必ず持ち上がり、2歳児が一人担任の3歳児クラスに進級するときは、一時的に担任を2人にしたり、年度末から時々3歳児の部屋で過ごしてトイレに慣れさせるなど、配慮しています。

・園舎はバリアフリーで、玄関にはスロープ、エレベーター、視覚障がい者誘導用ブロック、階段には手すりが備えてあります。

・各保育室は窓が大きく、テラスに面しているため、採光は十分で、24時間換気システムを稼働させるほか、窓を開けて換気しています。空気清浄機はありませんが、園舎内に風が通るようになっており、気になる臭いなどはありません。加湿器、床暖房を備えています。

・2階、3階の廊下に絵本コーナーがあり、異年齢で触れ合えるスペースとなっています。3、4歳児の保育室はパーティションを開けて一続きにし、誕生会など全園児で集まる場としています。

・入園後の子どもの成長発達記録は、保育日誌、保育経過記録に記録し、保育所児童保育要録につなげています。

・毎月の乳幼児会議、職員会議でケース会議を行い、子どもの情報や関係機関からの情報、外部研修で得た情報を職員会議で共有し、複数職員で検討して指導計画に反映しています。

・職員休憩室に、虐待の定義を掲示して、職員に周知しています。毎日子どもをよく観察して、疑わしい場合は写真を撮って記録を残し、虐待が明らかになった場合は、園長が鶴見区こども家庭支援課、横浜市中央児童相談所に通告し、設置法人にはその後報告することになっています。

・食物アレルギーのある子どもには、主治医のアレルギー疾患生活管理指導表の指示に基づき、除去食を提供しています。外部研修に参加してエピペンの使い方を学び、また、鶴見区役所からの「食物アレルギー誤食事故報告」をもとに園内で話し合い、確認しています。

・外国籍や、異なる文化をもつ子どもは、入園時に配慮すべきことを確認して受け入れています。日本語での意思疎通が困難な保護者には、漢字に読み仮名をふったり、通訳してもらえる人(他の保護者、保護者の知人、職員など)が対応して、意思疎通を図っています。

・子どもたちに、絵本などで、世界にはいろいろな国があり、肌の色や言語の異なる人達がいることを知らせています。

・苦情受付担当者は主任、解決責任者は園長であること、他園の園長と横浜市公共施設の副館長に第三者委員を委嘱し、氏名と肩書、連絡先を重要事項説明書に明示、また園内に掲示して保護者に周知しています。

・玄関に意見箱を設置し、クラスごとに懇談会、行事後にアンケートを実施して、保護者の意見・要望を聞くほか、話やすい雰囲気づくりにつとめ、相談室を備えていつでも対応できることを伝えています。

4 地域との交流・連携

・駒岡地域ケアプラザで行われる子育て支援イベントに参加して、手作りおもちゃなどで地域の親子と交流しています。

・原則として予約制で第2、第4火曜日に園庭を開放し、同年齢の園児と一緒に遊ぶ機会をもち、そこで育児相談を行っています。

・園長・主任が地域ケアプラザで行われる児童虐待防止連絡会に参加して、民生委員や町内会役員と話し合い、勉強会の機会をもっています。

・町内会に加入し、回覧板が回ってきます。園の運動会やクリスマスコンサートの情報を町内会や地域ケアプラザに掲示し、園の掲示板に給食だよりを掲示して、旬のレシピを紹介しています。

・設置法人のホームページに園の概要や育児相談受付などの情報を掲載し、外部Webサイトの保育園紹介に情報提供し、園の保育目標、施設概要、野菜栽培、園庭、園長メッセージが写真入りで掲載されています。

・見学者には、園の活動に支障がない限り、見学者の希望に合わせて日時を決めて、パンフレットを渡し、園長が園の方針や保育内容、延長保育料などを説明しています。子どもたちの活動の様子が分かる朝10時頃か午睡明け〜夕方の時間帯を勧めています。

・実習生の受け入れ時は、実習内容は園と学校で調整・連携し、学生の目標や希望を聞いて決めています。9月に実習生1名を11日間受け入れています。保育士養成校の先生と実習生受け入れについての意見交換会を、年1回行っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・今年度、中長期計画を策定し、「保育内容の充実」「地域に根差した保育」「保護者との共育」「職員研修の充実」「生きがいのある職場づくり」を掲げています。

・主任は指導計画作成時のチェックをしたり、実際に保育に入り、職員の業務上の指導、助言を行っています。また、職員の体調変化に気を配り、個人的な事情の相談にものって、半休や時間休対応をするなど、働きやすい環境づくりに努めています。

・人材確保が重要な課題であると認識し、実習生への丁寧な指導や保育士知人の紹介など積極的に行われています。

・学校法人聖ヶ丘学園の理事会で、子どもを取り巻く社会動向に沿うよう、運営面の新たなしくみを検討しています。H25年度は系列園と保育日誌などの書式の統一をしたり、H27年度から土曜日の保育時間を9時間から11時間に変更しています。また、今年度は、設置法人として人材育成のプランが必要との観点から、系列園とともにキャリアパスの作成をしました。

・第三者委員から意見を聞いたり、保育士育成校である設置法人の専門家の意見を聞いて、運営に活かしています。

6 職員の資質向上の促進

・鶴見区内の上末吉白百合保育園、駒岡保育園など、また系列保育園の見学をして職員間で話し合い、環境面の工夫で得たことを取り入れ、第三者委員、横浜市東部地域療育センターから、子どもや保護者への対応について、指導を受けています。

・年間・月間指導計画、週案、食育年間計画に、目標と自己評価を記入できるよう、書式を整え、月間指導計画は今月のねらいと、その評価の視点を関連付けて記載し、目的を明確化して自己評価を行っています。また、自己評価は、次期につながる課題を見つけて記述するよう努めています。

・保育日誌に子どものいろいろなエピソードを記録するようになっており、職員は、〜できてよかった、〜できた、という記述に終わらず、どのように取り組んだかを書くようにしています。

・毎年10月に職員一人一人が自己評価に取り組み、その内容から園長が園の自己評価として園のアピールポイントと改善点の抽出をして、園のホームページに公表しています。

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